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3月25日(日)-スワップ狙いのFX投資で早期リタイアは実現するか

つい先日、ワールドインベスターズの仲間との飲み会で「今度FXをやってみようかと思う」と言ったらビックリされた。
FX(外国為替証拠金取引)は、「貧者の味方」と言われるように小額からでも投資できるため多くの人がやっているし、HSBC香港でワラント投資などやっている私はFXをやっていて当たり前と思われたのだろう。
そんな私がFXに興味を持つようになったのは、昨年9月の香港・ギリシャ・ドイツ旅行の道中で読んだ「働かずに毎年1000万円稼げる 私の『FX(外国為替保証金取引)』超活用術(野村雅道著)」がきっかけだった。
しかも、このときはサントリーニ島のビーチにいて気分も高揚していたので、こんなことが実現できるなら私も帰国したらさっそくやってみるか、と思ったものだった。

しかし、現実はそんなに甘くなかった。
野村氏のように、仕事をやめてスワップ金利収入だけで食べていくためには、低いレバレッジ(2倍か3倍)でも十分なスワップ収入が期待できるほどの元金があり、かつ急激な円高に際しても余剰資金を投入できるだけの余力がなければならなかった。
そうかといって書店でたくさん売られている「FXのトレードで儲ける方法」など実践する気にもならなかった。
それで連戦連勝で儲けられるなら私は今までやっているワラント投資でとっくに大金を稼げているからだ。
そうこうしているうちに欧州経済危機から来るリーマンショック以来の円高の波が押し寄せ、FXのことなど忘却の彼方へいってしまった。

転機はあっさりと訪れた。
若林栄四氏が昨年6月に述べていた「2012年2月、円高は最終局面を迎える!?」が的中したからではない。
もちろん、それは私の外貨投資においてトレンドに変化は追い風になることは確かだが、野村氏のやっているような投資法を実践している人が私の身近にもいることがわかったからだ。
ここでは当人の名前を伏せさせてもらうが、ワールドインベスターズの仲間たちの意見を聞いた限りでは、低いレバレッジ(2倍か3倍)をかけた豪ドル(AUD)/円(JPY)のロング(買)のみでスワップ収入を得続けるといった投資法は、いわゆる「金持ちの投資」としては実現可能だという感触を得た。
ここでなぜスワップ派にAUD/JPYの通貨ペアが人気かというと、日本の短期金利(0.1%)が上がることは財政破綻によるハイパーインフレが来ない限り、ほとんどあり得ないことと、オーストラリアが資源国かつ財政的に安定した国であり政策金利が米ドル(USD)のように低下するリスクが低いからだ。(2006年4月22日-オーストラリア政府は累積債務解消へ

もちろん、私にとって野村氏の域に達するには資金面でのハードルが高すぎる。
そこで何とかならないかと思い、探して見つけたのが、パンローリング社から出ている「FXで究極の海外投資 為替変動に左右されない金利貯蓄型運用(結喜たろう著)」だった。
そこに書かれていたのは

  1. スワップ金利は毎日変化する。
  2. 円で投資している場合、ベース通貨(AUD/JPYとある場合のAUD)の対円レートが下がると(つまり円高になると)スワップポイントも下がる。
  3. スワップはベース通貨と円との関係で決まる。
  4. 外貨同士の通貨ペアの場合、その外貨同士の為替レートはスワップには影響しない。

このうち最初の3つはFX投資家ならほとんどの人が知っているだろうが、最後にある「外貨同士の通貨ペアの場合、その外貨同士の為替レートはスワップには影響しない。」ということを意外と知らない人が多い、と結喜氏は書いている。

ところで、結喜氏はスワップ狙いのFX投資家にとって重要なことを書いている。
言われてみるとそうかと思うのだが、投資家の常識に反することなので思いつかないのだろう。
つまり、スワップ狙いのFX投資においては、双方の通貨の金利差が十分にあり、かつ為替相場が凪いでいることが最良の状況であるという。
オプションやワラントの取引はもちろんこと、投資全般において相場が凪いでいて得することなどほとんどないだろう。
しかし、スワップ狙いの場合、目的は金利収入だけなので、相場が激しく動くことは強制ロスカットのリスクが高まるだけ(もちろん大儲けできる可能性もある)で、スワップ派本来の投資目的からすると何のメリットもない。

そこで、スワップ派の目的に最も適う通貨ペアは、USドルとドルペッグ制を採用している香港ドルということになる。(円高に影響されないペッグ制通貨-FX初心者の為の外国為替講座
ただ、双方の政策金利差が0.25%しかない(参考:世界金利表)ため、満足のいくスワップを得るためには高いレバレッジをかける必要があり、しかも一時的にロング(買)、ショート(売)ともにスワップ金利がマイナスになるという大きなリスクがある。
この米ドル(USD)/香港ドル(HKD)の通貨ペア、スワップ派にはローリスクな投資法として人気があったようだが、私としては安定したスワップ収入が見込めないのであれば投資を避けたい。
ちなみに、この投資法を実践したい場合、2011年8月以降、日本ではFXのレバレッジの倍率が25倍以下に規制されてしまっているので、そういった意味でも投資妙味はなさそうだ。
余談になるが、政府がFXのレバレッジを規制したのは、表向きの投資家保護という美名の裏で、ピーター・タスカが言うように官僚の屈折した心情が浮き出ているような気もした。(Newsweek Japan 2004.3.31 PDF - 日本の景気回復を望まない人々

一方、結喜氏が提唱するのは、豪ドル(AUD)/円(JPY)のロング(買)と、加ドル(CAD)/円(JPY)のショート(売)、又は英ポンド(GBP)/円(JPY)のショート(売)の組み合わせで為替相場の激変リスクにヘッジをかけ、スワップの差額を安定的に得ようというものである。
つまり、スワップ目的の投資であるがゆえに、似たような値動きをする通貨ペアのロング(買)とショート(売)を組み合わせて、最悪のケース、つまり中国経済不安の顕在化によって急激な円高外貨安となり、ロングポジションが強制ロスカットされるリスクを極力減らそうということだ。
ちなみに、今日現在の外為オンラインにおけるスワップポイントは、AUD/JPYの買が107円、CAD/JPYの売が-28円、GBP/JPYの売が-20円、スワップ派の場合、通貨ペアの為替の変動は気にしないというスタンスなので、この差額が利益ということになる。

ところで、ギリシャの次と言われる日本の実質的な財政破綻が懸念される昨今、結喜氏の提唱する通貨ペア(CAD/JPY、GBP/JPY)によるリスクヘッジは、円安局面が続くと逆に利益の出ているAUD/JPYの足を引っ張ることになりかねない。
そこで、私は昨年の欧州経済危機の局面で、円と同じように高値を付けたスイスフラン(CHF)に着目してみた。
OANDAの為替レート履歴で、世界株高時代の2007年1月1日から2012年2月29日(先月末)までのAUD/JPYとAUD/CHFを比較してみると、かなりの相似形だが、外為オンラインで取引すると売のスワップは-115円と話にならない。
一方、CAD/CHFやGBP/CHFを見ると、やはり欧州経済危機後のスイスフランの強さが際立っていて、今からスイスフラン買を入れるとリスクヘッジの効果がほとんどないような気もする。

私としては懸念される日本のX-DAYのことも考えると、中国経済不安の顕在化による豪ドル安のリスクヘッジは、円買いよりもスイスフラン買いの方がいいように思えるが、この場合、マイナスのスワップを考えると、CAD/CHFやGBP/CHFの通貨ペアで売をすることになろうか。
それに加えて、小額の投資であれば、NAFTA(North American Free Trade Agreement=北米自由貿易協定)に属する米ドル(USD)/メキシコペソ(MXN)のショート(売)(スワップは+12.8米ドル)を組み入れるのも面白いだろう。
これらを自由に組み合わせるためには、トレーディング・ポイント社(スワップポイント/Swap Value in Pointsは、取引条件のスプレッドのページからリンクしているPDFファイルで確認できる)のような海外のFX業者の方が便利そうだ。(参考:香港マイタン日記-キプロス紀行 FX会社『トレーディングポイント社』訪問
もっとも、FX会社、特に海外のものは会社が破綻した場合の信託保全(証拠金の分別管理)が不安要素の一つであるが、こればかりは多額の資金を一箇所に預けない、あるいは大規模な業者を使うなどの策を講じるしか手がない。

いずれにせよ、私はFXに関しては取引も勉強も始めたばかりなので、各社のデモ口座でのシミュレーションを重ねながら、小額の投資をしていこうと思っている。
これで結喜氏の理論が自分自身で実践可能だとわかったとき、まとまった小遣いが稼げるレベルの投資に格上げし、9年前に書いた「金持ち父さんへの道(The journey to financial freedom)」の続編を出すことになるだろう。
私は今、どうしたら早期リタイアへのロードマップを実現できるか考えるだけで高揚感が溢れてくる。
早期リタイアへ至るには乗り越えないといけないハードルがたくさんあるが、それを乗り越えたとき、私は水が滾々と湧き出る新たな泉を見つけることができるだろう。

私は今回「スワップ狙いのFX投資で早期リタイアは実現するか」という表題を付けたが、今後数年以内には60歳でも早期リタイア(もしかすると熟年就職難民かもしれないが)と言われる時代が来る。
そのときになって家計の資金繰りに頭を抱えても遅いのだ。
野田政権が先送りした年金支給開始年齢の68歳への引き上げと、近い将来予想される支給額の切り下げが現実化すれば、老後の生計を年金だけに頼ろうとする現役世代の人たちは文字通り死ぬまで働くことになる。
まさに終身雇用ではなく、終身労働である。
そして、円高とデフレでようやく維持できている庶民の生活は、ギリシャの次と言われる日本の実質的な財政破綻によって、超円安と悪性インフレが来れば壊滅することは間違いないのだ。

「『ひきこもり国家』日本-なぜ日本はグローバル化の波に乗り遅れたのか」を書いた高城剛氏はこう言う。
「僕は、成功への確率が変動になった状態のことを”カクヘン(確率変動)モード”に突入したと言っている。パチンコやパチスロのそれと同じ、当たりの確率が大きくなった状態ということだ。気づいた国・個人だけがカクヘンモードに突入し、当たりを引いている。その中で日本は未だにカクヘンモードに入っておらず、しかもそんな仕様があるとも知らずに、ぼーっとしながら玉を呑まれ続けている。」
「グローバル社会となり、カクヘンモードが発動された今、僕らは新しい時代を切り拓いていかなければならない。」と・・・
そう、9年前に私はこうも言った。
「1997年11月24日の山一倒産で終身雇用本線年金暮らし行きの列車は脱線する可能性があることがわかり、最近では終着駅にある年金の泉も枯れそうだとわかっていながらそれに乗り、まして満員の特急目指して立ち席覚悟で切符を買うのは馬鹿げているのだ。」と・・・


3月13日(火)-デルタスカイマイルシティゴールドVISAカード

昨日、私の持っている「デルタスカイマイルシティクラシックVISAカード」が一律にシティゴールドVISAカードにアップグレードされるというお知らせが届いた。
現在、私がこのカードを持っている理由は、昨年2月までデルタ航空のマイレージプログラムであるスカイマイルには有効期限があり、期限切れを防ぐために、提携カードの引き落としでマイルを加算すると、実質的にマイルの有効期限を無期限に延長できたからだ。
そのための年会費として10,500円(税込み)は少々高い気もしたが、それなりに特典旅行を楽しめたので、元は取れたであろう。
ところが、今度のゴールドカード、ステータスが上がるのはいいが、年会費が18,900円と私にしてみればかなりの負担増になる。
会社側都合ということで、2013年12月までは年会費据え置きとなるが、マイルの還元率が1.3倍になっても特典旅行に必要なマイル数の基準が改悪されたため、あまり魅力を感じなくなった。(2011年2月27日-デルタ航空の特典航空券発券要件の改悪

また、3月16日から空港ラウンジの利用に関しては範囲が拡大され、世界50ヵ所以上にあるデルタスカイクラブが年3回まで無料で利用できるようになったとあるが、アジア太平洋地区は東京とマニラだけが対象なので、使い勝手は今ひとつである。
せめて、スカイクラブのメンバーレベルまで利用範囲が広がれば利用価値もあるが、アメリカ方面へ旅行する機会が少ない私にとってはそれほど魅力的には映らない。
とりあえず、あと2年弱は今のカードを保持しようと思うが、年会費が上がる2014年1月以降は今のままいけばマイル加算のないシティエリートカードなどにダウングレードすることになろうか。
いずれにせよ実質的に成田と羽田しかラウンジが使えないのであれば、これで十分である。
ここ2年、超円高の中で海外旅行も十分に楽しめたが、今後の為替のトレンドが円安になれば、そう無闇に出かけることもないであろう。
それよりもウェブサイトを立ち上げたときにプロフィールに書いた目標である「50歳くらいでリタイア、あとは南の島でのんびりと・・・」に向けてそろそろ真剣に考えようと思う。


3月10日(土)-東日本大震災から1年

「るるぶ福島'10」と「JTB時刻表 2011年3月12日ダイヤ改正号」、この2冊の本が自宅の本棚に眠っている。
昨年の夏に福島へ行こうと思って買ったものだが、ちょうど1年前に起きた東日本大震災によって、私にとっては歴史的遺産の一つになろうとしている。
この震災が津波の被害だけであればどれだけ救われただろう。
確かに津波だけでも多くの死傷者や家屋の倒壊はあっただろうが、日本人が一体となって復興に取り組み、世界に冠たる奇跡の復活を演じたに違いない。

るるぶ福島 JTB時刻表-2011年3月12日改正号

ところが、東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故によって、福島県内の多くの地域が今の科学の力では回復が困難な状況に陥ってしまった。
過去に起こったことを蒸し返しても仕方がないと思いつつもあらためて思うのが政治の貧困であり、体制側にいるエスタブリッシュメントたちの醜いまでの絆だ。
昨年12月12日、日本漢字能力検定協会が2011年の世相を表す漢字として、最も応募数の多かった漢字が「絆(きずな)」だったと発表したが、東北の被災地での助け合いの美しさとは裏腹に、東京ではシロアリたちが蠢いている。

昨年12月7日、ニューヨークタイムズ(New York Times)はJapan Split on Hope for Vast Radiation Cleanup(日本語訳:日本は大規模な除染計画への希望について二分されている)という記事を配信した。
この記事によれば、除染は日本の復興のシンボルである一方で、これが日本の最大の「ホワイト・エレファント」(無用の長物)公共事業になり得るという。
被災地の復興という美名の影で、放射能汚染された地域が除染によって再度居住可能になり得るのか、死ぬまでに帰還したいという人の声を大々的に報じているメディアは、そこに商店や病院、学校といったインフラが復活するのかということを検証しているのだろうか。
いくら高齢者が生まれ育った地域で死にたい、と言っても彼らを支える医師たちは福島から逃げ出しているではないか。
それに、根本的な問題として現場で除染に関わっている人たちは被爆しても構わないのだろうか。
国内の企業が超円高と日本市場の将来性を悲観して海外への移転を加速させる中、被災地で職を与えてやっているのだからありがたいと思え、ということなのだろうか。

私は、福島県一帯を除染するといったことよりも、放射能汚染された地域の人たちを安全なところに国費で移住させ、そこで生活を営めるように支援するのが政府の役割だと思っている。
それができないのは東京のシロアリたちが責任を問われたくないと策謀しているからだ。
私が思うに、霞ヶ関にも元経済産業省の古賀茂明氏や、厚生労働省の木村盛世氏村重直子氏(「さらば厚労省-それでもあなたは役人に生命を預けますか?」の著者)のような良心的な官僚はたくさんいるだろう。
彼らの声が届かないのは、なぜか。
厚労省と新型インフルエンザ」という本のP36(悪質ないじめをする病んだ組織)で木村盛世氏はこう書いている。
「国会(平成21年5月28日の参議院予算委員会)が終わった後の午後、(厚生労働省の)医系技官たちは重要な指令を受けて霞ヶ関合同庁舎五号館を飛び出しました。場所はネットカフェです。やることは2チャンネルに『木村盛世』の悪口を書き込むことです。私は、国会中継の翌日の夜、テレビでの出演が決まっていたのでテレビ局に出かけました。その際、ディレクターやレポーターの方たちが2チャンネルの書き込みについてどのような状況だったかを教えてくれました。(後略)」
もはや、これ以上読む必要はなかった。

厚生労働省は「お役所の掟」を書いた故宮本政於氏が在職していたときから10年近くたっても何も変わっていないばかりか、さらに悪化しているのだ。
当然ながら除染を所管する環境省や他の省庁も多かれ少なかれ同じであろう。
シロアリたちにとっては国民のことより、自分たちの権益を揺るがすホイッスル・ブロワー(whistle-blower:良心的内部告発者)を潰すことの方が優先課題なのだ。
3月7日付の日刊ゲンダイで新党日本代表の田中康夫氏がコラムを書いている。
「東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。」
もう多くは語るまい。
先月2月4日、私は「海外への資産逃避(capital flight)は加速するのか」というコラムを書いた。
私は自らの夢の実現に向けて、まずは資産の疎開を加速するつもりだ。

【田中康夫 にっぽん改国】
笑止千万!「みんなの力で瓦礫処理」
(2012.3.7 日刊ゲンダイ)
「みんなの力で、がれき処理災害廃棄物の広域処理をすすめよう 環境省」
数千万円の税金を投じた政府広報が6日付「朝日新聞」に出稿されました。
それも見開き2面を丸々用いたカラー全面広告です。

“笑止千万”です。
何故って、環境省発表の阪神・淡路大震災の瓦礫は2000万トン。
東日本大震災は2300万トン。
即ち岩手・宮城・福島3県に及ぶ後者は、被災面積当たりの瓦礫(がれき)分量は相対的に少ないのです。

「静岡や大阪等の遠隔地が受け入れるべきは『フクシマ』から移住を望む被災者。
岩手や宮城から公金投入で運送費とCO2を拡散し、瓦礫を遠隔地へ運ぶのは利権に他ならず。
良い意味での地産地消で高台造成に用いるべき。
高濃度汚染地帯の瓦礫&土壌は『フクシマ』原発周囲を永久処分場とすべき」

「『広域処理』なる一億総懺悔・大政翼賛の『絆』を国民に強要する面々こそ、地元首長の発言を虚心坦懐に傾聴せよ!」
ツイッターで数日前に連続投稿した僕は、その中で戸羽太・陸前高田市長、伊達勝身・岩泉町長、両名の“慧眼”発言も紹介しました。

「現行の処理場のキャパシティーを考えれば、全ての瓦礫が片付くまでに3年は掛かる。
そこで陸前高田市内に瓦礫処理専門のプラントを作れば、自分達の判断で今の何倍ものスピードで処理が出来る。
国と県に相談したら、門前払いで断られました」

「現場からは納得出来ない事が多々有る。無理して早く片付けなくてはいけないんだろうか。山にしておいて10年、20年掛けて片付けた方が地元に金が落ち、雇用も発生する。元々、使ってない土地が一杯あり、処理されなくても困らないのに、税金を青天井に使って全国に運び出す必要がどこに有るのか?」

阪神・淡路大震災以前から、産業廃棄物も一般廃棄物も「持ち出さない・持ち込ませない」の域内処理を自治体に行政指導してきた政府は何故、豹変したのでしょう?
因(ちな)みに東京都に搬入予定の瓦礫処理を受け入れる元請け企業は、東京電力が95.5%の株式を保有する東京臨海リサイクルパワーです。
仙谷由人氏と共に東電から献金を受け(朝日新聞1面既報)、父君が北関東の産廃業界で重鎮の枝野幸男氏、同じく東電が重用する細野豪志氏に「李下に冠を正さず」の警句を捧げねば、と僕が慨嘆する所以です。

3月4日(日)-2012年バンコク・スワンナプーム国際空港(Suvarnabhumi Airport)最新事情

Bangkok Suvarnabhumi International Airport最近になってバンコクのスワンナプーム国際空港(Bangkok Suvarnabhumi International Airport)の出国審査場は常に長い行列ができている。
特にそれを感じたのは今回のタイ旅行だ。
2011年7月のタイ旅行のときのバンコク、そして年末年始のアジア縦断旅行のときのプーケットも出国審査場は混雑していたが、このときは時間帯や季節的な混雑かと楽観していた。
しかし、今回の場合、私の出国した午前中はもちろんのこと、夜半になって出国した達也さんも「うんざりするほど混んでいた」というほどで、今後、バンコクのスワンナプーム国際空港は慢性的に混雑するだろう、ということをひしひしと感じた。

なぜかと言えば、出国審査場で垣間見えるパスポートや会話の内容、風体から想像するに、中国本土、インド、ロシア、中東系と数年前までは少数派だったと思われる旅行者が大挙してタイに来ているからだ。
日本人はご存知の通り、タイの観光ビザの取得を免除(Tourist Visa Exemption)されているが、その中にUAEなどの富裕な中東諸国が入っているのに加え、15日間滞在可能なアライバルビザ(Visa on Arrival)が取得できる国々に中国、インドとロシアが入っているのだ。
観光ビザの事前取得が不要だということが、いかに旅行のハードルを下げるかは、個人旅行者なら身にしみて感じている人も多いことだろう。

ところで、私は香港に関しては「香港国際空港フリークエント・ビジター・カード(香港國際機場訪港常客證/Hong Kong International Airport Frequent Visitor Card)」を持っていて、出入国審査に関してはファースト・トラック(Fast Track)を使うことができるのだが、実のところ出国審査はこのカードを使う必要がないほどすいている。
しかし、バンコクは入国審査もかなりの行列ができるが、ここ最近の傾向として、出国審査の方がうんざりするほど待たされる。
正直言って、フリークエント・ビジター・カードは香港よりも、バンコクの方が欲しいくらいだと思う。

そこで、友人がHISバンコクのファースト・トラック・サービスがあったというので調べてみると、1,500バーツ(約4,000円)で提供されている。
これを使うと出国審査場でうんざりするほど並ぶ必要がなく、スムーズに手続きできるそうだが、出国手続きをスムーズにするためだけにホテル1泊分の費用を払うというのは何となくコストパフォーマンスが悪そうだ。
もっとも以前のファースト・トラック・クーポンは安価だったようだが、2011年11月3日にプレミアムレーン(Premium Lane)と名前が変わってから旅行会社やネットオークションで販売されていたクーポンが使えなくなり、それが一般レーンの混雑に拍車をかけているような気がする。
そもそも、出入国審査場の混雑をなくすために、タイ政府と空港公社(AOT=Airports of Thailand Public Company Ltd.)(株価:AOT:TB)が審査場のキャパシティを広げればいいだけのことなのだが、こうした改善策は遅々として進まないのだろう。
空港公社の株価は上昇基調にあるのだから少しは利用者に還元してもらいたいと思うのは私だけではあるまい。

また、こちらは今回偶然見つけたのだが、コンコースGのところにLouis' Tavern Dayroom & CIP Loungesというトランジットホテルがある。
バンコクナビの記事によれば、利用料金はかなり割高のようで、トランジットエリアに置かれているソファで寝られるならば、わざわざ使う必要がないようだが、貴重品の盗難が心配な人は安心料として払うといいだろう。
もっとも、ここは深夜到着、早朝発の乗り継ぎのとき以外は、料金が高すぎるのでバンコクの格安ホテルを利用した方がいい。
ただ唯一、出入国審査で取られる2時間余りの時間を考えると、時間を金で買うという割り切り方もできるのかと思う。

最後に、空港からのアクセスで、バンコク都内へ向かう空港バス「エアポートエクスプレス」が2011年5月末で廃止されていたようだ。(2011年6月2日 newsclip.be-バンコク空港、5月末で空港バス廃止
2011年3月のタイ旅行のときに、バス乗り場が少しわかりづらくなり、乗客も相当少なくなっていたのと、タクシーなど見向きもしそうもなかった白人バックパッカーがタクシー乗り場に列を作っているのを見て、おかしいとは思っていたが、とうとう廃止の憂き目にあったようだ。
さて、今後はどうするか。
Airport Rail Linkを使うか、あるいは最初からタクシーを使って楽をするか。
電車を使うと、パヤタイ(Phyathai)で混雑したBTSに乗り換えるか、マッカサン(Makkasan)で下りてタクシーやMRTに(ペッチャブリー=Phetchaburiで)乗ることになるのだが、荷物が大きいと結構面倒くさい。
しかもタクシーはマッカサン駅ではなかなか捉まらないし、逆にホテルから駅に向かうときはドライバーの空港直行セールストークに悩まされる。
こうなると、今後のホテルのロケーションも考えないといけないだろう。
ちなみに、こうして悩むのは1人旅の場合であって、2人以上の場合は空港の往復はタクシーの方が断然得だ。

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