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11月28日(月)-グループ旅行で泊まってみたい台北のコンドミニアム

ロングステイフェア2016昨日のコラムで私が参加したロングステイフェア2016の講座の一つに「台湾ロングステイ情報(仁美国際株式会社)」があったことを書いた。
そこで紹介されていたコンドミニアムホテルは、ハワードプラザホテル(福華大飯店/Howard Serviced Suites)(地址:台北市中山區長春路343號 電話:02-2718-7323)、公式サイトには宿泊代は「要問い合わせ」になっているので明確にわからないが、楽天トラベルの宿泊プランを見ると、1人や2人で泊まるには割高な感じであるが、デラックススイート(2ルーム、1リビング、オープンスタイルのキッチン付)に4人で泊まれば、1室5,500元(約2万円)なので、1人当たり5千円程度とかなりお得感が出ると思う。

しかも、私も何回か経験があるが、旅仲間同士のグループ旅行は非常に楽しい。
台湾という日本から近い国であることも考えれば、遠方同士の人を集めてやるようなオフ会ならば、日本で開催するより、台北で開催した方が不公平感があまりなく、やりやすいかもしれない。
このときの講座は台北のロングステイ(2週間以上の滞在)と銘打ったものであったが、私はどちらかというと、このコンドミニアムはグループ旅行向きであるように感じた。
もし、台湾のロングステイをお考えであれば、JTBの日本企業グローバルビジネスサポート部門(LAPITA)から2017年2月と3月に「台湾ロングステイ視察ツアー」が出るようなので申し込みをされたらいかがだろうか。


11月27日(日)-タイのロングステイビザ取得基準改定?富裕層向けに10年有効のビザ

昨日、東京ビッグサイトで行われたロングステイフェア2016に行ってみた。
この手のイベントに参加するのは2年ぶりのことだが、私が出席したのは「ロングステイ中の万が一に備える(海外邦人安全協会理事・福永佳津子氏)」、「台湾ロングステイ情報(仁美国際株式会社)」、「海外移住&海外投資時に有利な国際税務戦略(税理士法人ネイチャー国際資産税)」、そして、「タイ・ロングステイの魅力(タイ王国観光局)」の4つだ。
この中で最も多くの聴講者がいたのは、最後のタイのロングステイ講座で、ほかのブースが熟年夫婦が多かったのに対し、ここは単身で来ている男性が多いように感じた。
まあ、タイの何に期待しているのかよくわかるような気がするが、最初の福永佳津子氏の講座で「現地の女に気をつけろ」というのに直結するだろうか。

さて、タイのロングステイ講座でのトピックの一つは、表題にあるように「富裕層向け10年有効のビザ」だった。
まだ閣議決定の段階だから法案が可決したわけではないのだが、在東京の政府観光局のトップは、ほぼ決定事項として伝えていた。
オンラインメディアでも、例えば、バンコクポスト(Bangkok Post)は、2016年11月22日付で「10-year visa for senior tourists(熟年旅行者のための10年有効のビザ)」という記事を掲載しているし、日本語版でもパタヤのロングステイ関連のコラムで「タイのロングステイビザが10年に延長」という記事がある。
ここで非常に気になったのが、オンライン記事でもロングステイ講座で配られた英文リーフレットでも、どう読んでも現行の1年有効のリタイメントビザを10年に変更し、取得条件が厳しくなるとしか思えないのだが、出席者との質疑応答で、説明に立ったタイ政府観光局の責任者は、1年有効のロングステイビザも引き続き残る旨の回答をしたことだ。
もっとも、日本語とタイ語の通訳(タイ人)が間に入ったので、質問が違ったニュアンスで伝わった可能性が大いにあるが、質問者も何回も重ねて念押ししていたところを見ると、英文リーフレットの「Differences between previous and current longstay visa(従前と現行のロングステイビザの違い)」という表題が気になっていたからだろう。

仮に、メディア報道などの方が正しければ、現在タイにいる日本人ロングステイヤーの多くは、将来的にその資格を失うことになりかねない。
なぜなら、新しい10年ビザの要件は、50歳以上で、タイ国内の銀行に300万バーツ(約950万円)以上の預金をするか、月額10万バーツ(約32万円)以上の収入があることが求められているからだ。
現行は、50歳以上で、80万バーツ(約260万円)以上の銀行預金か、月額65,000バーツ(約21万円)以上の収入でOKだ。(在東京タイ王国大使館-ノンイミグラント-O-Aビザ
このような情勢の中、私が昨年11月のタイ・香港旅行の途上で、月例会(夕食会)に参加したバンコクロングステイ日本人倶楽部が2016年12月11日(日曜日)の忘年会をもって解散することを決定したそうだ。(友人の達也さん曰く、分科会の一つである「蒸し風呂の会」だけは存続の予定らしい)
月例会参加者減少の理由の一つは、「タイの物価上昇等で経済的にロングステイするメリットが薄れて、退職後のステイヤーが減っていること」と分析されている。
おそらく、この流れは今後も加速することだろう。
なぜなら、仮に1年ビザが残ったところで、老齢年金だけで月額65,000バーツ(約21万円)以上の基準を満たせる日本人が減り続けると思われるからだ。(参考:2016年2月29日-これからの海外ロングステイヤーは外貨資産保有が必須か

ロングステイフェア2016 ロングステイフェア2016

11月23日(祝)-2016年のふるさと納税第二弾は佐賀牛と静岡茶

今年のふるさと納税第二弾は、佐賀県小城市から「贅沢特盛!「佐賀牛」切落とし(700g)(JA佐賀肉牛農場証明書)」と、静岡県牧之原市から「静岡茶農家仕込み『荒茶づくり』たっぷり1㎏セット」の二点をもらうことにした。
私にとってはもはや年中行事の一環なのだが、2013年にこれを始めた頃に比べて格段に発送が早くなったような気がする。
山陰旅行(廃止目前の三江線に乗る山陰の旅)から帰京した後の11月7日に申し込んだので、正月に間に合えばいいかなと鷹揚に構えていたら、先週末には二つとも届いて結構驚いたものだ。

実際のところ、自治体ごとに温度差があるようだが、専用のポータルサイトを作ったり、専門の部署を設置したりして、民間会社で言えば営業本部のようにやっているところも多い。
特産品のブランドが付いているところは別として、これによって税収に格差が生じるのであれば、いくら役所といえども真剣にやらざるを得ないのだろう。
いろいろな功罪が指摘されているふるさと納税だが、やれば成果に結びつくことを公務員が実感できるのであれば、それは紛れもなく、この制度のおかげと言えるだろう。
ところで、ふるさと納税のお礼品を定期的に送ってくれる自治体があるのをご存じだろうか。
ふるさとチョイスのサイトには「お礼品定期便」をやってくれる自治体の特集ページがある。
高額納税者の方は一つ検討してみてはいかがだろうか。

小城市ふるさと納税お礼品 牧之原市ふるさと納税お礼品
贅沢特盛!「佐賀牛」切落とし(700g) 静岡茶農家仕込み「荒茶づくり」たっぷり1㎏セット

11月22日(火)-REIT(不動産投資信託)の宴は終焉間近か

私のコラムの中で最も多くの訪問者数を誇る記事に、2012年4月22日に掲載した「500万円の投資で毎月10万円、年率20%の分配金で束の間の宴を楽しもう」というものがある。
このとき私が投資した海外REIT型投信がダイワ米国リート・ファンドで、2012年6月に投資した元本とほぼ同額の税込分配金を貰い終えるのが、現在の水準が維持されると仮定すれば、2017年2月となる予定だ。
しかも、アベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)が花開いた2013年から2015年までは、これだけの高利率の分配金を出しておきながら含み益まで出ていたお化けファンドだった。
そう、おかげさまで「3~4年で終わるかもしれなかった束の間の宴」は5年間にも及ぶロングランになったわけだ。

ところが、米国の利上げが囁かれ始めた頃からRIET指数(Dow Jones Equity REIT INDEX)は下落に転じ、ついに、日本の代表的REITファンドである「フィデリティ・USリート・ファンド」(為替ヘッジなし)の分配金率が、2016年11月(今月)から引き下げられることが報じられた。
おそらく、私の保有しているファンドも同様の運命を辿るのは時間の問題だろう。
「海外REIT型投信は利回りを重視する高齢者などに根強い人気がある。」
毎月分配型投信に関しては、いくら証券会社のカウンターでタコ足分配のリスクがあることを説明されようが(説明されたことを理解できない人も多いと思うが)、老齢年金だけでは快適な生活が営めない現実の前には無力なのだ。(2014年4月6日-公的(老齢)年金受給額試算でわかる厳しい老後の現実
もちろん、私も彼らと同じ渦中にいるようなものだから、来年以降の投資に関してはリバランスを含めてどうするか真剣に考えないといけない。
今週発売された日経ヴェリタス(2016年11月20日~11月26日号)には、「REITから外債ファンドへ」という記事が掲載されていた。
日興リサーチセンターによると、11月は為替ヘッジ付きの外債ファンドに185億円が流入したそうだ。
米国の利上げが現実化するに従って、こういった流れは加速するのだろうか。

海外REIT型投信、減配の波 個人マネー流出危惧
(2016.11.21 日経新聞)
海外の不動産投資信託(REIT)で運用する投信で、分配金を相次ぎ引き下げる「減配ドミノ」が起きている。
11月15日にはフィデリティ投信が最大の公募投信「USリート」を減配すると発表した。
米国のREIT市況が停滞するなか、過度な分配金で元本を取り崩す現在の状況を見直す。
他の投信にも同様の動きが広がる可能性は大きく、個人マネーの流出を危惧する声が広がっている。

フィデリティは11月から「フィデリティ・USリート・ファンド」(為替ヘッジなし)の分配金を従来の100円から70円に引き下げる。
引き下げはほぼ4年ぶりだ。
70円の分配金を続けた場合、現在の基準価格なら分配金利回りは20%程度に下がる見通しだ。

投信が支払う分配金は2種類ある。
運用で得た収益を分配する普通分配金と、投資家が払い込んだ元本を払い出す特別分配金だ。
運用が不振でも高水準の分配を続けるなら特別分配金を充てるしかないが、元本を支払うと基準価格が下落する。
同ファンドの基準価格は今年に入り3割近く下落しており、実態に見合った分配方針に転換する。

投信を販売する証券会社では警戒ムードが広がる。
「来週が怖い」。フィデリティの発表翌日、大手証券の営業担当者はこんな不安を口にした。
分配金が口座に振り込まれるのは21日だ。「異変に気づいた顧客から問い合わせが殺到しそうだ」と身がまえる。

海外REIT型投信は利回りを重視する高齢者などに根強い人気がある。
特に2月の日銀のマイナス金利導入から資金流入が加速し同タイプの投信には1~10月で2兆円強の資金が流れ込んだ。
純資産残高は8兆円を突破し、今や公募投信全体のほぼ1割を占める。

しかし実態は苦しい。
米REIT指数(S&Pグローバル算出、ドル建て)は2009年から一貫して上昇してきたが、今年半ばに下落に転じた。
米長期金利の上昇も不動産市況には逆風だ。

既に分配金を引き下げた海外REIT型投信は多い。
今年は10月までに22本が減らした。
ただ、純資産残高が1兆円を超える大型投信の減配はフィデリティが初めてだ。

国内では他に2本の1兆円ファンドがある。
いずれも分配金利回りは2割を超え、基準価格の下落に歯止めがかからない。
運用会社は「(分配金は)基準価格の水準などを基に毎月、適切に判断する」(日興アセットマネジメント)と説明するが、「追随するのは時間の問題」(ネット証券大手)との声は多い。

証券業界には苦い記憶がある。
かつて一世を風靡した「グローバル・ソブリン・オープン」は2009年の分配金引き下げを契機に資金が流出した。
2008年には6兆円近い資産残高があったが現在は約6500億円にとどまる。
USリートの決断もマネーの流れを変える転換点になるかもしれない。(井川遼、川上穣)

11月21日(月)-2016年ココファームワイン収穫祭に行ってきた

昨日、友人の剛さん繋がりのメンバー約20名で、障害者施設「こころみ学園」のワイン醸造場で開催されたココ・ファーム・ワイナリー第33回収穫祭に行ってきた。
私にしてみれば、関東近県のワイナリーといえば山梨県しか思い浮かばないのだが、栃木県足利市にもこのようなところがあったとは驚きだった。
現地での場所取りの都合上、朝8時に新宿駅出発(9時に西川口駅でも可)となったので、前夜も飲み会になってしまった私は、駒込にあるカプセル&サウナロスコに前泊して当日に備えた。
今回のメンバーで私が知っていたのは幹事の剛さんと、何回か飲み会でご一緒したきよみさんだけだった。
聞くところによると、ほかのメンバーの一部はフェイスブックの旅人コミュニティ「海外旅行好きサークルwith国際交流」で繋がった方ということだった。

そして、当日、前日と打って変わって好天に恵まれたおかげで、現地に到着したときはたくさんの人で溢れかえっていた。
総勢20名のグループは、ワインボトルを受け取っている最中に2~3組に別れてしまい、私がいたグループは、急斜面に足を踏ん張ってパーティをしなければならなかった。
斜面の角度はスキー場の中級レベルくらいの角度があり、少しでも油断すると一気に下まで転げ落ちるリスクがあったので、おつまみを受け渡すのにも神経を使わないといけなかった。
ワイングラスは、首から下げた袋に入れると安定するようになっていて、変なところで感心してしまった。
パーティの途中で、他のグループメンバーは傾斜のないところでパーティをしていると連絡があって、そちらに移動することができたのだが、最近ではこうした地方のイベントでも、SNSなどの影響で人が溢れるようになっていることがあらためてわかったような気がした。

2016年ココファームワイン収穫祭 2016年ココファームワイン収穫祭 2016年ココファームワイン収穫祭

11月14日(月)-意外と安くて便利な日本橋問屋街のホテル奉仕会館

2016年9月2日から2泊3日で出かけた「大学卒業旅行30周年記念-山形の旅」(実のところ、この旅行のルートは大人の休日倶楽部パスを使った旅行に適してるが)、私はその前夜(9月1日)に泊まるところを東京駅周辺で探していた。
2日の朝の東京発の列車が、上越新幹線の「Maxとき305号」(東京 7:48-9:59 新潟)だったことに加え、1日に有志の飲み会が入っていたからだ。
無理して自宅に帰っても良かったのだが、終電で乗り過ごしたりしたら、すべての予定が狂うので、ホテルに泊まろうと思ったのだ。
こうしたオフ会が終電にまで及びそうなときは、タクシーを使って帰るよりも安価なホテルに泊まった方が楽なので、私は時々そうすることがある。
今までコラムにした例としては、「品川プリンス泊まってタイスキオフ(2009年8月17日)」、「和室が嬉しい渋谷のホテル福田屋(2011年2月25日)」、「新宿のホテルで1泊4,000円の損得勘定(2013年11月14日)」、「人生初のカプセルホテル体験(2014年2月26日)」、「常磐線沿線は首都圏格安ホテルの穴場か(2015年7月19日)」といった感じで、海外旅行時の前泊に使うところとして、「東京発早朝LCC利用のハブになり得る大江戸温泉物語(2014年10月4日)」といった記事を掲載した。

これらのことは、過去2回にわたる電車の乗り過ごしによるインターネットカフェでの宿泊を反省してのことであるが(2008年6月22日-ネットカフェでお泊り 2010年12月5日-ネットカフェでお泊り...again)、このたび、東京ホテルステイのラインナップに加わったのは、日本橋問屋街にあるホテル奉仕会館だ。
このホテルを宿泊の2日前(8月30日)に楽天トラベルで予約した金額は4,900円、割安なホテルがほとんどなくなっていた中で、東京駅から総武線でわずか2駅のところでこの値段なら十分かと思った。
しかも、本棚にはマンガや、英語の観光案内があるところを見ると、国籍を問わず、長期滞在の人がいそうな雰囲気があった。
私は旅の前泊地として使ったのだが、大浴場(!?)があるので、地方から東京に観光しに来た人も泊まるといいかもしれない。
ちなみに、このホテルは、私がいつもお世話になっているあらっきーさんが主催するLovers Kitchenのイベント会場の近く、次回のイベントの際はここに泊まろうかな。(笑)
もっとも、最近ではAirbnb(エアビーアンドビー)で取った方が、安くて良い部屋に泊まれるという話もあるが、いかがなものだろうか。

奉仕会館 奉仕会館
奉仕会館 奉仕会館

11月13日(日)-残り1年4か月余り、廃止目前のJR三江線を楽しむためのアドバイス

今月の初め、私は「廃止目前の三江線に乗る山陰の旅」と銘打って、広島から芸備線三江線を使って江津(ごうつ)に抜け、島根(出雲市・松江)と鳥取を観光し、最後にワールドインベスターズの関西オフに参加して帰京した。
三江線に乗ろうとした思ったのは、ウェブサイト繋がりのSuzeさんが8月に山陰地方に行った際に、駅から徒歩数分のところに撮影に最適の鉄橋があるとのことで、鉄道マニア(撮り鉄)の間で有名な川戸(かわど)駅のそばにある美川旅館からフェイスブックを使ってレポートしてくれたことがきっかけだった。
そして、彼が「三江線は観光利用もできそうな路線なのに廃止は残念だ」と書いていたので、どんなところなのか見たいと思った。
もっとも、これだけのために中国地方まで行くのはもったいなかったので、何か組み合わせができないかと思っていた矢先に思いついたのが、ワールドインベスターズの関西オフに合わせて行くことだった。
当然ながら、広島から芸備線、三江線、山陰本線を使って出雲市や松江まで行く各駅停車の旅は、典型的な青春18きっぷのルート、この切符を使える時期なら最適なのだが、羽田から広島まではJALの特典航空券、広島から横浜まで一筆書きルートの乗車券を買えば14,110円と、青春18きっぷと大差ない値段で済んだので、山陰地方が厳冬期に入る12月よりは、気候も暖かそうな紅葉の季節に行くことにした。

三江線は、広島県側にある三次(みよし)から乗った場合、右側の席に陣取れば、江の川(ごうのかわ)の景観を楽しみながら行くことができるのだが、JR西日本が2016年9月30日に、2018年(平成30年)4月1日付の三江線の廃止届を国土交通省に提出したため、それ以降は廃止前フィーバーの観光客がたくさん来て、期せずして乗客が溢れていると、乗り合わせた車掌は言う。
三江線に素敵な女性の車掌が乗っているとは僥倖ではあったが、三江線に乗ってみて思ったのは、沿線の景観は素晴らしく良いのに、これを生かした観光促進ができなかったのかということだ。
昨今では外国人観光客も多く来日しているし、サイクリング車を乗せられるようにすれば、どれほど彼らが喜ぶだろうか。
JR東日本の五能線もこの上ないローカル線で、三江線とどちらが不便かというレベルなのだが、五能線では「リゾートしらかみ号」を走らせ、途中駅で写真撮影のための停車時間を設けたり、景色の良いところではスピードを落としたりして乗客にサービスをしている。(2013年8月-ブルートレイン「あけぼの」で行く東北の旅
三江線でも「三江線 神楽&グルメ 特別貸切イベント列車の運行」といったことをやっているようだが、やはりJR西日本のウェブサイトでもPRを重ねるべきだったであろう。
1日に数本しか走っていないローカル線なのだから、このようなサービスを定期的にすれば観光客も集まってきただろうと思うと残念である。
ちなみに、2012年11月26日付(第53号)の国土交通省の総合交通メールマガジンで「神楽を活かしたJR三江線の活性化について」にもあるように、地元としては、バスの増便による鉄道の利便性の向上にも努めていたようだが、肝心の地元利用者は戻らなかったということなのだろう。
もはや、観光客に使ってもらうしか増収策はないような中で、どれだけPRをしていたのか疑問に思うところ大である。

ところで、残り1年4か月余りで廃止となる三江線なのだが、列車の本数が少なく、途中下車がなかなか困難な中で、少しでも沿線を楽しむためのアドバイスをしたいと思う。
まず、三江線に乗るには圧倒的に広島県側の三次(みよし)から乗った方がいい。
2016年7月14日~2017年01月31日までの間、広島空港から三次(みよし)駅前まで直行バスが試験的に運行されているので、三次(みよし)で前泊する方は利用するといいかもしれない。
ちなみに、島根県側の江津(ごうつ)から三江線に乗ろうとすると、午前の列車は6時発のものしかなく、残念ながら江津(ごうつ)駅の周辺は寂しい限りで、駅構内にも売店すらないからだ。
山陰地方は車で来る人が圧倒的に多いから駅周辺は寂れているのかもしれないが、早朝発の列車に乗る人にとってはキツイと思う。
私は三次(みよし)で下車する暇がなかったので良くわからないが、インターネットを見る限りでは、江津(ごうつ)より夜間の街中の環境はマシだろうか。

さて、三江線沿線の観光だが、とりあえず、鉄道マニアならずとも、地上約20メートルの高さにあり、高さとしては日本一と言われる高架駅で、116段の階段を擁する宇都井(うづい)駅が見ものだと思うが、車でアクセスすることなしに、これを体験する唯一の方法は、「三次 5:44-7:15 宇都井 8:17-9:21 三次」といった形で折り返すことで、さらに私の乗った「三江線神楽号(三次 9:57-12:09 石見川本)」を使えば沿線の風景も堪能できる。
(来る11月26日、27日に「INAKAイルミ@おおなん2016」というのが宇都井駅周辺で開催される。全部見ようと思ったら、車でしかアクセスできないが、興味があれば是非!)
前述したように、これからの三江線は(座る席がない可能性があるという意味で)混雑が予想されるが、ただ列車を折り返すだけではバカバカしいと思うなら、ぶらり三江線WEBの情報から得たところでは、口羽(くちば)、作木口(さくぎぐち)、香淀(こうよど)あたりで下りてみてはいかがだろうか。
なお、水遊びができる季節なら、香淀(こうよど)から徒歩20分の「江の川カヌー公園さくぎ」、粕淵(かすぶち)から徒歩15分の「カヌーの里おおち」で遊ぶのもいいだろう。
粕淵(かすぶち)で途中下車した場合は、江の川半日ツアーが、三次(みよし)からの上り列車のダイヤの合間を縫って行われるので、ツアー終了後に江津(ごうつ)に向かうことができる。
ちなみに、私の乗った「三江線神楽号(三次 9:57-12:09 石見川本)」は、引き続き、「石見川本 13:43-14:49 江津」となるのだが、乗り継ぎの合間に昼食を取ったり、観光をすることができる。(川本町 街中ぶらり90分案内
青春18きっぷが利用できる桜の季節や、水遊びができる季節なら、三次(みよし)から早朝の三江線に乗れば、いろいろ楽しむことができる。
来年の旅の企画にいかがだろうか。
なお、2016年(平成28年)4月26日から2017年(平成29年)3月21日の間、自家用車を三江線内の指定の駅まで回送するマイカー回送料金半額助成が利用できるので、マイカー利用者はこれを使ってみるといいだろう。

三次駅 江の川
三次駅-混雑する三江線の車内 香淀-作木口
三江線 江の川
江平-口羽
石見川本駅 石見川本駅
石見川本駅

11月11日(金)-トランプショック(Trump victory shock)で誤魔化された日本市場の大きなリスク

日本時間の11月9日、米国の大統領選挙(2016 Presidential Election)の開票が進む中、共和党(Republican Party)のドナルド・トランプ(Donald Trump)候補が、民主党(Democratic Party)のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)候補に対して優勢と伝わると、日本市場は6月24日の英国国民投票(The UK's EU referendum)のときのデジャブ(deja vu)を見ているかのような暴落に見舞われた。
寄り付き直後に上昇した日経平均株価が11時過ぎから下落に転じ、後場は暴落したところまでそっくりだった。(2016年11月9日 ロイター 〔マーケットアイ〕株式:日経平均は1000円超す下げ、トランプショックでリスク回避 2016年11月9日 ロイター 日経平均は一時1000円超える下落、トランプ氏優勢で全面安
違ったのは、私自身が6月のときは暴落相場に対する備えができていたのに対し、今回はそれほど緊張感を持っていなかったことだろうか。

ところが、夕方(日本時間)の欧州市場が意外に健闘していることや、夜(日本時間)の米国市場がダウ先物の暴落がウソのような堅調ぶりを発揮し、日経225の先物も夜間市場で大きく巻き返した。(2016年11月10日 ロイター 欧州株式市場=続伸、トランプ氏勝利のショックから立ち直る 2016年11月10日 ロイター NY株式:ダウは256ドル高、トランプ銘柄の物色が始まる
中でも、私が昨年末に推奨した防衛産業関連株は鉄板銘柄であった。(2015年12月29日-資産形成のための比較的安全な米国株投資法
これを受けた10日の日本市場は猛烈な買戻しが入って9日の暴落分を帳消しにした。(2016年11月10日 ロイター 日経平均1092円高と今年最大、買い戻し活発化
終わってみれば、いったい何だったのだろうかというほどのジェットコースター相場に見舞われた日本市場、9日の暴落はトランプショックと銘打たれたれて経済記事の多くが配信されていたが、私はそうでないような気がしている。

私が思うに、キーワードは「公的マネー(鯨)」だ。
去る8月31日のコラム「公的マネーが上場企業を席巻、真の民間企業が消えゆく日本市場」で紹介したように、今の日本市場は「日銀が買うか買わないか当てっこをする相場」になっているようだ。
もちろん、日銀年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が直接ファンドマネージャーを雇ってETF(Exchange Traded Funds=上場投資信託)を買うわけではなく、信託銀行などに委託して、そこのファンドマネージャーが市場にアクセスするわけなのだが、随時、公的資金による買いが入るということは、空売りなどによる相場の下落圧力がかかりづらく、本来なら下げそうな環境下にあっても株価が維持される傾向が強くなる。(参考:2016年8月29日 Econo Great-公的マネー(日銀・GPIF)の資金が流入している銘柄を知るには?
そうかといって、上昇基調とは思えないときは買い向かうこともしづらい。
11月に入ってからの日本市場はまさにそんな感じだったのが、9日は一気呵成に日本株の売り浴びせが行われた。
いくら公的資金が「買い」しか行わないとはいえ、9日のように市場が不安定になりそうなときに「買い」は入れないと考えられるので、安心して売れる(空売りできる)と思ったのが、トランプ候補が優勢になったときの相場だったと言えるだろう。
そうでなければ、日本市場がこれほどの暴落に見舞われたことの説明がつかないと思う。
おそらく、日本市場は今後もこうしたイベントが突発的に起こりうる。
まさに、普通の投資家は手を出しにくくなりつつある日本市場とは言えないだろうか。


11月9日(水)-横浜DeNAベイスターズ初のCS出場、日本一は二刀流大谷の日本ハムに

CSファーストステージ第3戦 ロペスが先制の2ラン先週行ってきたばかりの廃止目前の三江線に乗る山陰の旅は広島から入って山陰地方を旅したこともあって、初日の広島で夕食に行った鉄板Diningゆうあというお好み焼き屋が広島東洋カープのファンが溢れるお店だった。
そこで、横浜DeNAベイスターズのファンの私は、彼らから「惜しかったね~」と慰められていた。(笑)
ところで、彼らは、つい最近終わったばかりの日本シリーズで、広島東洋カープが北海道日本ハムファイターズに負けて悔しい思いをしているのかと思ったら、話題は11月5日のセリーグ制覇を記念した優勝パレードを見るということで持ち切りで、日本一になれなかったショックは案外なさそうな雰囲気だった。(2016年10月29日 スポニチ-日本ハム 10年ぶり3度目日本一 中田決勝押し出し、レアード満弾 2016年11月5日 日経新聞-広島カープ、41年ぶり優勝パレード 沿道から歓声

とりあえず、2016年のプロ野球は、北海道日本ハムファイターズが敵地での連敗をはねのけて地元で3連勝、そのままの勢いで日本一になって終わったのだが、万年Bクラスだった横浜DeNAベイスターズも、アレックス・ラミレス(Alex Ramírez)監督の下で、初のクライマックスシリーズ(CS)に進出した輝かしい年だったのだ。(2016年9月19日 スポニチ-2日連続の殊勲!ロペスの場外弾でDeNA初のCS進出決定!
そして、ファーストステージで、CSの常連である読売ジャイアンツを2勝1敗で下したものの、広島東洋カープとのファイナルステージでは、日本シリーズ進出を賭けて戦ったが、1勝しかできずに敗退することになった。(2016年10月10日 スポニチ-DeNA 初のCSファイナル進出!延長11回に嶺井がV打 2016年10月15日 スポニチ-広島 25年ぶり日本S進出!初回6得点も・・・冷や汗逃げ切り

それにしても、今年はよく頑張ったと思う。
2015年は前半戦を首位ターンしながら、最終成績は最下位というプロ野球史上初の信じられない(前半戦の首位が・・・笑)結果に終わったから、なおさらである。(2015年7月16日-横浜DeNAベイスターズ17年ぶり前半戦首位ターン
特に、今年のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージの第3戦は、引き分けも許されない状況で延長戦に突入、延長11回表に嶺井選手がタイムリーヒットを打って決勝点が入ったときは思わずテレビの前でガッツポーズをしたほどだった。
そして、ファイナルステージでは、2010年のロッテに次ぐ下克上を期待したのだが(2010年11月8日-千葉ロッテ、史上最大の下克上成就)、実力差は如何ともしがたく敗退してしまったわけだ。
今年の日本シリーズは双方ともリーグ優勝チーム同士の戦いだったからクライマックスシリーズ(CS)の是非について論議が起こることはなかったが、下位チームの下剋上が起こると、開催の是非についていろいろ意見が出てくる。
まあ、お互いに言いたいことは理解できるが、ロッテの下剋上のときも書いたように、ビジターチームがレギュラーシーズンの上位チームに対して連戦連勝を続けることは困難だし、そういった高いハードルがあるのだから、レギュラーシーズンで首位チームが独走してしまったときなどの興行面の保険として機能していると思えば許せるのではなかろうか。

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