日本人が海水浴するならここが限界かな?

7/9(Tue) ナザレ 9:20-(Bus/Rede Nacional de Expressos)-11:25 リスボン
コスタ・ダ・カパリカで海水浴
宿泊先 Residêncial Florescente / 7,000esc (\5,250) per night
[booking sites for you / Booking.com (英語・日本語)]
諸費用 バス / ナザレ-リスボン: 1050esc=\790
バス(Carris) / スペイン広場-コスタ・ダ・カパリカ(往復): 400esc=\300
フェリー / カリーシャス-テレイロ・ド・パソ: 90esc=\70
関連サイト 欧州総合リンク ポルトガル コスタ・デ・プラタ リスボン

何だかんだ言ってもポルトガルの旅も実質的には今日1日を残すだけになってしまったようだ。
とりあえず、ここでやり残したことも、というより、もうやるべきことがなさそうなので手頃な時間に出発するバスに乗ってリスボンへ向かうことにする。
ところで、友人あての絵はがきの大量投函のために早一番に郵便局に並んで気付いた、というより再確認できたのだが、当地の郵便局員、おそらく公務員なのだろうが、昼休みは12時30分から14時30分まで2時間取ることになっているようで、御多分に漏れず、ワイン付きのランチを取るのだろう。
ちなみに、午前は9時〜12時30分、午後が14時30分〜18時という7時間労働制となっているようで、これを日本のサラリーマンが真似をすることは永遠に不可能なのだろうか?(関連記事

リスボンでのホテルは、前回と同じ "Residêncial Florescente"で、立地条件としては申し分がないところなので、満室とでも言われない限り変える必要もないだろう。
さて、ここからどうするかだが、わが友人は「地球の歩き方」を使って市内観光をするというので、どうやら史跡巡りをするらしい。
こうなると、この暑い中、そんな根性はない私とは、夕食まで別行動ということになりそうだ。
で、ご登場いただくのは観光案内所でもらった "What's on in Lisbon"という冊子で、忍耐と根性の必要な(!?)史跡巡りや博物館巡りを外すと、必然的に目に入るのはビーチ・リゾートのようで近郊にあるコスタ・ダ・カパリカ(Costa da Caparica)へ行くことになりそうだ。

コスタ・ダ・カパリカ(Costa da Caparica)のガイド
(What's On in Lisbonより)
Costa da Caparicaリスボンのちょうど川を隔てた反対側にコスタ・ダ・カパリカと呼ばれる8キロの長さをもつビーチリゾートがある。
そこに行くにはコメルシオ広場(Praça de Comércio)にあるテレイロ・ド・パソ(Terreiro do Paço)からカリシャス(Cacilhas)へか、ベレン(Belém)からトラファリア(Trafaria)までフェリーに乗り、そこからコスタ・ダ・カパリカ行きのサインのあるバスを捉まえればいい。
それ以外にもリスボンのスペイン広場(Praça da Espanha)からコスタ・ダ・カパリカまで直通の路線バスがある。
夏の間は30分毎に出るミニトレインが1番ビーチから20番ビーチの間を往復し、自分の好きなビーチで降りることができる。
帰りの最終列車は午後7時30分で終点までの往復運賃は540エスクード(\410)である。
それそれのビーチには駐車場や軽食が取れるような施設がある。
ちょっと先にある海岸(但し、鉄道沿いではなく)に行くとラゴア・デ・アルブフェイラ(Lagoa de Albufeira)とプライア・ド・メコ(Praia do Meco)といった公認のヌーディス ト・ビーチがひっそりとある。

ここへ行く方法は3通りあって、1つは私が往路で使ったスペイン広場(Plaça da Espanha)発の直通バスで、残りの2つはテージョ川横断フェリーを利用するもので、コメルシオ広場(Praça de Comécio)にあるテレイロ・ド・パソ(Terreiro do Paço)から対岸のカシリャス(Cacilhas)へ向かうものと、ベレン(Belén)から対岸のトラファリア(Trafaria)へ向かうものがあり、フェリーを使った場合は、いずれもコスタ・ダ・カパリカ(Costa da Caparica)行きのサインのあるバスに乗り換えて目的地へ向かうことになる。
そして、そこからは歩いて行っても、30分毎に発着するミニチュア・トレインで好みの駅で降りてもOK!というわけで、もっと先にある静かな"Lagoa de Albufeira"か "Praia do Meco"まで行けば、ヌーディストビーチ(official naturist beach) があるらしいのだ。

ところで、昨日のナザレの氷水のような海と突風に悩まされた私が、喉元すら過ぎていないのに性懲りもなく、またビーチなんか来て、愚か者の典型のような行動を取っているようにも思えるが、そこは現地情報誌が、ビーチのことで2ページも紙面を割いていることに賭けたわけで、とりあえずこれが正解だったようで、こんなことなら昨日からリスボンにいれば良かったと後悔することしきりである。
もちろん、海の水も冷たいとはいえ、日本で言えば日本海か東北地方並み、しばらく浸かっていれば慣れる程度で、ビキニの金髪美女なんか眺めながら波遊びを続けることができるほどだ。
また、昨日のような突風で悩まされることもなく、近くのカフェで買ったキリッ!と冷えたビールを片手に快適なリゾート・ライフをエンジョイできる。
ただ、ナザレと違って強烈な日差しを遮るテントはおろかパラソルさえないのが、辛いかもしれない。
これで、トップレスの美女ちゃんとかがいれば言うことなしだが、そこまで幸運ではなかったようだ。

Tagus River (Rio Tejo)さて、いよいよ帰る算段をしなければならない時間になったのであるが、バス・ストップにちょうど良くカシリャス(Cacilhas)行きのサインのあるバスがいるではないか!
本来なら往復でチケットを買ったのでスペイン広場(Plaça da Espanha)行きに乗らないと損をしそうな気もしたが、そこは所詮アドリブでここまで来たようなものだから、テージョ川横断フェリーにも乗れる方を選んだのである。

当然のことながらチケットを見せると、バスのドライバーは何か言ってきたが、ポルトガル語なので理解はできないし、結果的にはそのまま乗れたので、結果オーライというところか!
もちろん、地元のローカルバスなので、ノンエアコンの上、次第に鮨詰め状態になってきて、座っていても熱気ムンムンとなっていたのが辛かったのだが、幸いにも窓際に座っていたので景色を楽しめてラッキーだったかもしれない。

カシリャス(Cacilhas)からテレイロ・ド・パソ(Terreiro do Paço)行きのフェリーが出航する。
わずか15分程度の旅で、運賃も格安だったので、フェリーから見える市街の景色の拝観料だと思えばどうということはない。
いよいよ今夜がポルトガル最後の夜!
ファド(Fado)でも聞きながら美味なシーフードでも食べますか?

 

飾り窓へ行く?博物館へ行く?

7/10(Wed) リスボン市内観光
リスボン(ポルテラ・デ・サカベン) 12:40-KLMオランダ航空(KL)367-17:50 アムステルダム(スキポール)
飾り窓地区(アムステルダム)探訪
宿泊先 NH Caransa (ex Caransa Karena) / \13,400 per night (日本で予約)
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com Hotel Club venere (英語・日本語) アップルワールド JHCホテル (日本語)]
諸費用 リスボン・バス・トラム(Carris)共通1日券: 430esc=\320
オランダ国鉄(NS) / スキポール空港-中央駅: 6G=\400
アムステルダム・バス・トラム共通回数券<ストリッペンカールト(Strippenkaart) 2-strippenkaart: 3G=\200
関連サイト 欧州総合リンク オランダ ポルトガル アムステルダム リスボン

いよいよポルトガルに別れを告げる朝がやってきたようだ。
私たちの乗るフライトは昼過ぎの出発なので、ちょっとした市内観光や土産物を買っている時間ぐらいはありそうだ。

「灯台もと暗し」というわけでもないが、私たちの泊まっているホテルの近くにあるレスタウラドーレス広場(Praça dos Restauradores)の近くに「坂の町」リスボンの名物の1つ、ケーブルカー乗り場があり、それに乗って行くと、バイロ・アルト(Bairro Alto)地区にあるサンロケ教会(Igreja de Sâo Roque)に辿り着くことができる。
バイロ・アルト地区といえばファド・ハウス(Fado Houses)が軒を並べていることで有名だ。
夜が賑わう街というものは昼はどことなく寂しげだ。
私たちが行ったサン・ロケ教会は、16世紀にイタリア人建築家により造られたもので、18世紀までポルトガル社会に大きな影響を与えたとされているが、今は町の中にひっそりと溶け込んでいて、外観からは往時を偲ぶことは難しいようだ。
まあ、とりあえず来たものの、朝食を兼ねての散歩という趣には手頃な距離だし、近くのミルク・スタンドでパンとジュースを買って、鳩と戯れるには恰好のところってレベルかもしれない。

Lisbon Lisbon
サンロケ教会(Igreja de Sâo Roque)

午前10時過ぎ、レスタウラドーレス広場(Praça dos Restauradores)から空港バスに乗って、ポルテラ・デ・サカヴェン空港(Aeroporto da Portela de Sacavém)に向かう。
ここ2日間のリスボンの気温は、去る3日にここに来た時よりは心持ち高くなったような気もするが、これから夏本番のポルトガルを離れるのは少々寂しいような気もする。
わずか1週間で、アムステルダムが夏の暑さを感じさせるような気候になっているとはとても思えないが、出発ゲートで待っている人たちの中の服装を見ても、その予感は充分にある。
これから、一般の西欧人が南へ続々とバカンスへ来る中で、彼らは北欧へ避暑にでも行くつもりなのか?
いずれにしろ、ここにチラホラいるようなタンクトップ姿の金髪美女は見納めとなるに違いないだろう。

海外駐在員でも旅行社の添乗員でもない観光客の身で、アムステルダムの中央駅(Amsterdam centraal station)に下り立つこと通算で3回目ともなれば、もはやベテラン(!?)の域に達しているかもしれない。
従って、勝手知ったるかのように、ストリッペンカールト(Strippenkaart)と呼ばれる市内交通機関の共通回数券を買い、地元民のようにトラムに乗ってしまうほどになっている。
目指すところは、あらかじめ日本で予約しておいたホテルである"Caransa Karena"、トラムのレンブラント広場(Rembrandtplain)駅前と、これ以上はないという便利さで、これなら夜遊びしても、2年前のように道に迷うこともないだろう。

さて、オランダのような食事がたいして美味しくないところで、当たりのレストランを探すことは、一大難事業なのだ。
前回(7月2日)の時は、ホテルのフロントで紹介してもらおうとしたのだが、フロントの兄ちゃんすら首を捻る有り様なので、2年前(1994.9.10)も行った"Puri Mas (37-41 I Lange Leidsedwarsstraat)"というインドネシ料理店に行くのに躊躇(ためら)いはなかった。

アムステルダムのお薦めレストラン
食事のあまり美味しくないアムステルダムで楽しく食事をすることは結構難しい。
ホテルのスタッフにお薦めのレストランを聞いてもまともな答えが返って来ないときもある。
そこで私たちがお薦めするのは旧植民地であったインドネシアの料理だ。
その中で、ライツェ広場(Leidseplein)の近くにある"Pure Mas"というレストランは味もよく、現地の人にも人気があるようだ。
今までインドネシア料理を食べたことがない人もこの店は行く価値があると思う。
ちなみに私たちがそこに行くのは1994年に続いて2回目だ。

アムステルダムの繁華街の一つであるライツェ広場(Leidseplein)から中心部へ向かって伸びるライツェ通り(Leidsestraat)を2ブロック歩き、そこを右折して少し行くと、目指すレストランは見える。
スタッフも2年前に来たときと、ほとんど同じ人が働いているようで、味の方もオランダで食事をしていることを感じさせないほど美味しい。
おそらく、将来、ここへ来たとしても、トランジット(transit)が目的で滞在するしかないと思われるのでこの店を「行き付けの店」にしようかな?と思う。

食欲を満たした後は性欲(!?)というのが、バイオレンス小説のあらすじとしてよくあるパターンであるが私たちも今夜は有名な「飾り窓の女」の鑑賞(!?)に行くことにする。
地理的には旧教会(Oude Kerk)からニューマルクト(Nieuwmarkt)にある計量所(Waag)までの地区が「飾り窓地帯」とか"Red Light District"と呼ばれるところで、運河に沿った静かな町並みの家々に下着姿の妖しげな女性が身体をくねらせて下心ムンムンの男を誘っているシーンが見られる。
女性たちとの値段の交渉が成立すれば、窓のカーテンが閉められ、お楽しみの一時を過ごすというわけだ。 と、いうわけで、私たちも夜の観光(!?)を始めるとするか!
とりあえず旧教会(Oude Kerk)からでも、"Please listen to my confessions."なんて言いに行くわけではないけれど・・・
あと、もし時間があれば本番前にセックス・ミュージアムで、気分を高めていくのもいいかもしれない。
夜も結構遅くまでやってるから・・・

あてのない旅へ

7/11(Thu) アムステルダム市内観光
アムステルダム(セントラル) 14:30-(NS/IC2464)-16:43 アントワープ(セントラル) 16:58-(SNCB/IC2317)-17:47 ゲント(セント・ピータース)
宿泊先 Cour Saint Georges / 2,000BF (\7,800) per night
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com Hotel Club venere (英語・日本語)]
諸費用 Intercity Train /アムステルダム-ゲント (2等車): 59.4G=\3,980
アムステルダム・バス・トラム共通回数券<ストリッペンカールト(Strippenkaart) 2-strippenkaart: 3G=\200
ゲントのトラム: 40BF=\160
関連サイト 欧州総合リンク オランダ ベルギー アムステルダム ゲント

今日の午後のフライトで友人が一足早く帰国するので、私は午後から一人旅いうことになる。
それまでの間、2年前に行けなかったゴッホ美術館(Rijksmuseum Vincent van Gogh)に行くついでに周辺の史跡観光を兼ねて散策することにする。
こういうところは中心部から空港までわずか20分で行ける国ならではのものだ。
ちなみに、外気の方は、ポルトガルのナザレ(Nazaré)で買った"フィッシャーマン・シャツ(rough-textured fisher's sweaters)" が役立つほどの涼しさで歩き回ったりするにはちょうど良いというべきか!

ダム広場(Dam)の西側にある王宮(Koninklijk Paleis)をカメラに収めると、南の市電通りとなっているローキン(Rokin)を進み、ムント広場(Muntplein)へ行き着く。
そこからさらに、ファイゼル通り(Vijzelstraat)を進み、ヘーレン運河(Herengracht)などを見ながら歩き最後にシンゲル運河(Singelgracht)を渡ると、ハイネケンビール博物館(Heineken Brouwerij)がある。
この博物館ではビール党なら大喜びの飲み放題ツアーが実施されているが、今日の目的はここではないので断腸の思いで(!?)運河沿いを右折することにする。
オランダの良いところは、首都圏にこうした水辺の風景があり、決してコンクリート・ジャングルと化していないところで、こういったところを自転車で通勤できるのは羨ましい。
少し歩くと、アムステルダムの重要観光拠点の一つ、国立博物館(Rijksmuseum)が見えてくるので、そこをさらに左折すると、ゴッホ美術館(Rijksmuseum Vincent van Gogh)に到達できる。

ここは、ゴッホの作品だけでも油絵 200点、素描 550点という個人の美術館としては、いかに充実しているかがわかるというもので、もちろん、美術の教科書に登場したことのあるものも本物を見ることができる。
また、ゴッホ(Vincent van Gogh 1853-1890)に影響を与えた同時代の画家、モネ(Claude Monet 1840-1926)や、ゴーギャン(Eug000000e8ne Henri Paul Gauguin 1848-1903)などの作品も同時に見れるのが嬉しい。
入場料は12.5G(\840)だが、2年前に近畿日本ツーリストにもらった無料入場券(「旅せるふ」というフリー・ツアーの付録として付いていたもので、現在はこのサービスはない)を持参していたので、無料で入ることができたが、有効期限が表示されてないクーポンというのも珍しい。

Royal Palace canals in Amsterdam
王宮(Royal Palace) アムステルダムの運河
tram in Amsterdam tram in Amsterdam
アムステルダムのトラム アムステルダム中央駅

崇高(!?)な美術鑑賞が終わって友人とアムステルダム中央駅(Amsterdam centraal station)で別れると、私は昼食を取るのも兼ねて、再度ダム広場(Dam)へ戻ることにする。
陽が高くなったせいか、ようやく初夏のようなポカポカ陽気になってきたので、絶好の"open-air lunch"日和である。
と、なると食事は「カフェ」のようなところで!といきたいところだが、ここは食事の不味さでは定評(!?)のあるアムステルダムなので、食事の不味さでは双璧を成すロンドン同様、世界的に有名な "Mc Donald's"のハンバーガーを"take away"するのが一番いい選択であろう。

広場の鳩にパン屑をやりながら考えた行き先の決め手は、やはり食事の美味しさであって、オランダより数段上をいくベルギーに行こうという考えが頭をよぎる。
もちろん、1992年2月7日に調印されたマーストリヒト条約(Maastricht Treaty on European Union=欧州連合条約)で一躍有名になったオランダ南部の都市を訪ねようということも選択肢に挙がる。

こうして選んだところが、ベルギーの都市で一度も訪問したことがなく、ここから2〜3時間で行ける場所というので、奇しくもポルトガルではあまり食指の動かなかった中世欧州的色彩が濃い町にモロに合致したゲント(Ghent)である。
もちろん、そこから列車で30分程度で行けるビーチ・リゾート、オステンド(Oostende)へ遊びに行く可能性を残したのは言うまでもなく、これが私流観光拠点の選択法というものである。

さて、欧州個人旅行の隠れたバイブルである"Thomas Cook European Timetable"を見てみると、アムステルダムからベルギーのゲント(Ghent)へ行くには、すべて途中のアントウェルペン(アントワープ)で列車を乗り換える必要があることがわかる。
ただ、せっかくの記念だから、日本の新幹線とスピード競争を繰り広げていることで話題のTGVがパリのノール駅(Paris/Nord)とアムステルダム間を4往復しているので、話の種に乗ってみたいとも思ったが、予約が必要みたいなので、どうやら乗れないようだ。
それでも、諦めきれずにプラットホームにいた車掌に交渉してみたが、やはり「飛び乗り」は不可能みたいで、「次の列車に乗ってください(Please take a next train.)」 と言われてしまった。
もちろん、欧州の駅は改札がないので、チケット売り場へ戻れば買えるのだが、ここは欧州バックパッカーのメッカ、すんなりと行列に並んで切符を入手できるような状況ではなかったのだ。

14時19分発のTGVを見送った後、14時30分発のブリュッセル行きのIC(Intercity)に乗った私は、駅の売店で買い込んだハイネケン(Heineken)をさっそく開けて、約2時間30分の旅のスタートを切る。
過去2回(1993.9.25 / 1994.9.11) にわたって「ヨーロッパで列車に乗るのはこれが最後!」なんて訣別の意を表明していながら、また今年も乗ってしまっているので、今回はそんなことを言わないことにしよう。
車内は2等車ということもあって、ほぼ満席に近く、私と同じようにバックパックを持って旅行している人や、家族で小旅行という出で立ちの人なども相当見受けられる。
国際列車と言っても、アムステルダムからブリュッセルまでIC(Intercity)で3時間、パリまではTGVで約5時間と、日本で言えば新幹線で帰省するくらいの感覚で国境を越えてしまうことになる。
これは出入国審査にも言えることで、国境駅であるローゼンダール(Roosendaal)を過ぎても、パスポートを見せる必要はなく、チケットを見せるだけで検札は終了してしまうのである。

アントウェルペン(アントワープ)中央駅到着は16時43分、列車を降りて真っ直ぐに歩いて行くと、見覚えのある駅舎が目に飛び込んでくるが、私は、その3年ぶりという感慨に浸る間もなく、乗り継ぎ列車の出発時刻の確認をしなければならない。
しかし、ベルギーの駅に掲示してある列車の時刻表は、その駅を出発する全列車の時刻が、出発時刻の順に列車の経由都市と到着時刻まで表示してあるので、それを見るだけでゲント(Gent)行きの列車がいつ出るかわかり、確認は非常にたやすい。

私はどうやら基本的なミスを冒していたようだ。
それは、1フランもベルギーの通貨を持たないで、こんな田舎町(!?)に、しかも銀行の営業時間外に降りてしまったことである。
また、駅構内に両替所があったものの、ものの見事に"CLOSED"となっているし、頼みの高級ホテルは駅前になく、どうやら町の中心へは市電で行かなければならないようだ。
要するに、根性(!?)で町へ徒歩で行くか、駅の周囲をうろついて両替屋を探すか、という選択しか残されていないという状況である。

結果的には、駅の周囲をうろついて行き交う人に手当たり次第に"Where can I exchange money?"を連呼していたら、市中の怪しげな人が、オランダギルダー(Hollandse Gulden=NLG)の現金を闇両替してくれたのである。
私が彼の申し出に怪訝そうな顔をしていると、彼は"Exchange for bank's rate."なんて言って怒っている。
どうやら私が彼を疑ったのが気に入らなかったようだが、いくらなんでも初対面の通行人を信用しろ、という方がおかしい。
でも、ここは明日の1万円より今日の千円といったところだったからね。
返す返すも残念なのは今朝、アムステルダムの銀行(ABN-AMRO)に入ったときに気がつかなかったのだろうね。

ようやく、市電に乗ることもでき、町の中心にあるコーレン・マルクト(Koren Markt)まで行き着いたが、もはや観光案内所(Open: daily 9:30-18:30)頼りのホテル探しは諦めなければならず、ガイドブックなし同然のホテル探しをしなければならなくなってしまったのだ。
やはり、慣れないことはするんじゃないという好例なのか、こういう時に限って、ホテルはどこも満室で、やっと捜し当てたのは、良く言えば中世風の"Cour St. Georges"ただ1軒だけ。
蛇足ながら、今日はオランダ語圏の地方(Vlaanderen=フランデレン)は「黄金の拍車の日」という祝日だそうで、道理で列車もホテルも混んでいたし、ここへ来たのは結果的に大失敗のようである。
こんなことならアムステルダムにもう1泊すべきだった?
でも食事が不味いからね〜

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