6/19(Fri) |
ゴールデンウイークのアメリカ・メキシコ旅行から帰国して間もない頃、ふとノースウェスト航空のウェブサイトを見ると「成田−シンガポール線就航20周年記念特別運賃」の表示が目に入った。
わずか2万円(税、燃油サーチャージ別)でシンガポールが往復できる、と思ったとき、私は何も考えずにフライトチケットを予約していた。
ところが、問題はその先だった。
シンガポールに行って中2日で何をするか、ジョホール・バル(Johor Bahru)へ行くか、あるいはビンタン島(Bintan Island)かバタム島(Batam
Island)へ行くか迷うところだった。
もっともノースウェスト航空のフライトはシンガポールに到着するのが深夜、現地出発が早朝なので、どこへ行くにしても日帰りか、1泊2日で帰ってこなければならなかった。
そして、シンガポール到着日のホテルをどうするか私は考えた。
チャンギ空港にあるPlaza Premium Loungeで仮眠を取ってから市内へ出るというのが一番コスト的には安く済みそうだった。
空港のレイアウトが2年前と変わっていなければ、ここで過ごしてから入国できることは検証済だった。
ちなみに同じフロアにあるAmbassdor Transit HotelでもBudget Roomが取れれば同じくらいの料金で泊まれるようだ。
ところが、ウェブサイトつながりのGinaさんの遺跡旅日記の中で「シンガポール・ベトナム・韓国駆け足の旅2007」とあって、「夕方到着して、翌朝出発する、最も滞在時間の短い町、シンガポール。ホテルはなるべく便利な場所で、でも安く、と思ったのが失敗の始まり。大人しくゲイランのHotel
81にでも泊まればよかったんです。」とあった。
そうか、ゲイランのHotel 81というのは女性の一人旅にも適したホテルなのだな、と単純に思った。
それにホテル代も他の地域に比べると安く、今回のようにただ寝るだけだったら何の問題もなさそうだった。
しかし、さらにネットでゲイラン(Geylang)のことを調べると、ここがシンガポールでは有名な赤線地帯であることがわかった。
今までシンガポールのイーストコーストには行ったこともなかったので知らなかったのだ。
そして、彼女のいうHotel 81というのがシンガポールの格安ホテルチェーンであることもわかった。
一見すると、ソウルや台北のように、ホテルにチェックインした後で、ロビースタッフが部屋をノックして「今晩(スペシャル)マッサージいかがですか」とか来そうな雰囲気も感じられた。
それでも私はこのホテルチェーンの一つに泊まることにした。
深夜の2時過ぎにホテル到着するので、何にも増して安いというのが最大の条件であり、近くの屋台が早朝から営業しているというのも魅力だった。
私はバタム島へ行くフェリー、ホテルも含めてHISシンガポールに予約を依頼した。
当日シンガポールに到着し、タクシーに乗り込んでホテルのバウチャーを見せた後で(Hotel 81 ***はいたるところにあるので、ホテル名を告げるだけでなく、バウチャーを見せて再確認させたほうが確実)、ドライバーが「女いるか?」と聞いてきたのは予想通りだったが、それ以外は何の問題もなく泊まれた。
屋台が深夜の2時過ぎにもかかわらず開いていたのにビックリしたが、近くのコンビニにビールを買いにいったら深夜は販売できないと言われたことにもビックリした。
シンガポールでそんな規制があるとは知らなかったが、酒類販売のライセンス(Liquor Licence)によって販売時間が決まっているらしく、販売時間の延長許可を受けない限り、原則として午前6時から深夜0時までしか販売できないことになっているようだ。
つまり、ノースウェスト航空やユナイッテッド航空でシンガポールに来た場合、エコノミークラスはアルコールが有料なので、翌日まで強制的に休肝日にできるし、健康的にはいいのかもしれない。
6/20(Sat) |
シンガポールからバタム島へ行くバタム・ファースト・フェリー(Batam Fast)のほとんどはMRT東北線(NE)の駅と直結したハーバー・フロント(Harbour Front)から出る。
週末の離島行きのフェリー乗り場は混むと聞いていたので、チェックインの1時間半前にチケット売り場に行けるように出発した。
チケット売り場に到着すると、人がごった返していて予約なしでは何時のフェリーに乗れるかわからない状態であった。
私はすでに予約をしてあったので、予約番号と名前を伝えてチケットを買うだけだ。
HISシンガポールの担当者から往復でチケットを買った方が安いというアドバイスをもらっていたので、その場で往復チケットを買う。
便名の指定は往路だけで、復路は現地で予約を入れるシステムになっているようだ。
ちなみに、私の行き先はウェブサイトでは英語名でウォーター・フロント・シティ(Water Front City)となっているのだが、チケットやフェリーの行き先表示はテルク・セニンバ(Teluk
Senimba)となっていて同じ場所を指すのにもかかわらず非常に紛らわしい。
シンガポールのハーバーフロント・フェリーターミナル(Horbour Front Ferry Terminal) | |
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フェリーは途中でセクパン(Sekupang)を経由して、シンガポールを出発して約1時間半後にテルク・セニンバ(Teluk Senimba)へ到着した。
未だに冷めやらぬ豚インフルエンザの余波で入国前にHealth Alert Cardの記入と検温を求められる。
インドネシアのアライバルビザ代はUS$10(960円)、たった1泊2日、いや日帰り客でも取られるので、現地の物価水準からすると痛い出費である。(Batam visa requirements)
フェリーターミナルに銀行のATMがあったのでインドネシアルピアを入手しようとしたが、ここではシンガポールドルがそのまま使えると聞いていたので、最小限の引き出しにしておく。
宿泊先のホリデイ・イン・バタムまでは徒歩圏内だし、無料のシャトルバスもあるのだが、あまりの暑さと行ったばかりで次にいつ来るかわからないバスを待つのがイヤだったのでタクシーに乗る。
アッという間に到着して何だか騙されたような気がするような距離だったが、料金はS$4(260円)、インドネシアルピア(20,000ルピア=190円)で払った方が得だったようだ。
ホリデイ・イン・バタム(Holiday Inn Batam) | |
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昼食をホテルのレストランで取り、午後はタクシーをチャーターして観光することにした。
料金はシンガポールドルでも払えるのだが、下表の換算レートを見る限りインドネシアルピアで払った方がかなり得だ。
札入れは嵩張って仕方がないだろうが、現地通貨をATMで引き出しすことをお勧めする。
もっとも私の場合は、ホテルでタクシーを呼んだ場合、部屋代に上乗せして清算することができたので、すべてをそうしてもらうことにした。
タクシーチャーターによるバレラン諸島(Barelang Islands)へのエクスカーション | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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バレラン橋(Barelang Bridge) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ルンパン島(Rempang Island)のメラユ・ビーチ(Melayu Beach) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ガラン島(Galang Island)の観音寺(Quan Am Tu Buddhist Temple) |
日本語のガイドブックに書いてあるバタム島の観光情報は本当に微々たるものである。
というかほとんど何も書いていないと言っても過言でないくらいだし、インターネットの情報もナゴヤ(Nagoya)のショッピングと夜遊びのほかに有用な情報はない。
ここに来る観光客の多数を占めるシンガポール人も海やプールで遊ぶか、格安ショッピングを楽しむか、あるいは夜遊びを決め込むか、というのが実情のようで、おおよそ長逗留するところではないようだ。
また、ホテルで配っている観光地図も本当に地図だけで、観光情報は一つもなかった。
その中で役に立ったサイトがBatam Island Informationという英語サイト、観光情報(Batam attractions)、ビーチ(Batam beaches)、そしてショッピング(Batam Shopping)に夜遊び(Batam
Nightlife, Batam Sexy Girls)と要点が網羅されている。
私の場合、タクシーをチャーターしたのは日本人がほとんど行ったことのないようなバレラン諸島(Barelang Islands)へ行ってみたかったからだ。
見どころといってもバレラン橋(Barelang Bridge)から見渡す景色が綺麗なだけで、寺院見物をしたければ、むしろショッピングや夜遊びを兼ねてナゴヤ(Nagoya)へ行く方が効率的だったかもしれない。
それでもルンパン島(Rempang Island)の項に書いてあった、西海岸沿いにたくさんのすてきな(nice)ビーチがあるというのに魅かれたのは事実で、観光ついでに1時間程度日光浴を楽しんだ。
何しろBatam Island Informationに書かれたビーチの多くはノングサ(Nongsa)エリアにあり、しかもホテルのプライベートビーチの様相を呈したし、それらのホテルの予約はすでに満杯だったからだ。
ちなみに、ウェブサイトにはすてき(nice)と書いてあるが、大方の人が南の島のビーチでイメージするようなコバルトブルーの海が広がっているわけではないので、そういうことを期待して行くべきではない。
ただ、地元の子どもたちが無邪気に戯れているのはとても微笑ましく、もし、インドネシア語が片言でもできれば楽しい思い出になるだろう。
ところで、この島には宿泊施設があるような記載がされているが、ホリデイ・インのスタッフが言うように、ルンパン島(Rempang Island)から帰るタクシーを捕まえるのは非常に困難だ。
事実タクシーの対向車を一台も見かけなかったのだが、もし、ここに泊まってみたいと思うなら、バタム島の旅行会社で送迎付きのゲストハウスをアレンジできるか相談する方がいいと思う。
夜になって私はタクシーに乗ってナゴヤ(Nagoya)へ向かった。
ドライバーは日本語が話せる人だったので、世間話などしてみると、最近ではここに遊びに来る日本人も減ってきたので、せっかく日本への出稼ぎのときに覚えた言葉を忘れてしまうと言っていた。
おそらくシンガポールの企業駐在員が減り、ここに住んでいる日本人も減ってきているのだろう、と言うと、かなり減ったとのこと。
そういえばホテルのロビーやプールにも日本人は全く見かけなかったような気がするし、彼が言うように相当に減ったのかもしれない。
かつて「あなた日本人?」と聞かれたシチュエーションでも、今や「コリア?」と聞かれる局面が増えてきた。
私が日本人だと知ると、何だか懐かしそうに話しかけてくる人たちもいる。
今や海外における日本人の存在感は確実に低下しているような気がする。
ちなみに、ナゴヤ(Nagoya)のマッサージというと夜遊び系(sensual massage)を思い浮かべる人が多いと思うが、ナゴヤ・ヒル・ショッピングセンター(Nagoya Hill Shopping Center)の近くにはまともでリーズナブルなマッサージ屋もある。
私が行ったイザベラ・マッサージ・ハウス(Isabella Massage House)ではバリ式とタイ式のコンビネーションマッサージが1時間半のコースでS$20(14万ルピア=1,400円)という値段だ。
もっとも夜遊び系の方がはるかに数が多いと思うので、タクシードライバーにその旨を伝えれば連れて行ってもらえるだろう。
6/21(Sun) |
今日は午後のフェリーでシンガポールに帰らないといけないのでホテルのプールで寛ぐことにした。
フロントで聞いたところフェリーターミナルの右側にもビーチがあるとのことだが、それほど綺麗でないところへわざわざ行く気はあまり起きない。
とりあえず朝食後のリフレッシュのために1時間ほどプールにいてから部屋に戻りチェックアウトまで一眠りすることにした。
バタムファーストフェリー(Batam Fast Ferry)でシンガポールへ | |
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夕方、シンガポールへ帰還した私は宿泊先のSummer Viewで荷物を置き、チャイナタウンへ行くことにした。
ホテルは観光に便利なベンクーレン通り(Bencoolen Street)沿いにあり、近くには24時間やっているネットカフェもある。
明朝が3時起きという苦行を強いられるので、場合によってはネットカフェでずっと起きているのもありかとも思う。
そうなるとホテルが単なる荷物置き場兼シャワールームになってしまうが、それも仕方ないだろう。
それならホテルを取らずに、ハーバー・フロント(Harbour Front)からMRTで空港に直行し、大きな荷物だけ預けてから再度市内へ戻って遊ぶというプランの方がよかったようにも思える。
私がチャイナタウンへ向かった目的の一つは漢方薬の銀翹散(Yin Chiao San)を買うことだった。
これについては、5月23日の「今日の一言」で書いたものだが、Keep a dozen tablets in your car, purse, or pocket during cold
and flu season. Take promptly. Begin taking tablets a half hour before
entering airports, airplanes, terminals, or crowded public facilities.
(風邪やインフルエンザの流行期には十分な錠剤を車や財布、ポケットに入れておきなさい。空港や、大きな駅、混雑している公共施設に行く30分前に薬を飲み始めなさい)とあったので、海外旅行の常備薬として持っておくのも悪くないかな、と思ったからだ。
値段は100錠(20回分)入り、S$5.8(400円)で日本の薬局で売っている風邪薬の錠剤と同じくらいのサイズの大きさだ。
これがどの程度効き目があるのかわからないが、ないよりマシというレベルだろうか。
まあ、シンガポール在住のKayさん曰く、「オーストラリアで豚インフルエンザ(swine flu)が蔓延しているからシンガポールも凄いのよ。よくこんな時期に来たわね。」と・・・
もはや一部の友人の言うようにメキシコ帰りの私は豚インフルエンザ(swine flu)の免疫があるかのかもしれない。