イタリアン・リビエラのビキニ騒動
ある日のテレビ番組で、「世界のユニークな法律」という特集をやっていた。
その中で、イタリアのリビエラ海岸にあるディアノ・マリーナ(Diano Marina)市のユニーク(女性の敵とも言われる)な市長(Andrea Guglieri)が作ったおもしろい条例というのを聞いて、私はスクラップしておいた新聞記事を思い出した。
どんな条例かというと、90-60-90条例といって、市内のビーチは、スタイルがいい美人しかビキニを着けてはいけないというものだ。
違反者は警告や罰金があるといい、取り締まりは市の職員がやるらしい。
ネーミングの由来は女性の理想的スリーサイズからきているらしいが、施行は1996年6月15日からというからもう6年以上たつ。
このリビエラ海岸諸都市、1993年当時はあと2箇所、同じような条例を持っていた市があったと言われる。
こんな条例を作ると女性を敵に回しそうだが、やはり当のディアノ・マリーナ市の市長もそういうふうに言っている。
でも一方で男ばかりか女性もわんさかこのビーチには行ってるらしい。
6年もあれば、1度は市長選がありそうなので、彼は再選までしたのだろうか?
女性票がなんたら・・・と言ってる日本、イタリアは彼女たちを敵にしても市長職を棒にふらずにすんでるらしいね。
夏のリビエラ・ビキニ騒動 (1993.7.21 毎日新聞)
魅力ある女性以外はダメ−着て歩くのは海岸に限る
【ローマ20日 平井晋ニ】「ビキニ姿で海岸以外のところを歩くことを禁ず」「魅力ある女性以外のビキニは禁止」−夏、真っ盛りのイタリア・リビエラ海岸の三市の市長が無粋な布告を出しバカンス客と衝突している。「それならこれでどう」とトップレスで街中を歩く女性が現れたかと思うと、「魅力のあるなしはどこで決めるの」と警告した警官に食ってかかる女性も出現。このビキニ騒動はさらにエスカレートしそうなのだ。
■”お触れ”に市民ら反発

海岸以外の地区をビキニ姿で歩くことを禁止したのはイタリア・リビエラの保養地アラッシオ(Alassio)とピエトラリグレ(Pietra Ligure)の両市。夏、真っ盛りのリビエラ海岸ではビキニ姿どころか、トップレス姿も珍しくなく、本人も”観客”もそれなりにエンジョイしていた。
そこへこの”お触れ”。毎年アラッシオに来ているミラノのある女性は「どういうセンスなのかしら。山の中の修道院でもあるまいし。それならトップレスで歩けばいいんでしょう」とカンカン。
実際トップレスで白昼街中を歩く女性も現れて、警官に注意されると、「ビキニはダメだというから、こうして歩いているのにどこがいけないの」。
また魅力ある女性以外のビキニを禁じたのはディアノ・マリーナ市。ここではまず市の女性団体が反対ののろしを上げた。「魅力のあるなしはどういう基準でだれが決めるのか」と市当局にくってかかったが市担当官は規制は規制の一点張り。ビキニ姿で歩いていて警官に注意された女性が「私が魅力ない女性だからいけないというわけなの」と警官に論戦を挑む光景もあちこちに見られた。
さらにはゲイのグループがビキニ姿で街中をパレードして「われわれのビキニ姿なら問題ないだろう」とこの”お触れ”を皮肉り、市民やバスンス客からやんやの喝采を浴びた。
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