タイ式参拝の仕方 (ムアンタイ第14号/2001.3.15 タイ政府観光庁発行) |
国民の94.6%が仏教徒の国、タイ。 街中いたるところに仏教寺院がそびえたち、早朝には托鉢中の大勢の僧侶の姿を見かけます。タイの祝祭日も仏教関係のものが多く、使われている年号も仏暦(西暦に543年を加えると仏暦になります。今年は仏暦2544年)です。 タイを訪れた観光客は必ずと言っていいほど、まず有名な寺院を見物します。 日本の寺とは異なり、色鮮やかな屋根や黄金の仏塔は、タイの熱い日差しを受けて、よりいっそう輝き、眩しいほどです。 境内には観光客に混じって信仰心の厚いタイの信者が花や線香を手に祈りを捧げていたり、山吹色の袈裟をまとった僧侶が厳かに歩いていたりします。 ここでは、日本の作法とは少し違う、タイ式のお参りの仕方をご紹介します。 |
タイ語で寺院はワットと言います。 ワットの入り口付近には売店があり、参拝に使われる花やろうそく、線香などを組み合わせたお参りセットを20パーツくらいで売っています。 花はジャスミン、クラウンフラワーにバラやマリーゴールドなどを直径10cmほどの輪状につなげた「ポアンマライ」や、蓮の花がよく使われます。 ろうそくは1本、線香は3本(仏教の三大要素である仏陀、仏法、僧侶を意味しています)、ほかに2cm四方くらいの金箔が付きます。 礼拝堂に入る時は必ず靴を脱ぎます。 仏像の前にはろうそく立てと線香立てがあり、そのわきには火をつけるランプがあります。 初めにろうそくに火をつけ、ろうそく立てにさし、その火で線香に火をつけます。 ひざまずいて、花と線香を持ちながら両手を合わせ、願い事を唱えます。 唱え終えて、線香を線香立てにさし、花を「パーン」というお盆の上にのせますが、仏像の手に直接かけられるところもあります。 最後にもう一度ひぎまずき、合掌した手を額の位置まで上げ、そのままおじぎをする形で、降ろした両手を床につけます。その動作を3回繰り返します。 金箔は仏像やその周辺の台座などに貼るものです。 金箔を貼るという行為は仏像を縁起のいい金で飾るということで、良い行為とされ、タイの人々は色のくすんだところや、地色が見えかかっているところに貼ったり、または自分の願い事に関連する部分(例えば腰痛解消には仏像の腰のあたり)に貼ったりします。 祭壇の前にはお賽銭箱ならぬ寄付金箱が置いてあり、自分の意志で入れられるようになっています。 一般にワットは入場料や拝観料を徴収しないので、寄付金は寺の維持費やろうそく、線香代として使われたり、恵まれない子供達への寄付などになります。 さて、街を歩いているとワットまではいかなくも、なにやら参拝者が絶えないところをよく見かけます。 これは「サーン」と呼ばれるもので、その土地の守護神を祀った祠です。 有名なところではバンコクのラープラソン交差点のエラワン四面仏が挙げられます。 「サーンチャオ」といわれているところは中華系の祠で、観音菩薩や関羽など実在した歴史上の有名な人物などを祀っています。 参拝の仕方は、ワットより少し複雑になり、ろうそくの数、大きさ、線香の本数も「サーン」によって異なってきます。 そして、「サーン」で願掛けをした際、「叶えてくれたらお礼に○○を供えます。」と誓うと、本当に願いが成就した時には約束のものをお礼しなければなりません。 例えば、木彫りの象、きれいな花輪、食べ物、タイの古典舞踊の奉納などですが、そこの神様の好まれるものを供えることが多いようです。 タイの人々にとって、ワットは神聖な場所です。 タンクトップや半ズボンなど、その場にふさわしくない服装は控えましょう。 海の帰りなどでしかたなく半ズボンといった格好で来てしまった場合は、ワットの外の屋台で長ズボンが売られていたり、境内にも長い巻きスカートや上着を貸すところがあったりするので利用できますが、数に限りがあるので、なるべく準備しておくようにしましょう。 境内では僧侶とすれ違う機会も多くなります。 女性は僧侶に触れたりすることはできません。許可を得て、一緒に写真を撮る場合は、女性は必ず二人以上でなければなりません。 物を直接差し上げることも禁じられているので注意しましょう。 |
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