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「割安で気楽なウェディングムーン」
Newsweek Japan 2003.2.5 The Tip Sheet

香港で暮らすエミリー・ラム(30)とネッド・ライ(29)が結婚したのは、昨年11月のこと。煩わしい式を挙げたくなかった2人は、結婚式とハネムーンをまとめてすませることにした。
2人が向かった先はニュージーランド。
現地では、乗っていた熱気球が故障するというハプニングに見舞われたが、緊急着陸した飛行場は美しい庭園やビーチの見える絶好のロケーション。そこで2人は結婚式を挙げた。
「シャンパンで乾杯したの」と、ラムは振り返る。
参列者はパイロットとカメラマン、式の進行役、友人2人だけ。
神父の祝福を受ける代わりに、パイロットがシャンパンのコルクで2人のおでこに触れて、祝いの儀式を行ってくれた。
介添人の衣装や披露宴の座席表に悩まされるのが嫌なら、こうしたコンパクトな式も魅力的だ。

ラムとライのようなカップルは、年々増えている。
正確な統計はないものの、ハネムーンならぬ「ウエディングムーン」に出かける人は着実に増えていると、旅行業界の関係者は言う。
ラムたちの式をコーディネートしたニュージーランド・ウエディング・サービセズ(http://www.nzweddingservices.co.nz)のミネッタ・スティーブンズによれば、同社で挙式をオンライン予約するカップルは、過去2年間で3倍に増加。顧客の30%近くが欧米人で、アジアからの申し込みも25%を超えるという。

伝統的な式を嫌って、外国に飛ぶカップルもいる(ライとラムは宗教上の理由で教会での式を敬遠したが、役所に届け出るだけというのもあまりにロマンがないと感じた)。同時に、出費が抑えられるのも大きな魅力の1つだ。
豪華な花やオードブルをそろえる程度の資金があれば、14世紀に建てられたフィレンツェのベッキオ宮殿(http://www.destination-weddings-in-italy.com)やギリシャのサントリーニ島(http://www.theweddingexperience.com)で式を挙げられる。
ギリシャの場合、事前に予約すればサントリーニ島の市長に司祭役を務めてもらうことも可能。遠い外国で式を挙げれば、参列者も自然と減るので好都合だ。

ニュージーランド・ウエディング・サービセズは、タスマン氷河などの秘境での挙式も、2000〜2500ドル(国内の移動、フラワーアレンジメント、法的書類などを含む)で手配してくれる。
ビーチリゾートが好みなら、米オレゴン州ポートランドのアンフォゲッタブル・ハネムーンズ(http://www.unforgettablehoneymoon.com)に相談しよう。4000〜6000ドル払えば、南洋の楽園フィジーで民族衣装に身を包んだ戦士と聖歌隊が2人の門出を祝福してくれる(http://www.weddings-in-Fiji.com)。

「ウェディングムーン」への需要が高まるなか、カリブ海のアルバ島やボネール島の当局は、外国人が結婚する際の法手続きを簡略化。
スコットランドでも昨年6月、教会や役所以外での挙式を認める新たな法律が制定された(14世紀の修道院で式を挙げたければhttp://www.Scottishweddingsonline.comへ。キルト姿のバグパイプ奏者つきで約6500ドル)。

とはいえ、純白のウエディングドレスと青い海だけが待っていると思ったら大まちがい。
外国で法的な結婚手続きをする場合は、それぞれの国の法律や決まりごとも考慮しなければならない。
タイで仏教僧に式を執り行ってほしいなら、午前11時までに式を挙げなければならない。
メキシコは、現地での血液検査を義務づけている。
アルバ島では法律が緩和されたものの、まず最初に市庁舎で式を挙げるのが決まりだ。
ビーチでのくだけたセレモニーはその後なので、焦って水着に着替えないように。
たいていの場合は、出生証明書などの必要書類を現地の言葉に翻訳して提出するよう求められる。
挙式前に一定期間の滞在を義務づける国も多い。
とくに長いのがフランスで、最低でも式の40日前には入国しなければならない。
計画を立てる際には、まずイギリスの生活情報サイト(http://www.confetti.co.uk/travel/)をのぞいてみよう。
各国の決まり事や法律を教えてくれるだけでなく、挙式予定日を入力すれば最高の天候が期待できる国をリストアップしてくれる。
フィジーの戦士の調達など、細かい仕事は現地スタッフに任せればいい。
外国での挙式は煩わしさから解放されるのが目的の1つなのだから。

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