東京都中央区のビジネス街のど真ん中に「日本橋七福神」というのがあり、その中の一つに小網神社がある。
私がこれを知ったきっかけはCNNGo.comという外国人向けのアジアガイド(東京版は日本語あり)を見ていたら、小網神社で「冬季の五穀豊穣を願い、自家製どぶろくを振舞う『どぶろく祭』が開催されている。」とあったからだ。(日本語版・英語版)
開催日はまさに今日、CNNGo.comは言うに及ばず、リンク先の東京観光情報の英語版でもそう書かれてあったので、私は全く疑いもせずに出かけた。
普段だったらスルーしてしまうような祭に行こうと思ったのは、英語版が主体のCNNの系列サイトが取り上げていたからで、外国人に紹介するのだから、さぞかし日本的情緒に溢れた祭なのだろう、という興味もあったからだ。
ところが現地に到着してみると外国人がいるどころか、「日本橋七福神」巡りをしていると思われる寺院マニア風の男性が数名いるだけ、とても祭をやっている雰囲気はないので、巫女の衣装を纏った係の人に聞いたら申し訳なさそうにこう言った。
「ご案内がなかったようで申し訳ないのですが、どぶろく祭は例年11月28日で、平日に行われるものとなっており、土曜と重なる場合は前日に、日曜と重なる場合は翌日にやることになってます。」とのことだった。
てっきりこうした祭は土日にやるものだと思っていたし、ウェブサイトにもそうあったので、私は何だか狐につままれたような気分であった。(東京観光情報の日本語版は11月29日となっている)
確かに日本橋という土地柄は平日の昼間人口が多いところではあるが、どぶろく(酒)を飲ませる行事を平日にやるというのも何だかな~と思った。
奇しくもこの神社の近くには東京穀物商品取引所があるのだが、ここの関係者は、毎年11月28日(今年は29日)に冬季の五穀豊穣を願って「どぶろく」を飲むのだろうか。
つい先日、およそ5年間使い続けたauの携帯電話、Sony EricssonのW41S(2006年春モデル)をURBANO MONDに買い換えた。
決め手は海外で使える(グローバルパスポート機能付である)こと、防水機能付きであることの2点だった。
今まで携帯を海外で使うときは、auのSIMカードを、Nokiaの携帯に入れ替えて使っていたのだが、やはり不便だった。
従って、今回はそういった機能を持ったものを購入したのだが、それ以外の機能については私はほとんど頓着しなかった。
もっとも支払いも、溜まったポイントを充当し、さらに2年間使用で適用される割引などもフルに活用したので、店頭で表示された価格の5分の1程度で購入できた。
今後は、海外オフに参加するときのようにプリペイドSIMを購入する必要があるときはNokiaの携帯を使い、それ以外は日本の携帯だけで済まそうと思う。
ところで、auショップのお姉さん曰く、私のように57ヶ月(約5年間)も使われる方は珍しいんですよ、とのことで、私に言わせれば、何をそんなに携帯を買い換える必要があるのか、と思うのだが、世の人は違うらしい。
試しに職場の女性(20代)に聞くと、新型の携帯を2年間のローンで買って払い終えると、そのときに買い替えを考えるとのことだ。
まるで、かつての車のように携帯を買い換える今の人たちを見ると、携帯など話せて、メールができて、時折ウェブが見れればいいと思っている私には別世界の出来事だ。
携帯電話をローンで買い、さらに月々5桁もの通話料金を払ったりしていれば、レジャーや車の購入費用など飛んでしまうだろうな、と他人事ながらに思う。
ただ、携帯の買い替えで、他社からの乗り換え、いわゆる携帯電話番号ポータビリティ(MNP=Mobile Number Portability)のキャンペーンに乗れば、本体価格をかなり抑えることができるようだが、店頭で話をしていると、携帯電話を頻繁に買い換えることが、それほどユーザーにとって価値があるようには思えなかった。
つまり、かつての車の買い替え、金融商品で言うところの投資信託(ファンド)や株の回転売買、どうみてもこうした乗り換え商法は結果的に消費者が損するように感じるのは気のせいではない。
今、日本経済が行き詰まりを見せているが、こうした考え方に沿って不況を論証すると、日本の今までの経済発展は、新しいもの好き、付和雷同的な国民性に付け込んだ回転売買経済によるものだったのではなかろうか。
車や携帯は言うに及ばず、家電製品だってそういうことが言えるのではないか。
仮に、それが破綻したことによって不況になっているのであれば、どんな処方箋を書こうが、誰が政権を担おうが、無駄というものだ。
回転売買は消費者に損をさせる、というのが真であるならば、それによるGDP世界2位の地位が、国民を豊かにさせなかったとしても納得がいくというものだ。
去る11月5日に合格発表のあった社会保険労務士試験、今年はものの見事に玉砕という結果に終わった。
とりあえず、1年前に気紛れで始めた試験勉強もやる気があったのは最初だけ、4月には「社労士受験勉強はすでに挫折か」という日記を書くほどの体たらく、8月の本番の試験はメダルの手が届かないアスリートのような気分で「参加することに意義がある」と自分を慰めた。
予想通り、不合格のハガキが来て、おお、そういえばもう発表だったのか、という始末では合格すべくもない。
こんな私でさえ、一瞬できたかも、と思わせる試験だっただけに、今年は合格者数も4,790人と例年より多い。
それでも合格率は受験者数55,445人に対してのものだから8.6%と10人に1人も合格していないようだ。
ちなみに、合格基準は次の2つの条件を満たした者ということで、
配点は、選択式試験が、各問1点、1科目5点満点で、合計40点満点、択一式試験が、各問1点、1科目10点満点、合計70点満点だった。
私の場合、選択式は19点と惜しい(!?)ところだったが、択一式は32点と壊滅である。
何がいけないかというと、健康保険と年金でほとんど点が取れなかったのだ。
その上、択一式で48点取るのは結構ハードルが高く、各科目7点平均で取らないと合格できないレベルなので、平均5点以下では話にもならなかったということだ。
ところが、この惨状に奮起して、来年に向けて頑張ろう、という気には全くなっていない。
先週読んだ日刊ゲンダイの特集で「落ちぶれた花形職業」というものがあり、弁護士や公認会計士といった勝ち組資格者と思われる人たちでさえ、貧乏に喘いでいるというのを読まされると、そんな気になれないのだ。
どうなるんだニッポンと思いながら、遊びでやった香港株ワラントが儲かったりすると、ますますやる気がなくなってくる。
気分は年末年始の海外旅行モードに入りつつあるし、忘年会の企画をしないととか考えると、ダメだこりゃ、と思う毎日であった。
海上保安庁から流出した尖閣衝突事件のビデオに関して国を挙げての大騒動が繰り広げられている。
媚中政権の要と揶揄される菅直人首相と仙石由人官房長官が、中国を刺激しないがために、特定の国会議員に対してのみ限定公開に踏み切ったビデオが、義憤にかられたとされる一人の海上保安官(ハンドルネーム:sengoku38)によってyoutubeにアップロードされ、それが次々に転載(6-1・6-2・6-3・6-4・6-5・6-6)されて、全面公開同様になってしまったからだ。
世論は、国民の英雄を罰するな、あるいは逆に、公務員としてどうなのか、とカンカンガクガクの大騒ぎである。
テレビを始めとするメディアも首謀者とされる海上保安官の周りで騒然と取材を繰り返し、まるで政治家の大疑獄事件なみである。
その中で首謀者とされる海上保安官がホンネとは思えないヤラセの詫び状を書かされたのは、プライドをずたずたにされた小心者のイラ菅こと菅直人首相のご機嫌取りに走る霞ヶ関の官僚の意向を、出先の上司が察して本人を説得してのことだろう。
そう考えると、最初は威勢がよかった彼が急にシュンとなった理由も想像がつくというものだ。
そもそもこのビデオは最初から機密になっていたわけではなく、事件からしばらくの間は海上保安庁の職員なら誰でも見れたし、私的に保存することも十分に可能だったようで、IT時代の情報セキュリティをアナログ時代のまま放置した挙句、それを基に機密漏洩だとか言っているのは笑止千万だ。
それに、こういう既存メディアを使っての世論操作はお手のものの霞ヶ関、尖閣ビデオ流出事件で、大阪地検の「厚生労働省の郵便不正事件をめぐる証拠改ざん」や警視庁の「テロ情報流出事件」はすっかり霞んでしまったようだ。
これら3つのうち、どれが重大かと言えば、国際的には警視庁の事件、国内的には大阪地検の事件だ。
警視庁の「テロ情報流出事件」に関して言えば、ただでさえ、国家間の機密情報を「ここだけの話」としたり顔で漏らす日本の政治家に不信感を抱いて、まともな治安情報が米国から日本へ来なくなったと言われているのに、今度は治安当局の大失態である。
これで各国の情報機関や治安当局が警視庁を国際捜査機関のカウンターパートとして見なくなっても不思議ではあるまい。
それに今回の流出事件で警察に協力した人間の生命が脅かされる可能性も否定できない。
しかもネット上で晒された情報に関して、警察の協力者たちは、公に訴え出ることもできないのだ。
これらの不祥事を起こす職場に共通しているのは、各省庁の財政・会計担当幹部のIT音痴ぶりだ。
今時、職場に私用のパソコンを持ち込まないといけないと仕事にならない状況を放置しているのは、彼らの職務怠慢以外の何物でもない。
彼らは役所の中では最高権力者(事務次官)に近い存在だから誰もそんなことを指摘できないし、大臣(政治家)は基本的に高齢のIT音痴ばかりだから、これまた話にならない。
私が思うに、情報漏洩事件を起こすような職場は、パソコンが1人1人に配備されているわけでもなく、割り当てが職場に数台、しかも旧式のものだったりするので、仕方なく私用のパソコンを持ち込んで仕事をせざるを得ない状況に追い込まれているのだろう。
つまり、それを改善することなしに、私用パソコン禁止などと言っても現場の士気が下がるだけで、またもや同じ不祥事が別のところで繰り返されるのだ。
厚生労働省の郵便不正事件で、証拠のFD(フロッピーディスク)の改ざんと、メディアの報道にあったのを覚えているだろうか。
今時、フロッピーディスクドライブを備えたパソコンがどのくらいあるのか、いかに役所が旧式のものを使っているのか想像がつくというものだ。
これで情報セキュリティ云々を言われても素直に信用できるだろうか。
一方の大阪地検の「厚生労働省の郵便不正事件をめぐる証拠改ざん」は呆れてものが言えないほど酷いものである。
これを見て私は、元北海道・沖縄開発庁長官で新党大地・代表の鈴木宗男氏が「北方領土特命交渉」という著書の中で「一部の外務官僚が元最高裁判事の園部逸男氏を抱きこみ園部レポート(鈴木宗男の圧力によって対ロ政策、北方領土に対する支援事業がねじ曲げられた)という謀略文書をつくり上げ、その筋書きに沿って私は逮捕された。」と書かれているのを思い出した。
彼に対する疑惑は一つだけではないので、これだけをもって政治的謀略で政治生命を絶たれたと論ずるのは不適切かもしれないが、大阪地検による証拠改ざんを見せつけられると、鈴木宗男氏の事件のみならず、最近になって逮捕・起訴された政治家は官僚にとって都合の悪い人物だったのではないか、という疑念を抱かざるを得ない。
何しろこういうときのメディアは検察情報の垂れ流ししかしないので真相を知ることが非常に困難だ。
しかし、今度の事件で元大阪地検特捜部主任検事・前田恒彦容疑者があれだけ大それたことをやった理由は容易に想像がつく。
10月11日付の読売新聞で報じられている、彼が言ったとされる「立証上の唯一の傷、消したかった」というのは、日本の刑事裁判における99%以上の有罪率という神話を守れなければ、今後の立身出世の妨げになるという恐怖からくるものだ。
まして、彼は検察のホープと期待されていたこともあって、余計にそうなったのであろう。
中村氏の裁判に見る日本の司法の現実(2005年1月15日の「今日の一言」)で私はこう書いた。
「日本の司法制度は独裁国家でしかあり得ないことが平然と行なわれている。」と・・・
作家のカレル・ヴァン・ウォルフレン(Karel Van Wolferen)は、憲法上は独立しているように見える最高裁判所でさえ、実質的に法務省の官僚の支配下にあると言う。
まして、検察庁の検事は行政組織上もそうなのだから、人事権を持った官僚の意向を忖度するのが有能な人たる評価を受けるのは当然のことだろう。
民主党の公約の一つに「取り調べの録画・録音による可視化(刑事訴訟法の改正)」がある。
この政策は、参議院で民主党が多数野党だった時代の2007年12月(第168回臨時会)、2009年4月(第171回常会)に提出し、2009年の衆議院選挙のマニフェストには「取り調べの可視化で冤罪を防止する」と盛り込まれたものだ。
しかし、私に言わせれば「冤罪」は、過去はともかく、今は現場の暴走でなく「上層部」の無知によってもたらされていると言っても過言でなく、それを改善することなしに司法改革はできないとさえ思える。
役所の上層部が指示する「○○率の向上」というのは実現困難な目標も多く、それが現場の暴走や不正を生む温床になることが往々にしてあるのだ。
特に日本の場合はキャリア(上層部)とノンキャリア(現場)の意識の乖離が大きいだけになおさらである。
今や野党時代の公約が実現不可能な夢物語ばかりと揶揄される民主党政権、「取り調べの可視化」というのもその一つであると言えなくもない。
それゆえ、2010年の参議院選挙のマニフェストでは、「取り調べの可視化」という公約が外されたのだろうか。
なぜなら、世間知らずと揶揄される裁判官に、狡猾な犯罪者に対して取調べを担当する警察官が声を荒らげただけで「被疑者に対して威圧的な取調べをしている」などと判断されては治安当局者はたまったものではない。
確かに、暴走検事、暴走刑事もいるだろうが、それにも増して狡猾な犯罪者や彼らに入れ知恵する人権派と呼ばれる弁護士によって、今や犯罪者が大手を振って町を歩いているとも言われているのだ。
あながち法務省の懸念が自己保身によるものだけとも思えない。
「尖閣ビデオ流出騒動にほくそ笑む霞ヶ関の官僚たち」という題名は、関係省庁で人事・財政の権限を持った官僚たちがいつまでも安泰であることを意味している。
現場が叩かれれば、叩かれるほど、彼らは待ってましたとばかりにトカゲの尻尾切りに精を出す。
残念なことに、政治主導を公約にした民主党政権でさえ、それを変えることはできないだろう。
まして首相は霞ヶ関の愛玩犬とも言われる菅直人なのだ。
いかにも小心者の彼は、横浜で開催されているAPECにおいて、米中両国首脳の形ばかりの笑顔に胸を撫で下ろし、国民の期待とは裏腹に、石にかじりついても任期満了まで首相をやり遂げることだろう。
このトップ2人のトンズラを許すな 海保騒動よりも重大な「警視庁テロ情報流出事件」と「検察庁大阪地検特捜部腐敗事件」 (2010.11.12 日刊ゲンダイ) |
尖閣ビデオ流出で、すっかりかすんでしまった警視庁公安部のテロ情報流出事件。 こちらは捜査の進展がまったく聞こえてこない。 尖閣ビデオについて、仙谷官房長官は「公務員が故意に流出させたとすれば、明らかに国家公務員法違反だ」とカリカリ。 政府の徹底捜査指示で事件は急展開を見せたが、テロ情報流出も構図はまったく同じ。 むしろ、尖閣ビデオより深刻で悪質なくらいなのに、警視庁は、よその役所の流出は捜査して、身内の流出事件には消極的だから許せない。 「警視庁は頭を抱えているでしょう。官邸の指示で海保の捜査を担当することになったようですが、ホンネではやりたくなかったかもしれません。尖閣ビデオの流出犯を逮捕する以上は、警視庁の資料流出も犯人が分かれば捕まえるのがスジです。警視庁の文書を流出させたのは内部の人間で、すでに犯人を特定できたという情報もある。しかし、犯人を挙げれば、流出文書が本物だと認めることになる。認めてもいい一部資料についてのみ刑事事件にすることを検討しているといろ話もありますが、そんな子供だましが通用するはずもない。本音ではウヤムヤに終わらせたいのでしょうが、そうもいかなくなってしまう可能性が強いですから。もっとも、今はAPECの大警備でテンヤワンヤ状態だというから、これを口実に問題を先延ばしする可憐性はあります」(ジャーリスト・青木理氏) 時間の経過とともに事件のインパクトが薄れ、世間から忘れ去られるのを待つ。 これは警察組織の常套手段だ。 臭いものにフタをして、都合の悪い事実は闇に葬る。 結局、誰も責任を取らない。この悪しき体質は、検察組織と共通のものだ。 検察庁は、尖閣ビデオ流出騒ぎに「これ幸い」とほくそ笑んでいるに違いない。 大阪地検特捜部の証拠改ざん事件で一斉に向けられた批判の矛先が、検察から横にそれた。 新聞テレビでヤリ玉に挙げられる機会もめっきり減ったからだ。 「もともと、検察のストーリーでは、大坪前特捜部長らの逮捕・起訴で一件落着。捜査を終了させるつもりでいた。しかし、それで世論の反発が収まらなければ、上級庁や検事総長の責任問題に発展していたかもしれない。世論やマスコミの追及が緩み、とりあえずクビの皮がつながった大林検事総長は胸をなで下ろしていることでしょう」(司法ジャーナリスト) 尖閣ビデオ流出犯逮捕が、結果として2大腐敗組織を助けるとしたらブラックジョーク・陰謀の類いである。 |
特捜事件に限定した可視化法案提出へ・・・民主議連 (2010.11.5 読売新聞) |
民主党の「取調べの全面可視化を実現する議員連盟」(川内博史会長)は5日、国会内で会合を開き、主に地検特捜部が手がける事件を対象に、犯罪捜査の取り調べの録音・録画(可視化)を行うよう定めた刑事訴訟法の特例法案を、議員立法で今国会に提出する方針を決めた。 来週中にも骨子案をまとめ、党内手続きに入る。 同日に示された骨子素案は、警察などの捜査を経ずに検察が直接捜査する事件に限り、容疑者と参考人への取り調べでの録音・録画を義務づける内容だ。 違反した場合、供述調書を証拠と認定しないとしている。 同議連は当初、来年の通常国会で、政府提出法案による法改正を目指していたが、大阪地検特捜部の証拠品改ざん・犯人隠避事件を受けて方針転換した。 ただ、法務省では慎重意見が強く、調整は難航も予想される。 |
「立証上の唯一の傷、消したかった」前田検事 (2010.10.11 読売新聞) |
郵便不正事件の証拠品のフロッピーディスク(FD)を改ざんしたとして、最高検は11日、大阪地検特捜部主任検事・前田恒彦容疑者(43)を証拠隠滅罪で大阪地裁に起訴する。 捜査関係者によると、前田容疑者は容疑を認め、改ざんの動機について「立証上の唯一の傷を消したかった」などと供述しているという。 法務省は同日、前田容疑者を懲戒免職処分とする方針。 調べによると、前田容疑者は厚生労働省元係長・上村勉被告(41)(公判中)が発行した偽の証明書を巡り、昨年7月13日、FDに記録されていた偽証明書のデータの最終更新日時を「2004年6月1日」から、特捜部が描いていた事件の構図に沿う「2004年6月8日」に書き換えた疑いが持たれている。 |
全面可視化「すべての事件対象は現実的でない」 法務省 (2010.6.18 朝日新聞) |
法務省は18日、取り調べの全事件、全過程を録音・録画する「全面可視化」について、「すべての事件を対象とするのは現実的ではない」とする中間報告を明らかにした。 全過程についても「事件関係者や捜査手法に与える影響を踏まえ、さらに検討する」とした。来年6月以降に意見をまとめる。 同省によると、検察庁が1年間で受理する刑事事件は約200万件。 可視化のための機材購入の費用負担などを考慮すると、対象事件を絞り込むべきだと結論づけた。 今後、すでに一部の事件で実施している録音・録画の実効性を調査するほか、可視化を制度化している外国に検事約20人を派遣して、運用状況を調べるという。 対象事件の範囲については、千葉景子法相が3月、必ずしも全事件の可視化にこだわらない姿勢を示していた。 17日には民主党内の「取り調べの全面可視化を実現する議員連盟」の国会議員3人が千葉法相を訪れ、「まず裁判員裁判対象事件から実現し、段階的に進めるべきだ」と申し入れた。 日本弁護士連合会の宇都宮健児会長は「取り調べの全過程の録画が不可欠なのは、足利事件などの冤罪事件から見ても明らかで、同省の方針は可視化を後退させる議論だ。速やかに立法作業を開始すべきだ」とする声明を出した。 |
昨夜の日本シリーズ第7戦で延長12回の激闘の末、千葉ロッテがレギュラーシーズン3位から大逆転で日本チャンピオンに輝いた。
今回は、この球史に残る「史上最大の下克上」を成し遂げた彼らに敬意を払ってコラムを書いておきたい。(2010年11月8日スポニチ-「史上最大下克上舞い!ロッテ連夜の死闘制し日本一」)
今回のロッテが成し遂げた快挙は、史上初のレギュラーシーズン3位からの逆転劇ということで、3位のチームが日本チャンピオンになる制度はおかしいという人もいるが、これって考えている以上に大変なことだと思う。
なぜなら、3位のチームは、クライマックスシリーズの全試合をビジターで行い、しかも引き分けはほとんど負けという条件下で戦うのである。
今年のロッテに関して言えば、ファーストステージ2試合、セカンド(ファイナル)ステージ6試合、日本シリーズの最初の2試合を入れれば、ビジター10連戦ということになり、阪神タイガーズの「死のロード」顔負けのハードさである。
阪神ファンの方は詳しいと思うが、優勝した年でさえ、夏のロードは勝ち越して帰れば「御の字」という状態でないかと思う。
それほどのハードさの上、接戦のゲームになればなるほど野球はホームチーム(後攻)が有利になる。
私はファーストステージの2試合、日本シリーズの延長15回引き分け試合、そして日本チャンピオンになった延長勝ち試合のいずれもがロッテが先攻であったことに驚異の強さを感じた。
特に、日本シリーズで引き分けに終わったゲーム、優勝決定試合となったゲームなどは、サヨナラ負けとなって当たり前のような展開だったのでなおさらだ。
それにファーストステージの2試合はいずれも延長戦での勝利で、試合展開からいけば2試合とも西武が勝っていてもおかしくなかった。
これは、ニッポン放送の解説者である元広島カープの達川光男氏曰く「記憶にない」というレベルのようだ。
最近ではプロ野球をほとんど見なくなった私でさえ新聞の見出しくらいは見るからわかるが、「連夜のサヨナラ」はあっても「ビジターチームの連夜の延長勝ち」というのは見たことがない。(2010年クライマックスシリーズ・ファーストステージ結果 2010年クリマックシリーズ・ファイナルステージ結果 2010年日本シリーズ結果)
こうして見ると、レギュラーシーズン3位からの日本シリーズ制覇というのは、いくらクライマックスシリーズの制度があっても、驚異の強さを発揮しなければ、勝ち切れないというのがよくわかる。
まして戦う相手はシーズンの上位チームなのだから阪神タイガースの「死のロード」よりも苛酷だろう。
この制度がいつまで続くかわからない、おそらく読売ジャイアンツが、ソフトバンクのようにレギュラーシーズンを制覇しても日本シリーズに出れないことが多くなればやめよう(笑)、ということになるだろうから、3位からの日本シリーズ制覇はこれが最初で最後であろうか。
いずれにせよ、2010年の日本シリーズを制覇した千葉ロッテにおめでとう、と言っておきたい。
AERAの11月8日号の記事に「親子が知らない『いい会社』55社」というものがあった。
読んでみると、私が日本株投資をやっていた当時、株式欄を賑わせた会社も結構ある。
5、6年前に日本株が活況を呈していた頃は、勤めるのに適した会社と、投資に適した会社は違うものだと言われた。
なぜなら、株価が上昇している会社が従業員に優しい会社かというと、必ずしもそうではなく、むしろ逆のことが多かったからだ。
特に、わが世の春を謳歌していた新興市場の会社は、ベンチャー企業という性格上、創業者は莫大な利益を得るが、そこに勤める従業員は低賃金に甘んじなければならない運命にあったものだ。
それに、リストラや販売管理費(要は人件費などの営業コスト)の削減がニュースとなると株価が上昇していた時期だったため、サラリーマンとしては、役所か非上場の優良企業に勤め、新興市場の株に投資するのが最も良い、とか揶揄されたときでもあった。
ところが、今の時代に伸びている会社というのは、そうではないように思える。
従業員にソッポを向かれる会社では、今や「ブラック」のレッテルを貼られ、有能な社員が集まらず、生産性はガタ落ち、株価も凋落という運命を辿ることになるからだ。
つまり、私が記事を読んでいて懐かしい感じがした会社は、AERA編集部の澤田晃宏氏が書いているように「優良企業」なのだろう。
そう言った意味では就活の「優良企業」は投資でも「優良企業」に十分なり得る可能性があると言える。
実際にどんな会社が「就活のプロが認める優良企業」になっているかをExcelファイルに落としてみたので参考にするといいだろう。
ところが、どんな優良企業でも上場している市場のトレンドには逆らえない、それを象徴しているのが今の日本市場だ。
今やどん底とも言える日本市場に未来はあるのか。
尖閣事件に見られるように菅民主党内閣はもはや売国政権とも言われ、昨年まで民主党の応援をしていた私でさえ、見捨てることに決めたほど酷いありさまである。
せめて内政だけでもまともにやってくれたら、との思いとは裏腹に、こちらも迷走を続けている。
なぜか左派の政治家や市民運動家と言われる人たち、それに彼らの支持者たちは、かねてより金持ちや資産家を敵視することが庶民の味方をしているとでも思っているのか、ことさら投資とか経済を毛嫌いする人が多く、今や、その代表たるオトコが政権を握っているわけだから経済が上向きになるハズもない。
海外では労働党や社会民主党と呼ばれる左派寄りの政治家でさえ、経済のことに明るいことを思えば雲泥の差である。
最悪の場合、菅政権が2012年9月まで続くことに、うんざりしている人も多かろう。
去る5日の読売新聞でも「東京株式市場は際だって回復が遅れている」と報じられており、まるでバブル崩壊の前兆のように株価が急騰している海外市場と比べると、無残の一言である。
何しろ私的にも海外で運用している資産残高は、為替が円高になっているにもかかわらず、円建て換算でも続伸を続けているのだから、その差は歴然としている。
投資や経済を毛嫌いする人たちは、彼らが大好きな「汗水垂らして働いた結果の老後の保障」が、日本の経済情勢と無縁に保障されると本気で思っているのだろうか。
東京株きわだつ回復遅れ、その理由は? (2010.10.5 読売新聞) |
5日の東京株式市場は、4日の米株式相場が大幅上昇したことや、株式市場への資金流入期待から全面高の展開となり、日経平均株価(225種)の終値は、前日比267円21銭高の9625円99銭と大幅続伸した。 上げ幅は一時、320円を超え、日経平均の9600円台回復は10月7日以来、約1か月ぶり。 東証1部の出来高は約21億2400万株だった。 低金利政策の長期化など各国の金融緩和で市場に大量供給された資金が株式市場に向かい、主要市場の多くで株価上昇が続いている。 リーマン・ショック直前と直近の株価を比較すると、中国・上海では50%超も上昇したほか、英独でも10%近く上昇した。 しかし東京市場では「リーマン前」より2割超も下落した水準のままで、回復の遅れは際立っている。 円相場が史上最高値(79円75銭)をうかがう水準に高止まりしていることが株価の重しになっているのに加え、政府の成長戦略が見えないことが外国人投資家などの買いを遠ざけている。 ただ、9月中間決算で好業績を発表する企業が多いことや、これまで売られすぎていた銘柄への見直し買いなど、「市場の雰囲気が変わってきた」(アナリスト)との声も出ている。 |
親子が知らない「いい会社」55社 -世界トップシェア企業でも「内定辞退率5割」という現実- (AERA 2010年11月8日号 by 澤田晃宏) <就活のプロが認める優良企業(Excel)> |
「就職難」が叫ばれて久しい。本当にそうだろうか。「知る努力」をすれば、採用意欲の高い優良企業はたくさんある。 4月、都内の私大であった就活セミナーに足を運んだ。 3年生が対象だが、まだ内定の出ない4年生の姿も目立った。 「自己分析すら十分にできていないまま就括に入り、名前を聞いたことのある企業にばかりエントリーした。当然、志望動機が軽いから自己PRもうまくできず、はじかれる。会社名にこだわらず幅広く見ていきたい」 「もし半年前に戻れるなら、きちんと業界研究をし、会社を絞り込んで臨めば、うまく自分をアピールできたと思う」 会場にいた4年生は、そんな「敗因」を口にしていた。 セミナーと同時にディスコという会社が説明会を開いていた。 ディスコは、半導体に使う切断装置のシェアで世界トップに立つ知る人ぞ知る優良企業。 林登志男人財部長の顔色はさえない。 「就職難と言われますが、当社のような知名度の低い企業にとっては採用難。内定辞退率は約5割にも上ります」 ■親子で会社見学 優秀な人材を確保するため、今年度から大学に足を運んで単独の会社説明会を開いている。 2010年度の採用予定は60人だったが、実際には29人しか入社しなかった。 今春、4年制大学を卒業した学生の就職率は60.8%。進学も就職もしなかった人は約8万7千人。 厳しい就職状況が伝えられる一方で、優良企業が人材不足に悩んでいる。 そこでアエラでは、大学就職部、人材コンサルタント、投資家、就職支援会社などに、学生に知ってほしい隠れた優良企業を推薦してもらった。あわせて55社。 テレビCMで社名を耳にするような企業はないが、特定の分野で高いシェアを獲得していたり、独自の技術を持っていたりする企業ばかりだ。 そもそも、「就職難」が必ずしも実態を映していないことは明らかだ。 従業員規模別の有効求人倍率(2010年卒)を見ると、従業員1千人以上の企業は0.55倍と厳しいが、1千人未満では3.63倍。明らかに「売り手市場」だ。 業種別に見ても、製造業1.97倍、流通業4.66倍、金融業0.21倍、サービス・情報業0.67倍と開きがある。 採用したくてもできない、働きたくても働けない「不均衡」が起きるのは、大手企業や人気業種にばかり学生が集中した結果だ。 ただ、視野が狭いのは学生ばかりではない。 ディスコは今年から、内定を出した学生を対象に「親子会社見学会」も始めている。 「学生が会社のことを知ってくれても、親の反対で辞退されるケースがある。保護者の認知度も低く、『何の会社なの?』と言われると、学生も自信を失ってしまうんです」(林さん) ■9割は「知らなかった」 6月、大田区にあるディスコ本社であった親子見学会に参加した。 1時間の事業内容説明に続き、社員が社内を案内して回る。トレーニングルームや託児所も併設されており、働く環境としては申し分ない。 「私が転職したいくらい。離職率が低いと説明を受けたが、会社にきてみて納得した」 参加した親の一人は、そう満足げにつぶやいた。 別の親も会社の説明に熱心に耳を傾け、「確かな技術を持ち、海外展開も進めている。正直、聞いたことのない会社でしたが、とても安心しました」 それでも、「応募者を増やす」という根本的な課題は残る。 今年5月、本社であった第1回会社説明会。 学生に配られたアンケートの1番目の質問は、「あなたはディスコという会社を知っていましたか?」 約9割は「知らなかった」と回答した。 大手就活サイトを利用しているが、「ネット就括時代に入り、大量にエントリーできるようになった分、学生の元には会社説明会の案内メールが大量に届く。そうなると、どうしても知っている企業が強い。知名度の低い会社は、お金をかけても人が集まらないんです」(林さん) どうすれば学生の目を開かせることができるのか。 関西学院大学は2007年から、人生観や職業観を持たせることを目的に「成長企業インターンシップ」に取り組む。対象は、1、2年生だ。 ■「働く」を実感できない 2年のときに参加した社会学部4年の船崎亮さん(22)は、「実際に働くと、イメージと違う部分にも気付く。本格的に就活が始まってからも、就活サイトなどのイメージに踊らされず、腰を据えて就職活動ができた。苦戦している友達は、働くことを実感できず、父親の仕事内容すら説明できない人が多い」 日本大学文理学部では、就活がスタートする10月からほぼ連日、就職指導をしている。 「会社四季報」の読み方や業界・企業研究の方法を伝えるにとどまらず、すでに就職活動を終えた4年生が、面接やグループディスカッションを再現する。 学生が「卒業アルバムに載るよりうれしい」と話す冊子「ジョブガイド」も作っている。 「卒業生に聞き取り調査を行い、エントリーシートの実物を収録し体験談をまとめたものがジョブガイド。身近を先輩がどのように会社を選び、入社したかに触れ、学生の視野も広がる」と、就職指導課の大和田恭成さんは話す。 毎年、求人が1千件ずつ減るなか、大手・人気企業志向を放ってはおけない。 昨年から始めた新たな取り組みが、知名度は低いがOBが在籍する優良企業を集めた「優良企業合同セミナー」だ。 昨年は15社が参加し、ほぼすべての企業から文理学部の学生に内定が出た。 セミナーに参加した日本電産コパル人事部の高雄陽子さんはこう話す。「他の大学で合同企業説明会を開いても、ひどいときは1ケタしか集まらない。日大では70人以上の学生が耳を傾けてくれた」 日本電産コパルはカメラ用シャッターでディスコ同様、世界トップシェアを誇る会社だが、特に文系職種の採用が厳しい。 2011年卒の採用でも、現段階で予定数の内定は出ていない。 ■身の回りから企業探し 「実際に社員と話すと、若手でも大きな仕事を任されることや、社風に共感してくれる学生たちも多い。難しいのは、そのキッカケ作り。採用では、社名を知られていないことが、一番のデメリットになる」(高雄さん) 昨年は、その「キッカケ」に恵まれ、応募者の3割近くが日大文理学部の学生だったという。 だが、すべての大学が親身な就活支援をしてくれるわけではない。 いったい、どのように企業を探せばいいのか。 『マンガ株投資入門』監修者でファイナンシャルプランナーのコイヌマタマキさんは、企業探しの第一歩は「身の回りに関心を持つこと」だという。 「人気商品があれば、部品はどこが作っているのか調べてみる。最近『バイク王』のCMがたくさん流れていると思ったら、その会社のことを調べると、実はアジアに進出している会社だと気付いたりする」 ■求人票に表れた意思 成長している国や分野に投資しているかどうか。 そこが、就職するべき会社かどうかを見極めるポイントだという。 『くたばれ!就職氷河期』など、就活に関する著書が多数ある人材コンサルタントの常見陽平さんは、就活で苦戦する学生は新聞も読んでいないことが多く、情報感度が低いと指摘する。 「情報源にするなら、合同企業説明会や大手の就職ナビより、『採用する』という意思の表れである大学の求人票と、学内で開かれる企業説明会を利用するべきた」 また、「労政時報」「企業と人材」「人材教育」「Works」「HR MICS」などの雇用・労働系専門誌は、優れた人材マネジメントをする企業が掲載されており、優れた企業との出会いの宝庫だという。 政策研究大学院大学の橋本久義教授(中小企業・ベンチャービジネス論)は、中小企業の経営者からこんな言葉を耳にする。 「ウチはハエ取り網だ」 なかなか近寄らないけど、入ったら辞めない、そんな意味だ。 橋本教授は言う。 「1980年代に、これからは大量生産時代に入り、日本はガラパゴス化すると言われたが、ようやく時代が追いつき、日本の高い技術が求められている。小さいけれど世界シェアを占める中小企業はたくさんある」 ただ、一言付け加えた。 「大企業なら気にいらない上司でも、数年我慢すれば代わることはあるが、中小企業に行くと、そうはならない(笑)」 就職支援を行う「内定塾」では今年、人塾者数が昨年の200人から700人に大幅に増えた。 同塾の柳田将司さんは、早く内定を取れる学生と、いつまでも内定の取れない学生の差をこう指摘する。 「いかに早い段階で企業選びの着眼点を『社名』から『やりがい』や『大切にする価値観』に移行できるか。30歳になったとき、自分はこうありたい。それを実現できる企業を探すのが、本来の企業選びなんです」 ■「B to C」しか知らない 10月、内定塾では、「価値観探しワーク」が行われていた。 2人1組で、「グローバルに働きたい」「世の中に貢献できる仕事に携わる」「チームワークを大切にする」などの価値観が書かれた66枚のカードを、「重要である」「どちらでもない」「重要でない」の三つにわける。 さらに、「重要である」に選択したカードを10枚に絞る。 授業の最後、講師の松本零央さんはこう言った。 「みんなが知っているのは消費者に直接、商品やサービスを提供している『B to C』企業。でも、ほかにも会社はたくさんある。カッコいい、カッコ悪いではない。自分の価値観に合う会社じゃないと、こんなはずじゃなかった、となる」 内定塾の元塾生で東邦大学理学部4年の小林和弘さん(22)は、京都の医療機器メーカーに内定した。 企業名を言って、知っていると答えた人はまだいない。 「名前だけで選びたくなかった。仕事には人生で一番長い時間を費やすのだから、社風や仕事内容をきちんと見極めたかった。高卒から定年まで勤め上げた父のように、長く働ける会社がいいと思ったんです」 就活中、内定塾で20回程度練習していたせいもあり」グループディスカッションでは、自然と初めに声が出た。 結論から話す、1分でまとめる、という面接対策も生きた。 ただ、内定塾で学んだ一番大きな収穫は、「自分が何を大切にしているかを考え、意識の高い仲間と過ごせたこと」 ■安定は規模よりシェア 当初は、「武田薬品工業」「大塚製薬」「エーザイ」などに足が向いた。面接はほとんどがグループ。しかし、内定企業だけは1次から一対一だった。人を大切にする企業だと感じた。 「それに大手=安泰という時代ではない。内定先は500人程度の会社ですが、特定の分野で高いシェアを持っている。長く働き続けたい僕にとっての安定は、規模よりシェアでした」 いまは、後輩から就活の相談を受ける立場だ。 小林さんは後輩にこんなアドバイスを送る。 「自分のやりたいこと、大切にしていることを探してみればいい。就活の成功は、自分の納得できる会社に入ることだから」 |
海外旅行は私の趣味の一つであるが、つい最近までカウチサーフィング(couch surfing)というのを知る由もなかった。
このカウチサーフィングというのは、世界中を旅する人たちが、お互いに一宿一飯(本来の意味は旅の途中で、一晩泊めてもらったり、食事を恵んでもらったりして、他人の世話になること。カウチサーフィングは原則として泊めてもらうだけである。)の恩義に預かるもので、究極の格安世界旅行とも言われている。(mixiのアカウントを持っている人はコミュニティがあるので参加してみるといい)
私がこれを知ったきっかけは、橘玲氏の著書「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の中の「バックパッカーのサーフィン」という一節で紹介されていたからだ。
実のところ私もインターネットを介して知り合った人のところへ泊まりに行ったことはあるが、その前段として飲み会で会ったりして、お互いが信頼できるということを確信した上で泊まりに行っていた。
ところが、このカウチサーフィングはウェブ上だけのやりとりで完結させてしまうという。
このサイトにおけるメンバーの信頼度を保証するのは、ネットオークションと同じように、現に取引(交流)した者同士の評価である。
言わば、ネットオークションにかけるのは「自分自身」というわけだ。
ずいぶんと大胆なシステムだと思うが、よくよく考えてみると、そうでもないことがわかる。
要は、ドミトリーなどで知り合った者同士が、次の宿泊先ではゲストハウスのツインルームで泊まるということはよくあることだ。
そう考えれば、最初に知り合うのがドミトリーかネット上かの違いでしかない。
ドミトリーだったらリアルに会っているからネット上より安全では?というのは私が思うにあまり関係ない。
なぜなら数日程度は悪人がネコを被っていることは十分に可能だからで、そのリスクはネット上で知り合うのと大差がない。
一方、橘玲氏は、「ネットオークションでは悪人が善人になり得る」とも言う。
この論理が正しければ、カウチサーフィングで知り合う人の方が、ドミトリーで知り合う人よりもリスクが少ないということが言えるかもしれない。
その理屈はネットオークションで悪事を働こうとする者が、事前準備として一生懸命にネコを被り善人としての評価を積み上げると、結果として悪事を働こうとするときに、このまま善人としての評価を維持した方が得ではないか、というジレンマに陥り、最終的には悪事を働く必要がなくなる、ということだ。
このような不思議なことが起こるのは、ネットオークションがネガティブな評価よりポジティブな評価に高い価値があるからだといい、その理屈でいくとカウチサーフィングがごく少数のトラブルで済んでいるということの説明がつく。
ここまで来てカウチサーフィングで知り合った男女が泊まった場合、俗に言う「出会い系」サイトと何が違うのかと思うだろう。
一番の違いは評価がオープンなのかクローズなのかの違いだろう。
私は「出会い系」サイトのことをよく知っているわけではないが、この種のサイトで○○さんは誠実度10点です、という評価が掲載されることがあるだろうか。
インターネット黎明期のネットオークションがこうした第三者評価の制度がなく、しばしば詐欺の舞台となっていたことを考えれば、クローズのサイトのリスクがわかるのではなかろうか。
私もここまで様々なインターネットを介して多くの人と知り合った。
普通に生活していれば会うことはなかっただろうし、会ったとしてもお互いに通り過がりの旅人で終わっていたはずだ。
一時期、異業種交流会などというものが流行ったことがあったが、そんなところへスーツを着て名刺を配りに行かなくとも、私たちはインターネットを介して知り合った職業も世代も生活スタイルも違う友人たちと、”リアル”に何も意識することなしに交流している。
考えてみれば、これはIT時代が生んだ奇跡とも言えるのではないか。
未だにネット上の交流なんて危なくないのか、などと言っている旧世代の人から見れば、私たちはロケットに乗って月へ飛んでいく宇宙飛行士のようなものかもしれない。
バックパッカーのサーフィン (橘玲著 「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」) |
バックパックひとつで世界じゅうを旅するとき、これまではドミトリーと呼ばれる相部屋に泊まるのがふつうだった。 ところが アメリカ人のプログラマー、ケーシー・フェントンは、休暇でアイスランドを旅行したとき、もっと安くて便利な方法があることを思いついた。 アイスランド大学の学生1500人に、もしよければ泊めてもらえないか、とメールしてみたのだ。 そうしたら驚いたことに、50人を超える学生から、「カウチ(ソファ)でいいならどうぞ」という返事がきた。 そこでフェントンは、カウチの交換をコミュニティにしたら便利なんじゃないかと思いつき、これを「カウチサーフィング」と名づけてホームページを開設した。 ここに登録すると、ホストとなって無料でカウチを提供したり、カウチサーファーとなってカウチを貸してもらったりできる。 このホームページには200ヶ国130万人のメンバーが登録されていて、カウチをサーフィンしながら宿泊費ゼロで世界じゅうを旅している。 なぜこんな仕組みが可能になったのだろうか。 その背景には、誰かと部屋をシェアするのが当たり前、という欧米の若者たちの文化がある。 朝起きたらルームメイトの友だちがカウチで寝ているなんて日常茶飯事だから、知らない人間がいたって彼らはたいして気にしないのだ。 でもこれは、当然のことながら、かなり危険な企てでもある。 宿泊者がバックパッカーを装った犯罪者だったり、ホストが若者を狙う変態だったりする可能性があるからだ。 そこでカウチサーフィングでは、登録者の評判をネット上で閲覧できるようにした。 ホストやサーファーが利用後に相手を評価し、それが自己紹介欄に表示されるのだ。 いちどホームページを見ればわかるけど、メンバーの多くは実名と顔写真をアップしている。 彼/彼女がポジティブな評価をたくさんもらっていれば、安心して泊まりにいくことができる(安心して泊めることができる)。 宿泊依頼に応じるかどうかは自由だから、カウチサーフィングでは、誰もが相手に親切にして高い評価を得ようとする。 すなわちこの仕組みでは、「親切」がゲーム化されている。 それ以外にも、カウチサーフィングで知り合った友だちのリストがアップされていて、メンバーの人間関係がわかるようになっている(評価の高い友人がたくさんいれば信用度も上がる)。 主要メンバーによる保証制度(ヴァウチング)や、クレジットカードを使った身分確認の仕組みもある。 こうしたさまざまな「評判」機能によって、2004年の開始以来何百万件もの利用があったにもかかわらず、トラブルはきわめて少ない(2009年に、香港人の女性カウチサーファーがイギリスのホストにレイプされたと訴える事件があった)。 こんなことが可能になるのは、インターネットの登場によってグローバルな人間関係が可視化できるようになったからだ。 ネット上で知り合うだけではなくて、いまでは誰もが世界じゅうに”リアルな”交友関係をつくれるようになった。 これは、スゴいことだ。 |
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