両替はどこでするのが得か? (2015年10月4日最終更新) |
基本的原則 | ||
1990年代と違って円が主要通貨に対して相対的に弱くなりつつある昨今では、米ドルとユーロについては、日本で必要最低限の現金を買っていった方がいい。その他の外貨については円の現金を持参して現地で両替する方がいいと思われるが、今後の情勢によっては円の現地両替事情が悪化することもあるので予断を許さない。 |
||
イギリス | ||
2015年夏 | 2015年10月4日−「ユーロ圏の空港も酷かったが、さらに酷いロンドンの空港の円現金両替レート」 | |
ユーロ圏諸国 | ||
2006年夏 | このときの旅行は、ユーロ導入前かつ911以前の欧州しか知らない私にとって、もしかすると以前の常識(日本円のCashのまま持ち出すか、外貨のTC(traveler's
check)を旅行に持って行く)は通用しないかもしれなかった。
それが事実かどうかを検証するのも今回の旅の目的であった。すべてを試すわけにはいかないので、日本でのユーロ両替、米ドル外貨預金→米ドルTC→現地でのユーロ現金化、Citicardから直接出金を試してみた。為替レートは、すべて同日の為替サイトのOANDAの銀行間取引レート、標準的なCashの両替レート(+/- 4%)を示して対比してみることにしよう。 まずは、出国当日(8/30)に日本円をユーロの現金に換えてみた。Travelex Japanの換算レートは1ユーロ=153.66円で、為替手数料は4円、つまり仲値は149.66円ということだ。一方のOANDAの銀行間取引レートは1ユーロ=149.63円、まあこれは誤差の範囲だ。標準的なCashの両替レートは155.27円、もしかすると日本で両替した方が得なのでは?という期待を抱かせる数値が出た。 次に最近では海外旅行の標準装備とも言える国際キャッシュカードの代表であるCiticardからの直接出金を試してみる。場所はかなり田舎だが、イタリアのリゾート地であるリパリ島のBanca Popolare Italiana、日付は9/3の日曜なので、OANDAの金曜日の為替レートで対比する。150ユーロの出金に対してCitibankのStatementの記録は23,604円、為替レートは157.36円、9/1のOANDAの銀行間取引レートは1ユーロ=150.42円なので、何と為替手数料は7円も取られている計算となる。巷で言われているより得ではなさそうだが、この日のOANDAの標準的なCashの両替レートは156.43円、そんなに遜色ないことがわかる。また、これは単なる机上の計算であり、最近ではユーロ諸国における円cashからのユーロ両替レートが著しく悪くなっている(特に空港)との報告もあった。1990年代とは隔世の感があるようだ。
最後は9/5付の米ドルのTC(traveler's check)からの両替だ。換えた場所は、前回と同じBanca Popolare Italiana、何でユーロのTCを持っていかなかったかというと、個人的事情でユーロ建て資産は預金としてほとんど持っていなかったからだ。ちなみにこの銀行では、いかなる通貨のTCであってもCashであってもユーロ換算額の1.5% (Commissione di Gestione/Management Fee)+2.58ユーロの手数料 (Spese Operazione/Transaction Expense)が別に徴収されることになっていた。(注:写真の表示と両替のレシートの印字に違いがある)また、写真を見るとユーロ圏の旧通貨も手数料を払えばユーロに換えてくれるような感じである。(旧通貨をユーロに換えることの詳細情報はこちら) それで、実際の両替事情はというと、150米ドルのTCに対して戻りが112.44ユーロ、為替レートは1ユーロ=1.334米ドルであった。この日のOANDAの銀行間取引レートは、1.286米ドル、何と手数料差し引き前の銀行の店頭表示レートは、これとほぼ同じである。ちなみに、OANDAの標準的なCashの両替レートは1ユーロ=1.337米ドル、ここの銀行レートは極めてこの為替サイトの近似値を示している、というか米ドルとユーロの換算レートをOANDAは標準としているのか。 これを円換算してみよう。米ドルのTCは円に対して為替手数料1円(Cashは3円)で取引されるので、9/5のOANDAの銀行間取引レート+1円で計算すると、1米ドル=117.42円、150米ドル=17,613円、1ユーロ=156.64円という図式となる。ちなみに、OANDAの標準的なCashの両替レートは1ユーロ=155.64円であった。 参考までに、この日に円のCashをユーロに換えたとしよう。銀行店頭表示の為替レートは1ユーロ=150.58円、仮に20,000円を換えるとすると、132.82ユーロ、ここから1.5%+2.58ユーロの手数料(4.57ユーロ)を差し引かれるので、128.25ユーロ、実質レートは155.95円となる。店頭表示だけみればTCもCashも手数料は同じだったので、極めて良心的な銀行と言えようか。 どうやら私なりの結論が出たようだ。ユーロ圏における旅行費用については
|
|
アジア諸国 | ||
1997年夏 | マレーシアのマラッカでは、このTC(traveler's check)の両替が意外と面倒で、よく旅行ガイドには「海外へ持っていく一番のお勧め」のように書いてあるが、これを現金同様に使えたオーストラリアや、現金よりTC(traveler's
check)の両替率の方が良い欧州諸国には当てはまっても、アジアのしかも中小都市では疑問符を付けざるを得ないだろう。
事実、私が両替をしに行った2つの銀行では、いずれも手数料(commission)のほかに印紙税(stamp
duty)を徴収され、郵送料(postage) も徴収される場合もあることを考えると、あながち得とは言えないだろう。 ただ、達人の旅行術―アジア編 (別冊宝島WT (14)) |
|
1997年冬 |
上述した別冊宝島「達人の旅行術アジア編」にある「韓国・中国・台湾・インドを除けば、アジア旅行をする限りにおいて、TCよりも現金の方が両替率が良い。」というのが、少なくともタイでは事実であることが、現金から両替した連れの友人との比較で証明された。 ちなみに、タイのような物価の安い国で、"Citicard(シティバンクのキャッシュ・カード)"を使うと、為替レート(5,000B=\14,834 / 1B=\2.97)の差異で、1万円当たりビール付1食分程度は損するようであるが、"Plus"のロゴマークがある銀行などの提携ネットワーク(100カ国以上の約 344,000台のCD/ATM) から何時でも(要は夜間・休日なども)現地通貨で引き出し可能という利便さで十分に引き合うだろう。 |
|
2009年秋 |
タイ関連の掲示板などでご存知の方も多いだろうが、2009年4月から外国(要はタイ国外)の銀行のキャッシュカードを使ってタイ国内のATMで現金を引き出そうとすると1回当たり150バーツ(約420円)の手数料がかかることになった。(Thai banks have imposed a 150-baht transaction fee for ATM withdrawals from overseas accounts. Bankers say the fees cover transaction costs charged by network providers MasterCard Worldwide and Visa Worldwide.) (Bangkok Post - Local banks defend foreign ATM fees) 私は今回のアセアン旅行を前に友人からタイ国内のATMで引き出しをすると、ぼったくりのような手数料がかかるとだけ聞いていた。 一方、ATMからの引き出しは同日のサムイ島で実施した。 タイの銀行家は金持ちの外国人旅行客から徴収する手数料としては安価なものだと考えている節があるが、よくよく考えてみるといい。 ちなみに、タイのATMでは画面上で引き出し手数料がかかる旨の表示がされなければ、150バーツの手数料が徴収されないのではないか、という書き込みを掲示板で散見するが、おそらくそれは間違いだ。 |
|
オーストラリア | ||
1996年冬 |
1年前(1995.9)の経験からオーストラリアでは思ったより滞在費用が嵩むので、出国前にオーストラリアドルのTC(traveler's check)で1,000A$(換算時 \92,830)を、日本円のTCで6万円を用意していたのだが、両替なしに現金同様に使える気安さからオーストラリア・ドルのTCばかりが消費されていくので、先々のグレ−ト・バリア・リーフ(Great Barrier Reef)で困らないように、日本円も少しは両替しておこうと思って両替したが、あまりのレ−トの悪さにびっくりする。 何と、2万円の売りに対し、戻りは198.10A$、換算レートは1A$=\101である。 |
|
2003年冬 |
オーストラリアでの円対豪ドルの為替レートが自分が想像していたものよりもあまりにもかけ離れたものだったので、Citicardから直接出金する方法を取った。 ところが、空港の両替では円のcashから換えようとすると90円近いレートだったりして非常に率が悪い。 1つはクレジットカードあるいは、international cash cardを多用すること
私のお薦めは後者だが、その方が経済・為替の勉強にもなるからだ。 |