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9月30日(月)-ダイナースクラブカードモニターアンケート終了

ダイナースクラブモニターアンケート

昨年8月にダイナースクラブカード(Diners Club Card)のモニターになると、年会費(15,750円)が2年間無料になるというキャンペーンに申し込んでから1年経過した。
公式のモニターアンケートは本日回答した分と合わせて全4回分がすべて終了したことになるのだが、今現在持っているデルタ スカイマイル・シティ ゴールドVISAカードの年会費が来年の切替月(7月)以降は18,900円(現行は経過措置で10,500円:2012年3月13日-デルタスカイマイルシティゴールドVISAカード)に、ダイナースカードを来年8月以降も持ち続けると年会費が15,750円かかるようになるので、これら2つを併せ持つのはさすがに経費の無駄であろう。

そこで、どちらかのカードを解約することになるのだが、ちょうど半年前に「ダイナースクラブカードモニター半年経過」のコラムで書いたように、海外旅行に頻繁に出かける私としては今のところ空港ラウンジの無料利用の特典は捨てがたい。
従って、来年の6月までにはデルタ スカイマイル・シティ ゴールドVISAカードを解約という決断になるのだが、代わりにダイナースクラブカード利用分のポイントを航空会社のマイルに反映させたい。
そうなると、オプションでダイナースグローバルマイレージ(年会費6,300円)を付けるか、デルタスカイマイルダイナースクラブカード(年会費22,050円)に切り替えるかという選択になろう。

そして、解約したVISAカードの代わりは、クレジットカード比較王でも見て、使い勝手が良く、年会費が格安あるいは無料のクレジットカードを1枚持とうと思っている。
もちろん、私はHSBC Advance Visa Platinum Cardがあるのだが、こちらは香港ドル決済なので、今のところあまり使用頻度を上げたくないという思いがある。
いずれにせよ、良質のクレジットカードは今の職場に在職している間に作っておいた方が良いことには違いない。
リタイアするとクレジットカードを作ることが難しくなるからだ。


9月29日(日)-フィリピン・バリヨ・フィエスタ(Philippine Barrio Fiesta 2013)に行ってみた

今日、外出先で電車の待ち時間にフェイスブックをチェックしていたら、横浜の山下公園でやっているフィリピン・バリヨ・フィエスタ(Philippine Barrio Fiesta)の会場にいるというコメントを上げている友人がいた。
最近はこういった海外の駐日大使館などが後援しているフェスティバルが多くなってきて、私としては楽しみが増えていいのだが、実際のところは、代々木公園でやっているタイフェスティバルと、赤レンガ倉庫でやっているオクトーバーフェスト以外はあまり行ったことがない。
この2つのイベントにしても最近は会場がごった返して、ゆっくりと楽しめるような感じではないので敬遠していたのだ。
ところが、今日はたまたま会場の近くにいたので、現地に行ってみて、あまり混んでいないようだったら見物してみようと思った。

会場に到着して案内所でパンフレットをもらう。
表紙は英語と日本語が併記されていたが、中身は全部英語だ。
しかもイベントのパンフレットというよりは、内容は商業用の冊子のような感じだ。
「日本語のものはないのですか。」と聞いた私に、スタッフの人は「あいにくと英語のものしかないのです。」と言う。
もしかしたら、このイベントは在日フィリピン人向けなのか、と思った私の勘は、ざっと会場を回ってみると正しいように思えた。

まず、ほかのイベントに比べると、飲食のブースが少なく、海外送金や携帯電話、現地のコンドミニアムといったブースが多かった。
そういったところにはフィリピン人が溢れ、日本人は数少ない飲食などのブースにいた。
現地のコンドミニアムのブースも、高級そうなところは日本(外国)人向けに思えたが、それ以外のところは看板もスタッフとの会話もほとんど英語で、ブースの外でPhinma Properties(日本の連絡先:有限会社ヒューマネクス)の物件のチラシを配っていた日本人に聞くと、「一旗あげた在日フィリピン人に対する物件のセールスなんです。場所はマニラなのですが、日本人向けの物件もありますよ。ただ今のところは車がないと不便なのがネックですね。」と言う。
「従って、そういったところは価格帯が100万ペソ(約230万円)からと、日本人にとっては気軽に買える物件となっている。」と彼は説明した。

一方、日本人のロングステイヤーに人気のセブ島の物件は扱っていないのか、と聞くと、この会場の中に出店しているブースではあまり扱っていないように思う、と言う。
それにリゾート地なので、マニラに比べるとはるかに高額な物件となり、500万ペソ(約1,150万円)程度はすると言っていた。
事実、先ほどの日本人が高級物件を扱っていると言ったテザラ(Teszara)、ここのスタッフもブースでの紹介はマニラの物件と言った。
もう少し時間を取って相談すると、セブについても詳しい情報が入手できたような気もするが、今日のところは短時間の滞在だったので、一通り話を聞いただけで退散することにした。

もっとも、フィリピンはタイと違ってわずか2回しか行っていないので、仮にロングステイするとしても、私としてはコンドミニアムをいきなり買うことはない。
どちらかというと、今の時点では、観光のブースでもらった「フィリピン英語留学案内」の方が私にとって有用な情報だった。
数年後に控えた早期リタイアの後に、海外ロングステイする、あるいは世界一周旅行をするにしても、今の自己流の旅行英会話のままよりは、少し腰を落ち着けて英語を学んでみようかと思うからだ。
まあ、先のことはどうなるかわからないけどね。

Philippine Barrio Fiesta 2013 Philippine Barrio Fiesta 2013
Philippine Barrio Fiesta 2013 Philippine Barrio Fiesta 2013

9月28日(土)-香港・マカオ旅行に便利な「3香港」のデータ定額プリペイドSIMカード

2013年2月の台湾旅行以降、iPhone 3GSを海外旅行に持参するようになって、すっかりと使う機会の減ったデュアルSIMのNokia C1-00、ここに挿していた3香港の2G International Roaming Rechargeable SIM Cardの有効期限(180日)が今年の4月で切れた。
もちろん、オンラインでリチャージをしていれば、さらに有効期間を延長することができたのだが、あえて切れるがままに任せた。
そして、6月の台湾・香港・マカオ旅行のときは、香港の滞在時間が短いこともあったし、このときは年内に香港へ再訪するかどうかわからなかったので、あえて現地のSIMカードを買わなかった。

ところが、7月にバンコクでiPhone 4に買い換えた(2013年7月16日-水没のiPhone 3GSに代えてiPhone 4をバンコクで購入)後に見つけたのが、BIRD氏の「香港"3"のプリペイドSIMを使いつくす更にお得な日本人的利用法」と、山根康宏氏の「香港小旅行に便利、香港も中国もデータ定額できるプリペイドSIMはコレ」というブログ記事だった。
iOSをアップデートできなかった中古のiPhone 3GSと違って、新品のiPhone 4には当然ながら様々なアプリもインストールできたため、8月の台湾旅行では、今までの旅行のときよりもホテル外でのiPhoneの使用頻度が上がっていた。
その中で急遽行くことにした9月の香港・マカオ旅行、彼らのブログ記事と同じようなことを実践するには格好の舞台が整った。

3 Shop, Departure Hall, Terminal 1, HKIA 3G International Roaming Rechargeable SIM Card SMS Message
3 Shop, Departure Hall, Terminal 1, HKIA 3G Int'l Roaming Rechargeable SIM Card SMS Message

そして、旅行当日、香港国際空港(Hong Kong International Airport)に着いた私は、午後11時までやっている第一ターミナルの出発ロビー階の3ショップ(3 Shop, Departure Hall, Terminal 1, HKIA)に行き、持参したiPhone 4を差し出してSIMカード(3G International Roaming Rechargeable SIM Card)を購入した。
値段は98香港ドル(約1,300円)と198香港ドル(約2,600円)のものがあり、香港にしか滞在しないなら、データ通信料金は、毎日23時59分を境(Cut-off time)にして、日額28香港ドル(約370円)しかかからないので、前者のSIMカードで3日間は大丈夫であろう。
実のところ、私はこのショップが空港の出発ロビーにあることをBIRD氏の記事を見るまで知らなかった。
一般的に、空港の携帯ショップは到着ロビーにもあると思うのだが、ここは香港人が外国に行くときの便宜を図るようになっているのかもしれない。

ここで、香港以外にマカオや深圳(Shenzhen)、珠海(Zhuhai)へ行く予定がある場合は、後者のSIMを買うと同時に、香港域外ローミング定額(Data Roaming Daily Pass)を申し込んでおく必要がある。
これを申し込んでアクティベートが済むと、写真のようなSMSメッセージ(クリックすると画像が拡大する)が来るので必ず確認しよう。
もちろん香港域外ローミングをしておけば、マカオなどに行っても、香港にいるとき同様に通話もできるので、香港からの日帰り旅行のときなどは現地で新たなSIMを買う必要はない。
モバイル機器の操作に詳しくない人は、オフィシャルショップでSIMを買った方が、こうしたアクティベートもやってくれるのでいいと思う。

気になる料金は日額98香港ドル(約1,300円)、こちらも香港時間の23時59分を過ぎると、さらに1日分カウントされるので、場合によっては、日付が変わる前にiPhoneの設定メニューからモバイルデータ通信をオフにする必要がある。
ちなみに、マカオ(3 Macau)と中国(China Unicom)以外のエリアは日額168香港ドル(約2,200円)となり、日本の携帯会社の国際ローミング料金(ソフトバンク/海外パケットし放題 AU/海外ダブル定額 NTT Docomo/海外パケ・ホーダイのいずれもデータ通信量に応じて、日額1,980円もしくは2,980円)よりも高額になることもある。

とりあえず、3香港のSIMに関しては、オンラインでもリチャージ(Online Payment:Check DigitはSIMをアクティベートした時点、あるいは残高照会をしたときにSMSで送られてくる)ができ、その時点から180日有効期間が延長できるので、香港へ頻繁に行く人は定期的にリチャージしておくと同一番号が維持できていいだろう。
こうなると、私にとってますますHello SIM(グローバルSIMカード)は海外旅行時に役に立つのか、ということになるが、いかがだろうか。
なお、最近になって香港で売り出されたDiscover Hong Kong Tourist SIM Cardについては、山根康宏氏の「Wi-Fiと通話無料の香港観光客向けプリペイドSIMがPCCWから」をご覧になるといいだろう。


9月20日(金)-ハンドキャリーによる現金の持ち出しもばれる税務当局間の自動的情報交換

昨日、田邊国際税務事務所代表の田邊政行さんによる「海外送金の1・2・3~」というセミナーがクロスコープ青山で行われた。
このセミナーの中で印象的だったのは、表題にもあるように「ハンドキャリーによる現金の持ち出しもばれる税務当局間の自動的情報交換」のことだった。
田邊さんは、最近になって「ハンドキャリーで持ち出した現金のことで税務署から『国外への送金(国外からの受領)に関するお尋ね』がきた」という相談があったと言う。
これについて彼は、税務当局間の情報交換が、従来型の要請に基づく情報交換から自動的情報交換に推移したことにより、日本国籍の人が外国の金融機関に口座を開き、資金を預け入れると、その情報が外国の税務当局から日本の国税庁に自動的にもたらされ、それによって税務署が情報を把握したのだろうと説明した。

ところで、私は去る3月11日のコラム「国外財産調書制度は脱税防止に役立つのか」を書いたとき、「外国の税務当局との情報交換は、高額の脱税が見込まれるケースに限ってやっているのだろうが、これに自己申告に基づく調書が加わったところでどれほど役に立つのだろうか。」としたが、このとき平成23年度における租税条約等に基づく情報交換事績の概要のうち、従来の要請型のことにしか触れなかったので、大したことはないだろうと思っていた。
しかし、今回のセミナーに触発されてあらためて確認したら、平成23年度に租税条約等に基づいて外国税務当局から国税庁に提供された「自動的情報交換」の件数は、約17万8千件とあった。
その中には私の米国や香港の口座情報も入っているのだろうか。(苦笑)

田邊さんは、このほとんどは米国とオーストラリアなのではないかと言う。
つまり、情報交換がギブ・アンド・テイクの関係である以上、今のところ日本国内で不動産などの資産を持つ自国民の情報を欲しがる外国税務当局は限定的で、巷で心配されるほど香港との間ではやり取りがないと推定できる、と説明した。
要するに日本が富裕な外国人の受け入れに積極的になると、税務情報の自動交換も活発化するというわけである。
ただ、それを補っているのが「自発的情報交換」で、相手から要請されることなしに相互に情報交換が行われており、中には公式なものでなく、相手国の銀行員が政府に情報を売ることもあり得ると田邊さんは言う。
いずれにせよ、最近では政府が外国政府との間に租税協定(所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための二国間協定)を次々に締結している(財務省-国際課税に関する資料)ので油断は禁物であろう。

最後に、田邊さんは国外財産調書制度における申告義務の5千万円相当額のラインは、相続税の基礎控除額と連動している可能性があり、それが2015年(平成27年)1月以降の相続分から引き下げられることになっているため、国外財産調書制度の申告ラインもいずれ下がることが考えられると言う。
私は、調書の制度がどの程度実効性を持つか、あるいは税務当局の事務負担が増えるかの検証なしには、申告ラインが下がることはないだろうと思うが、ターニングポイントは2016年(平成28年)1月から施行が予定されている社会保障・税番号(マイナンバー)(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)となろうか。
2度目の東京五輪に向けて国中がお祭り騒ぎに突入する中、地味な法律改定作業は密かに進行するのである。


9月11日(水)-越境会の定期交流会(オフ会)に参加してみた

数か月前からワールドインベスターズTVの総合プロデューサーをやっている友人の石田さんが、越境会という海外へ翔ばたく人のためのソーシャルサービスを展開している。
私はFacebookページに「いいね!」しただけで特に何もしていなかったのだが、来る9月19日に田邊国際税務事務所代表の田邊政行さんによる「海外送金の1・2・3~」というセミナーがあると知ったので申し込んでみた。
HSBC香港や、タイのカシコン(Kasikorn)銀行、アメリカのFirstradeに口座(詳細はエッセイのトップページから)を持つ私としては、是非とも最新情報を仕入れておきたかったからだ。

最初はそれだけ参加する予定にしていたのだが、フト見てみると、毎月第二火曜日に定期交流会があり、9月は10日、つまり昨日に「第3回越境会定期交流会」があると書かれていた。
そこで、ワールドインベスターズの公式イベントへの参加はご無沙汰だったのと、久しぶりに会う友人が何人か参加予定になっていたので、これにも参加申し込みすると同時に、越境会のプレミア会員にもなってしまったというわけだ。
そして、この日は11月1日から6日までの「アゼルバイジャン・カスピ海経済視察ツアー」に先立って、駐日アゼルバイジャン大使館(Embassy of the Republic of Azerbaijan in Japan)からギュルセル・イスマイルザーデ(Gursel Ismailzade)特命全権大使も来られていた。
そう、ここにはHISの小林さんも来られていたので、渡航費用の工面をどうしようかと悩みつつ、こちらの経済視察ツアーに私も参加の仮予約をしたのだ。
現地集合型の宴会ツアーだった2008年11月のワールドインベスターズ香港オフ会とは全く違った趣のツアー、私はこの手の旅行に参加するのは初めてなので、どんなものになるのか今から楽しみである。

ところで、この越境会はつい最近始まったばかりのようだが、私と石田さんの付き合いは2007年4月のタイ株セミナー(2007年4月17日-タイ株投資セミナー IN 茅場町)のときからなので、6年以上になるというわけだ。
2020年に東京五輪の開催が決まり、今からそのときまで7年あるのだが、それに匹敵する長さだ。
当時は石田さんのメインサイトが香港資産運用奮闘記とあるように香港を舞台にした個人投資家だったのが、今や中近東やアフリカを始め、なぜか南北アメリカ大陸を除く(笑)世界中に活躍の舞台を広げている。
7年後にはお互いどんな人生が待っているのだろうか。

第3回越境会定期交流会 第3回越境会定期交流会
第3回越境会定期交流会

9月9日(月)-楽天イーグルス・田中将大が開幕20連勝を記録したゲームを現地観戦

秋田新幹線「こまち37号」私は、去る9月6日にクリネックス・スタジアム(Kスタ)宮城で行われた東北楽天ゴールデンイーグルス北海道日本ハムファイターズで、楽天のエース、田中将大が開幕20連勝を飾り、世界新記録を成し遂げたゲームを現地で見る幸運に巡り合えた。
楽天の先発は田中将大、一方の日本ハムも二刀流ルーキーの大谷翔平、今考えられる対戦で最高に近いカードと言っていい。
実はこの二人の対戦は投手同士としては初めてとのことで、二重の意味でツイテいたようだ。

本当なら先月行った東北旅行のときに楽天のホームゲームを観戦すれば、余計な金がかからずに済んだのだが、何しろマー君を見たいと思った時は出発の4日前、「楽天・田中、プロ野球新記録の21連勝達成」のコラムを書いたときだから、マー君の登板が毎週金曜日になっていると知ったときには、旅程の変更は間に合わなかったのだ。
もちろん、帰京してからは今年中に仙台に再訪しようなどと思うことはなく、6日は2010年の年末から2011年の年始にかけて行った旅行の途上、グアテマラのペンション田代で会った友人たちとの宴会の予定を入れていた。

しかしながら、その宴会が突然の主賓の入院でボツになったため、その日の夜の予定がポッカリ空いた。
ここで私はフト思った。
今年のオフにメジャーリーグに行くと言われているマー君を国内で見るのは今年が最後かもしれない。
Kスタはドーム球場でないので、クライマックスシリーズや日本シリーズでの観戦は寒さが辛い。
行くなら今でしょ!とばかりにチケット予約を入れたのは、わずか2日前の9月4日のことだった。
前売り券の残席はマー君の登板が予想されるゲームとあって、指定席はほとんど残されていなく、それも1塁側のビジター側(Kスタは3塁側がホームチーム)だった。

楽天対日本ハム-9回表2死3塁-力投する田中将大ところが、5日の埼玉西武ライオンズとの試合が雨で流れた。
このときの先発予定はルーキーの則本昂大、当然、スライド登板なんだよな、と私は心の中で思った。
彼も今季活躍中の良い投手だとは思うが、残念ながら私は楽天の熱狂的なファンでないので、マー君が出ないなら仙台行きは取りやめ、と覚悟を決めていた。
しかし、運は私に味方した。
5日の午後9時前にウェブサイトに表示された6日の試合の予告先発投手は、則本昂大でなく、田中将大だった。

私は6日、午前中で仕事を切り上げ、東京から新幹線に飛び乗った。
東京から仙台に向かっている途中の車窓は、前途を祝福するような青空が広がっていた。
試合の方はまさに絵に描いたような展開で、日本ハムに2点を先行されたものの、途中で楽天が3-2と逆転、9回表の2死3塁のピンチで、最後のバッターの佐藤賢治を三振に切って取ったマー君のガッツポーズが、翌日のスポーツ新聞の見出しを飾っていた。(東北旅行-楽天イーグルス・田中将大が20連勝を記録したゲームを現地観戦

試合後に飲み会に連れだした仙台在住の友人の浩一がこう言った。
「お前はツイテいるよな。天気予報がここ数日雨続きの中で、今日だけ晴れて、おまけにマー君見れて、それで開幕20連勝で世界記録だもんな。」と・・・
どうやらスポーツイベントに関しては、2010年7月18日に書いたコラム「思い立ったが吉日」というジンクスが未だに生きているようだ。


9月8日(日)-2020年の東京五輪開催決定の祝賀ムードに立ちはだかるガラパゴス業界の壁

56年ぶり2回目の東京五輪開催決定おめでとう。
今日はスポーツ関係者を始めとして首都圏は祝賀ムードに溢れている。
大きな国際イベントを前にして関連業界の業績見通しも前向きなものが出てくるだろう。
日本経済全体を見渡せば久々の明るいニュースだし、良いことづくしのように思える。
これが一過性のムードで終わらずに、10年単位で持続できれば、デフレからの完全脱却も夢ではないだろう。
それに日本が真の意味で観光立国を目指す最後のチャンスである。

五輪の開催地が東京に決まったのは、クウェートのシェイク・アハマド・アル・ファハド・アル・サバーハ(Sheikh Ahmad Al-Fahad Al-Sabah)委員が「2016年リオデジャネイロ大会に関する準備の遅れが東京にとって有利に働いた。(It was exactly the Rio delays that swung the vote in Tokyo's favour.)」と、述べたとあるように、日本人の仕事に対する生真面目さが大きく評価されたようにも思う。
IOCの委員からすれば、「施設の建設や修復が間に合いそうもない、とか、チケットの予約がうまくできない、とか、日本人に任せればそういうことは滅多に起こらない。都市の治安も良好だ、交通インフラは文句の付けようがない。」とくれば、福島原発問題のマイナスを差し引いても、という気持ちになったのだろう。
このように、2020年の東京五輪開催決定は日本の一般サラリーマンの仕事が評価されたという面も大きく感じられる。

ところが、こうした東京の五輪開催の良い面とは裏腹に、日本が観光立国を本気で目指そうとするなら、その重しになりかねない粘土層が数多く存在する。
粘土層とは2010年11月10日号の週刊ダイヤモンドの特集「職場で女性に嫌われるタダ乗り社員たち-。“粘土層”のオジサンや敵が多い女性は要注意!」、11月24日号の「あなたも『頭の中身が昭和時代』の管理職?“タダ乗り粘土層”に対する不満の原因と対策」で使われた言葉で、主に中間管理職を指しているのだが、ここでは権力や地位にしがみつく無能なオジサン全般、それに彼らが実権を握る企業や官公庁を指すことにする。(お前もそうだろ、とは言わないように・・・苦笑)
実際、「世界の日本人ジョーク集」には、軍隊の比較としてこういうことが書かれている。
「世界最強の軍隊とは?アメリカ人の将軍、ドイツ人の参謀、日本人の兵。では世界最弱の軍隊とは?中国人の将軍、日本人の参謀、イタリア人の兵。」
なぜ、東京が五輪開催地に選ばれたのか、五輪には数多くの前例があり、将軍も参謀も不要、いるのは兵隊だけ、という穿った見方もできるのだ。

それでは日本の観光立国を阻む粘土層の両輪は何かというと、言わずもがなの政治家と官僚、それに大手銀行の幹部だ。
ついでに携帯電話会社の幹部も加えてもいいだろうか。
福島原発から垂れ流される汚染水の問題は、いずれ大きな国際問題となって、それが東京五輪開催の足枷になるような気もするが、そのことについてはここでは触れない。
もし、気になるのなら、というか気にならない方がおかしいが、フランスねこのNews Watchingをご覧になるといいだろう。
ところで、私の書いたコラム「10年遅い日本の観光庁構想(2007年6月26日)」と「訪日外国人旅行者を困惑させる銀行ATMのバリア(2010年3月28日)」をご覧いただければ、いかに彼らが日本の将来にとって癌かというのがおわかりいただけるだろう。
特に、銀行ATMの件については、当時の政権与党であった民主党や、観光庁にもメールしたのだが、今までほとんど事態が変わっていないということは、関係当局の責任者か銀行幹部にやる気がなかったのだろう。
このほかにも、成田などの国際空港以外で外国人が日本のプリペイドSIMカードを入手する困難さや、貧弱な公共のWi-Fi環境、英語が通じにくい旅行会社、宿泊先のホテルや民宿(ゲストハウス)でショートエクスカーションの申し込みができないなど、改善すべき点は多い。

それと、気になるのは日本語の案内板や道路標識に単にローマ字の付け足しをしているもの、例えば「○○通り」というのを単に"** dori"などとしているものだ。
これは鉄道やバスの車内放送でも多いのだが、これでは外国人にわかるわけがない。
"** dori"を"** street"や"** road"に変えることも必要だろう。
事実、日本政府観光局(JNTO)が出したTIC利用外国人旅行者の訪日旅行実態調査の「訪日外国人個人旅行者が日本旅行中に感じた不便・不満調査(2009年度版)」でも標識等(案内板、道路標識、地図)が不満のトップなのだから即座に改善すべきだろう。
ついでに言うなら2012年度版の報告書では、訪日観光客の9割がインターネットを使っているとあるし、要約のページにはまさに日本が抱える通信環境の問題がすべて出ている。
今現在はパッケージツアーで来ている人たちもリピーターになれば個人で来るようになる。
そのときに感じる不満が耐えがたいものになれば、どうなるか想像に難くないだろう。
私としては2020年の東京五輪開催が、日本の観光立国化の起爆剤、引いては斜陽化する製造業に代わる成長産業の転換点となって欲しいが、その道は粘土層によって阻まれ、迂回路は果てしなく遠い。

五輪=2020年招致、東京は信頼性と財政力が決め手に
(2013.9.8 ロイター)
[ブエノスアイレス 7日 ロイター]  国際オリンピック委員会(IOC)は7日の総会で2020年夏季五輪の開催地を東京に決定。
安心して大会を任せられる信頼性と財政力が決め手になったとみられる。

東京は決選投票でイスタンブール(トルコ)に圧勝し、アジアでは2008年北京大会以来、東京では1964年大会以来2回目の開催を獲得。
強固な財政基盤と、これまでの各種大会における運営実績を前面に押し出した作戦が功を奏した。

調印式でIOCのジャック・ロゲ会長は、投票前の最終プレゼンテーションで安倍晋三首相が自ら「安心して任せてもらえる」と発言したことに触れ、「自分は整形外科医でもあり、投票権を持たなかったとはいえ、この言葉は響いた」と述べた。

ジョン・コーツ・IOC理事はロイターに対し、「東京の実施計画は非常に選手本位であり、会場配置も素晴らしい」とコメント。
IOCを支援するスポンサーの多くがアジアにあることも、五輪運動にとってはプラスだとした。

IOCで影響力が大きいとされるクウェートのシェイク・アハマド・アル・ファハド・アル・サバーハ委員は、2016年リオデジャネイロ大会に関する準備の遅れが東京にとって有利に働いたとの見方を示した。

トーマス・バッハ・IOC副会長は、世界情勢が不安定な中、IOC委員は決選投票で、イスラム圏での初開催を目指したイスタンブールよりも伝統と信頼性の東京を選択したのではと述べた。
Olympics-IOC opts for stability, money in picking Tokyo
*Tokyo seen as "safe pair of hands"
*IOC to tap into vast Asian market
By Karolos Grohmann
(September 7, 2013 Reuters)
BUENOS AIRES, Sept 7 (Reuters) - The International Olympic Committee was in no mood for new adventures when it picked Tokyo as the host of the 2020 summer Olympics, opting for a "safe pair of hands" that could also boost its finances.

Tokyo beat Turkish metropolis Istanbul in a landslide vote after Madrid were eliminated in the first round, taking the world's biggest multi-sports event back to Asia for the first time since the Beijing 2008 Games.

While Istanbul officials were left licking their wounds after their fifth failed bid in the last six votes, Tokyo were vindicated for a strategy which saw them highlight their solid finances and strong track record of delivering on promises.

The Japanese capital also dangled $4.5 billion in front of the IOC a year before the vote, saying the money for the Games was "in the bank."

"You described yourself as a safe pair of hands and as a surgeon even if I did not vote, this appeals to me," IOC President Jacques Rogge told Japanese Prime Minister Shinzo Abe during the contract signing ceremony after the vote.

The Japanese capital took the lead from the start, landing 42 votes compared to 26 for Madrid and Istanbul, before beating the Turkish metropolis 60-36 in their final round.

Tokyo will now host the Games for a second time since 1964 while Istanbul, hoping the IOC would again go to uncharted waters after giving the 2016 Olympics to Brazil's Rio de Janeiro and to South America for the first time, leave empty handed.

"All three bids were strong bids," IOC Executive Board member John Coates told Reuters. "But Tokyo's bid was very, very good for athletes, the concentration of venues there is very good."

COMMERCIAL APPEAL

"It was also good for the Olympic movement because much of our commercial support is in Asia," he said.

Coates also hinted the conflict in neighbouring Syria had been on the IOC members' minds.

"We also had the geopolitical uncertainties which Istanbul addressed really well," said the Australian.

Asked whether delays in preparations for the Rio Games may have alarmed members and could have swung votes in favour of Tokyo's solid bid, Coates said: "I may have heard that."

Tokyo's compact bid has estimated a non-Games budget of around $4.4 billion compared to $3.4 billion for the actual event.

Istanbul's proposal had a total cost of $19 billion, making it more ambitious but also risky given the country's lack of experience in staging major sports events.

Influential IOC member Sheikh Ahmad Al-Fahad Al-Sabah, who also heads the Olympic solidarity fund and is president of the Association of national Olympic committees, said it was exactly the Rio delays that swung the vote in Tokyo's favour.

The Brazilian city is under mounting pressure to speed up preparations, with the IOC obviously unwilling to repeat such an experiment in 2020.

"I think it was more the commitment to the file," he told Reuters. "It was this commitment that was important. The problems with Rio played a role in this decision."

For the IOC it was a return to the most populous continent of the world and its vast commercial potential.

"It was once more a decision between two principles," said IOC Vice President Thomas Bach.

"There you have one candidature addressing more the sense of tradition and stability and another candidature addresses the longing for new shores."

"This we have seen in the past also with different bids and this times the IOC members - in a fragile world - have decided in favour of tradition and stability." (Editing by Ian Ransom)

9月2日(月)-早期リタイア後の生活を考える(1)

先月の東北旅行は長時間の鉄道旅行となることが予想できた。
というより自らそうしたのだが、そこで私は一冊の本を持っていくことにした。
日経ビジネス人文庫から出ている中村聡樹氏の「定年後を海外で暮らす本」だ。
この類の本は、海外渡航先の南洋のビーチに寝そべって読むのに相応しい本なのだが、延び延びになって東北鉄道旅行に持参することになったのだ。
私の場合、サラリーマン生活にさよならを言うのに、一般的に定年と言われる60歳まで待つつもりは毛頭ないが、コンセプトは同じである。
リタイア後の生活はいろいろ選択肢はあるが、とりあえず今回は海外でのロングステイ(越境)を考えてみることにした。
どちらかと言うと私は一か所にじっとしていられないのだけどね(笑)

旅行中、読んだ本の中でやはり重要なものの一つが生活資金だ。
金銭面に不安があればそれだけ楽しみが減る。
現地で耐乏生活を送るくらいなら今の職を捨てるという選択肢はなかろう。
そういった意味で私が3月に参加したロングステイセミナー(2013年3月24日-越境の第一歩、ロングステイセミナーに参加してみた)などで得られる情報は海外生活の目安を知る上では役に立ったと思う。

私はそれを機にロングステイ財団発行の季刊誌「LONGSTAY」を定期購読しようかと思ったのだが、バンコクに限っては、現地在住の友人、ジョニーさんこと増成さんが生情報をブログ(増成忠治のアジア不動産)やフェイスブックで提供してくれるので、それを参考にしてみることにした。
バンコクで生活するのに1か月でどの程度かかるかは、2013年7月28日付の「タイ長期滞在にかかる生活費1」が参考にできるだろう。
50歳以上の夫婦が生活する場合は、リタイアメントビザが取得できるので、毎月タイ国外に出国するビザランの費用が節約できるし、おそらく夜遊びの費用も節約できるだろう。(笑)
一方で、彼はほとんどタイの内外へ観光旅行をしないので、それと相殺することを考えれば、だいたいの目安になると思われる。

問題は外国為替の動向とタイの物価の上昇だ。
インターネット上でもアベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)による円安と、現地の物価高を懸念しているロングステイヤーは数多い。
日本の公的年金など円建て収入頼りだと、円安バーツ高にタイの物価高はモロに懐を直撃するからだ。
幸いに、私はHSBC香港での投資収入(HSBC香港の口座開設と活用について)が多少なりとも確保できる見通しだが、今やタイ人がパックツアーで北海道へ旅行へ来ている時代だというのを甘く見てはならないと思った。
それでも思い立ったら吉日、チャンスが来たら試しにやってみるのも必要だろう。
人生は一度きりしかないのだ。
65歳まで勤めて、ようやくサラリーマン生活から解放されたと思ったら、脳溢血で倒れたとか、(福島原発の事故の影響による被曝が続いて)癌になっていたなどというのはシャレにならない。

去る8月30日付のChikirinの日記は「始点に立っていても、ゴールまでの道筋は見えません」とある。
彼女は言う。「目指しているゴールと、今、自分が立っている地点との距離は、通常とても離れています。そして、その時点からゴールに辿り着くまでのステップや道筋も、見えていないことが大半です。でも、その間の道筋が全部きれいに見えてから歩き始めようと考えている人が、ゴールに辿り着くことは決してありません。辿り着けるのは、ほのかに見えるゴールに向けて、今できることを実際にやってみる人、最初の一歩を踏み出してみる人です。」
最後に私のお薦めの本を紹介しよう。
2013年4月7日付「自由時間の達人(自遊人)になれば熟年離婚は防げるか」でも書いたのだが、「働かないって、ワクワクしない?(アーニー・J・ゼリンスキー/Ernie J Zelinski著、三橋由希子訳)」という本だ。


9月1日(日)-行ったぜ、東北。

行くぜ、東北。2011年11月8日からJR東日本で実施している「行くぜ、東北。」キャンペーン、今年も継続してCMやポスターを使っていろいろPRをしているようだ。
もともとこのキャンペーンは、東北新幹線東京-新青森全線開業1周年を記念して、実施された(2011年11月8日の定例社長会見)ものだが、その後は東北応援色を全面に出したものとなっている。

先月22日から25日にかけて行った東北旅行は、JR東日本の鉄道旅行推奨キャンペーンに乗せられたわけではないが、結果的に、たっぷりと鉄道旅行を満喫することとなった。
私の場合、海外旅行に比べると国内旅行の頻度は低いので、今回は少し贅沢な旅をしようと思った。
そこで、往路は東京から秋田へ行くのに、ブルートレイン「あけぼの」(A寝台シングルデラックスは満席だったのでB寝台ソロ)に乗り、さらに日本海の景観を楽しむために五能線を使って青森へ、復路は東北新幹線のみ導入されている最上位のグランクラスを体験した。

乗車券は、東京都区内から高崎、上越、信越、羽越、新青森、新幹線、大宮という一筆書きルートで9日間有効、15,860円だったので、単純に東京と青森を往復(19,740円)するのに比べて4,000円近く安くなった。
週末だけで首都圏と秋田や青森を往復しないといけないのなら仕方がないが、日程に余裕があるならこうした方法を使うのもいいような気がした。
それに、単純に目的地を往復するよりもいろいろな発見ができるからだ。
ちなみに、今回の旅行記はまだ写真を貼り終えた程度だが、追々完成させていきたいと思う。

もちろん、今回の旅行では現地在住の友人との飲み会もセットした。
青森ではわや、あずましじゃ~ 青森ライフ!の管理人のボンドさんと、今年の2月以来(2013年3月3日-麻雀ゲームで九蓮宝燈をあがった!)のプチオフを、仙台の泉ヶ岳温泉にあるやまぼうしでは、2011年6月以来(2011年6月27日-がんばっぺ女川)、約2年ぶりに大学時代の友人たちと旧交を温めた。
このとき、仙台で会った木村くんは、東日本大震災当時、女川で被災したのだが、2年たって彼の会社は復興の兆しが出てきたという。
そういった意味でも福島原発関連で東京電力が汚染水を大量に海へ流し続けているというニュース(毎日新聞-福島第1:汚染水、直接流出か 海へ推計30兆ベクレル)は大いに気がかりである。

弘前観光のときにチャーターしたタクシーのドライバーは言った。
「東日本大震災の後、東北というだけで外国人観光客は来なくなった。弘前だけでなく、十和田湖もだ。未だに回復してない。」
私は今回の旅行の写真を英語版(Tohoku region in 2013)にも掲載している。
この作業をしながら気づいたことが一つある。
行くぜ、東北。」に代表される東北観光応援キャンペーンは、JR東日本のキャンペーンポータルサイトに外国語版はなく、しかも、Japan National Tourism Organization (JNTO)にも、JTB (JAPANiCAN.com)にもそれに類したキャンペーン広告は見られない。
このまま福島原発関連の醜態が続く限り、たとえ世界遺産があっても外国人に対して東北観光を積極的にアピールする気にはならないのだろう。

私は仙台からの帰りに新幹線の指定席が取れないと聞いたとき、即座に自由席に乗ろうとは思わずに、なぜか突然に東北本線のローカル列車に乗りたくなった。
そして、その列車が福島に向かっているとき、車窓から見える阿武隈山地の向こう側(浜通り)には人が容易に立ち入ることができない土地が延々と続いていることを思った。
これは現代に生きる私たちが残そうとしている人類史上最悪の負の遺産なのだということを・・・

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