Blue and Red Fever
2002年6月14日、その日は日韓両国にとって歴史的な日だった。

チュニジア対日本(大阪−長居スタジアム)

Morishima goal
Photo by BBC

蒸し暑い大阪で行われた試合、共催国日本は粘るチュニジアを順当に破り、決勝ラウンド進出を果たした。グループHの1位も決まり、次の相手はトルコ。ベルギーはロシアを下して2位を確保、決勝ラウンドでブラジルと当たる。
Co-hosts Japan won their second successive match, deservedly beating a determined Tunisian side and confirming their advancement to the second round. They win Group H and will face Turkey next, while Belgium end up second and will take on Brazil.

チャンスではチュニジアを上回った日本は、後半になってようやく均衡を破った。ハーフタイムで入った森島寛晃がフィールドにたって3分でおいしいゴールを決め、残り時間15分に中田英寿が追加点をあげ勝利を確実にした。中田はバドワイザー・マン・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。チュニジアはシュートをクロスバーに当てるなど健闘したが、相手守備の組織を崩すには至らず勝ち点1で敗退が決まった。
Japan had the majority of chances in the match but had to wait until just after half-time to confirm their superiority. Hiroaki Morishima scored minutes after coming on as a substitute, while Hidetoshi Nakata assured victory with a header a quarter of an hour from time. Tunisia are eliminated with just one point.


渋谷熱狂
Shibuya, Tokyo Shibuya, Tokyo
Shibuya, Tokyo Shibuya, Tokyo

渋谷の雑居ビル前の街頭テレビ放映などで、学校帰りの高校生ら若者たちが勝利にわき返った。歓声が次々に人を呼び、あちこちに約100人ぐらいのグループができる現象が起き、車道まで人があふれた。
試合終了後も人は増える一方。ハチ公周辺前など渋谷駅前の人出は一時約1,500人に膨らんだ。花火を上げたり、爆竹を鳴らす場面もあり、警察官が警戒にあたった。(Mainichi Interactive)

According to Soccerphile.com, crowds of over 1,000 people gathered in Tokyo’s Shibuya areas chanting Nippon! Nippon!
Meanwhile Daily Yomiuri said on June 15th, "In Tokyo, about 8,000 policemen were mobilized Friday evening with 3,000 patrolling major entertainment areas such as Shibuya, Shinjuku and Roppongi, according to the Metropolitan Police Department, as fans and supporters swarmed into Tokyo streets to celebrate."


W杯観戦オフ−ポルトガル対韓国 (東海魚市場−大久保)
これらの写真については、ダイレクトに写真を掲載する許可をいただいてないので、プライバシー保護のために、ぼかしをかけてあります。
cheering at Korean restaurant cheering at Korean restaurant
Toshiya, Carlos, Teresa, Kuri, Hiroko Japanese guys and Korean clerk, Ms. Song
cheering at Korean restaurant
Japanese ladies and Korean clerk, Ms. Song

Soreyuke個人旅同好会の主力メンバーの1人、Toshiya氏によれば、この企画は、当初、国立競技場のパブリック・ビューイングでチュニジア対日本を見る予定だった。
しかし、その試合は15:30のキックオフ、おまけに金曜日、ブラジルなどと違ってW杯の日本代表が決勝進出をかけて戦っているにもかかわらず、会社が休みになったり、社員にテレビ観戦を許可するところは少なかった。
従って、多くのサラリーマンは休暇を取ったり、突然の病気を理由に早退した者もいたという。

私たちは仕事を終えて大久保に向かう途中、渋谷を通過したのだが、そこでのサポーターのフィーバーぶりにびっくりした。
まさに「青の海(a see of blue)」という表現がぴったりだった。
日本のチームカラーである青いジャージを来たサポーターたちが日本コールを繰り返して熱狂していた。
外国のプレスもそれを驚きを持って中継していたのが印象的だった。
でも翌日のニュースの扱いは、大阪の道頓堀のダイブの方がはるかに上だった。

私たちはJR大久保駅で待ち合わせをして韓国料理店「東海魚市場」へ向かった。
この日のメンバーは、Soreyuke個人旅同好会から私とToshiya氏、Hirokoさん、そして私がW杯テレビ観戦オフに誘ったTeresaさんと、彼女の友人であるKuriさんという面白い組み合わせだった。
特に私たちは韓国チームのファンというわけではなかったが、単にそのときのノリで韓国チームを応援していた、という感じだった。
こういうのが山崎正和氏の言う、「超民族性−日本的かっこよさ」というやつなのだろうか。
ただ唯一、Toshiya氏だけは、韓国カラーである赤いTシャツを持参しての応援だった。
その甲斐もあって私たちはテレビ画面の正面の席で飲みまくり、私たちの後ろにいた韓国人グループと一緒になってワールドカップを楽しんでいた。
このとき、私たちは無邪気なサッカーファンの1人だったに違いない。
そして私たちは思った。「Toshiya氏の韓国の応援ぶりは堂に入っていたと・・・」
試合終了後、店の中は「デーハンミング(大韓民国)」コールがこだましていた。


ポルトガル対韓国(インチョン−ムンハッスタジアム)

ポルトガルは一次ラウンド最終戦で韓国に土をつけられ、大会から姿を消すことになった。一方、ポーランドに敗れたアメリカは決勝ラウンドに進出し、メキシコと対戦することが決まった。韓国の相手はイタリア。
Portugal were eliminated after suffering defeat to Korea Republic at Incheon Munhak Stadium in Korea. The USA, despite losing to Poland, will advance to the second round to play Mexico, while Korea will face Italy.

ポルトガルはジョアンピントとベトがレッドカードで退場になり、厳しい立場にたたされ、後半25分にパク・チソンが試合唯一のゴールを決めて追い討ちを受けた。ポルトガルは最後まで諦めずに同点を狙いつづけたが、韓国は一点を守りきり反撃で追加点を奪おうとした。審判のホイッスルがフルタイムを告げると、真っ赤に染まったスタンドは狂喜に巻き込まれた。
Portugal put themselves in a tough spot after Joao Pinto and Beto each were sent off. The only goal of the match came in the second half from Park Ji Sung. Portugal tried everything they could and pushed until the last minute, Korea never broke and came close to extending the lead late in the match, in a see of red that went wild when the final whistle blew.

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