ロンボク島への長旅

7/29(Fri) 東京(羽田) 0:20-タイ航空(TG)661-4:30 バンコク(スワンナプーム) 8:40-タイ航空(TG)431-14:00 デンパサール(ングラ・ライ) 16:50-Lion Air(JT)1854-17:20 マタラム(セラパラン)
宿泊先 Kila Senggigi Beach (ex Senggigi Beach Hotel) / US$80 (\6,220) per night
[booking sites for you / indo.com Lombok Hotels (英語) agoda.jp Booking.com (英語・日本語) アップルワールド (日本語)]
諸費用 アライバルビザ(Visa on Arrival): US$25=\1,950
空港使用料(デンパサール): 40,000Rp=\370
ランガ・ウィサタ・ツアー&トラベル(Rangga Wisata Tour & Travel)を通してスンギギエリアのホテルを3泊以上予約した場合は、到着時の空港からホテルまでの送迎が無料となる。
関連サイト アジア総合リンク インドネシア ロンボク島
マタラム(Mataram)スンギギ(Senggigi)の地図

当初、この旅行は7月1日から6日まで行く予定でスターアライアンス(マイレージプラス会員)の特典航空券を手配していた。
それが4週間後になったのは、ほぼ同じ日程でバンコク旅行に誘われたのと、日本発の航空運賃がピーク料金に近づく7月下旬でも特典航空券が取れたからだ。
昨年のスリランカ旅行シンガポール旅行のときもそうだったのだが、ピークシーズンでもあっさりと日本発の特典航空券が取れるというのは、嬉しい反面、日本の旅行業界の先行きに強い危機感を抱かざるを得ない。
今まで冬の閑散期にしかバーゲンセールをやっていなかったHISが、今年は夏になってもキャンペーンセールをやっていることからもそれは窺える。

一方で、航空会社や旅行会社のウェブサイトで表示される繁忙期料金が高値のまま張り付いていることは、2009年12月21日に開催された観光庁の休暇分散化ワーキングチームの会合において、星野リゾート代表取締役社長の星野佳路氏が言ったように、「観光産業は夏休みやGWなどの休日100日は黒字だが、残りの265日は赤字。」という日本の観光産業が抱える構造的な問題が顕著に出ている。
つまり、黒字日とされる100日で1年分の利益を稼ぎ出すための料金設定になっているということだ。
従って、「海外でなくとも夏休みに子どもを連れて遠出をしたなら1回分のボーナスが軽く吹き飛ぶ」と嘆く人は少なくない。
こういう構図を「日本人損させ仮説」として揶揄した友人がいる。
いつになったら日本人サラリーマンはこうした呪縛から解き放たれるのだろうか。

Bangkok Suvarnabhumi International Airport Bangkok Suvarnabhumi International Airport
スワンナプーム国際空港(Bangkok Suvarnabhumi International Airport)
Denpasar Ngurah Rai International Airport
デンパサール・ングラ・ライ国際空港
(Denpasar Ngurah Rai International Airport)

羽田から出国するのはこれで3回目となるが、深夜便で東南アジアへ飛ぶと何だか得した気になる。
バンコクまではちょうど6時間のフライトだが、ほとんど寝ているので、いつの間にか着いたという感じになれるのがいい。
3月のタイ旅行のときは、ここから国内線に乗り継いでクラビ(Krabi)へ行ったので、深夜便のメリットを十分に生かすことができたが、今回はここからさらに2本乗り継ぐので、結構な長旅となる。
特に、スワンナプーム国際空港(Bangkok Suvarnabhumi International Airport)でのトランジット時間が中途半端に長かったのだが、コンコースDの3階に、Transfer Passenger Loungesと名付けられた、リクライニング機能のある革張りのイス(adjusted upholstered chairs)が並んだエリアがあったので、そこで過ごすことができて良かった。
ちなみに、トランジット時間が長いときに断然お勧めなのは、The Guide to Sleeping in Airportsで2010年のベストエアーポートに輝いたシンガポールのチャンギ空港(Singapore Changi International Airport)なのだが、特典航空券で取れる時間帯のシンガポール航空のフライトだと、デンパサール(Denpasar)で1泊しないといけなかったので、往路はタイ航空にしたのだ。

一方、デンパサール・ングラ・ライ国際空港(Denpasar Ngurah Rai International Airport)の国内線ターミナルは、インドネシア流に大瓶のビンタンビールを飲みながらまったりとするのにちょうどいい。
何しろ遅延は日常茶飯事だし、突然の間引き運航で悪名高いムルパティ・ヌサンタラ航空(Merpati Nusantara Airlines)のフライトキャンセルのアナウンスがひっきりなしに入ってくる。
ところで、インドネシアは、2歳児が1日にタバコを40本吸ったというニュースがあったくらい、タバコを吸うことに甘い国だ。
実際、町食堂のような雰囲気のレストランでは「禁煙」の表示がないので、食事をしながらタバコを吸う人もいて、嫌煙家には絶対にお勧めできないところだ。
まあ、空港のレストランは、市価より高いのが一般的なので、混雑とは無縁、タバコを吸っている人の近くに座らなければ問題はないだろう。

日本から約18時間、3本のフライトを乗り継いでようやくロンボク島へ到着した。
空港からホテルまでは無料の送迎が付いていて、ランガ・ウィサタ・ツアー&トラベル(Rangga Wisata Tour & Travel)の宮本さんが迎えにきてくれていた。
こうした送迎車の中でいろいろ現地情報を得ることができるのも日系旅行会社を使うメリットの一つである。
そんな彼女のお勧めのマッサージ屋がThe Lombok Guideという情報誌にも掲載されているRoyal Spa、何といってもフットマッサージが60分で65,000ルピア(600円)、オイルボディマッサージが60分で10万ルピア(930円)という破格の安さである。
難点は営業時間、夜は9時で終わりなので、のんびりと夕食を取っているとクローズしてしまう。
もっとも、このRoyal Spa以外にもスンギギ(Senggigi)にはマッサージ屋が点在しているが、どちらかといえば妖しい感じのところが多い。
まともなマッサージをしてもらうならガイドブックや観光情報誌に掲載されているところか、高級ホテルのSPAへ行くべきだろう。

スンギギ・ビーチの子どもたち

7/30(Sat) スラナディ(Suranadi)へのエクスカーション
スンギギ・ビーチで日光浴
宿泊先 Kila Senggigi Beach (ex Senggigi Beach Hotel) / US$80 (\6,220) per night
[booking sites for you / indo.com Lombok Hotels (英語) agoda.jp Booking.com (英語・日本語) アップルワールド (日本語)]
諸費用 トランスポート・サービス/スンギギ-スラナディ: 150,000Rp=\1,390
トランスポート・サービス/スラナディ-マタラム: 100,000Rp=\\930
メータータクシー/マタラム-スンギギ: 47,000Rp=\440
寄付(スラナディ寺院): 10,000Rp=\90
関連サイト アジア総合リンク インドネシア ロンボク島
マタラム(Mataram)スンギギ(Senggigi)の地図

今回の旅行のガイドブックは、ロンリープラネット(Lonely Planet)の日本語版「バリ島&ロンボク」を持参した。
何しろほかのガイドブックではバリ島はともかく、ロンボク島の情報は少なすぎて話にならないからだ。
私はロンボク島の滞在日数が実質3日だったので、あまり積極的に島内を観光しようという気はなかったが、もし、その気があるのなら「たびnavi」の管理人、冷風扇(れいふうせん)さんのロンボク島旅行記(2011年4月~5月)に詳しく書かれているので参考にするといいだろう。

スンギギ・ビーチ・ホテル(Senggigi Beach Hotel)
Senggigi Beach Hotel Senggigi Beach Hotel
Senggigi Beach Hotel Senggigi Beach Hotel

ホテルで朝食を取った後、ぶらぶらと外を歩いていると、「トランスポート(transport)、トランスポート(transport)」と声をかけてくる人がいる。
要は、オレの車に乗って行かないか、ということなのだが、ロンボク島ではこうした客引きが多い。
最初、私はスンギギ(Senggigi)からマタラム(Mataram)まで、ベモ(bemo)と呼ばれるミニバスに乗ってみたいと思っていたのだが、タイミングよく目の前を通らないとなかなか乗りづらい。

路上で客引きしているトランスポート・サービスの車に乗るくらいならホテルからメータータクシーに乗った方がぼられなくて済むのだが、ちょっと駆け引きを楽しみたくなって彼らとの交渉に応じてみた。
かといって、私はマタラム(Mataram)までの相場を知らないので、目安にしたのはランガ・ウィサタ・ツアー&トラベル(Rangga Wisata Tour & Travel)の空港送迎料金のUS$15(約13万ルピア/1,200円)、少なくとも10万ルピア以下の料金表示でなければぼったくりと判断できる。
聞いたところ、片道75,000ルピア(690円)、まあ最初にしてはまともな料金表示と言えた。
そこで、さらにスラナディ(Suranadi)までいくらか聞いてみると片道で150,000ルピア(1,390円)だという。
ちょっと高いなという感じはしたが、それほどぼったくっているとは思えなかったので、交渉に応じることにした。

ロンボク島内のエクスカーション
Suranadi Temple Suranadi Temple Suranadi Temple Suranadi Temple
Suranadi Temple Suranadi Temple Suranadi Temple Suranadi Temple
スラナディ寺院(Pura Suranadi)
Mataram Mataram Mataram cidomo (horse cart)
マラタム(Mataram)

トランスポート・サービスの車に乗り、しばらくするとドライバーが1日借り切って島内巡りをしないかと言ってきた。
値段は350,000ルピア(3,240円)、ただ単にスラナディ(Suranadi)を往復するだけの値段に少しプラスすれば、島内観光ができるというオファーに心が動くが、昨夜宮本さんが言った「バリ島の寺院を見学したことがあるのなら、ロンボク島で観光に時間を割くまでもないと思います。」という言葉を思い出す。
それに彼がそれだけの値段で島内観光をしてくれるか怪しかったし、実際、スラナディ(Suranadi)からたった4kmしか離れていないと書かれていたスサオット(Sesaot)に行きたいと言ったときも答えは「遠い(far)!」と・・・
これでは350,000ルピア(3,240円)で1日観光という言葉とは裏腹に、追加のオプションを頼むといくらと取られるかわかったものではない、と諦め、単純に往復のトランスファーだけとし、帰りはマラタム(Mataram)で下ろしてもらうように頼む。
スラナディ寺院(Pura Suranadi)を見学した印象は、宮本さんの言うようにバリ島に比べるとしょぼい感じがしたので、ロンボク島の寺院巡りはここだけで十分という気がした。
今考えるとスラナディ(Suranadi)よりも市場があったり、川遊びのできるスサオット(Sesaot)や、さらにそこから先にあるアイル・ニュエット(Air Nyet)へ行った方が楽しめたような気がした。

スンギギ・ビーチ(Senggigi Beach)
Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach
Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach
Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach Senggigi Beach

午前中で観光を切り上げ、スンギギ(Senggigi)へ戻ってきた私はメインストリートのJalan Raya Senggigi沿いにあるThe Angel's Cafeで昼食を取る。
この店は、いつも観光客で賑わっていて、大瓶のビンタンビールとインドネシア料理の組み合わせで60,000ルピア(560円)から80,000ルピア(740円)程度で食事ができるので、私もロンボク島滞在中は毎日行っていた。
昨夜もそうだったのだが、周囲のレストランに比べると、この店は人が多かったので、ガイドブックにでも載っているのかと思ってあらためて見てみたが、意外にもそんなことはなかった。
おそらく口コミで来ているのか、私のように店内にいつも人がいるので入ったのか、いずれにせよ当たりの店には違いなかった。

昼食を取った後は、もちろんビーチでのんびりである。
ホテルの目の前がビーチなので遠出をする必要は全くなく、デッキチェアーを倒して日本から持参した本を読む。
手にした「お金の流れが変わった(大前研一著)」には、新興国の中でも注目株は親日国であるインドネシア、中国よりもビジネスがしやすいと書かれていて、特に2007年8月、14年ぶりにバリ島へ来たとき、観光業に携わる人に限ってだろうが、これほど日本語が通じるとは、と感動したのは記憶に新しい。
そのメリットをビジネスに生かしても、と思うのは大前氏ならずとも思うだろう。
一方で、大前氏は、政府自らが日本の経済を活性化させるための「ホームレス・マネー」(世界を彷徨う投資マネー)が来ないような政策を取っている、日本には外国人を感動させる「観光の目玉」がない、ということも書いてある。
いつまでも日本人の懐に手を入れて(増税)ばかりでは、日本はジリ貧になると言うのは賢明なる識者であれば誰もが思うこと、日本のエスタブリッシュメントが誰もそのようなことを言わず、富裕外国人の金を使って自国の経済を活性化させるという昨今の流れに背を向け、震災復興のための増税やむなし、などと言っていては、日本の将来は真っ暗と言えるだろう。

しばらくすると、地元の女の子たちが白人のカップルを囲んで何やらやっているのが見えた。
話しているのを聞いていると、どうやら英会話を教えてもらっているようだ。
東南アジア各国では、英語ができるかどうかで収入に天地の差があるので、こうして必死に外国語を習得しようという若者の姿を見ることができる。
一方で、日本人は危機感がほとんどないのか、若い人でも「英語できないんです」と言って平然としている人が多いように思える。
1993年9月、私が初めてインドネシアに来たとき、土産物屋にいた女の子が英語ができれば収入が倍、日本語(第二外国語)ができれば3倍と言っていた。
近い将来、日本がそうなったとき、日本人は多国籍企業が悪いと罵り、格差社会を正すべきだと言うのだろうか。
もっとも、このシナリオで考えられるのは、最低限、英語ができなければ今の水準の収入は維持できず、(私も含めて)日本語しかできない人の収入は半減するということだ。

スンギギ・ビューポイント(Senggigi Outlook Point)
Driving along the hilly coastline of Senggigi towards Bangsal - Gili Islands gives opportunities for tourists a spectacular photographs in all directions to the beaches, cliffs, sea pearls farm, and reefs, with background of the three gilis, or just looking down the stunning coconuts palm and quaint villages.
(バンサルに向かって起伏のあるスンギギの海岸線をドライブすると、ギリ諸島をバックにして、あるいは見事なココナツ農園や趣のある村々を見渡す感じで、四方八方にビーチや断崖、真珠養殖場や砂州といった、旅行者たちが素晴らしい写真を撮れる場所が提供されている。

Hotspots for the photographers:(写真を撮る人たちに人気のある場所)

- Turn up Above the Sheraton Senggigi Beach Resort, spectacular view of Senggigi bay on panoramic scene.
(シャラトン・スンギギ・ビーチ・リゾートの上を曲がったところ、スンギギ湾の全景の見事な眺めが見れる)
- Further north near Klui, spectacular view of Klui Bay and Mangsit.
(クルイのさらに北、クルイ湾とマンシットの見事な眺めが見れる)
- Malimbu Outlook Point, great spot with background of the three gilis. If you come early, you can enjoy the group of fishermen returning from night fishing with its colourful sail boats.
(マリンブ・ビュー・ポイント、ギリ諸島をバックにした素晴らしいところである。もし早朝に来たなら夜釣りから帰ってくる猟師たちの乗ったカラフルな帆船を見ることができる)
Senggigi Outlook Point Senggigi Outlook Point

スンギギ・ビーチ(Senggigi Beach)にいた子どもたちとデジカメで遊んだ後、デッキチェアに戻って画像を確認しようとしたら電源を入れてもデジカメが作動しない。
変な機械音がカメラの内部で鳴っていたので、どうやら海水に浸かったときに故障したらしい。
持ってきたのは防水デジカメのPanasonic LUMIX DMC-FT2、6月の台湾旅行の時に壊れて、その後に修理に出して戻ってきたばかりだった。
本当なら明日のスノーケリングで使おうと思っていたのに、子どもと遊んでいて壊れてしまっては何のために持ってきたのかわからない。(苦笑)
何となく嫌な気がしてグアテマラ(Guatemala)で買うハメになった予備のデジカメCanon Power Shot A490(乾電池式)を持ってこようと思って忘れてしまったのは痛かった。

幸い、陸地で昼間撮るなら日本が誇る携帯デジカメ(auのURBANO MONDは812万画素)で十分事足りる。
充電器もあるので、夜間や室内の撮影をしなければ何とかなる。
ガラパゴス携帯と言われている日本の携帯電話、本来の電話機能はともかく、デジカメとしては世界最高水準のものであろう。
これで通信方式が国際標準のGSMに準拠できれば、日本の携帯電話も国際シェアを奪還できる可能性を十分に持っているのにもったいないことだ。
一方、問題はスノーケリングのときだ。
ホテルのコンシェルジュ(concierge desk)で聞くと、スンギギ(Senggigi)のモスクの近くにあるWir Hero Photoという店でコダックの使い捨ての防水カメラ(disposable waterproof camera)が300,000ルピア(2,780円)で売っているという。
ホテルスタッフの弟だという人にバイクでその店に連れて行ってもらうと、ほとんど売れ残りのものとしか思えない品物が並べてある。
冷静に考えると現地の物価水準からして値段も相当に高いような気がしたが、私に選択肢は残されていなかった。

カメラを買うと、店まで連れてきてくれた若者が素敵なビュー・ポイントがあるから行かないかと誘ってきた。
交通手段は、もちろん彼のバイク、いくらなのか、と聞くと「あんた次第だ(Up to you!)」だと言う。
日本人はこういうセリフは非常に苦手だ。
なぜかと言うと、相場のわからないところで、いくら出す、と聞かれているからだ。
そういった意味では朝方、トランスポート・サービスを使ってスラナディ(Suranadi)へ行ったのは正解だった。
スラナディ(Suranadi)までにかかった時間と、ビュー・ポイントまでの往復の時間を比べて、妥当だと思う金(私は往復で100,000ルピア/930円)を払えばいいからだ。
それで、このビュー・ポイント、確かに夕方の景色はいいし、昼間は下に見えるビーチでのんびり過ごしたい気もするが、歩いて来ることができないのが難点だ。
ちなみにこのバイクのドライバーの若者は大学生だそうで、普段はホテルのレストランでバイトとして働いているとのことだ。
いくら給料をもらってるか聞くと、食事が提供されるだけだそうな、それでも外国人がたくさん来て、英語の勉強ができるからいいと・・・
今から十数年後、日本人はインドネシア人にすら負けてしまうような気がした。

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