■プロローグ−名古屋行きは突然に
2009年11月7日はワールドインベスターズのオフ会だった。
場所は東京・五反田のアリエッタホテルに併設されたイタリアンレストランの2階を借り切って行われた。
私は当初、これに参加しようと決めたとき、2月7日から8日にかけてやった「抱腹絶倒16時間ロングランオフ」のメンバーが揃っていたので、終電間際で帰れるか、あるいは朝帰りになるのかな、とか漠然と思っていただけだった。
しかし、2010年2月末までの「お試しゴールド会員」から1年延長されて「何ちゃってゴールド会員」に格上げされたスターウッド・プリファード・ゲスト・プログラム(Starwood Preferred Guest
Programme)のウェブサイトを見たとき、思わず目に入ったのが「アジア太平洋地域で週末の無料宿泊オファー(2009年10月1日から12月31日までに異なる2回の滞在をした上で、いずれもマスターカードで支払いをすると、2010年1月までの金・土・日に無料で1泊できる特典を獲得できる)」と銘打ったキャンペーンだった。
どのホテルでも1泊当たりの宿泊代が相対的に高いのは承知の上だが、前回の週末無料宿泊キャンペーンで獲得したバリ島のThe Laguna Resort & Spa, Nusa Duaの感覚をもう一度という気持ちが沸いてきた。
単にホテルチェ−ンの戦略に巻き込まれているだけとも言えるが、海外の宿泊に関して言えば、円高の今、しかもステータスはゴールド、これを生かさない手はないと素直に思った。
そこで特典獲得の条件である2滞在のうち、1つは迷わず今月の3連休を挟んで行くワールドインベスターズのバンコクオフで使うことにした。
宿泊先はPlaza Athénée Bangkok、1泊が4,400バーツ(約11,900円)とバンコクではかなりの高値だが、それだけの価値はあるに違いない。
事実、先進国ではこの値段でル・メリディアン系列のホテルに泊まることはできないし、2年前のような円安バーツ高になれば二の足を踏むだろう。
それと、クレジットカード会社のトラベルデスクを使ってオフ会のレストランの予約をしたとき、10名以上の予約になるとデポジットが必要になるかもしれないと言われたが、それがいらなくなったのは、私の宿泊先のステータスと無縁ではないような気がしている。
さて、もう1つをどうするかということだが、期限の制約があるだけにあまりグズグズとすることもできない。
一番いいのは、いつものように(!?)オフ会当日(11月7日)のホテルを取ってしまえばよかったのだが、東京のホテルは、あいにく2万5千円を超えるレートしか呈示されなかった。
さすがにそれでは泊まる気がしなかったので、いろいろ考えた結果のウルトラCが名古屋行きだった。
もちろん、一旦自宅へ帰って翌日の新幹線で、なんてことは毛頭なかった。
そんなことをすれば、それこそ名古屋へ泊まりに行くだけになるので、五反田オフ終了後にJAMJAMライナーの夜行バスに乗り、名古屋周辺を観光、特典獲得の第一歩となるウェスティンナゴヤキャッスル(11,500円)でリラックスというプランで4ヶ月ぶりにK氏との再会を目論んだ。
もちろんゴールド会員のスタータスを生かしてホテルに長時間滞在できるようなリクエストを流しておくのを忘れない。
これでバンコクオフが終われば、首尾よく無料宿泊を獲得できるはずだ。
ちなみに、私が乗った夜行バスは「ゆったりシートトイレ付 ウィルス対策マスク・ブランケット・スリッパ付き♪」のプランだったので、今年の2月に乗った「ムーンライトながら」よりはるかに快適だった。
これで4,000円しかしないのであれば、JRの「ムーンライトながら」が青春18きっぷの利用時期のみの運転になってしまうのは当然の流れとも言えるだろうか。
■行き当たりばたりで鳳来寺山へ
名古屋へ到着したのは早朝の6時、朝食を取ろうとしたマクドナルドに客が溢れていたので、どこか立ち食いそばでもないかと駅構内をうろうろしているときに「新城・本長篠往復きっぷ」のポスターが目に入った。
これは奥三河の観光地へ行くための日帰り往復切符なのだが、私は本長篠というところが豊橋の近郊かと勘違いして何も考えずに買ってしまった。
そして、名古屋から新幹線で豊橋へ戻り、飯田線に乗り換えて本長篠まで行く。
豊橋発7時32分の飯田線の列車が本長篠へ着いたのは8時28分、ここの見どころは鳳来山東照宮のようだが、山麓へ行く8時15分発の豊鉄バスはすでに出た後、次のバス(9時32分)までは1時間以上待つことになる。
駅でいろいろ聞くと、一番いいのは山頂行きのバス(10時49分と13時発の1日2便:11月の土日のみ運転)なのだが、駅前に何もなさそうなところで、2時間も待つことはできないし、温泉へ行く時間もなくなってしまう。
そこで、意を決してタクシー(4,050円)に乗って山頂まで行ってもらうことにした。
ハイキングをするなら、鳳来寺山の山麓へバスで行って、そこから片道1時間の参道(1425段の石段)を登り、鳳来山東照宮を経て、湯谷温泉へ1時間かけて下りるのが本来のやり方のようだが、軟弱なオジサンは逆コースを行くことにした。
要は山頂へ上るのはタクシー、そこから参道を下山するというコースだ。
ちなみに、鳳来寺山の11月は紅葉の季節なので、土日だけはバスが山頂まで行くのだが、山麓の土産物屋の人が言うには紅葉を見るなら3連休のときが見頃とのことである。
確かに私が行ったときにはまだ色付いていなかったからね。
11時過ぎ、約1時間余りのハイキングの末に山麓へたどり着いた私は、鳳来寺のバス停で本長篠駅行きの時間を調べた。
ちょうど30分ぐらい待てば11時41分のバスが来るので、近くの土産物屋で少し時間を潰せばいいと思っていたが、そこで湯谷温泉へ行く(天竜峡行き)列車の時間を聞くと、何と同じ時間(11時41分)に出るとのことで、次は14時46分までないらしい。(豊橋行きは11時55分の特急「ワイドビュー伊那路2号」か12時27分発の普通列車に乗り継げる)
何て使えないんだ、と思いながらまたもやタクシーを呼んでもらう。
結局、鳳来寺山へ往復するのに6,000円余りかかってしまったので、金銭的には高速バスで節約した分はすべてパーになってしまったというわけだ。
後で考えれば豊橋へ戻ってしまってもよかったような気がするね。
■列車が来たから乗っちゃった。
わざわざタクシーを呼んでもらっておきながら湯谷温泉に直行せずに本長篠へ向かってもらった私、土産物屋で冷静になった結果、本長篠から湯谷温泉へ行く列車がこれほど本数が少ないのなら、帰りも同じではないか、ということに思い至ったからだ。
次の列車まで3時間も間隔が空くようなら帰りの列車もどうなるかわからない、下手すると名古屋でのK氏との待ち合わせ時間に間に合わない可能性もあったからだ。
それで私は一つの賭けに出た。
本長篠の駅前の食堂で昼食を取り、それでも天竜峡行きの列車に間に合えば、それは「神様が行けと言っている」ということで湯谷温泉へ向かおう。
そうでなければ、おとなしく名古屋へ戻り、予定通りホテルライフを楽しもうと・・・
それで、どうなったのかは写真を見てもらえば一目瞭然、天竜峡行きの列車に間に合ったのだ。
もちろん、湯谷温泉に着いたときに帰りの列車をチェックしたことは言うまでもない。
11時54分に到着した私が帰りの列車に乗るのは14時44分、日帰り湯を楽しむにはちょうどいいぐらいの間隔だ。
日帰り湯を楽しむところはホテルや旅館など町中にいたるところにあるが、3時間あるなら温泉プールも併設されているゆーゆーありいながいいだろう。
7月、8月に家族連れで来たなら鳳来峡で川遊びができるようなので、その帰りに温泉に入って帰るのもいい。
「鳳来寺山のハイキング+湯谷温泉で日帰り湯」というコースは、私のように関東から行くには無理があるが、東海地方に住む人が行くにはいいところだと思う。
それと、鳳来山東照宮や、湯谷温泉で列車に乗ろうとしたとき、西洋人のハイキンググループを見かけたが、彼らはこういうアクティビティ(トレッキング又はサイクリング+水遊び)が好きだから、ロンリープラネット(Lonely Planet)にでも掲載してもらうように努力すればいいと思う。
そうすれば、2008年9月末で営業休止となったサイクリングターミナルも復活できるかもしれない。
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