去る18日の午後、出張先でのうんざりするような実りのない会議の後、そのままの足でかねてから予定してあった、インドネシア旅行に出かけるために成田空港へと向かった。
今回の旅行でシンガポール航空を使うことにより、来年のマイレージプラスのプレミアメンバーの資格を得ることができるため、事実上の目的はそちらにあったとも言える。(笑)
行き先は1993年以来、18年ぶりに訪れる世界遺産の町、ジョグジャカルタと、昨今は経済発展著しいインドネシアの首都ジャカルタである。
前回、行ったときも遺跡は見たはずなのだが、英語が全くと言っていいほどできなかった時に、当時ジャカルタに住んでいた友人のアレンジのままに日本語ツアーガイドに連れて行かれたので、ほとんど記憶も記録(写真)も残っていなかったのだ。
そういった意味では新鮮な気持ちで観光できると思ったのと、今回は自力で行けるところは、あえて公共交通機関でトライしてみて彼らのパワーに触れてみようとも考えたのだ。
その旅行に先立ち、インドネシアの場合はアライバルビザにUS$25かかるのと、エンジェ・ウィサタ・ツアーズで申し込んだ日本語ツアーの代金を米ドル払いしなければならなかったので、成田空港の出発ロビーにあった某地方銀行のブースに立ち寄った。
いつもならそこには数人が列を作っているのだが、今回は成田空港発のフライトが終わりに近づいている時間だったので、外国人が1人いただけだった。
ところが、カウンターの向こう側にいる行員がその外国人と何やらやっている。
トラブルなのかと思っていたら、どうもそうではなく、複数いる行員が全員英語がロクにできないので、四苦八苦しているだけのようだった。
幸いにも私は別の行員が両替をしてくれ、当の外国人も私が両替をしている間に用が足せたようだった。
それにしても・・・と私は思った。
たかが、と言っては何だが、私の経験でも通貨の両替に必要な英語など、数フレーズだけだ。
今回のケースでも、小銭を追加して出せばちょうどになる、例えば当日の日本円から米ドルへの為替レート(TTS)はUS$1=79.83円、3,000円を出したらUS$37にしかならないので、あと200円出せばUS$40(US$20紙幣が2枚)になる、というのを英語で言うだけではないか。
あるいは、あと200円ないか、だけでもいいだろう。
それを行員同士で顔を見合わせ、何と言えばいいのかわからないといった感じで困惑しなければならないことなのだろうか。
これが市中の住宅地にある支店であればわかる、しかし、いやしくも日本の表玄関たる国際空港のブースで何ということなのだろうか。
加えて、Lonely Planetに、日本にある多くの銀行ATMは外国発行のキャッシュカードを受け付けない(Most of Japan's ATM do not accept foreign-issued cards.)と注意書きがされるほどの「訪日外国人旅行者を困惑させる銀行ATMのバリア」が存在する。
このように、政府は銀行と一体となって個人旅行者たる外国人にストレスを与えておきながら、訪日外国人観光客を年間1,000万人にし、観光立国を目指すなどと本気で思っているのだろうか。
それとも日本は、財務省の強力な管理下にある銀行などが、市場リスクに見合わない低金利の国債を買い続けなければ、とっくに破綻しているはずなので、外国人観光客の利便性などという瑣末な(!?)目的のために協力してくれなどと言うことはできないのだろうか。
東日本大震災から8ヶ月、未だに福島原発の事故が終息したというニュースが流れて来ない以上、放射能による東日本一帯の土壌汚染や水質汚染は現在進行形ということである。
そして、去る14日に安成哲平らによって、「福島原発事故によるセシウム137の堆積と日本の土壌汚染(Cesium-137 deposition and contamination of Japanese soils due to the Fukushima nuclear accident)」というレポートが、米科学アカデミー紀要(PNAS/Proceedings of the National Academy of Sciences
of the United States of America)で発表された。
もはや私が書くまでもなく、日本の農林水産業は福島原発事故によって、壊滅的な打撃を受け続けていることが証明されたというわけだ。
今現在、野田首相が環太平洋経済連携協定(TPP=Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)の協議に参加することを表明したことに対し、与野党はもとより、国内の主要な圧力団体も入り交じって賛否両論が繰り広げられている。
私が思うには、アメリカが主導するTPPに関して、日本にとっては、かつての「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)」に代わる外圧としか思えないのだが、外圧を利用しなければ、何も自己改革ができなかった歴代政府の失態の集大成が、アメリカによるTPPへの参加の強制だとも感じている。
その中で、TPPに参加すると日本の農業は壊滅的な打撃を受けるという論調があるが、私に言わせれば、もはやTPPに参加しようがしまいが、後継者難と放射能汚染にあえぐ日本の農林水産業が辿る運命は同じと言えまいか。
おそらく、こんなことを公式の場で発言すれば、発言者は社会的地位を失い、世論という名の化け物によって袋叩きにされ、抹殺されたも同然となるが故に誰も本当のことを言わないのだろう。
バカバカしい限りだと思う。
最後にフト思った。
安成氏が、全国の県で土壌調査を実施することを望むと述べたことに対し、この類の調査に終わりがあるのだろうか、ということを・・・
福島原発のセシウム拡散状況、研究チームがシミュレーション (2011.11.15 CNN Japan) |
(CNN) 東日本大震災の直後に東京電力福島第一原子力発電所から放出された放射性セシウムが日本全国へどのように拡散したかについて、日米とノルウェーの研究者らがこのほど、シミュレーションなどによる解析結果をまとめた。 セシウムは日本の北日本から東日本にかけての広い範囲で土壌に沈着したとみられる。 米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター客員研究員の安成哲平氏らが、セシウム137の拡散モデルに当局の測定値を組み合わせ、今年3月20日から4月19日までの沈着量を推定。14日付の米科学アカデミー紀要に発表した。 同氏によれば、全国規模で推定値が算出されたのはこれが初めて。 チームによると、事故で放出された物質の大半は風で海側へ飛ばされた。 また、中部地方の山脈が西日本への拡散を防ぐ「盾」の役割を果たしたという。 一方、原発のある福島県東部には規制値を超えるセシウム137が沈着したとみられる。 セシウム137は半減期が30年と長いことから、将来にかけて農業への重大な影響が予想される。 安成氏はCNNとのインタビューで、政府がチームの推定値を活用し、全国の県で土壌調査を実施することを望むと述べた。 |
昨日、ワールドインベスターズのメンバーの1人に誘われて高円寺フェス2011へ行ってきた。
この中で私たちはフードツアーと銘打った5枚綴り4,000円のクーポン券を使ってグルメツアーを敢行した。
グルメツアーと言ってもほとんど、ビールやワインを飲んでいただけ、という話もあるが、1店当たり800円、あらかじめ決められた食事メニューの中から選ぶので、冷静に考えればそれほどお得というわけではないが、フェスのイベントの中で今年から始まったというこの企画のイベント性は十分にあると思う。
実際、こうやって行った先々で写真を撮り、ウェブで情報を流しているのは私たちだけではないと思うので、店側としてはタダで宣伝してもらっているようなものだろう。
全国的に見ると、駅前の商店街の多くはシャッター通りに見られるような、活気のない場所の象徴にも思われているが、ここ杉並区の高円寺に関してはそのような感じは全くない。
参加したメンバーの1人は泊まりこみでオフ会ができそうな雰囲気が十分にあるとまで言い切った。
できることなら新宿に近いメリットを生かして外国人観光客を呼び込めるような、そう、外国人向けガイドブックのTop 10シリーズ(WEB: traveldk.com)の東京版に紹介してもらえるようにまでなると理想的だと思う。
また、全国の地方自治体のまち起こしの担当者は、まずここへ来て自腹を切って参加してみるといいだろう。
会議室でゴタゴタやってないで、まず、行ってみる、参加してみる、その姿勢が今の時代は一番必要だろう。
今年も不景気なニュースばかりが目立つ日本だが、こうして明るく頑張っているところもあるのだと思うと、まだまだ捨てたものではないと思えた。
高円寺フードツアー | |
幸寿司 | 花むら |
高円寺フードツアーのメンバー | カフェ・アンリ・ファーブル |
高円寺麦酒工房 | 萬感(ばんかん) |
去る11月5日、「旭高校卒業30周年 年男年女記念同窓会」と銘打ったパーティがナビオス横浜で開催された。
そう、私たちが旭高校を卒業したのは1982年(昭和57年)3月だから、来年の3月で30年になる。
当時、18歳だった私たちも、すでに48歳となり、あと12年で還暦をも迎えるところまで来てしまったわけだ。
前回の同窓会が2007年5月26日、そのときから7年も経過してしまったのだから月日が経つのは早いものだ。(2007年5月27日 飲み会3連荘)
そのときにレーシックの手術を勧められてやったおかげで、今は、快適そのものの生活が送れている。(2007年12月17日 視力が戻った)
アドバイスをくれたOさんには感謝だね。
ところで、今回も同窓会の幹事をやってくれたIくんにもあらためてお礼を言っておきたい。
おそらく彼がいなければ、こういう会合が開かれることはなかったからだ。
とりあえず、次回は・・・還暦のお祝いになるんだろうな。
2009年4月1日以降、ほとんどの大手航空会社が旅行会社に対する発券コミッションを廃止したことにより、旅行会社は直接顧客に発券手数料を請求するようになった。(航空旅行Blog版-正規割引航空券購入 旅行会社手数料はいくら?)
つまり、同じ航空券を頼む場合でも航空会社のウェブサイトで予約するのと、旅行会社を通じて手配するのでは、単純計算で手数料分だけ余計にコストがかかることになる。
要するに、パソコンや外国語(英語)が苦手だとか、オンライン決済が不安だとか、いろいろなことを対面で相談したいとか、懇意の担当者に頼んで業界の裏技(!?)を使った予約をしたいとか、そういった特別な事情がなければ、旅行会社を使うメリットをあまり感じられない気がしている。
ところが、私自身が某大手旅行会社の旅行券をもらったことから、結果的に、その旅行会社でチケットを発券することにしてみた。
手配したのはガルーダインドネシア航空(Garuda Indonesia)の国内線、ジャカルタ(CGK)からジョグジャカルタ(JOG)までの片道航空券だ。
何で往復にしなかったのかというと、信じられないほど高かったからだ。
この区間のチケットを航空会社のウェブサイトで予約すると、ノーマルチケット(Flexible)でさえ、税・保険込みで片道994,500ルピア(私がチケット予約をした10月1日現在の為替レートで約110米ドル、8,500円)である。
これでいけば、仮にこの旅行会社が今年度に仕入れる外貨建て商品の為替予約をUS$1=100円でしていたとしても、せいぜい1万円程度が相場というものだろう。
これに旅行会社が取る発券手数料が上乗せされるということになるのだが、実際の請求額は税込みのチケット代金が16,170円、これに発券手数料が5,250円が上乗せされ、総額で21,420円となった。
ちなみにチケット本体の価格は、US$189(14,700円)と書かれていて、いったいどうやったらUS$110のものがそんな金額になるのだろうかと思う。
もらった旅行券を使ってタダで手配したからいいようなものの、自腹を切っていたら絶対にオーダーしなかったであろう金額だ。
この旅行会社が私に提示したUS$189という価格、彼らがぼってるのか、あるいは、彼らもインドネシアの航空会社からぼられているのか、いずれにしろ、顧客の側から見れば暴利としか言いようがない。
何しろ総額でオンラインでやった場合の2.5倍かかるというのは尋常ではない。
もし、他のパッケージツアーに含まれる航空券やホテルの手配も同等の条件でやっているのだとすれば、「カモカモかもーん」は誰なのかという先に行き着くだろう。
1997年12月23日、私が友人とバンコクを観光したとき、そこで案内をしてくれた日本語ガイドのビイラチェ・ ビセトビチャポーン(Virach
Visetvichaporn)、通称トムさんは言った。
「日本語のガイドブックと英語のガイドブックの双方に目を通すと、ホテル料金の紹介の部分で、ほとんどのところで同じホテルなのに著しい差異がある。」と・・・
当時は、まだインターネットでホテルを予約したりすることが一般的ではなかった。
従って、トムさんが言ったバンコクのホテルに存在した「日本人料金」のことは広く知れ渡ることはなく、中国返還前の香港のホテルに存在した「日本人料金」のことが後で明らかになって大きな物議を醸したのだった。
ちなみに、このとき私が感じたことをタイ・香港・マカオ旅行記にも書いている。
「私が常日頃から思っているように、日本の政官財複合体は、わざと国民を英語嫌いにさせて、情報操作をして暴利を貪っているのでは?なんていうのが確信に変わりそうだね!」と・・・
これらのことは、それまで海外旅行から帰国の度に口先だけで終わっていた英語の勉強に本気で取り組む契機になったので、私自身にとっては幸いであった。
ところで、去る9月26日のDIGITAL DIMEで、ジャーナリストの山田順氏が「日本人が英語ができないのは政府の陰謀。あなたはわざと英語嫌いにさせられている!」というコラムを書いていた。
これを読んだ私は14年前に自分が書いたことを思い出し苦笑いした。
「日本人に英語は必要ない。日本では日本語だけで十分暮らせる」という英語不要論を唱えたり、英語を日本の準公用語にしようなどと言うと声高に非難する人たちは、おそらく自分たちが損をしていることにすら気づかないのだろう。
今や、インターネットで航空券やホテルが予約できるようになり、かつてのような露骨な「日本人料金」は存在しなくなったように思える。
ところが、今回の大手旅行会社の例に見られるように、パソコンも英語もできない人たちの前には依然として「日本人料金」が存在しているのである。
しかしながら、これはデフレ経済下で縮小し続ける日本のレジャーマーケットの中で苦しむ旅行業界が、利潤を確保するための窮余の一策なのかもしれない。