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5月16日(水)−ベンチャー企業を潰すオワコンNIPPONのおバカ規制

今日の読売新聞で、外国人富裕層のアテンドをすることで成長しているタクシー業界のベンチャー、ロイヤルリムジンの増車申請が却下されたため、その処分の取り消しを求めて同社が東京地裁に提訴したと報じられた。
タクシー業界は、小泉政権時代の規制緩和(2002年2月1日施行の改正道路運送法)によって供給が飽和状態になり、ドライバーの待遇が著しく悪化したことが発端となって、2009年(平成21年)の通常国会で成立したタクシー適正化・活性化法(正式名称:特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法)によって、新規参入の厳格化と増車の許可制が定められた。

ところが、この新規参入と増車の許可基準について国土交通省の資料を読む限り、いずれも「申請する営業区域で新たに発生する輸送需要によるものであることが明らかであること」とあるが、はっきり言って嫌がらせのようなものである。
私のような素人にはこんなものがどうしたら明らかにできるのか全くわからない。
国土交通省の役人が深夜まで残業したときに、すんなりとタクシーに乗れなかったら、新たに需要が発生していると認められるのか、と言いたいくらいだ。
ベンチャー企業の芽を摘み、国民の起業の意欲が失われれば、自らの食い扶持もなくなる一方であることが理解できないのだろうか。
それとも彼らは天下り先の候補となる企業以外はどうなろうが興味もないのだろうか。

今回の訴訟当事者のロイヤルリムジンは、需要が減少の一途を辿る日本人でなく、お金になる外国人富裕層をターゲットにしている点で今までの参入業者とは違う。
ドライバーに英語が話せる人を配していることに加え、サービス精神旺盛な気配りでもって顧客を増やしているという。
私も海外旅行で経験があるが、英語圏以外のところでは、タクシードライバーが英語が話せることが稀なため、行き先を告げて理解してもらうことすら大変なときがある。
当然、日本でも事情は同じはずで、多少運賃が高くても、ドライバーが英語を話せるなら乗りたいと思う外国人は多いはずだ。
それを一律規制の網にかけて誰が得をするのだろうか。
外国人を見たら避けるように通り過ぎるドメスなドライバーが受け皿になるとでも言うのだろうか。
こんなことで、本当に日本は観光立国を目指すつもりでいるのだろうか。

余談になるが、私は、去る7日のコラム(スリランカの観光セクターに投資妙味あり?)で紹介したホテルのスタッフとしばらくメールをやりとりしていたが、最後に、彼が日本へ行きたいがどのくらい生活費(滞在費)がかかるのか、と聞いてきた。
私はJapan Guideを紹介したあと、親切心で日本では外国発行のキャッシュカード利用に制限ある旨(訪日外国人旅行者を困惑させる銀行ATMのバリア)と、日本国内では米ドル以外の両替手数料が高いことを英語で書き添えた。
その後、彼からは何も言って来なくなった。
納得したのか、それとも滞在費の高さに訪日を諦めたのかはわからない。
いずれにせよ、私はこのATMと外貨両替の問題を放置しておけば、大きなしっぺ返しを食うと思っている。

最後に、中国人団体観光客で潤ってホッとしてる地方自治体、観光業界の人に言っておきたい。
かつての日本人がそうであったように、いずれ中国人も個人旅行者としてたくさん来られるようになるだろう。
そのときに自国(外国人旅行者の本国)の携帯は使えない、銀行のATMで金は下ろせない、英語は通じにくい、そんな国に金を落としてくれるだろうか。
それを改善するように指示するならまだしも、余計な規制ばかり加えようとするオワコン(ピークが過ぎたものの例え)NIPPONの役人たち。
そして、国民が満足な英語教育を受けられないために、縮小する一方の国内の就職先に殺到し、ブラック企業に間違って就職するならば、オワコンNIPPONのスタッフの方がマシとばかりに、公務員が学生の人気職種になり続ける現実。
今の私にはため息しか出てこない。

「増車の却下は不当」タクシー会社が国を提訴
(2012.5.16 読売新聞)
規制緩和で新規参入したタクシー会社「ロイヤルリムジン」(東京都江東区)が16日、増車の申請を却下したのは不当だとして、国に却下処分の取り消しと増車の認可を求める訴訟を東京地裁に起こした。
原告側代理人によると、2009年10月のタクシー適正化・活性化法の施行以後、増車を求めた訴訟は初めて。
訴状によると、外国の観光客・出張者をターゲットにする同社は昨年6月、タクシーを50台から80台に増やすことを認めるよう関東運輸局に申請。
国土交通省の通達で東京23区などの「特定地域」で増車を認めるには新たな需要の明示が必要だとされているが、同局は11月、「需要の発生が明らかではない」として申請を却下した。

5月7日(月)−スリランカの観光セクターに投資妙味あり?

先月下旬、スリランカのリゾートホテルであるPalagama Beach Resort & Spaから弊サイトのリンク集(英語版)に加えて欲しいとのオファーがあった。
もちろん拒否する理由はなく、すんなりと承諾の返事を出したのだが、スリランカは2010年のゴールデンウイークに訪問し、興味があったので、このホテルがどこにあるのか調べてみた。
そこで、ホテルのウェブサイトのContact Usを開くと、グーグルマップが出るので、それを縮小して見ると、スリランカ西岸のカルピティヤ(Kalpitiya)というリゾートエリアにあるようだ。
このリゾート、検索サイトで入れてみると、スリランカ政府観光開発庁(Sri Lanka Tourism Development Authority)が進める開発案件に指定されていて、何とホテル予約サイトのagoda.jpもこの地域をカバーしている。

ここのことを私は全く知らなかったのだが、それもそのはず、当時買ったガイドブックには地図上に掲載はされているものの、この地域の紹介はまるでなく、現地日系旅行社のウェブサイトにも掲載されていなかったからだ。
もっとも、当時はスリランカの内戦終結からようやく1年が経過した頃で、観光の目玉は、主に南西部のビーチとサファリ、文化三角地帯と呼ばれる遺跡群で、それ以外の地域は全くの手付かずの状態だったのだ。
私が行った東部のトリンコマリー(Trincomalee)もネットサーフィンをしていて偶然に見つけたところで、行ってみると内戦の爪跡が生々しく残り、とても観光インフラが整っているとは言えなかった。
しかし、今やここもホテル予約サイトのagoda.jpがカバーするに至り、リゾート地として発展する様相を見せている。

ところで、スリランカと言えば、ワールドインベスターズの石田さんが6月10日出発の「スリランカ投資まるかじり視察ツアー」を募集している。
締め切りは4月30日だったようだが、今日現在でもまだ若干空きがあるとのことなので参加は可能だ。
私は残念ながらこのツアーに行くことはできないが、今後、スリランカに投資するなら、観光セクター(Colombo Stock Exchange - Listed Companies - Hotels and Travels)に投資妙味が十分にあるように思える。
せっかくの観光資源を生かすためには、鉄道や国内航空路線、リゾートホテル、レストランなどの整備がまだまだ必要だからだ。
2011年春の高値からは下落基調が続くスリランカ・コロンボ全株指数(Sri Lanka Colombo Stock Exchange All Share Index)だが、新興国投資の選択肢の一つとして長い目で投資を検討するにはいい時期かもしれない。
ちなみに、スリランカ株式への投資に関してはベトナム株・BRICsプラス11投資情報に詳しく書かれているので参考にするといいだろう。

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