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2月25日(土)-配当所得に関して個人事業主や国民健康保険加入の個人投資家に朗報

日経ヴェリタス(2017年2月12日~18日号)の「『人生これから』 配当金の節税策 今回から」で紹介されていた平成29年度(2017年度)税制改正の大綱-個人所得課税-6 その他-地方税-個人住民税-(9)にある「上場株式等に係る配当所得等について、市町村が納税義務者の意思等を勘案し、所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることを明確化する。」というのが、配当所得の節税策として俄かに脚光を浴び始めている。
日経ヴェリタスの記事で、今回の確定申告期(2017年2月16日から3月15日)でも適用できるとあるのは、法改正を伴うものではなく、来年度に向けて現行法(地方税法第317条の3第1項但書)の運用の周知徹底を図るという内容だからだ。
ただ、日本株の配当金に対する源泉所得税は、確定申告書と住民税の申告書を別々に出してまで節税する必要はないという人がほとんどだろう。
ところが、私が持っているダイワ米国リート・ファンド(毎月分配型)(現時点では2016年11月のフィデリティ・USリート・ファンド」(為替ヘッジなし)の分配金率引き下げの余波はなく、純資産総額の減少もそれほどないようだ。)のように普通分配金が出ている投資信託だと、配当課税方法を所得税と住民税と違うものにすることにより、大きな節税になる可能性があるので、検討してみる価値はあるだろう。

ここで、私が表題に「個人事業主や国民健康保険加入の個人投資家に朗報」としたのには理由がある。
大和総研の2017年1月25日付のレポート「上場株式等の住民税の課税方式の実質見直し」に書かれているように、「所得税と住民税で異なる課税方式を選択することが納税者のメリットとなるケースは主に2つある。1つは、上場株式等の配当所得について所得税は総合課税、住民税は申告不要制度(または申告分離課税)を選択することで住民税の税負担を抑えられるケースが挙げられる。もう1つは、所得税は申告分離課税で損益通算や繰越控除を利用する一方、住民税は申告不要制度を選択し国民健康保険料等の増加を抑えられるケースが挙げられる。」とあるのが最もわかりやすいだろうか。
仮に、自分にかかる所得税率が10%になる場合に、配当金の源泉所得税の還付を受けようとして、所得税の確定申告をすると、それがそのまま住民税の合計所得金額や、国民健康保険料(税)の算定基礎額に加算されて、ぬか喜びになりかねないリスクがある。
ところが、住民税の方を申告不要制度を適用すると申告すれば、そういったリスクがなくなるというわけだ。

一方、専業主婦に関しては少し微妙なところだ。
被用者保険(社会保険)の被扶養者認定は住民税であることが多いように思えるが、所得税の被扶養者判定は、国税庁のタックスアンサー「上場株式等の配当所得等に係る申告分離課税制度」にあるように、総合課税を選択すると、配当所得が合計所得金額に算入されてしまい、配偶者の被扶養者を外れる可能性もある。
要は、パート収入103万円超(タックスアンサー「パート収入はいくらまで所得税がかからないか」)、130万円未満(全国健康保険協会-被扶養者とは?)の人たちと同じジレンマを抱えるケースもあるわけだ。
こうした場合は、還付される所得税と、扶養を外されるデメリットを比べて判断するしかないだろうが、一般的には確定申告(還付申告)しない方がベターだと言えるだろう。

ところで、一般的に所得税の確定申告をすると、住民税の申告は不要なので(地方税法第317条の3第1項本文)、居住地の自治体に申告書を提出しようとした場合、本件の解釈の明確化について確認と念押しする必要があるわけだ。
私が市役所に勤める友人に確認したところ、「どちらの申告書が先に出されたかは受付印で確認できるが、住民税の申告書に『今後、所得税の確定申告をするが、配当所得に関しては申告分離あるいは申告不要制度の適用をします。』と明記する方が望ましい」と言っていた。
また、確定申告書の住民税・事業税に関する事項の記載例には、「所得税等の確定申告をした場合は、道府県民税配当割額及び株式等譲渡所得割額を記入します。」と書かれているが、「道府県民税配当割額」は記載しないが、正しい書き方になるだろうか。
いずれにせよ、今回、この方法を使うのであれば、住民税の納税通知書が届いたときに再確認する必要があるのは言うまでもない。

ちなみに、大阪市の「株式等の配当所得等および譲渡所得等の申告・課税方法」には以下のように明記されている。
「所得税等の確定申告書において上場株式等の配当所得等を、総合課税または申告分離課税として申告された場合は、個人市・府民税も同様にその課税方法が適用されます。ただし、納税通知書が送達される日までに、確定申告書とは別に、市民税・府民税申告書をご提出いただくことにより、所得税等と異なる課税方法(申告不要制度、総合課税、申告分離課税)を選択することができます。(例:所得税等は総合課税、個人市・府民税は申告不要制度)
日本の場合は、地方税法の適用が自治体によって異なることはないので、居住地の自治体への説明に窮した場合は、これを参考に見せるといいだろう。
これを見る限り、日経ヴェリタスや大和総研の記事とは異なり、確定申告書をすでに出してしまった人でも、来年度の住民税の納税通知書が送られてくるまでは、居住地の自治体に住民税の申告書を出すことができるということになるだろうか。
しかしながら、地方税法第317条の3第1項但書には、「ただし、同日(確定申告書提出)前に当該申告書(住民税の申告書)が提出された場合は、この限りでない。」と書かれているので、大阪市の解釈が正しいかどうかは議論の余地があるかもしれない。

「人生これから」 配当金の節税策 今回から
日経ヴェリタス 2017年2月12日~18日号
2017年度の税制大綱には、とある節税策がそっと盛り込まれている。
上場株式などの配当所得への課税については、3つの方法がある。
一般的には配当金が支払われるときに、一律20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税の合計)が源泉徴収されている。
そのまま確定申告せずに済ませる「確定申告不要制度」。そして、あとの2つは確定申告が必要な方法で、配当所得を他の所得と分けて確定申告する「申告分離課税」と、他の所得と合算して申告する「総合課税」だ。
この3つから1つを納税者が選ぶ。

従来、所得の多い人、具体的には課税所得が695万円を超える人なら、最高でも税率が20.315%に収まる申告不要制度がお得と言われた。
だが、所得税と住民税と異なる課税方式にできると、2017年度の税制改正大綱に明記されたおかげで、合法的な節税策が生まれた。
簡単に言えば、所得税を総合課税、住民税を申告不要制度にすると、課税所得が695万円超から900万円以下という区分にあたる人の正味の税率が、18.273%になる。

従来、申告不要制度で20.315%の税率が最もお得だった層の人の税率が下がるということらしい。
要は、所得税と住民税で課税方法を変えたらお得になる人が結構いるということになり、総合課税がお得だった695万円以下の人も同じ理屈になるようだ。
サラリーマンの場合、年間の給与から給与所得控除と、各種の所得控除を差し引いたものが課税所得だ。
従って、この層は年収でいうと、おおよそ1300万から1400万程度。
この年収以下の人はみんな申告不要制度よりも、所得税は総合課税を、住民税は申告不要制度を選ぶ方が正味の税率が低くなる。

それまで最も有利だった方法を、所得税は総合課税を、住民税は申告不要の方法に変えると、税率で約2%お得になる。
つまり、10万円の配当金に対して約2000円、100万円なら約2万円、500万円の場合は約10万円だ。
その際、申告書を2種類作成する必要がある。
これを面倒だとひるむ人はいると思うが、その労力や手間と節税額を勘案して、どうするか考えてもいいだろう。
国内上場株式の配当所得に課税される税率
課税所得金額 所得税・住民税とも
申告不要①
所得税・住民税とも
総合課税②
所得税は総合課税で
住民税は申告不要③
最も税率の
低い課税方式
195万円以下 20.315% 7.2% 5.0%
195万円超330万円以下 7.2% 5.0%
330万円超695万円以下 17.41% 15.21%
695万円超900万円以下 20.473% 18.273%
900万円超1000万円以下 30.683% 28.483%
1000万円超1800万円以下 37.188% 33.588%
1800万円超4000万円以下 44.355% 40.735%
4000万円超 49.44% 45.84%
「ヴェリーが答えます」 上場株式の配当所得、今回からできる節税とは?
「所得税と住民税で異なる課税方式に」
日経ヴェリタス 2017年2月19日~25日号
2月12日付の連載ドラマ「人生これから」で、2017年度の税制改正大綱で明確になった節税策を紹介したところ、読者から大きな反響があった。
上場株式の配当所得への課税に関して、所得税は他の所得と合算して申告する総合課税を選ぶ一方、住民税は「申告不要」にすれば、課税所得が900万円以下の人なら、それまで最も有利だちた方法よりも税率で約2%お得になる、というものだ。

この節税策は現行の地方税法でも可能であるが、今回の税制改正大綱でその解釈が改めて明確になった。
法改正を伴っているわけではないため、2016年分の所得に対する確定申告、つまり今回分から適用できる。
注意すべきは、税務署に所得税の確定申告書を提出する前に、住民税の申告書を市区町村の税務申告窓口に提出する必要がある点だ。

もっとも、地方税法の解釈が明確化されたことをまだ把握していない市区町村の税務申告窓口も多いようだ。
もし、市区町村の税務申告窓口の担当者と話しても受け付けられない場合は「その窓口に対し、都道府県の市町村課に問い合わせて解釈の明確化を確認してほしいと要望してみる」(地方税法を所管する総務省の自治総務局市町村税課)とよいかもしれない。
配当所得の多い人にとっては魅力的な節税策かもしれないが、周知徹底されるまでたはまだ時間がかかるだろう。
今回の解釈の明確化は個人住民税が対象であり、所得税の確定申告を受け付ける税務署は無関係なので税務署に問い合わせても関知していない可能性は高い。
地方税法-第3章 市町村の普通税-第1節 市町村民税-第3款 申告義務
第317条の3
第294条第1項第1号の者が前年分の所得税につき所得税法第2条第1項第37号の確定申告書(以下本条において「確定申告書」という。)を提出した場合(政令で定める場合を除く。)には、本節の規定の適用については、当該確定申告書が提出された日に前条第1項から第4項までの規定による申告書が提出されたものとみなす。ただし、同日前に当該申告書が提出された場合は、この限りでない。
前項本文の場合には、当該確定申告書に記載された事項(総務省令で定める事項を除く。)のうち前条第1項各号又は第3項に規定する事項に相当するもの及び次項の規定により附記された事項は、同条第1項から第4項までの規定による申告書に記載されたものとみなす。
第1項本文の場合には、確定申告書を提出する者は、当該確定申告書に、総務省令で定めるところにより、市町村民税の賦課徴収につき必要な事項を附記しなければならない。

(注)これに関しては、2018年2月17日付「家族の所得税確定申告書、今年は住民税申告書とダブルで提出」で具体的な事例を掲載しました。


2月13日(月)-マレーシア航空ファースト・ビジネスクラス特別食(Chef on Call)を頼んでみよう

Malaysia Airlines chef on call menuマレーシア航空(Malaysia Airlines)の長距離便(クアラルンプールとロンドン、シドニー、パース、メルボルン、アデレード、オークランド、ソウル、北京、上海、成田、関西間のフライト)のファーストクラスやビジネスクラスを予約すると、シェフ・オン・コール(Chef on Call)という機内特別食が注文できるのをご存じだろうか。
これは、旅行会社を通じた予約客であっても、最初の搭乗便の24時間前(マレーシア時間、日本時間の-1時間で)までなら、オンラインで注文ができる特別メニューだ。
ファーストクラスやビジネスクラスの乗客は、エコノミークラスとは違った豪華な雰囲気の機内食が提供されるが、さらに特別メニューの中から自分で好きなものを選べるものだ。
また、マレーシア航空のウェブサイトから予約した場合は、あらかじめE-Mail(英語)で案内がくるが、旅行会社を通じた予約の場合は、自分からウェブサイトにアクセスしないと注文ができないから注意が必要だ。

さて、予約をするときに注意が必要なのは、電話番号(Contact No.)が81(日本の国番号)と最初の0を抜いた電話番号をハイフンなしで入力することと、予約番号(Booking Reference)は英数5桁の番号で、13桁のEチケット番号(E-ticket Number)ではないことだ。
ところが、今年の場合は画面を進めていくと、シェフ・オン・コール(Chef on Call)のメニューが表示されず、予約することができない。
私が取ったチケットが特別セールのものだから対象外なのかと思ったが、そのような感じはなく、どうもシステムトラブルのようだ。
2週間くらい待っても解決しないので、お問い合わせのFeedback Formから英文でメールを入れてみることにした。(マレーシア航空では電話も含めて日本語を理解するスタッフはほとんどいないようだ。)

このような感じでメールを送ったら、カスタマーサービス(Global Customer Contact Centre)の担当者から回答があり、システムトラブル(technical glitch from our website)のため、送られてきたメールの添付ファイルにあるメニューから選んで返信するようにと記載されていた。
このカスタマーサービスには、帰国便が往路の搭乗便より30日以上先になる場合や、最初に選んだメニューを変更したい場合に、そこに連絡するようになっているが、今回のようなレアケースの場合も直に連絡することで解決したようだ。
それにしても、ここ2週間くらいずっとシェフ・オン・コール(Chef on Call)のメニュー画面は開かったのだが、誰も何も言わなかったのだろうか。
そして、私のクレーム(complaint)でシステムを回復させてくれるのだろうか。


2月12日(日)-仮想通貨のビットコイン(BTC/bitcoin)を買ってみた

ビットコイン(BTC/bitcoin)というものを聞いたことがあるだろうか。
私も昨年夏まで言葉を聞いたことがあるだけで、全く関心がなかったのだが、友人から外貨投資をやっているなら、その一環としてポートフォリオに組み込んだらどうかと言われて、真剣に勉強してみることにした。
一言で言えば、「国家の裏付けのない外貨」というべきだろうか。
ビットコインについて勉強するなら、インターネット上にはビットコインニュースBitcoin日本語情報サイトなど様々な情報が流れているが、書籍として読むならビットポイントジャパンの代表取締役社長・小田玄紀氏が自ら執筆している「1時間でわかるビットコイン入門」がわかりやすくていいだろう。

ところで、私たちは日本円という世界で通用するハードカレンシー(global currency=国際市場で他国の通貨と容易に交換が可能な通貨)を持っているがゆえに、インターネット上で流通する仮想通貨(cryptocurrency)というものをどこか怪しげなもの、信用できないものとしがちだ。
特に、2014年2月28日付の日経新聞「マウントゴックス破綻 ビットコイン114億円消失」という記事で、ビットコインを知った人は余計にネガティブなイメージしか持たないだろう。
しかしながら、この事件は、ビットコインの安全性とは何ら関係がなく、単なる取引所内部の者による横領事件だったことがわかっている。(2015年9月11日 産経新聞-ビットコイン消失事件 業務上横領罪でカルプレス容疑者を起訴 「あとで返すつもりだった」と容疑を否認

このような紆余曲折を経たビットコインなどの仮想通貨は、2017年(平成29年)4月から日本でも法的に認められ、コインチェック(coincheck)のような仮想通貨交換業(取引所)も規制の対象となり、安全性がよりいっそう増すことになるだろう。
それでも、仮想通貨は、ハッキングなどの被害に逢いやすく、いつの間にか消失しているのではないかという懸念は残る。
ここで、小田玄紀氏は、日本ブロックチェーン協会に加盟している取引所は、ウォレット(財布=仮想通貨の記録媒体)を、「ホットウォレット(オンライン上に存在する財布)」と「コールドウォレット(インターネットに接続しない財布)」に分離し、顧客の資産を守るようにしていると言う。
従って、ビットコインの送金処理をするときに時間がかかるのは、顧客資産の安全性を担保するための措置からくるものと言えるだろう。

さて、ビットコインが法的に認められた暁には、金や銀のように国際的な信用を持つようになる可能性は高く、今からでも投資する価値は十分にあるだろう。
実際のところ、通貨換算ツールのXEにはビットコイン(XBT)が組み込まれているのだ。
現在は、ビットコインなどの仮想通貨は、法的に通貨でないために、クレジットカード(手数料がかかる)でも買うことができるが、4月からは米ドルやユーロなど法定通貨と同様にそれが認められなくなる可能性もある。(但し、2016年12月9日付(下記)の日経新聞の記事にあるように「支払手段」となるとクレジットカードでの購入が引き続きできることもあり得る。)
一般的に国家管理の通貨同様、じゃぶじゃぶと通貨を発行し続ければ価値は暴落するが、ビットコインは現時点で発行総数の上限が定められているので、通貨量過多による暴落の可能性はほとんどないと言われている。(参考:日本デジタルマネー協会-大石哲之のビットコインの仕組み入門
また、ビットコインは国家に管理されない仮想通貨であるがゆえに、中国人などのように自国通貨そのものが信用できない国の人たちの絶大な信頼を受けている。(2016年12月18日 日経新聞-ビットコイン取引最高、11月15兆円超 9割が中国 個人、海外に資産逃避

ビットコインは海外送金の手間や、手数料を節約したいという人にも有用な手段だ。(2016年2月15日 コインチェックブログ-マイナンバー不要で海外送金!
もっとも、マイナンバーが不要なのが、いつまで続くかわからないが、送金にかかる日数や手数料が省けるのは間違いないだろう。
また、これは友人間の金銭のやり取りにも使えるし、慣れてくれば飲み会の会計のときの割り勘の支払いに使うことだってできる。
一方で、海外投資黎明期によく言われた預金封鎖や日本円暴落説を信じている人にとっても、ビットコインは利用価値がある。
なぜなら、ビットコイン取引所に口座を開くのは、海外の銀行に口座を開くより容易に口座開設ができ、ビットコインの移転も容易だからだ。
ちなみに、コインチェック(coincheck)からは海外送金もできるので、日本の銀行から円をコインチェックへ入金、コインチェックから米ドルを海外の銀行へ送金、あるいは、その逆も可能だ。
カスタマーサービスに確認したところ、米ドルの海外送金手数料は2,500円、入金手数料は25ドル(約2,900円)となっているので、興味がある人は使ってみてはいかがだろうか。

仮想通貨購入は消費税ゼロ 「支払手段」と定義
(2016.12.9 日経新聞)
ビットコインなどインターネット上で流通する仮想通貨を購入する際にかかる消費税が2017年7月からなくなる。
利用者はこれまでより消費税分だけ実質的に安く買える利点がある。
ビットコインなどの仮想通貨は専門の取引所を通じて買える。
円やドルなどで購入でき、銀行振り込みやクレジットカード決済で支払うケースが多い。
現在は購入時に8%の消費税がかかり、利用者は取引所の手数料と一緒に支払っている。
今年成立した改正資金決済法は、これまで法的な規定がなかった仮想通貨をプリペイドカードや商品券と同じ「支払手段」と定義づけた。
商品券などの購入には消費税がかからないが、仮想通貨は課税が続いており、金融庁が財務省に判断を求めていた。
欧米では非課税とする国が多い。
ビットコインは送金手数料がほぼゼロといったメリットも多い。
購入時の税負担がなくなれば利用者が増える可能性がある。

関連サイト


2月11日(祝)-ATR (Average True Range)の極意を学んだ小次郎講師無料プレミアムセミナー

東京商品取引所去る2月1日にサンワード貿易主催の「小次郎講師流 新タートルズトレード講座」の無料プレミアムセミナー東京商品取引所(TOCOM)のセミナールームで行われた。
講演は全部で1時間半、前半は各自のトレードスキルチェックと、リスク管理の要諦であるATR (Average True Range)の理論、後半はトレードエッジ(移動平均線大循環分析)のことについて行われた。
昨年も小次郎講師のセミナーに出席して、移動平均線大循環分析のことはだいたいわかったのだが、そのときに購入した「小次郎講師流 目標利益を安定的に狙い澄まして獲る 真・トレーダーズバイブル」に書いてあったATR (Average True Range)のことが、今ひとつ理解できなかったものが、今回の講演を聞いて、ようやくわかりかけてきた。

要するに、自分の投下できる資金量と、買おうとしている銘柄(通貨ペア)の値動きに対するリスク管理の手法なのだ。
そこで、より理解を深めるために、セミナーでもらったレジュメに書かれていた計算式を小次郎講師流ATR計算(Excel)に入れて、データをはじき出してみた。
ここで使うTR(True Range/1日の最大値動き)の定義と、ATR(Average True Range/1日の最大値動きの20日平均)の計算式は以下のとおりだ。

小次郎講師は、移動平均線大循環分析のときに5日平均(短期)、20日移動平均(中期)、40日移動平均(長期)を使って説明するので、私のエクセル表も過去40営業日のデータを入力してみた。
日本株の時系列データの場合、ヤフーファイナンス(株式)の時系列データは、20営業日ごとの表示になるので、それを2ページ分、コピー&ペーストでエクセルに貼り付ける(形式を選択して貼り付け→貼り付ける形式をテキストにする)だけで計算表は完成する。
FX(外国為替証拠金取引)の場合は、マネースクエアー・ジャパンのヒストリカルデータからCSVファイルでダウンロードできるので、そちらで入手する方がいいだろう。

最後に、自分の投資資金(総額)を、例えば200万円(2,000千円)と入れると、それぞれの株式銘柄や通貨ペアに対して、「リスクを1%取ることによる購入可能なユニット数」が算出される。
ここでいう「リスクを1%取ることによる購入可能ユニット数」は、自分の投資資金(総額)、投資対象となる銘柄(通貨ペア)の単元株数や取引単位に応じて異なり、例えば、単元株数が100株の銘柄であれば、100株買うことによって、リスクを1%取っていると見るわけである。
そのリスクを取れる上限は、投資の初級者であれば5%、中級者は10%、それを超えるものは一般投資家には相応しくない(破産する確率が増す)レベルというわけだ。

そして、後半の講義は「移動平均線大循環分析」、単純に言うならば、買い(ロング)にエッジ(優位性)がある銘柄と、売り(ショート)にエッジがある銘柄に投資すれば勝率が高くなるということで、こちらは、私にとっては昨年の講義でやった内容の復習となった。(参考:2016年4月7日-皇居の桜見物の後で完全リタイア(自由人)への光明を見た
買い(ロング)にエッジがある銘柄は、移動平均線が上から短期(5日)、中期(20日)、長期(40日)と並び、チャートは右肩上がり、逆に、売り(ショート)にエッジがある銘柄は、移動平均線が上から長期(40日)、中期(20日)、短期(5日)と並び、チャートが右肩下がりになっているものとある。(日数/パラメータはトレーダーによって異なっても構わない)
そして、それ以外のトレンドのときは方向感が定まらないので、投資をするべきではないと小次郎講師は言う。
このような感じで進んだ先日のセミナーだったが、無料にもかかわらず、学びが多く、内容の濃いセミナーだったと思う。


2月10日(金)-クラウド会計ソフトFreeeで初めての青色申告をやってみ

去る12月3日の「個人事業主のための会計研修終了」で触れたように、昨年から私は公的には「個人事業主」ということになっている。
おまけに「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に提出したので、嫌でもきちんとした税務申告書類を作らないといけなくなった。
開業当初は大して活動しないし、経費の仕訳もそれほど大掛かりにしなくていいだろうと、高をくくっていたので、神奈川県青色申告会連合会の会計研修の度に「記帳は毎日してますか」などとアンケートで聞かれても、どこか他人事だと思っていた。
ところが、どっこい、昨年の12月になって、重い腰を上げて申告の準備に取り掛かって唖然、何しろ年初に事業用として定めた銀行預金とクレジットカードを他所に、経費で落とせそうな費用を様々なクレジットカードで引き落としてしまったために、それらをまとめないといけないことに気付いた。
当然のことながら、手作業で明細を見ながら入力なんてことはやってられないので、金融機関の利用明細を自動で取り込めて、領収書などを隙間時間に入力できるiPhoneアプリがある会計ソフトを探したところ、クラウド会計ソフトFreeeというのが目に留まった。

実のところ、この会計ソフトは「トイアンナのぐだぐだ-フリーライターとして初めての青色申告で『freee』を使ったら全作業が3時間で終わった(2016年3月2日)」というコラムを見たときから注目していたのだが、青色申告会で推奨してソフトが「ブルーリターンA」ということもあって、どちらにしようか迷っていたのだが、やはり、自動でいろいろできるということが魅力的だった。(SMBC信託銀行が未だにシティバンクで登録されているが・・・)
しかしながら、金融機関の利用明細を自動で取り込めるのは一般的に過去2~3か月分だけで、残りは手入力しなければならなかったのだ。
昨年12月にそれをやり始めた私は、何と半年分以上を手入力しないといけないハメになった。
幸いにして、資産管理・家計簿ソフトのMoney Foward(古くはMicrosoft Money)を入れているのと並行して、金融機関の利用明細をPDFでダウンロードしていたので、それをコピー&ペーストすれば良かった。
ただ、それでも相当に面倒だったので、自作のエクセル(CSV)ファイルを読み込めないか確認したところ、 freeeヘルプセンターに「手動でfreeeに取り込む明細を用意する」というのがあり、このテンプレート(類似の自作のフォーマットでも可)に数値を入れていけば大丈夫なことがわかった。

これらのおかげで、確定申告期真っ只中に予定している海外旅行(2017年1月29日-マレーシア航空「平成29年初売り」セール中、今年の春はビジネスクラスでタイへ)に間に合うかどうかの危機にあったのが、何と1月中に申告資料の準備がすべて終わってしまったのだ。
そうなれば、トイアンアさんがコラムで書いているように数時間あれば終わる作業だから、確定申告が終わるのは時間の問題だった。
昨年までと違うのは、Freeeからエクスポートできる青色決算書と確定申告書Bデータの拡張子が「申告・申請書データファイル(*.xtx)」なので、e-TaxのWindows版をダウンロードして、それに組み込む必要があった。(確定申告書などの加除訂正が必要なければFreeeからe-Tax WEB版で直接送信できる。
それでも、つい先日、確定申告書と青色決算書の送信が終り、これで心置きなく遊びに行くことができるので、やれやれといったところか。

ちなみに、昨年12月に下取りに出したWindows Vista機(2016年12月17日-Windows VISTA機、ソフマップで下取り価格3千円なり)で使っていた、e-Tax黎明期にもらったCDロムは無論のこと、当時購入したICカードリーダー(日立M-520U)もWindows 10のパソコンでは使えないので、すべて刷新しないといけなかった。(今回買ったICカードリーダーはSONY RC-S380だ。)
私が2004年5月30日に「電子政府は誰のため?」というコラムを書いた当時は、e-Taxを使う人は酔狂以外の何物でもなかったが、システムが年々改良されてだいぶ使い勝手の良いものになっている。
個人向け行政サービスで一番進化を遂げているのが国税庁のe-Taxというのはさすがとしか言いようがないが、マイナンバー(社会保障・税番号)を使った一般の行政サービスも、お粗末だった住民基本台帳カードの時代と比べて進化を遂げられるのであろうか。(参考:公的個人認証サービスで利用できるサービスの一覧


2月7日(火)-「7つの習慣ボードゲーム」をやってみた

7つの習慣ボードゲーム去る1月31日、友人の自宅に招かれて、「7つの習慣ボードゲーム(The Experience Game of the Seven Habits)」をやってみた。
誘われたときは、以前やった「キャッシュフローゲーム」の進化型なのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。
楽しみに行ってみると、プレイヤーは私を含めて5人、銀行役が1人、銀行役の女性がルールの説明をしながら進行するという感じで、彼女以外は誰もやったことのないゲームのようだった。
ゲームをやっていくうちにわかったのだが、これは限られた時間の中で、成功するために必要な考え方を学び取り、ゴールを目指すというもので、ただ単にお金を稼げばいいというものではなかった。
上述の公式サイトにはルール説明の動画もあり、帰宅してから見返すと、こんな感じだったのかとあらためて思う。

実際のゲーム中で、人材を雇用する局面では、現実世界と同じく、高度な(影響力が高い)人材ほどコストがかかるのだが、報酬や信頼チップを多く得られるプロジェクトほど、高度な人材が必要になる。
プロジェクトを請け負った責任者(プレイヤー)が自前で人材を揃えられない場合は、他のメンバーと交渉して、そのメンバーの持っている人材の助力を乞う代わりに、プロジェクト報酬の一部を分け与える必要があるのだが、そこでWin-Winの交渉ができるかがカギになる。
そんな感じでゲームは進行するのだが、報酬の高いプロジェクトには影響力の低い人材は必要とされず、これは現実世界と同じなのかなと思った。
また、研修受講タイルは、各ステージのスタート時点で購入することができるが、これはイベントカードで不利なカードが出た時の保険になるようだ。
私は保険(研修受講タイル)を一切買わずにゲームを進めても何の問題もなかったが、実は、ステージが上がるほどヤバイカードがあるとのことだ。
結局、このときは誰もゴールできず、私もステージ条件と、ミッションステートメントカードのゴール条件は満たしたが、刃を研ぐカードが全部集められずに終わってしまった。
今回は、よくわからないままにゲームに参加したが、面白そうなので、機会があればまたやってみたいと思う。


2月6日(月)-築地の鮨屋で朝活

去る1月26日、朝の6時半に築地にある某鮨店(店主の意向で店名は隠します)に集まって、出勤前の朝食会をやろうというイベントが挙行された。
主催者は、昨年11月のココファームワイン収穫祭でもご一緒した剛さん、彼の呼びかけで集まった旅系グループの人たち8名が集結した。
こういうのを俗に「朝活(始業前の朝の時間を、勉強や趣味などの活動に当てること)」と呼ぶらしいが、そういった意味では、まさに私たちがやったのは朝活だ。
朝食の時間から築地の高級店で寿司を摘み、それが終ったら場内にある喫茶店でコーヒーを嗜む。
旅の話に花が咲いていると、ほとんど仕事などする気にならない気分だが、解散後は三々五々に仕事に向かったのは、さすが日本のビジネスマン(ウーマン)たち!
私もこの日は本業の出勤日だったのだが、早起きをした上に、まったり気分に浸ったので、職場に行ってもほとんど仕事にならなかった。(笑)

ところで、私は開催当日に、自宅から電車で行って、このイベントに間に合わせることはかなり困難だった。
従って、勝手知ったるホテル奉仕会館に前泊することにした。(参考:2016年11月14日-意外と安くて便利な日本橋問屋街のホテル奉仕会館
宿泊費は、楽天トラベルの予約で4,700円だったとはいえ、おまかせコースのお寿司(3,850円)の代金や、交通費などを合わせると、軽く1万円コースだった。
「そこまでして寿司食べるなら夜に来ればいいのに!」という人もいたのだが、まあ、こういったイベントは人生の余興みたいなもの、参加してなんぼという感じだろうか。
ちなみに、ここは現金払いにしたのだが、ちょっと昨年末から新年にかけて散財が過ぎたのか、数日前に2月のクレジットカード請求額を見てビックリ!
いやはやこれから真剣に稼がないといけないかな。

築地 築地
築地 築地

2月4日(土)-HSBC香港では非居住者が買える債券と買えない債券がある

HSBC Hong KongHSBC香港に口座を持っている方で、米ドルの普通預金口座(US Dollar savings)に3,000ドル(約34万円)から5,000ドル(約56万円)程度、残っているということはないだろうか。
トランプ大統領(President of the United States, Donald Trump)の暴言リスクが怖くて、買いたいと思っていたファンド(Unit Trusts)には手が出せない。
リスクを避けたいと思って、定期預金(US Dollar Time Deposits)の金利を見ると、雀の涙だ。
かつて、日本円の低金利を嘆いた時期があったが、今や、世界中の主要通貨の金利が同じようになっている。
そのような時、債券(Bonds)なら大きなリスクを取らずに、多少なりとも金利の付くものがあるだろう。
日本で外国債を買うと、その時点で為替リスクを取ることになるが、香港の銀行なら通常の場合、普通預金にしている時点で為替リスクを取っている。

そうだ!債券を買ってみよう。
私にいろいろ聞いてきた口座保有者の一人は、そう思って、Bond Screenerから「Highest Yield(高利回り債券)」を探してみた。
このときの検索でヒットしたものの一つが、米財務省証券「United States Treasury Bond (US912810RB61)」、リスクレベル3(中位)、額面価格(par value)に対する年利回り2.875%(毎年5月15日と11月15日に利息受取)、満期日(Maturity Date)が2043年5月15日、最低投資額200ドル(約22,500円)という条件で出てきた。
しかしながら、これを買い進めていったときに出た最後のメッセージが、「Instruction cannot be processed because your nationality /country of residence/address was not accepted.(貴方の国籍、居住国又は居住地が条件と合致しないため、この指示を処理することはできません。)」とあったため、今後の英文メールの練習も兼ねて質問してもらったところ、以下のような回答だった。(参考:2014年12月3日 HSBCお助け支店-HSBC投資口座で米国債は購入出来ない

これを聞いた私は、そんなことがHSBC香港のウェブサイトに書かれているのかと思い、いろいろ探してみたが、見つけることはできなかった。
そこで、私も今日、検索でヒットした米財務省証券「United States Treasury Bond (912810PX0)」を買ってみることにした。
この債券は、前出のものよりも好条件で、リスクレベル3(中位)、額面価格(par value)に対する年利回り4.5%(毎年5月15日と11月15日に利息受取)、満期日(Maturity Date)が2038年5月15日、最低投資額200ドル(約22,500円)だった。(これは基準価額が不安定な新興国の債券ファンドより余程安定的に思える。)
そして、これを1,000ドル(約11万円)買ってみると、「Your order has been placed.(貴方の注文は受け付けられました。)」というメッセージが出て、月曜日(2月6日)に指値注文が出されることになった。
結果は、「Please make note of your reference number ******* for your records. You will be advised of the execution result through SMS and e-mail. Please be reminded to check your order confirmation through order status enquiry or your internet banking e-mail box.(貴方の注文番号は***です。約定結果はSMSとメールで通知されるので、インターネットバンキングのメッセージボックスか、約定照会画面で確認してください。)」ということなので、火曜日(2月7日)以降になれば判明するだろう。
結果としては、「HSBC香港では非居住者が買える債券と買えない債券があるが、それは買い注文を実行するまでわからない。」というものだった。
こんなことが外国の銀行では日常なのだろうか。
ちなみに、香港政庁債券プログラム(Hong Kong Government Bond Programme)のウェブサイトにはiBond Series - Highlightsとあって、Application restrictions(申し込み制限)として、「You can only apply for the iBond Series if you hold a valid Hong Kong identity card.(有効な香港ID保有者のみお申込みいただけます。」とある。
どう考えても、今回の米国債は関係ないと思うが、参考までに・・・

Re: Investment Services (24 Jan 2017)
Thank you for your e-mail of 21 January regarding the United States Treasury Bond (US912810RB61).
First of all, I would like to thank you for your interest on our investment services. However, we are sorry that the above bond is currently not offer to customers with address and residing in Japan.
We thank you for taking the time to write to us. If you have any other questions, please call HSBC Advance Hotline on +852-2748-8333.

(米財務省証券「United States Treasury Bond (US912810RB61)」に関してお問い合わせいただきありがとうございます。まずは、私どもの投資サービスにご興味をいただき感謝したいと思います。しかしながら、現時点では、上記の債券は日本居住者に対して売り出しを行っておりません。私どもにメールいただいたことは感謝しております。もし、ほかに質問があれば、HSBCアドバンスホットラインにお電話ください。)

Yours sincerely

Senior Customer Support Officer
Retail Banking and Wealth Management

(注)本件の質問者はアドバンス口座の保有者で、回答だけを私がここに掲載しました。

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