Sawasdee krup!(kaa!) <サワディ・クラッ!(カー!)>

3/5(Fri) 東京(成田) 19:00-タイ国際航空(TG)671-翌0:20 バンコク(ドン・ムアン)
宿泊先 Asia Airport / \5,900 per night (日本で予約)
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com Hotel Club (英語・日本語) アップルワールド (日本語)]
諸費用 Airport Taxi / ドンムアン空港-ホテル: 400B=\1,350
関連サイト アジア総合リンク タイ バンコクとその周辺

タイと聞いて何を思い浮かべるだろうか?
仏教遺跡の国、リゾート・アイランド、山岳トレッキング、あるいは夜が楽しみな国?
そう、タイというところはおよそ旅行者が退屈することがないような観光資源に満ちた国なのだ。
しかもリーズナブルだから、遠くヨーロッパ、特にドイツ人なんかはアジアと言えばタイという感じで押し寄せている。

もちろん、わが日本人観光客もそれは同じだ。
リゾート・アイランドを目指すヤングギャルから貧乏旅行者まで多種多様な人がタイには行く。
中には、沈没しちゃって日本社会に復帰できなくなった人も少なくないそうだ。
インターネットサイトの掲示板だってタイのことは数知れないほどの情報が飛び交い、本屋で売られている紀行物だって数えたらキリがない。
そんな魅力ある『微笑みの国、タイ』に私たちは旅立つ。

私の場合、昨秋からようやく本腰(!?) 入れて習い始めた英会話の現地実習も兼ねてだけどね。
でも、何で英語圏じゃなくてタイなのかって?
私のような未熟者は非英語圏かつ英語習得熱の高いタイあたりがちょうどなのだよ!

と、いうわけで私たちはタイ航空671便に乗って一路バンコクへと向かうのである。
もちろん、金曜日の夜7時なんて時間に出発する便に乗るのだから、丸の内のOLのように午前中はお仕事を済ませて・・・
午後はキャスターバッグを引きずって成田へ、というわけだ。
そんなことしないで宅配便で送れば?ってか!考えもしなかったね〜

しかし、相変わらず日本発の国際線は満席に近いな!
いったいどうなっているのか?って言いたいくらいだが、かくいう私たちだってその中の一人だから偉そうなことは言えないが、乗客の半分以上は学生風の奴とか、高齢者とか主婦とか、ほとんどNO税者じゃないか?
どこが不況なんじゃ!

フライト時間は7時間20分、東京とバンコクの時差は1時間、まあ、海外旅行もこの程度でどこへでも行けるなら楽なんだけど、日本はヨーロッパ人に言わせれば、極東だから日本人がヨーロッパなんかへ行こうとするとそれだけで一仕事だね!

ドン・ムアン空港(Don Muang Airport)に着いたのは、もう時計の針が深夜を回る頃だ。
しかも翌日の8時過ぎにはまたここへ来ないといけないという、ハード・スケジュールになっている。
こんな経験をすることはよくあるのだが、空港で野宿(sleeping in airport)したのは、後にも先にも1991年8月22日のトルコのイスタンブールの時だけだ。
あの頃は私たちもそういう元気があったが、今じゃそんなこと考えもしないもんな・・・
しっかりと日本でホテルを予約して、タクシーで乗り付けるというわけだ。

その私たちの取ってあったホテルは、市内とは逆方向にあり、そこへタクシーで向かったのだが、クーポン制とはいえ、400B(\1,350)とは結構な値段すると思わないか?
ちなみに、このホテルのロビーは午前2時というのに繁忙期並の人出で、しかも彼らは私たちとは逆にチェックアウトして空港へ向かうようだ。
CITIBANKのキャッチフレーズじゃないが、”24時間眠らない”のかもしれないね・・・このホテルも・・・

北方のバラ(Rose of the North)と呼ばれる古都へ

3/6(Sat) バンコク(ドン・ムアン) 9:15-タイ国際航空(TG)104-10:25 チェンマイ
チェンマイ市内観光
宿泊先 Chiang Mai Plaza / \4,500 per night (日本で予約)
[booking sites for you / agoda.jp Hotel Club (英語・日本語) アップルワールド (日本語)]
諸費用 タクシー / ホテル-ドンムアン空港: 250B=\840
タクシー / チェンマイ空港-ホテル: 90B=\300
トゥクトゥク(tuktuk)での観光: 80B=\270
関連サイト アジア総合リンク タイ バンコクとその周辺 北部地方
タイ式参拝の仕方

まだ朝の7時30分過ぎだというのに空港へ行くリムジンタクシーの窓から入ってくる風はすでに生暖かい。
タクシーのドライバーも私たちが行こうとしているチェンマイは涼しいと言っている。
でも、彼らの言う、しかもバンコクに比べればということだから、そのあたりは割り引いて考えないといけないかもしれない。
私たちの泊まったホテルにはプールやボーリング場もあるらしいのだが、当然のことながらそれを使う時間は全くなかった。

バンコクからチェンマイまではわずか1時間余りのフライトだ。
タイに観光に来るバックパッカーたちは、この区間を列車やバスを使った情緒(!?) 溢れる旅をすると思うのだが、如何せん”時は金なり”の私たち、有給トラベラー(有給休暇を工面して旅する会社勤めの旅行者)にとって許されるのは陸路利用が許されるのはせいぜい片道、しかもそうした場合は復路のバンコクもただ単に泊まるだけという厳しい条件付だ。
私はそれでも良かったのだが、タイ来訪が初めての友人に配慮した結果というわけだ。

チェンマイに到着してまずやることは現地の地図を貰うことなのだが、空港内の観光案内所は閉まっているのか、いま一つ役にたちそうもない。
そこで旅行会社風の窓口で地図を貰ったのだが、案の定、市内観光についての説明を延々とされてしまった。
いろいろ聞いていると、市内から15q西のドイ・ステープ(Wat Phrathat Doi Suthep)とか、傘作りで有名なボー・サーン(Bo Sang)などの観光も含めて、1人650B(\2,190)ということらしいが、ツアーにしてはちょっと高いような気もする。
しかし、「午後スタートだと今申し込まないと間に合わない!」と彼らは言う。
忙しい日本人の心を読んだセールストークだが、タイで「急がないと間に合わないと言うものにロクなものはない」
あわてる乞食は貰いが少ないと言うではないか!

今日の宿泊先であるChiang Mai Plaza Hotelは、当地の中ではいいホテルだ。
最近の旅行はフライトが確定している日は、日本でホテルを取ってしまうことが多くなり、必然的にその他の日もあまりホテルのグレードを落とせなくなっている、というのが旅の傾向として顕れてきている。
従って、私たちの最近(!?) の旅のスタイルはバックパッカーのスタイルからは著しく
乖離していると言えるかもしれない。

空港からホテルまではタクシーで90B(\300)、もちろんGround Transportationのカウンターでクーポンを切ってもらってから乗るのである。
そして、ドライバー氏曰く「Chiang Mai Plaza Hotelと、ドイ・ステープ(Wat Phra That Doi Suthep)の往復と観光地の待機、つまりタクシーチャーター観光が600B(\2,020)」ということだ。
ここが地元の人にとって聖地であるのは間違いなさそうだが、私たちにとってはそこまで金をかける必要もなさそうだ。
まあ、どうしても行きたいなら、タイ名物のトゥクトゥク(tuktuk)で片道いくらかかるか?を聞いてみてから行っても決して遅くはないかもしれない。

チェンマイに限らずタイは仏教国なので、観光スポットと言えば仏教寺院を外しては語れない。
それほど有名でないものも含めればいくらでもそういうものがあるが、主なものは城壁に囲まれた旧市街の中だ。

そして、私たちの泊まっているエリアから旧市街へ行くのに通るのがターペー通り(Thanon Thapae)で、その周囲には小規模ながらも仏教寺院があったり、また旅行会社や、ちょっと通りをはずれて路地に入ると格安なゲストハウスがあったりとなかなか便利なところだ。

私たちが明日からのトレッキング・ツアーを申し込んだ旅行会社(Somporn Tours : 227 Thapae Rd. Chiang Mai / Mr. Maitree Thao-Woang)もその一角にある会社で、偶然にも地球の歩き方に載っていた。
ところで、やはり例のガイドブックの威力というのは絶大で、私たちがツアーの相談をしている最中にも日本人観光客の2人組が入ってきたりして、今まで暇そうだったMaitree Thao-Woangさんも急に忙しくなったようだ。
もともとカウンターと椅子が4〜5つあるだけの旅行社だからね・・・これで満員なのだ。

私たちはその2人組の若者を見て、最初は客引きのタイ人が日本人の一人旅の奴を引っかけて連れ込んだのかと思ったほどで、それというのも一人の奴がやけに威勢良く英語を話しだして、もう一方の奴は一言も話さずに黙っていたからだ。
でも、よく考えればタイ人のスタッフと客引きが英語で話すはずもなく、客引きと思っていた奴も、実は調子のいい日本人で、2人で旅しているということらしかった。
わが友人はそれを見て「調子よくいい加減な英語でツアーの質問を続ける奴を私のようだ。」と言うので、私はただ苦笑いを浮かべるしかないのだった。
でも、そういう男と山岳トレッキングへ行くなんて、勇気あると思わないか?

ちなみに私たちのツアーの申し込みは、と言うと、最初は、 Maitree Thao-Woangさんが例のガイドブックを指しながら自慢げに話すので不安だったのだが、私の拙い英語の質問にも、丁寧に行き先の地図を見せながら説明してくれるので、それは杞憂に過ぎず、代金をぼられることもなく、1泊2日のトレッキング・ツアーを1人1,000B(\3,370)という料金で申し込むことができた。
それに彼は勉強熱心で、私に対しても「これは日本語で何と言うのか?」ということなども聞いて、一つ一つノートにメモして覚える努力をしているようだった。
こういう姿勢は私も見習わなくては・・・と思いつつも・・・やっと本格的に英会話始めたけれど、あまり上達してないね・・・

チェンマイ観光
Wat Phra Singh Wat Phra Singh
ワット・プラ・シン(Wat Phra Singh)
Wat Chiang Man photo with tuktuk driver
ワット・チェン・マン(Wat Chiang Man) トゥクトゥクドライバーとともに

明日の予定が決まったところで、私たちは史跡観光へ行く。
こういうときに最適な交通手段が、タイでは庶民の足であるトゥクトゥク(tuktuk)である。
もちろん料金はドライバーとの交渉なのだが、チェンマイではバンコクよりも相場が安いようだ。
とりあえず私たちは旧市街の中にある著名な寺院を2〜3回ってもらい、ターペー通り(Thanon Thapae)で降ろしてもらうということで80B(\270)で契約した。
こうして見ると、やはり私が最初にタイに行った時のアユタヤ(Ayutthaya: 1997.12.24)のトゥクトゥク(tuktuk)貸し切りツアーが、いかにぼられていたかわかろうというものだ。
何と言っても、当時の支払いは1,000B((×\2.8=\2,800)だったからね・・・

最初に行ったのはワット・プラ・シン(Wat Phra Singh)、ここは黄金仏を祀る市内最大の寺院で、ランナー派の建築様式で造られた仏殿である。
でも中に祀られているプラ・シン仏は、ガイドブックによると複製ということで、本物は頭部が1922年に盗まれてしまったらしい。
でも、首から下は本物なのかな?
それともこの警戒のなさはすべてが複製となって、泥棒さんにとっては全く金銭的に無価値となっているのだろうか?

次の観光地は、ワット・チェン・マン(Wat Chiang Man)というチェンマイでは最も古い歴史を持つ寺院である。
ガイドブックによると、仏堂の中には2体の仏像が安置され、一つはプラ・ブッタ・セタン・カマナイという水晶の仏像で、雨を降らせる力があると言われ、毎年4月1日に市内を練り歩く行事があると書かれている。
もう一つはプラ・スィラと呼ばれる大理石の仏像だ。

旧市街にはあとワット・チェディ・ルアン(Wat Chedi Luang)という有名な仏教寺院があるのだが、ここには行かなかった。
なぜなら、移動で疲れていたのと暑かったのと、そして極めつけの「寺はどこも同じ」というお言葉が友人から発せられた時点で今日の観光は終わりを告げたからである。
ところで、たった80B(\270)の運賃で彼のこの笑顔、もしかすると「これでも払い過ぎ(友人談)」なのかな?という感じだね〜

チェンマイ3大寺院のうち2つで切り上げた私たちは、例のトゥクトゥク(tuktuk)に乗って元のターペー通り(Thanon Thapae)まで戻ってもらう。
そこでトレッキング・ツアーから戻ってきた時の宿(主にゲストハウスのような格安ホテル)探しをあらかじめしておこうというのだ。
と、いうことで、私たちがトゥクトゥク(tuktuk)を下りようとした時、ドライバー氏はニコニコしながら"Lady?"と言うではないか。
私は最初"Ready?"(下りる準備はいいか?) というふうに聞こえたので、"Yes!"と言ったら、しつこく"Lady?"と言いながら、ピチピチギャルの写真が載ったパンフレットを見せるので、私は思わず苦笑いしてしまった。
突然のことに"No, thank you!"とあわてて言い直したのだが、前回(1997.12.21-31)のタイ訪問の時は一度もお目にかからなかったピンクスポットへの客引き、これもアジア経済危機、未だに脱せず! といったところなのか。

ターペー通り(Thanon Thapae)からちょっと路地へ入ると格安なゲストハウスが軒を並べている。
私たちの泊まっているホテルは現地手配価格で2,400B(\8,090)ということなので、トレッキング・ツアーから帰ってきた日のための予約にはちょっと抵抗がある金額だ。
何よりショックだったのは、日本で予約した価格よりもはるかに高額になるという、今までの私たちの常識が覆ったことである。

と、いうことでぶらぶらしていると、結構目ぼしいゲストハウスがちらほらとある。
ここで私たちの言う目ぼしいとは、部屋にエアコンが付いている(つまり室外機が見える)というBudget traveler(格安旅行者)とは思えない 極めて贅沢な要求を満たすところなのだ。
何て贅沢なと言う勿れ!私たちがBudget traveler(格安旅行者)であるのは心の片隅に残った気持ちの断片だけなのだから・・・

海外に来ると、一部の国を除いて日本語に接する機会は格段に減少する。
そういうところで、やはりホッとできるのは日本人の溜まり場というようなホテルとかレストランだ。
基本的には日本人が経営者だったり、その親族(主に配偶者)が日本人だったりするのだが、チェンマイにある「宇宙堂(Wat Bupparamの南側にある古書店兼レストラン)」もその一つだ。
ここでは日本料理(何と酒のつまみみたいなメニューもある)が食べられるのと同時に、日本語の新聞や本がたくさん置いてあり、観光で疲れた身体を休めるにはいいところかもしれない。
ただ、トイレは現地流だし、そのそばがキッチンだったりするのを見ると食欲がなくなる人がいるかもしれないが、そういうのが気になるなら高級ホテルへ泊まった方がいい。
もし、現地に溶け込むなら考え方もアバウトにしないとね!という好例なのだろうから・・・

ターペー通り(Thanon Thapae)から宿泊先のChiang Mai Plaza Hotelまで戻る手段は当然のことながらタイ名物のトゥクトゥク(tuktuk)である。
チェンマイ市内の移動だけなら20B(\70)〜30B(\100)も出せば、トゥクトゥク(tuktuk)に乗れるようで、私が思うにはこれが現地価格に近い数字なのだろう。
私の別の友人の話じゃないが、バンコクでは外国人料金が厳然と存在しているようで、一番ふっかけられるのが日本語しか話せない旅行者、平均的な観光客料金が適用されるのが英語を話せる旅行者、タイ語を話せると現地料金で乗れるなんていうことも言っていた。

ただ、どいつもこいつも共通しているのは、日本人の男と見ると彼らが言う"Lady?"というセリフ!
しかも、必ずリーフレットは表紙がニッコリ笑ったタイ美人、店名は"PANDORA"、営業項目は「マッサージ・ヘルスクラブ・カラオケ」と・・・
そんなに行って欲しいか?その"PANDORA"に・・・よほどボッたくられるのだろうな・・・
何と言ってもChiang Mai-Onlineでも紹介していないくらいだから・・・本当の営業項目はH系なのだろうね・・・

チェンマイでの楽しみの一つに"Night Bazaar"がある。
泊まっているホテルからは完全に徒歩圏なので、気軽に行くことができるのがいい。
もちろん、定価なんていうものは存在しないから買い物はすべて交渉である。
ところが、この交渉というのは日本人が苦手としているものの一つでもある。
唯一の例外は関西系のノリで旅する若者で、彼らはこういうところだと俄然張り切るのだろう。
私の行った国の範囲でしかものが言えないが、バザールの商人が、"From Japan?"の次に発する質問で結構多いのが、"Osaka? (大阪から来たのか?)"というやつだ。
このことからも、いかに彼らが海千山千のバザール商人と渡り合っている(!?) かがわかるというものだ。
本当はボラれているのをノリでかわしているだけだったりして・・・

電気もガスも水道もない村へ

3/7(Sun) 山岳民族村へのトレッキングツアー(Somporn Tours)
宿泊先 (Karen Village)
諸費用 トレッキング・ツアー料金: 1,000B=\3,370
関連サイト アジア総合リンク タイ 北部地方
アドバイス
  • 大きな荷物は旅行会社で預かってくれます。
    トレッキングから帰った後の宿泊については旅行会社に相談すれば、ゲストハウスなどを紹介してくれます。
    バンブーラフティング(bamboo rafting)のときの荷物は筏で一緒に運ぶので、水しぶきで濡れることがあるが、筏が転覆しない限り、ずぶ濡れになることはないでしょう。

私たちは今日から1泊2日の予定でタイ北部の山岳民族村へのトレッキング・ツアーへ出発する。
ツアーのコーディネートをしたのは、チェンマイにある旅行会社(Somporn Tours: 227 Thapae Rd. Chiang Mai / Mr. Maitree Thao-Woang) で、そこのスタッフが私たちの泊まっているChiang Mai Plaza Hotelまで迎えにきてくれることになっている。

しかし、約束の時間を30分過ぎても一向に来ないので不安になってくる。
もしかすると、金だけ取られてそのままなのか?
でも、そんな感じの親父ではなかったようだが、タイ人のメンタリティからすると、約束の時間なんかあってなきが如しなのか?
さすがの私もあせって旅行会社に電話すると、Mr. Maitree Thao-Woangが明るい声で「電話してくれたのか!ありがとう。でももうすぐ着くと思うよ!今出たから・・・」と答えてくれた。
昼飯時のそば屋の出前じゃないんだから、30分も過ぎて、「今出たよ・・・」はないよな。
でも、能天気な彼は、私がそれだけの用件で電話するのに、必死になって頭の中で英会話の文章を作り、手に汗かきながら一言も聞き逃すまいと緊張していたことなど知らないだろうね。

そしていよいよ出発、乗り物はソンテウ(songtao=乗合ピックアップトラック)、これはタイではトゥクトゥク(tuktuk)と並ぶポピュラーな乗り物で、庶民の足となっているものだ。
ツアーガイド兼ドライバーは、ノイ(Noyi)とロン(Ron)と呼ばれる男性2人、そしてChiang Mai Plaza Hotelから乗ったのは、私たちと、オーストラリア人(Aussie)と日本人のカップル、途中でノルウェー人(Norwegian)のカップルをピックアップしていく。
そのままSomporn Toursの前まで行って、私たちのバッグを預ける(つまり、私たちはこのツアーが終わった後のホテルがChiang Mai Plaza Hotelではないので、旅行会社で大きなバッグは預かってもらうことにしたのだ。) と、目的地目指してソンテウ (songtao) は走る・・・と、思ったのだが、そうそう物事は順調にはいかないようだ。


山岳民族村へのトレッキングに持っていった方がいいもの

ウォーキングのために = これらのものは必需品

  • 帽子、 スポーツ用またはウォーキングシューズ
  • 靴下と下着
  • Tシャツと水着
  • カメラとフィルム
    (もし、筏下り(bamboo rafting)の最中に写真を撮りたければ、防水の使い捨てカメラ(disposable waterproof camera)も持っていった方がいい。)

医薬品類

  • バンドエイド、ヨードチンキ、綿棒 = これらは持っていた方がいいもの
  • もし、必要なら蚊除けとマラリア予防薬
    = これらが必要なら予定を変更した方がベターだ。
    = 私たちが3月にトレッキングに参加したときは、これらは必要なかった。

夜間を過ごすために = 昼間は暑くても夜間は涼しかったり、寒かったりするので、これらは必需品

  • 長ズボン
  • サンダル
    = もし、筏下り(bamboo rafting)をしようと考えているなら、ビーチサンダル(frip flops/thongs/normal sandals)より踵の付いたスポーツサンダル(sandals with heels)を持っていった方がいい。
  • ジャケット
  • 懐中電灯

衛生用品

  • 石鹸、シャンプー
  • 歯ブラシ、歯磨き粉
  • タオル、トイレットペーパー

途上国の格安ツアーに定員などという概念はかけらもないようだ。
しばらくの間、私たちのソンテウ(songtao)はツアー客が6人という快適な空間を確保したまま走っていたのだが、そうは問屋が下ろさない。
Somporn Toursの前からさらに走ること数分、そこでさらに私たちはソンテウを乗り換えさせられる運命が待っていた。
そこにはすでにツアー客でほぼ6割方埋まったソンテウ(songtao)が止まっていて、それに後続の私たちを乗り換えさせようというらしいのだ。
その私たちが乗せられようとしたソンテウ(songtao)にはタンクトップ姿の大柄でビール腹のドイツ人(German)と、その連れ合いの女性2人、それにフランス人(French)の女性の2人連れ、そして日本人の一人旅の若者に、オイリー(Oily)という女性ガイドだけが先客だったのだが、ビール腹のドイツ親父が大股広げて2人分占拠し、さらに連れの2人も大柄だから、私たちが乗るスペースはどう詰めても4人分ぐらいだ。

どうするのだろう?と見ていると、まず、ノルウェー人(Norwegian)のカップルが当然のように乗り込み、まあ、彼らはヨーロッパ人にすれば小柄なようだから・・・
続いて日本人グループなのだが、その前にノイ(Noyi)がドイツ女性に「すまないが、前の席(いわゆる助手席)に行ってくれないか?」と言ったのだが、あっさりと拒否されたので、その特等席(!?) には私とTの2人が、Noyiに"Takanohana!(貴乃花)""Wakanohana!(若乃花)"と名指しされて、すし詰め状態の助手席に行かされることになった。
オイリー(Oily)に、「とても景色がいい席よ。」と言われても、そんなものは何の慰めにもなってないが、これに乗っているのは途中までだからね。
ドライバーはロン(Ron)、そして座れかったガイドの2人、ノイ(Noyi)とオイリー(Oily)は最後部のオープン・デッキに立ったままで行くことになったようだ。
途中休憩の時に日本人の若者曰く「あのビール腹のドイツ人が邪魔なんだ!」と・・・
まあ、その通りだと思うが、ここに私たち(Noyi曰く、貴乃花と若乃花)が乗ると、もっと狭くなるだろうな。
おまけにビール腹のドイツ人と私が汗をだらだら流し続けて余計暑くなったりして・・・

山岳民族村へのトレッキング(trekking to Hilltribes Village)
Mork-Fah Water Fall photo with Oily, tour guide
モック・ファーの滝(Mork-Fah Water Fall) ツアーガイドのオイリーさんと
animals on the trekking animals on the trekking
道中で見かけた動物たち

さあ、準備万端整えていよいよ出発である。
最初の目的地はモック・ファーの滝(Mork-Fah Water Fall)見物だ。

ここで、水浴びをして体を清めた後で昼食を取ろうというプランだ。
で、水浴びと言えば、寸暇を惜しんで水浴びをして楽しむ欧米人が少なからずいる。
日本人の場合は、こういったことをするのは稀で、私たちのように昼食を取りに寄っただけだと、まず水着に着替えて(というより欧米人はTシャツや短パンの下に水着をもともと着ている人が多い)滝壺に飛び込むなんてことはしない。
実際に日本人もチラホラいたが、みんな靴を脱いで足を浸し、「冷たくて気持ちいい〜泳ぎたいね〜」と黄色い歓声をあげるのが専らで、欧米人のようにいきなりビキニ姿になって飛び込んだりはしない。
きっと奥ゆかしい大和撫子の性格がこんなところにも出ているだろうか。

ところで、昼食のメニューはチャーハンに季節のフルーツ、私たち日本人にとっては全く違和感がないが、こういうツアーだとヨーロッパ人、特にドイツ人が幅を利かせていると思っていたから少し意外に思った。
まあ、彼らにしても東南アジアまで来て、毎食ステーキを食べられるとは思っていないと思うが、よくあるパターンでトーストにチキンにポテトなんていう食事はここでは味わえないようだ。(食べたいとも思わないけどね・・・)

昼食(滝見学)が終わると、次はHot Springへと向かうのだが、ここは温泉に入って寛げるわけではないので注意!
もしかすると、中国4千年の歴史を持つ気功の極意を会得した者なら入浴できる(わけないと思うが・・・)という気もするが、私はこんなところで釜茹でになるつもりはない。

まあ、ここが車で来られる最後のところ、ここでガイドのノイ(Noyi)が、心臓が弱い人などはいないかの最終メディカルチェック(もちろん、自己申告制で彼は医者ではないからね)を行なって、午後2時30分、いよいよトレッキング・ツアーの開始である。
ツアーのメンバーは、タイ人のガイドが3人(Noyi, Ron, Oily)、日本人は私たちを含めて4人と最大勢力を誇り、あとはドイツ人が3人、フランス人が2人、ノルウェー人が2人、そしてオーストラリア人が1人と、国際色豊かなグループである。
ただ、私は彼らの名前を聞かなかったので全く知らないのだ。
最終的には一緒に写真を取るようなこともしなかった(していれば、住所と名前くらいは聞くよね・・・)ので、そうなってしまったのだが、今思い出すと誠に残念である。

トレッキング・ツアーを始めてしばらく歩くと、上の写真に見られるような動物を連れた現地の人たちに出くわす。
でも彼らも動物も慣れているのだろうか、彼らが観光客を見て珍しがったり、動物が興奮して襲ってきたりするようなことはない。
ところで、こんなのどかな風景を楽しめるのもベスト・シーズンならではで、好天続きで山道を歩き続けると適度に汗をかくぐらいの今の季節がトレッキングなんかするのにはちょうどいいくらいだ。
でも、例のドイツ人グループは死にそうなくらい汗をかいて、女性陣もガイドに荷物を持ってもらう人もいるようで、これで無事に到着できるのか人ごとながら心配である。
ちなみに、途中の休憩で扇子を使って仰いであげると、とても喜んでいたけど・・・
ところで、ここまでいてもらっているドイツ人グループは彼らにチップをあげてるのだろうかね?

やはり健脚なのは、ノルウェー人のカップルとか、フランス人の女性たち、そして大和撫子(!?)とオージーのカップルで、さすがにこういうツアーに慣れた人たちはこの程度のことでは全く何ともないようだ。
そして、我が日本隊の男性陣はてんでバラバラ、全く勝手気まま!ってやつかな?
でも、タイ人のガイドたちは、きちんと先頭、中間、最後部に1人ずつと、基本に忠実にやっているようで、なかなか感心!感心!

ちなみに、日本人の若者はオーストラリアに1年くらいいたとかで、英語での日常会話は問題ないようで、結局あまり話せないのは私たち2人だけのようだ。
当然ながら、私たちは現地手配の英語ガイドツアーの参加は初めてではないが、それは日帰りの話であって、こういう宿泊を兼ねるのは初めてなのだ。
こうして歩いているだけならそれほど問題ないが、夕食後とかに皆で会話を始めたときにニコニコ笑っているだけじゃね〜という不安がちょっとばかりあるけどね。

途中の農家の軒下での小休止を挿み、トレッキング・ツアーは続く。
山道をしばらく歩き、遠くの山並みが見渡せるところまで来ると、ようやく全行程の3分の1程度が終了である。
ここからだと、視界がいい日だとミャンマー(ビルマ)まで見渡せるらしく、今日のように好天に恵まれていると、ガイドの人が「あれがビルマだ!」と言って、山の向こう側を指さすが、私は黙って頷き返すしかない。
だって、そんな説明されても、今日の目的地さえ"Too far! (はるか彼方!)"なんて言われているくらいなんだから想像する気にもならないでしょう。
でも、こんな美人ガイドと一緒ならトレッキングも楽しいというものです・・・ハイ!

まあ、ちょっと見ると彼女は日本人に見えなくはないが、れっきとしたタイ人、日本語の方は誰が教えたのか知らないが、「超OK!」なんて日本の女子高生言葉を使ったりする。
もちろん、意味もそれなりに知っているようだけど、きっと最近タイに来た大学生が教えたのかもしれないね・・・

ここからしばらく歩くこと約1時間、眼下に集落が見えてくる。
時計を見ると午後5時、時間的にそこに見える集落が目的地かと思い、オイリー(Oily)に聞いてみると、彼女は笑いながら首を横に振り、あと1時間くらい歩くとのことだ。

「あの村は何て言うところなの?」と聞くと、ぎこちない手つきで私のメモにMae Mar Nai(メーマーナイ)と書いてくれた。
スペルを思い出しながら書いてくれたところをみると、彼女は英語を書くのはまだ勉強途上という感じのようだ。
私なんか話すのも勉強途上(!?) だけどね・・・

ところで、前を行くノイ(Noyi)が「歩かないと飯はない!」と叫んで、前を歩くヨーロッパ人を鼓舞していたけど、もうそういう時間だったのだ。
もしかすると、例のドイツ人が「腹減った!」とでも言ったのだろうか?
彼を見ると、私の将来の姿が・・・なんて思ったりして・・・
汗いっぱいかいて、ビール腹で、よくこんなツアーに参加したね!っていうタイプなのだけど・・・

約4時間の山歩きの末、私たちはようやく目的地の集落に到着した。
もう陽も陰りはじているのだが、この村には見たところ電気もガスも水道もきてないようで、誰かが「シャワーはどこで浴びるの?」って聞いたら、ガイドの人が「川の中!」と言い、ついでにトイレはと言えば、一応囲いはあるようだが、ほとんど野糞でもするような状態で、もちろん電灯などはないので、自然光(太陽)がないと、便器(!?)に足を突っ込むおそれがありそうだ。

従って、私が震えながら川に入っているのは我慢大会をしているのではなく、汗をかいた身体を水で流しているのだ。
例のドイツ人は夫婦とも素っ裸になって川に入っているし、日本人妻は平然と皆の前でビキニに着替えて川で髪を洗っている。(Aussieの旦那の方が皆に見られるのを心配していたくらいだけどね・・・)
その他の人、例えばフランス人などは1日くらいシャワーを浴びなくても普段から平気だから、まあ、こういうところで川に入ろうとは思わないのだろう。

陽が完全に落ちるとあたりは真っ暗になり、ろうそくの灯だけが唯一の照明となる。
夕食はタイ人のガイドが作ってくれたものだが、日本人の口にはとてもマッチした美味しいものだった。

メニューは白飯の上に炒めもの(タイでいう〇〇パット××という感じのおかず)をかけて食べるだけの単純なものだが、これが妙に日本人の口に合うのだ。

もちろん、米も電気もガスも水道もないところだから、川の水(深く考えないように・・・)で洗って薪を使って炊くみたいだから、特に白飯の美味しさはそのあたりにあるのかもしれない。
こんなタイの田舎で美味しい白飯が食べられるとは思わなかったから・・・
ところで、私たちの飲んでいるビール、他にはAussieだけが飲んでいたのだが、これが唯一の文明社会の代物と言えようか。
ちなみに私の隣に座っていたフランス人女性、27歳既婚という話だが、旦那は置いてきぼり

夕食が終わると、三々五々に好きなことをあるわけだが、何度もいうようだが、文明の利器は使えないところゆえ、部屋の中でやることはおしゃべりのみだ。
部屋と言っても、茅葺き屋根の1軒屋に、みんなで雑魚寝するのだからタイ人のガイドを除けば全員が同じ部屋だ。
夕食時にノイ(Noyi)がAussieの旦那に「プライベートルームが欲しいか?」なんて聞いていたけど、そういう部屋はなきに等しいところなのだ。

ただ、こういうシチュエーションになると、英語が不得手な私たちには苦しい。
みんなが話していることを聞くのが専門という状態になってしまうからだ。
まあ、私にしても英会話の基礎クラスが終わったくらいで彼らの輪の中に入っていけるようなら苦労はしないけど、何せボキャブラリーの不足は否めないようで・・・
こういうのを「ボキャ貧」と自ら呼んでいたね・・・我が日本国首相の小渕さんは・・・

宵っ張りのヨーロッパ人にとって苦手なこと、それは早寝することだろう。
超お疲れモードのドイツ人はさっさと寝てしまったようだが、それ以外の人で夜の9時に寝られる人はあまりいないようだ。
誰かが河原でキャンプファイアーを作ったのをきっかけに、みんなが集まってくる。
そのうちに、ガイドの中でリーダー格のノイ(Noyi)が山岳民族の歴史などについて講釈を始めたので、みんなで聞き入っている。
一番熱心なのはノルウェー人で、いろいろと彼に質問を浴びせている。
もちろん、我が日本隊は「ふ〜ん、なるほどモードに入っている。
前回の旅行でバンコク観光(1997.12.23)した時の日本語ガイドのTomさんじゃないが、日本人はあまり質問しない、というのはどこでも当てはまるようで・・・
英語が話せるとか話せないとかいう問題ではないようですね〜
ちなみにロン(Ron)とオイリー(Oily)は食事の後片づけということで…
でも冷たい川の水で油汚れを落とすのは大変だろうに・・・と思ったりもしますが・・・

ところで、外人のキャンプファイアーに付きもの(!?) というか、途中でみんなが歌などを歌いだしたりしてしまったのだが、こういうシチュエーションも慣れてないとちょっと辛いものがある。
これだけはただ黙って聞いているわけにもいかず、まあ、順番に回ってきたりするからで、さすがに"Next Japanese!"と言われてシカトするわけにいかないでしょう。
カラオケなんて便利なものがあるわけではないから、自分が覚えている歌で、しかも場を壊さない雰囲気の歌なんて、すぐには思い浮かばないものですよ・・・
こういう時は、他の日本人なんかいない方が「改曲100周年記念(本来の歌とは全く違うリズムと歌詞で歌うこと)」で歌えるもので、なぜかと言えば、適当にやっても誰にもわからないからだ。
まあ、こういうのもやってみれば何とかなるとはいえ、次の旅行の参考にしましょうね。
そろそろ良い子は寝る時間かな?もう火も消え入りそうだし・・・

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