俺のカメラがない!

3/10(Wed) タチレク(タチレイ)への日帰り旅行
メーサイ 14:35-(Bus)-16:00 チェンライ
宿泊先 Baan Bua Guest House / 300B (\1,010) per night
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com (英語・日本語)]
諸費用 ミャンマー入国手数料: US$5=183B=\620
タチレク(タチレイ)のバイタク観光: 50B=\170
バス / メーサイ-チェンライ: 20B=\70
関連サイト アジア総合リンク タイ ミャンマー 北部地方

今日は、未知の国であるミャンマーへ日帰り旅行に行く日である。
この国の軍事政権への批判から渡航ボイコットを呼びかける欧米系のインターネット・サイトも相当あるが、メーサイの国境では、当事者であるタイ人やビルマ人が相当行き来しているような感じがする。

確かに欧米人などが渡航をボイコットすれば、ミャンマー軍事政権の外貨獲得には大きな打撃となろうが、末端の庶民は意外にしたたかに生きているのかもしれないね。

ところで、メーサイの国境が開いているのは、6:30-18:30なので、ミャンマーへ行くのならこの時間内に行かなければならないのだが、密入国したいという方は、目の前の川は相当浅いようなので勝手に渡っていけばいい。
ちなみに、私たちはタイの係官に50B(\170)を賄賂として騙し取られたが、もちろん、そんなものは払う必要はないらしい。
まあ、これが奴らの酒代に消えていくかと思うと悔しいけどね。
それにしても、こんなところまで日本人観光客が来ること、来ること!感心してしまうけど・・・
私たちが出国した時も日本人のカップルが一緒に出国手続きしていたからね。

国境を隔てるサーイ川に架かる橋を渡り始めると、さっそくミャンマーの民族衣裳を着た女性が歩いてくる。
もちろん、私たちのような観光客を狙ってモデルになり、モデル料を獲得しようというのだろうが、そこそこ可愛い子が多いので、一口乗ってみる。
支払いはタイ・バーツ建てのようで、1人当たり5B(\20)、ベッド・メイクのチップ程度である。
ただ、惜しいのはその写真をここに提示できないことだ。
3人ばかりいてなかなか可愛い子だったので余計に残念だけどね〜
でも、なぜ?というのはここで聞いてはいけないな!

ミャンマー側のイミグレーションでは簡単な入国審査があるだけだが、こちら側では賄賂でなく、本当のimmigration fee(US$5=183B=\620)を支払う必要がある。
ちなみにクレジットカード(これが使えるimmigration officeを今まで見たことがないが)やタイ・バーツを使うことはできない(タイ人は使える)ようだ。
ちなみに、日本人観光客のバイブル「地球の歩き方」によればタイ・バーツが、為替レートが悪いながらも使えるようなことが書いてあったが、私たちはこれを試してないので念のためにUSドルのキャッシュは持って行った方がいいだろう。
特に入国する国が国だけに必要な場合もあるだろうから、できればUS$1紙幣が多い方がいいかもしれない。

タチレク(タチレイ)(ミャンマー国境の町)
The gate of Myanmer The gate of Myanmer
The gate of Myanmer Tachileik, Myanmar

さて、タチレク(タチレイ)の町に到着したのはいいが、私たちは何の予備知識もないところなので、いつもなら鬱陶しく感じる観光ガイドの誘いに乗ってみるのも悪くない。
ちょうどバイクタクシーで観光してくれるという奴が寄ってきて、値段を聞いてみると1人50B(\170)、2台のバイクに分乗して彼らの勧める観光地へと行ってみる。

まずは、七曜の神がいると言われるSnne Bagon Pagodaである。
ガイドと言っても彼らは建設作業員のような風体なので、一般の日本人が想定するような人を期待してはいけない。
で、ここでのガイド付ツアーとは、彼らが怪しげな英語で私たちにいろいろと説明するのを聞いて納得したような振りをすることを指すのだ。
英語が不得手な人たちだからこそ成り立つ奇怪なツアーだ。

ところで、これらの観光地がどんなところかって?
う〜ん、よく覚えていないんだな・・・彼らの解説してくれたことを・・・
まあ、よくある仏教遺跡だということは確かだが・・・

次に行ったのは当地で一番有名だと彼らが言うTwo Dragon Monasteryである。
例によってこの中の仏堂に入ってお祈りを捧げる私たちであるが、ヨーロッパではキリスト教徒、アラブではイスラム教徒、そして東南アジアでは仏教徒と、渡航先によって宗派を変えるという正真正銘の信者からすると神を冒涜するが如くの行為を続けているのであった。

そういうことをやっているから罰が当たったのであろう。
バイクタクシーのツアーが終わり、タチレク(タチレイ)の町中で買い物に精を出し、いよいよ昼食タイムとなったとき、例によって友人が「飯どきの風景」を撮って欲しいというので撮ったあと、私はバッグの中に手を入れてカメラを探そうとしたとき、顔が凍りつきそうになったのを今でも覚えている。

何と、つい昨日まであったカメラが忽然と消えていたからだ。
落ち着いてパスポートや現金類があったのを確認すると、ホッとすると同時に、カメラの方は盗難にあったのか紛失したのか思い出そうとするが、全く覚えていない。
とりあえず、今まで寄った商店でタイ語と英語で「私のカメラを見なかったか?」と聞いてみて回るが、当然の如くYesなんて答えは返って来る要素がない。
第一、ここの人たちがタイ語や英語を理解するかどうかも怪しいし、私のタイ語は会話集をなぞって発音しただけだ。
こうして愛用のPentax Espio 115M (Rose Gold)は、国境の町で消えたのだった。

ショック冷めやらぬ私であるが、いつまで悔やんでいてもカメラは戻ってこない。
少なくとも、フィルムを交換したばかりで写真を7枚程度しか撮ってなかったのが唯一の救いか?
カメラの盗難があったというのに、そんなことにもめげずに、マーケットで買い物の続きを・・・と雑踏へ繰り出す。
普通の人ならショックで二度とそんなところへ行こうなんて思わないだろうが、私も友人もこういうことに不感症になっているのか、あまり深いことは考えない。

また、マーケットと言えば、こういう発展途上国の露天街みたいなところは、物売りや怪しげな客引きがつきまとって来るかと思ったら、案外とおとなしいもので、こっちの方が拍子抜けするくらいである。
唯一の例外は土産物にしようと煙草を買ったときで、一人の物売りと交渉を始めると、次々に人だかりがしてきて、口々に煙草セールスを始めてしまうことだ。
そんなに煙草というのが儲かるのか、あるいは逆に現地では売れないのか、煙草売りだけは鬼気せまる迫力がある。
でも、決して相手から攻勢がかかってこないのが、社会主義圏の物売りの限界か?


盗難証明書発行顛末記

さて、盗難にあったカメラだが、私の記憶ではメーサイ(タイ)だったのか、タチレク(タチレイ)(ミャンマー)だったのか定かではない。
で、とりあえず警察へ届け出して証明書を作ってもらわないと帰国後に保険が下りないのだが、一応タチレクにいた時間の方がはるかに長いので、ここの警察に届けようと思ったが、彼らは全く英語を理解できないので、「盗難証明を作ってもらえませんか(Could you make out a theft report for me?)」と言っても埒があかず、とうとう出入国管理事務所(Immigration Office)を案内されてしまう始末(おそらく英語はここで通じるという意なのか?)なので早々に諦めた。

私はこのとき、「どこで盗難に遭ったかがわかってもカメラは戻らない、盗難届をしても海外の警察は真剣には探さない」、ということがピピッと頭に浮かんだのだ。
これらから何を連想するかはあなたの自由だ。
要は海外で携行品が盗難にあったときに、迅速かつ冷静に行動できるかが問題なのだ。
まあ、海外旅行前には海外旅行傷害保険の冊子でも目を通しておいた方がいいことはアドバイスしておこう。

さて、タチレク(タチレイ)での盗難届を諦めた私はどうしたか?
まず国境を越えてタイ側に戻り、メーサイのツーリストポリスで届け出をしたのだ。
こんなことでいいのか?とは思ったが、この際そんなことは気にしていられない。
第一盗まれたのがどちらかなのかは犯罪者本人と神しか知らないのだ。
それにここなら英語も通じるし、少なくとも社会主義圏のミャンマーよりは事務の能率がいいに違いないからだ。

と、いうことになれば、相手の質問に対して必死に英語で経緯を説明しなければならないのだが、相手のチェンライ警察のメーサイ分室とでも言おうか、ここのサラ・モホラーン(Sala Moholarn)氏の関心は「私が保険に加入しているか?」の一点で、盗難金額時価でタイ人の大卒初任給<8,000B(\26,960)〜12,000B(\40,440)>相当が吹き飛んでいると言うのにお互いにニコニコしながら会話を続けるという奇妙なシチュエーションが繰り広げられていたのだった。

要は、警察も観光客が盗まれたカメラなんか探す気もないし、「保険が効いているんだったらいいではないか!」というノリなのだろう。
当然のことながら、どこで盗まれたのか?とか、どうやって盗まれたのか?という質問もあったが、その程度の会話だったら私でも問題なかった。
難しいことを聞かれたらどうしようか?と思ったが、そんなことは杞憂に過ぎなかった。

ツーリストポリスでの事情聴取が終わると、盗難証明(theft report)を作るためには本庁まで行かないといけないというらしいので、サラ・モホラーン(Sala Moholarn)氏の警察バイクの後ろにまたがって行くことになった。
このとき一緒にいた友人についても彼曰く、「一緒にいくならもう1台バイクを寄越すが…」との申し出があったことに、何と親切な警察官なのだろうと感心してしまった。

警察というところが、一介の外国人観光客にここまで親切にしてくれるというのはガイドブックなどでもお目にかかったことがないだけに認識を新たにした思いだ。
さすがに友人は「ホテルで待っているから」と言って、彼の申し出を断ったが、彼のおかげで心理的には大分救われたような気がしたのは過言ではない。

さて、本庁での書類作成の間、少しばかり緊張気味の私であったが、そこは文書主義の役所のこと、人身事故に巻き込まれたわけではないので、書類上の記入項目がすべて埋められたときに、めでたく事情聴取は終了となった。
その書類はすべてタイ語で書かれているので私には全くわからないが、帰国後に保険請求するための印籠(!?) として大切に保管することにした。
ちなみに、この盗難証明をコピーするために写真屋(タイでは複写機は写真屋にあるようだ)に行ったときもサラ・モホラーン(Sala Moholarn)氏はニコニコしていたのだった。
さて、親切な彼のおかげで、わずか30分という奇跡的な速さで盗難証明書を作ってもらった私は荷物を預かってもらっているホテルへ引き返し、友人と合流すると今日の目的地であるチェンライへと向かうことができたのだった。

めでたく帰国後に保険金は下りたのだが、カメラの代金は(日本の)市場価格とかけ離れた金額でなければ自己申告の値段で計算されるようである。
もちろん所有期間に応じた減額はされるが、「携行品損害」の保険請求はかなりアバウトだと感じた。
私の場合、メーサイの警察でおおよその値段をタイバーツに換算して言わされたときが一番困ったが、他の国でもそういうシチュエーションはあるのだろうか?

14時35分のメーサイ発のバスに揺られること約1時間30分、目的地のチェンライへ到着した。
バスの車掌が日本で言えば中学生くらいの男の子であったことに北部地方の貧しさを垣間見たような気がした。
だからと言って、私たち旅行者が何かをしてやれるわけではない。
また、変な土産物に法外な金を払う気にもならない、というのは偽らざる気持ちかもしれない。

まあ、難しい話はこれぐらいにして、私たちはホテルと明日の日程を決めないといけないのだが、トレッキング・ツアーはもうやってしまったので、残されているのはゴールデン・トライアングル(Golden Triangle)への行くことぐらいか?

結局のところ、明日のツアーの申し込みは、メイン・ストリートで見つけた旅行会社(J Travel Service)で、1人900B(\3,030)という大枚(!?) を叩いてツアーを申し込む。
前回の1泊2日のトレッキング・ツアーに比べて高いのは、いわゆるパックツアーではなくオーダーメードのプライベートツアーだからだろう。
そうでなければ、私たちのリクエストに見合ったツアーなんかありそうもないからだ。

ホテルは友人の持っていた「地球の歩き方」からBaan Bua Guest House(300B=\1,010)というところに決定する。
今回の旅行では、ここ数年のエアコン付ホテル志向から一転して格安なゲストハウスを取るなどBudget Traveler (格安旅行者)への回帰を図っているようにも見えるが、実のところはゲストハウスでもエアコン付のところを目指してという軟弱ぶり(!?) は変わっていないのだ。
まあ、Budget Traveler (格安旅行者)だからと言って、無理にハエや蚊の飛び回る部屋に寝る必要はないからね・・・たかが1週間程度の旅行で・・・

ところで、タイのNight Lifeと言えば、飲むか買うかなんていうこともよく言われるが、健全な分野では、タイ式トラディショナル・マッサージ(1h / 200B=\670)もある。
これだと、"Traditional Thai Massage"の看板がかかっている店へ入り、受付でサービスを選択し、所定の料金を払うと、女性に小部屋に連れて行かれ、そこで着替えるように言われる。
そこで、もしかしたら?なんてゆめゆめ思ってはいけない。
あくまで"Please change your cloths."であって、"Please take off your cloths."ではない。
いかにタイでもわずか200B(\670)で、スペシャル濃厚サービスなんて受けられない。

そして、仰向けに横たわっていると、足の裏をぐりぐりやってもらったり、揉んでくれたり、内腿のところまでは摩ってくれたりするが、内股に手が伸びてくることはないようだ。もし、そちらのサービスをご希望なら別の、ミニスカートのタイ美人が微笑む、そうtraditionalという形容詞のつかない店に行くといいだろう。
このfoot massageは、気持ちいいというか、足がくすぐったいというか、何とも言えない気持ちになる。
ちょっと妖しげな雰囲気もしないことはないが、あくまでtraditionalと付けばカップルや女性でも体験するといいだろう。

ちなみに、このマッサージを施すのは女性が多いのだが、ガイドブックによると先輩から教わったり、専門の修行を受けたりというパターンが多いようだ。
これらはヨガの知識を踏まえたものらしいが、サービスの質はピンキリだからね〜
下司の勘繰りをすると、若くてピチピチしているときはnon traditionalで稼ぎ、ちょっと年を取ったらtraditionalへ、なんて思いたくもなる雰囲気もあるのだが、そういうケースもひょっとしたらあるかもしれないね〜

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