9/9(Tue) | サン・フランソワビーチでの海水浴 アジャクシオ 15:15-コルシカ鉄道-18:58 バスティア バスティア 21:00-Corsica Ferry-翌7:00 サヴォーナ |
宿泊先 | (船 内) |
諸費用 | コルシカ鉄道: 21.1EUR=\3,300 Corsica Ferry (Cruise with 2 beds)(7/13に予約): 103.79EUR=\17,990 |
関連サイト | 欧州総合リンク イタリア フランス コルシカ島 |
アドバイス |
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今日はいよいよイタリアに向かっての旅立ちである。
朝の5時過ぎに目が覚めたため、バスティア(Bastia)に行くのに土壇場まで午前8時45分発の列車で行くか、午後3時15分発にするか迷っていた。
そして、7時に朝食を取りに行くついでにフロントを見たとき、迷いは完全になくなっていた。
そう、フロントには誰もいなかったのだ。
チェックアウトタイムが11時であることをO氏から聞いていた私は、ギリギリまで海水浴を楽しみ、昼は金を節約するために、スーパーでパンとハムを買って食べることにしようと決めた。
朝のビーチはさすがに人影もまばらで、いるのは早起きした中高年ばかり、私も人のことを言える立場でないが、目の保養をできる環境にはほど遠く、まるで、平日の昼間のスポーツジムのようであった。
1時間ほど時間を潰し、ホテルをチェックアウトしようとした私は驚いた。請求された金額が予想より多いのだ。
計算が苦手なフランス人が間違えたのかと思って確認すると、付加価値税(TVA)が加算されており、料金表の値段にはそれが入ってなかったのだ。
エアコンも冷蔵庫もないホテルで1泊100ユーロ(15,630円)近い負担はさすがにキツいものがある。
それともこれが昨今の欧州のスタンダードであろうか。
ホテルのチェックアウトから列車に乗るまでの約4時間、さすがに時間を潰すのに苦労した。
こういうときに役に立つのがインタネットカフェなのだが、アジャクシオにはそういった店がほとんどない。
郵便局で絵はがきを出し、ユーロのTCを現金に換える。
意外にもここは手数料なしで換えられるのがうれしい。
さすが、公共機関なのだが、ここのスタッフの対応はお世辞にもいいとは言えない。
食費を節約するために、今日の昼食はスーパーでパンとハムを買い、ジュースを飲んで終わりにしようと思った。
こちらの日用品の物価がどの程度か知りたいと思ったのも一つの理由だ。
ところが、少量で売っているものは意外に少なく、探すのには苦労した。
こちらでは、みんなまとめ買いをするのが習慣なのだろう。
それでも2食分程度の食材を買うと10ユーロ(1,560円)程度の出費となる。
世界的なインフレ傾向にあるとはいえ、これでは一般庶民はきついのではなかろうか。
農業国と言われるフランスがこれでは、日本が物価を抑えるためにどれほどの犠牲が払われているのであろうか。
ドゴール広場で簡単な昼食を済ませると列車の出発までやることがない。
幸いにもこちらでは通りのいたるところにベンチがあり、座るためにカフェに入る必要はないのだが、土産物を買うといっても先々荷物になるので、見るだけで終わりになる。
何とももったいないことである。
今晩の船がシャワー付きなのはわかっているので、こんなことならレイトチェックアウトしてビーチにいるのも一つの手だったかとも思う。
こんなことなら午前8時45分の列車でバスティアに行けば、という案もあろうが、それはそれでフェリーの出航までの時間、荷物の預け先に困るのだ。
向こうに行ってわかったことだが、駅はもとより、港にも大きな荷物を預けるところはないようなのだ。
そもそもコルシカ島に来るような人が荷物を港などに預けて観光するということがないのだろう。
私のように特殊な移動をしなければ、ホテルに荷物を預けておけば済むからだ。
午後2時過ぎにアジャクシオの駅へ向かう。
列車の出発は3時15分だが、駅の構内にレストランやバーがあったのを思い出し、そこでビールでも飲んでいようと思ったからだ。
駅に着き、チケットを買う。
バスティアまで21.1ユーロ(3,300円)、構内にはバックパッカーをはじめ、すでに2〜30人以上の人たちが列車を待っていた。
指定席などもちろんないので、終点までの4時間弱を座って行けるかどうかは、列車がホームに入線してくるまでに駅にいるかどうかにかかっているのだ。
この路線は観光客にも人気路線であるがゆえに、早い出足が勝負の分かれ目らしい。
首尾よくバスティア行きの列車に乗り込んだ私は無事に席に座ることができた。
網棚は大きなバックパックを乗せることもでき、車内にトイレもあるが、冷房設備は残念ながらない。
もっとも山間部を走破するので、9月になれば、窓から入ってくる風でそれほど暑さは感じない。
車窓の景色はアジャクシオを出発してしばらくは、進行方向左側の方がよく、窓からカメラを突きだして写真を取る旅行者の姿が見られた。
途中からは私の座っていた右側でも山の景色が見られるようになり、どちらがいいとは一概には言いきれない。
いずれにしろ、コルシカ鉄道の魅力の一つはこの山間部の景色と言えそうだ。
列車はカルヴィ(Calvi)方面行きとの分岐点であるポンテ・レッチア(Ponte-Leccia)を過ぎると、最初の混雑が嘘のようにすいてきた。
バスティア到着は午後7時、サヴォーナ(Savona)行きのフェリーの出航まで2時間を切っていた。
バスティアの駅から港までは一本道でわかりやすい。
むしろ港のチケットオフィスから船乗り場までの方が車で送迎してもらうほどに遠かった。
ちょっと早すぎたかと思ったチェックインも船内にはきちんとしたレストランが完備していたので、ちょうどいいくらいであった。
船室内は綺麗なシャワールームと、ほどよく空調の効いたベッドルームがあり、わずか10ユーロ(1,560円)程度の違いで、アジャクシオで泊まったホテルより、はるかに快適そうだった。
最初はバスティアに泊まって翌日の昼便で行くことも考えたが、これだと夜行フェリーを使って、時間を節約した方がバリエーションに富んだ旅ができていいと思った。
夜景を見ながら4日間過ごしたコルシカ島をあとにする。
EU間の出入国審査がなくなり、ユーロができたおかげで、国際フェリーの乗っている感覚はまるでない。
それでも初めて経験する本格的な船旅は私にとって新しい旅のスタイルを感じるに十分なほどだった。