4/25(Sat) | 東京(成田) 14:55-デルタ航空(DL)7871-8:40 ロサンゼルス(国際) 13:30-アエロメヒコ航空(AM)647-19:05 メキシコシティ(ベニート・フアレス) | |
宿泊先 | Holiday Inn Mexico City Zocalo / US$68.4 (\6,660) per night | |
[booking sites for you / All Mexico Hotels (英語) agoda.jp Booking.com Hotel Club venere (英語・日本語) アップルワールド JHCホテル (日本語)] | ||
諸費用 | タクシー(SITIO 300) / Airport-Zócalo (Zone 5): 172 pesos = \1,270 | |
関連サイト | メキシコ メキシコシティ | |
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アドバイス |
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成田空港では出国ラッシュが始まっているとのニュースが流れていたが、午後はそうでもないような気がした。
大人気のソウルを結ぶ大韓航空のチェックインカウンターこそ混んでいたものの、出国審査などは拍子抜けするほど空いていた。
もしかすると、午前中は混んでいたかもしれないが、やはり29日以降の方が混むような気がした。
これも不況のせいなのかとも思ったが、私が気になっていたのは出国直前に読んだ「メキシコなどで豚インフルが人間に感染、60人死亡の疑い」というベタ記事だった。
このときは新聞の社会面に掲載されただけだったが、モロに私の渡航先であることが目を引いたのだ。
もちろん、この段階で格安チケットの変更やキャンセルを受け付けてもらえるはずもなく(豚インフルエンザの流行を理由とする旅程の変更ができるとの情報は概ね5月に入ってからリリースされた)、保険会社に電話して海外緊急アシスタンスの連絡先を聞いておくことしかできなかった。
このとき、頭をよぎったのは10年前のマルタでの入院騒ぎのことだが、もはやなるようにしかならなかった。
私が取ったチケットはデルタ航空となっていたが、大韓航空との共同運航便なので、アルコールが無料なのがうれしかった。
ロサンゼルスまでの11時間、シートピッチも広くリラックスできたので、ほとんど寝て過ごした。
そして、ロサンゼルス国際空港(Los Angeles International Airport)に到着、私の場合はメキシコシティへ行くためのトランジットでしかないのだが、他国の場合と違って米国は一旦入国審査を経なければならない。
機内で渡された申告書は日本語で書かれているので記入には何の問題もないが、フライトアテンダントが着陸前にチェックしてくれるという念の入れようである。
そこまでしないとならないほど米国の入国審査は滞るのかと思ったほどだ。
また、ロサンゼルスの入国審査官はまるで軍人がやっているのかと思えるほどの人たちばかりで、威圧感だけは他国とは比べ物にならないほどだった。
しかし、ここでも私の意に反して手続きはスムーズに済んだ。
そのおかげで時間が大幅に余ってしまったが、乗り継ぎ便のチェックインだけはしておこうと、大韓航空が到着するトム・ブラッドレー国際線ターミナル(Tom
Bradley International Terminal)から乗り継ぎ便のアエロメヒコが発着するターミナル5まで行くことにした。
ロサンゼルスの空港は全部で9つのターミナルがあり、各ターミナル間の移動はLAX Shuttle & Airline Connectionsと青で書かれた無料シャトルバスがあるので、それを利用するといいが、歩いて行ってもたいした距離ではない。
そのターミナル5は、デルタ航空、アエロメヒコとエアージャマイカが発着するところだが、雰囲気は国内線の地方空港みたいで、香港やシンガポールを見慣れた私には侘びしく映った。
施設もファーストフードとバーが数軒あるだけで、マクドナルドのハンバーガーとピザ、サンドイッチ以外にはめぼしい食べ物もなさそうだった。
カンクンでは米ドルがそのまま使えるところも多いらしいので、300ドル分(29,190円)のトラベラーズチェックをキャッシュにしてもらう。
手数料が5.95ドル(580円)かかったが、それでも日本で直接米ドルのキャッシュを買うより(為替手数料の3円がTC購入の場合は1円で済むので)安いのだ。
午後1時30分、メキシコシティ行きのフライトが飛び立つ。
搭乗のアナウンスは英語とスペイン語なのだが、あまりの早口にほとんど理解できない。
そして、東京を出るときに突然のニュースで知ったのだが、私は豚インフルエンザの渦中に飛び込むことになる。
いったいどうなっているのかわからないが、機内はほぼ満席である。
この中に私のような観光客は何人いるのだろうか。
メキシコシティのベニート・フアレス国際空港(Mexico City Benito Juarez International Airport)にはほぼ定刻通りに到着する。
ラテン気質の国にしては意外である。
入国審査ではいきなり"¿Hable Español?(アブレ・エスパニョール=スペイン語話せる?)"と聞かれる。
どうやら中南米へ来る人は空港でさえ、スペイン語ができた方がいいようだ。
そこで話せないと答えると、英語に切り替えてもらえたのだが、メキシコシティ以外に行くところはあるか、と聞かれる。
どうやら豚インフルエンザの感染地を経由してどこへ行くかを知りたがっているようだが、この質問がほとんど意味をなさないと思うのは私だけだろうか。
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メキシコシティ・メトロポリタン・カテドラル(Catedral Metropolitana de la Ciudad de México) | |
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ソカロ(Zócalo) | |
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ベジャス・アルテス宮殿(Palacio de Bellas Artes) |
入国審査を終えた後、市内の地図をもらうために観光案内所へ行くと、いきなりマスクをした女性が現れる。
相当事態は厳しいのだろうか、と思いきや、2人とも雑談に余念がないようで、たかが地図1枚もらうのに10分もかかってしまった。
やはりメキシコはラテン気質の国である。
気になる両替レートは、円よりドルの方がいいようで、1ドルは12.15ペソ、1円は0.1ペソ(100円=10ペソ)の換算率だった。
こうなると、日本で3円の為替手数料を払って米ドルのキャッシュを入手してからメキシコペソへ両替したとしても得と言えそうだ。
空港からセントロ(ダウンタウン)まではタクシーで行く。
タクシーはクーポンを買って乗るスタイルで、ソカロ(Zócalo)まで4人乗りのセダン(ordinario)で172ペソ(1,270円)だ。
機内で知り合ったメキシコ人に聞いたところ、セントロへ行くにはタクシーが一番便利とのことだ。
メトロは初めての人には難しく、バスでセントロに行くことはできないようだ。
ホテルへチェックインした後で、夕食を取るために街に出る。
ホテルの前のシンコ・デ・マヨ通り(Avenida 5 de Mayo)沿いにいろいろなレストランがあり、その中の一つに入る。
中は地元の人でいっぱいだったが、マスクを付けている人も多かった。
やはり事態は深刻なのであろうか。
チェックインのときに、フロントマンが夕食を取るために街へ行くのか、ホテルのレストランで取るのか、聞いていたのが印象的だった。
もしかすると、豚インフルエンザの蔓延によって公共施設が閉鎖に追い込まれている時期だったので、彼らも気にしてくれたのかもしれない。
また、メキシコシティ・メトロポリタン・カテドラル(Catedral Metropolitana de la Ciudad de México)のライトアップが綺麗だったので、写真を撮りに行ってみると、その近くで地元の人たちがダンスを踊っていた。
私には単なる若者のイベントの一つとしか思えなかったが、まるでデモ隊を監視するがごとく、その周囲を警察官が遠巻きにしていた。
これはいったいどういうことなのか全くわからなかったが、今思えば、豚インフルエンザが蔓延するのを防ぐために、こうした集まりに対しても警戒していたかもしれない。
こんな情勢では街をうろうろしていても何もできなさそうだったので、夕食を取った後は早々に引き上げる。
ホテルのパソコンが無料で使えたので、ウェブサイトにアクセスしてみると、豚インフルエンザが予想以上に深刻な事態を引き起こしていることがわかった。
明日以降、どうなるか予断を許さない状況であったが、不思議と私の身には何も起こらないような気がしていた。
単に鈍感になっていただけなのだろうか。