豚インフルエンザで街は空になる

4/27(Mon) トゥリブス(Turibus)でメキシコシティ観光
メキシコシティ(ベニート・フアレス) 17:55-メキシカーナ航空(MX)7247-18:55 オアハカ(ソソコトラン)
宿泊先 Casa del Cocotero / 270 pesos (\2,000) per night
諸費用 トゥリブス(Turibus): 125 pesos = \930
タクシー / Holiday Inn-Mexico City Airport: 100 pesos = \740
乗合タクシー(colectivo) / Oaxaca Airport-Casa del Cocotero (Zone 1): 44 pesos = \330
関連サイト メキシコ メキシコシティ オアハカ州
アドバイス
  • 多くの博物館は月曜が休みなので、テオティワカンに行くといいだろう。さもなければ、他の都市へ向かった方がいい。

最初の予定では日曜日に市内の博物館などを見学、この日はテオティワカン(Teotihuacán)へ行こうと思っていたが、豚インフルエンザの影響で予定が狂ったのでやることがなくなってしまった。
オアハカ行きのフライトが変更できるのならば、そうしたかったのだが、メキシカーナ航空のオフィスがあるところまで行って交渉する時間がもったいなかった。(明日のフライトを今日にということだったら絶対に行っていただろうが・・・)
今日やることをあれこれ考えていても仕方がないので、チェックアウト前にホテルのパソコンを使って自分の安否を伝えることにした。
もっとも東南アジアと違って日本語が打てないので、仕方なしに英語にする。
まあ、それを見て泡を食ってもこればかりはどうしようもない。
意外だったのは、私の日程を知っているはずの職場の同僚から全く音信がなかったことだ。
日本時間は+14時間、月曜日に大騒ぎになっていてもおかしくなかったからだ。
むしろ部外者の方が心配してくれているほどだった。

トゥリブス(Turibus)でメキシコシティ観光
Turibus Angel of Independence
トゥリブス(Turibus) 独立記念塔
(El Ángel de la Independencia)
National Auditorium Latin American Tower
国立劇場(Auditorio Nacional) ラテンアメリカタワー
(Torre Latinoamericana)
Benito Juarez Memorial Benito Juarez Memorial
ベニート・フアレス記念碑(Monumento a Benito Juárez)

ホテルをチェックアウトした私は荷物だけを預かってもらって、トゥリブス(Turibus)と呼ばれる乗り降り自由な市内観光バスに乗ってみることにした。
これは昨年のフィレンツェで同じようなものを体験しているが、日本語のオーディオガイドも聴けてなかなかよかったものだ。
今回も同じシステムのようなので、125ペソ(930円)払って時間つぶしをすることにした。
ところが、オーディオガイドは故障しているのか、すべての言語で音楽が流れているだけで、これは座席を変えても違うバスに乗ってもダメだった。
しかも、市内の見所の多くは博物館かモニュメントで、これだと豚インフルエンザの蔓延がなくとも博物館などの休館日にあたっている月曜日に乗る価値はほとんどなかった。
そのせいかバスの乗客はほとんどなく、空気を運んでいるようなバスが寂しげに市内を巡回していた。

ソカロ(Zócalo)からバスに乗り、一周してみて何も見るところはなさそうだと思った私はベニート・フアレス記念碑(Monumento a Benito Juárez)の前のバスストップで降りることにした。
ここからだとベジャス・アルテス宮殿(Palacio de Bellas Artes)を経て、ホテルに戻るのに真っ直ぐ歩けばすむからだ。
ちょうど昼食時にあたっていることもあったので、途中のレストランに入ってみる。
最初はお客が数人しかいなかったので、外れの店かと思ったらそうでもない。
どうやら観光客の絶対数が減っているのだろう。
今の状態でこれだと、WHOの警戒レベルが「3」から「4」に上がったというニュースを受け、米国やカナダからの観光客がほとんど来なくなれば、メキシコシティは壊滅的な打撃を受けるに違いない。(28日以降、米国ではメキシコ渡航の自粛が促され、日本ではメキシコへのパックツアーの中止が相次ぎ、企業側からは海外出張の自粛や駐在員などの帰国を促す措置が取られた)

昼食を取った後は特にやることもないので、米ドルのトラベラーズチェックをペソに換えようとHSBC Méxicoの支店窓口に行く。
1ドルが13.1ペソなので、かなりいいレートだと思う。(OANDAのレートでも1ドルが13.4ペソ)
すぐに換金できるのかと思っていたら、いろいろたらい回しにされたあげく、英語も換金業務も不慣れな行員に当たって1時間近くかかってしまった。
時間があり余っていたからいいものの、HSBCでこれではレートが悪くともATMからの現金引き出しの方がはるかに効率的なように感じた。

ダウンタウンを散策&昼食
Mexico City Central Mexico City Central
Mexico City Central Mexico City Central
Mexico City Central Mexico City Central

シンコ・デ・マヨ通り(Avenida 5 de Mayo)をぶらぶらと歩き、思い立ったところで街の風景を写真に収めた後、私は早めに空港へ行って時間潰しをすることにする。
国内線としては早すぎるとも思える2時間前にチェックインをした私はターミナル1の中をうろうろしてインターネットカフェを見つけた。
ここには29日もトランジットのために来るのでこれで時間潰しには苦労しなさそうだとホッとする。
ウェブサイトでニュースをチェックし、日本のメディアが豚インフルエンザ一色となっていることに苦笑いする。
笑っている場合ではないのだが、さりとて考えていても仕方ないので、カフェに入ってオヤツタイムにする。

出発の時間が近づき、Bゲートから搭乗口に行ったところ、出発が40分遅れとなると言われる。
そこで、さらに徘徊をしていると、何とメキシコで足マッサージ(Zuya Masajes)のブースがあることを発見する。
よく見ると中国式のようで値段は30分で35ドル(3,410円)または420ペソ(1ドル=12ペソ換算)、やはりアジアに比べると割高に感じる。
ちなみに、このマッサージはターミナル2にもあるようで、歩き疲れた足をほぐしてもらうにはいいかもしれない。

オアハカへ行く機内ではほとんどの人がマスクをしている。
考えてみれば、一番感染しやすいのが機内とも思えるからだ。
これがわずか1時間だからいいようなものの、メキシコシティでもらったマスクで長時間フライトはさすがにきついものがある。
そうこうしているうちに飛行機は無事にオアハカ・ソソコトラン空港(Oaxaca Xoxocotlan Airort)へ到着。
ここからコレクティーボ(colectivo)と呼ばれる乗り合いタクシーでホテルへ向かう。
いろいろなところを巡って到着したのが午後9時前、オーナーの田澤さんが出迎えてくれた。

荷物を下ろして食事に行きたいと言うと、彼女が言うにはここから中心部のソカロ(Zócalo)まで徒歩7〜8分といったところだとか。
ここはメキシコシティとは別世界のような雰囲気で、レストランの従業員がマスクをしていることだけが、豚インフルエンザの蔓延の危険性を暗示しているようだった。
田澤さん曰く、今回の豚インフルエンザの最初の死亡者はオアハカの人だとか。
それにしては市民の能天気さが非常に気になるというか、そんなことはメキシコシティだけのことだ、オレたちは関係ねえぜ、というノリなのか。
いずれにせよ、わずか1時間で飛んで来れるほどの近さなのにこの違いは何なのか、と思った夜だった。

夕食からホテルに帰ってきてシャワーを浴びていたとき、職場の上司から田澤さんのところへ電話が入る。
ここに着いた早々にもメールと電話が田澤さんのところに来たというが、安否の確認らしい。
うちの家族が何も言って来ないのに、どうしたものだろう。
まさかごく簡単な英文ですら読もうともしなかったのか。
帰って来い電話かと思ったが、どうもそうではないらしい。
しかし、こっちは個人手配なので、フライトの変更など困難なこと、今後は日本語の通じるホテルではないことを言って切る。
しかし、ウェブサイトを見ると、日本の会社文化なのだろうが、出張でもないのに、帰れコールに応じられるほどパックツアー参加者って多いのだろうか。
私の場合はどうあがいても困難なんだけどね。

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