5/2(Sat) | イスラ・ムヘーレス1日ツアー(Puerto Juarez S.C.L) |
宿泊先 | Antillano / US$47 (\4,560) per night |
[booking sites for you / All Mexico Hotels (英語) agoda.jp (英語・日本語) アップルワールド (日本語)] | |
諸費用 | ツアー費用: 300 pesos = \2,220 バス / Centro-Hotelera: 7.5 pesos = \60 |
関連サイト | メキシコ キンタナ・ロー州 |
イスラ・ムヘーレス(Isla Mujeres)は、カンクンからスピードボートで約15分のところにある小さな島だ。
セントロ(Centro)からバスでプエルト・フアレス(Puerto Juárez)まで行き、そこからボート(35ペソ=260円)に乗って行くのが一般的なルートだが、ホテルゾーン(Hotelera)のリンダ・ビーチ(Praya
Linda)、ランゴスタ・ビーチ(Playa Langosta)と、トルトゥガス・ビーチ(Playa Tortugas)の桟橋からもボートが出る。
私はセントロのホテルに泊まっているので、プエルト・フアレス(Puerto Juárez)から行こうとしたのだが、なかなかバスが捕まらない。
ADOのバスターミナルで聞いたところ、プエルト・フアレスというサインが出ているバスがあるとのことだが、こういうときに限ってなかなか来ないものである。
いっそのことタクシーで行こうかと思っていたところにミニバスが来たので、思わず手をあげて止める。
中に乗り込み、行き先を言いながら金を払った後で、何やら話しかけてくるメキシコ人がいる。
話を聞いていると、どうやらスノーケリングツアーへのお誘いのよう、プエルト・フアレス(Puerto Juárez)の港に着いたときも熱心に説明を続けるが、あいにく私の所持金は500ペソ(3,700円)ちょっとしかない。
何しろビーチで寝そべるだけのつもりで来たから昼飯代とビール代くらいしか持って来なかったのだ。
当たり前の話だが、米ドル建てのツアーなんぞに参加できるわけがない。
第一、そんなものに参加するつもりならホテルの近くで暇そうにしているツアーデスクのお姉さんがいくらでもいるのだ。
私はこの客引きの誘いを断るつもりで、300ペソ(2,220円)しかない、と言ったら、それならこいつでどうだ!とばかりに言われたのが今日参加したツアーだ。
客引きは何事もなく、ツアーに参加する女性3人組が英語ができるから何の問題もない、仲良くなってスペイン語のレッスンをしたらどうだ、と言い放って去って行ったのだ。
イスラ・ムヘーレス(Isla Mujeres) | |
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10時30分過ぎに港を出たスピードボートは次第に速度を上げ、波しぶきを上げながら、中の乗客に心地よいシャワーを提供して目的地へと進む。
もちろん、Tシャツに水着という格好でなければ、着ている服はすべて台無しになってしまうところだ。
何やらわからないままに参加したこのツアー、ガイドのお兄さんは完全にスペイン語オンリー、私には何を言っているのか全くわからない。
どうやら私が参加したツアーが安かったのは、メキシコ人(スペイン語圏の)観光客向けのものだったからのようだ。
そして到着したイスラ・ムヘーレス(Isla Mujeres)、乗客が全員下りたので、私も彼らに続く。
しかし、みんなバラバラにどこかへ行こうとするので、不安になっていると、例のメキシコ人女性たちが英語で言ってくれる。
「ここには1時までに戻ってきてください。左がビーチ、右がショッピングセンターです。」
私が怪訝な顔をしていると、さらにウイアー(We are...)と言ったあと意味不明なジェスチャーが続く。
何が言いたいんだろうと、「2時間はフリータイムなのか」と聞いたら、そうだとのこと。
スペイン語だけで説明してさっさと行ってしまうガイドに、片言会話のレベルで英語が話せると豪語するメキシコ人女性たち、不安だらけのツアーがこうして始まった。
フリータイムということで、まずは港の近くにあったビーチへ行ってみる。
徒歩数分のところにあるプラヤ・ノルテ(Playa Norte)、ここは白砂にエメラルドグリーンの海という絵に描いたような南の島の光景が目の前に広がる。
泳いでいると、トップレスの女性がいきなり現れたりしてなかなかグッドなところだ。
夜行バスでカンクンに着いて、午後やることがないとか、疲れているので体を休めたいというなら、ここへ来ることをお勧めしたい。
昼食は近くのレストランで取るのもいいが、ビーチバーでサンドイッチをつまみながらコロナビールを飲むだけでも十分だ。
フリータイムを終えた私たちは再びボートに乗ってエル・ファリト(El Farito)というスノーケリング、初級者ダイビングスポットへ向かう。
ここでもガイドはスペイン語しか話さないので、頼りになるのは自称英語が話せるというメキシコ3人娘(といっても体型はオバサン級)だ。
しかし、彼女たちはさっさと海に入ってしまったので、私もボートが見渡せる範囲でスノーケリングを楽しむ。
さすがに置いていかれることはないだろうが、彼らの視界からも外れてしまうと何かと不安だ。
私も人のことは言えないが、今日のツアー参加者の男ははデブが多い。
というかメキシコ人にデブが多いのか、私ですらここでは標準体型にしか見えないらしい。
スノーケリングが終わり、ボートはプラヤ・パライソ(Playa Paraiso)へと向かう。
ここで何をするのかわからない私は、鮫に触れる体験をしているうちに何と他のメンバーとはぐれてしまった。
それでもボートが停留しているので、そのうち戻ってくるだろうと、港の近くのレストランでビールを飲んでいたが誰も知った顔が見えない。
30分ほどたち、相当にヤバイ、これは一人で帰らないとならないかも、とか思ったとき、例のメキシコ人の女性がひょっこり現れた。
ホッと安堵の息を漏らす私、さっそくここにいつまでいるのか聞くが、彼女たちも「いつ出発するか私たちもわからない」と言う。
信じられんツアーだ。
まさに分刻みのスケジューリングがされる日本のツアーとは全く好対照だ。
わからないんなら泳ぐかと、海にいるからと彼女たちに言付けて泳ぎ始める私・・・・
すると「食事するみたいよ」と声がかかる。
そうか3時のオヤツでなく食事をするのか、と・・・
魚のフライの乗った弁当が配られ、それを平らげる私たち。
メンバーの誰かがジュースをガイドに頼んでいるのを見て、私もコカコーラを頼もうとして英語で話しかける。
すると、スペイン語でベラベラ話すガイド、私が全くわからない素振りを見せると、彼は途方に暮れたように例のメキシコ人女性に助けを請うような表情をする。
彼はきっと思っていただろう。
何でスペイン語が全くできないヤツがこのツアーにいるんだ、と・・・
ここには英語のツアーはおろか日本語のツアーだってあるのに・・・
1994年12月に行った初香港、当時、英語が全くできない私たちが、日本語ツアーがあるにもかかわらず、英語のツアーに参加したときのガイドの表情によく似ていた。
3時過ぎの食事タイムが終わり、しばしのフリータイムの後、私たちはイスラ・ムヘーレスからスピードボートに乗ってカンクンへと向かう。
何だかよくわからなかったツアーだったが、たった 300ペソ(2,220円)でカリブ海を満喫できたので、まあ、よしとしようか。
願わくば、ガイドが片言でも英語が話せればよかったのだが、参加したツアーがスペイン語圏の人向けのものらしいので、仕方なかろうか。
プエルト・フアレス(Puerto Juárez)に到着したあとは、またもやミニバスでセントロ(Centro)を目指す。
トゥルム通り(Avenida Tulúm)のショップで土産物を物色しようというわけだが、観光客は相当に少ない。
まして日本人バックバッパーを見かけることなど皆無だ。
カンクン・ホテルゾーンの夜 | |
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「花いち」の夕食、鉄火丼とパロマ(paloma=テキーラのグレープフルーツジュース割) | |
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フーターズ・カンクン(Hooters Cancun) | |
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dancing girls at night |
この日の夕食は2日前に行ったThe Fisherman Downtown Restaurant Barにするか、ホテルゾーン(Hotelera)にするか考えていた。
決め手は観光案内所でもらった英語のポケットガイドに、フーターズ・カンクン(Hooters Cancun)で食事をするとサングラスをプレゼントするというクーポン券(Valid with meal
purchase only)が付いていたことだった。
ちょうどフレームが曲がって買い換えようと思ったので、これは「渡りに船」だと思ったからだ。
そして、ここは昨日行った日本食レストランの「花いち」の近くでもあった。
フーターズで食事をといっても、フライドチキンを夕食のメインディッシュにするには大きな抵抗があったので、まずは「花いち」で腹ごしらえをすることにした。
なにもメキシコまで来て鉄火丼を食べることもなかったが、実のところメキシコ料理には飽きていたのだ。
そして、メキシコの酒と言えばテキーラ、「花いち」のスタッフ曰く、パロマ(paloma)というテキーラのグレープフルーツジュース割りを現地の人は好んで飲むとのこと、見た目はウォッカをベースにしたソルティドッグと全く同じ、味も似たようなものかもしれない。
そして、「花いち」に引き続いて行ってみたフーターズ、このアメリカのお色気ファーストフードのユニフォームは世界共通だ。
テキーラを飲んでほろ酔い気分の私は、食事を頼まないともらえないというサングラスを、コロナビールを頼んだだけでもらおうとしてあえなく玉砕する。
しかし、ここで胸焼けのするようなチキンなど食べる気もなく、フーターズガールの写真だけ撮らせてもらって退散する。
ちなみに店内の雰囲気はまさにアメリカそのもの、中にいるお客もどう見てもアメリカ人としか思えない人ばかりだった。
フーターズの外に出た私は付近をうろうろしてみる。
タイのゴーゴーバーのような店あり、カリビアン・ダンサーがパフォーマンスをしているレストランあり、セントロ(Centro)と違って見た目はかなり繁盛しているようだった。
そして、ここには豚インフルエンザとは無縁な世界が広がっていた。
一方で、「花いち」の雑記帳に書かれた「新婚旅行で来たのですが、(豚インフルエンザのために)会社から帰国命令が出ました。今夜がカンクン最後の夜です。美味しい食事をありがとう。」という言葉に、私は新婚旅行という人生で最も重要かつプライベートなイベントにさえ会社が権力をもって介入する、それに唯々諾々と従わざるを得ない、日本会社主義人民共和国(People's
Republic of the Japan's Company)の実態を垣間見るような気がした。