7/1(Fri) |
今回のバンコク行きは久しぶりのグループ旅行となった。
メンバーは怪しげな投資家グループ、ギャンブルの館のオーナーで最近ではFX投資をこよなく愛するsundayさん、株長者(!?)の達也さん、そして若きFX王子のまーくん、そして私の4人である。
こうなったきっかけは私がワールドインベスターズの香港オフ会から帰国した直後に、sundayさんがバンコク行きの安いツアーがあると言って見せてくれたHISのパンフレットだった。
「成田午前出発&日本航空又は全日空で行く! バンコク4日間 エコノミークラスホテル」のツアー代金、49,800円は確かに魅力的に映った。
これが1人旅になると、通常、1人部屋追加料金が3万円加算されるので、マイレージが付かない予約クラスの航空券と多少不便なロケーションのホテルになるデメリットを考えると、パックツアーの参加は考慮外なのだが、ツインルームならそのデメリットは値段の安さで相殺されるからだ。
ところが、7月1日出発のツアーには大きなリスクがあった。
例年だと単にタイが雨季というだけなのだが、今年は3日が下院選挙の投票日ということで、2日の18時から3日の24時まで酒類の販売が禁止されてしまうのだ。
ちなみに、タイ政府観光局によれば、不在者投票日となる1週間前(今回は6月25日と26日)も同じ規制がかかるらしく、私が思うに左党にとっては、むしろ、そちらの方がダメージが大きいように思えた。
なぜなら、よほどのタイ通でなければ、そんなこと知らないと思われるからだ。
もっとも私を含めて左党揃いの一行、何でわざわざそんな時期に・・・と言わんばかりのツアーが始まった。
私は今回の旅行で初めて国際線のJALに乗ることになった。
ツアーで指定されている航空会社が日系なので、HISのバンコクツアー御用達とも言えるチャイナ・エアラインでないことはわかっていたのだが、JALとANAのどちらになる確率が高いかと言えば、圧倒的に運賃の安いJALである。
航空会社が決まった後、sundayさんが事前座席指定で全員の座席を最後部の通路側にしてくれたおかげで、私たちの隣の座席には研修中のタイ人スチュワーデスの卵がズラリと並んでいた。
話しかけようと隣を見ると、一心不乱に日本語検定の勉強中、邪魔をしては悪いと思って黙って見ていたが、彼女たちにとっては2級とか3級の試験はかなり高度だと感じた。
この試験を通ることがJALのスチュワーデスになるために必要なのだろうが、果たして日本人が外資系キャリアのスチュワーデスになるのに、そこの母国語の読み書きまで求められているのだろうか、とフト思った。
確かに、JALという日本のフラッグキャリアで、国際線の機内でさえ日本語によるサービスを求める人は多いのだろうが、いつまでもそんなことを言っていていいのだろうか。
タイスキレストラン「コカ」での夕食とソイ・カウボーイの風景 | |
バンコクのスワンナプーム空港(Suvarnabhumi Airport)から宿泊先のCentric RatchadaまではHISバンコク支店のスタッフが送迎してくれることになっている。
このホテルは、地下鉄(MRT: Bangkok Metro)のラマ9世(Phra Ram 9)駅の近くなのだが、メインストリートに面していないので、タクシーのドライバーには多少わかりずらいかもしれない。
私自身は2010年1月のバンコク旅行で泊まったホテルと同じだったので、ある程度、土地勘(!?)が残っていたが、できることならば、もっと便利なロケーションが良かったかな、というのが正直なところだ。
まあ、HISの格安ツアーでそこまで望むのは無理なのだろうか。
ところで、今日は夕食に出かける前にやらなければならないことがあった。
明日の18時以降はビールが買えなくなるので、今日中に備蓄(!?)をしておく必要があったのだ。
そして私たち4人がいそいそとコンビニへ行くと、物凄い勢いで雨雲が空を覆い、買出しを終える頃にはスコールが降ってきた。
タイの常識だとここは雨宿りで時間潰しをするのだが、幸か不幸かコンビニに傘が売っていた。
子供用の可愛い絵柄のものだが、贅沢を言っている場合ではなかった。
おまけに、夕食を取りに出かけたロビンソンデパート(Robinson Department Store)の前の歩道は、池のように雨水が溜まって歩くのにも難渋するし、ようやく辿り着いたタイスキのMKは、ウェイティングリストに名前を書くのもイヤになるほどのお客が順番待ちをしていた。
こうして私たちは、バンコク到着直後から雨季の洗礼を受けたが、タイムズ・スクエアー(Times Square)にあったコカ(Coca Suki Restaurant)はMKよりも値が張るのが幸いして店内はガラガラ、夕食を終える頃にはスコールも止み、その後は、ゴーゴーバー組とタイ古式マッサージ組に別れてバンコクの夜を楽しんだ。
日本のパスポートを出したときでさえ入国審査官からタイ語で話しかけれたというHISカラーのポロシャツを着たまーくん、風体はバンコクで遊んでいる日本人に見えなくもないが、今夜は何人のタイ人から現地在住者と間違えられたのだろうか。
7/2(Sat) |
この日は案内THAIというところで頼んでおいた日本語ガイド付きのプライベートカーで観光を楽しむことにした。
料金は1日(12時間)チャーターで3,500バーツ(9,100円)+ガソリン代の実費という契約であった。
私たちは「1日中自由観光」というプランをオーダーしていたのだが、バンコク郊外の観光地は往復するのに予想外に時間がかかるようで、sundayさんが行きたいと言っていたノンタブリー(Nonthaburi)のカンチャナピセーク公園(Kanchanapisek
Park)や、私が行きたかったエラワン滝(Erawan Waterfall)に行けなかったのは残念だった。
結局のところ、ダムヌン・サドゥアク水上マーケット(Damnoen Saduak Floating Market)、ムアンシン遺跡歴史公園(Prasat
Muang Sing Historical Park)、サイヨークノーイ滝(Sai Yok Noi Waterfall)の3ヵ所へ行くだけで12時間全部を使ってしまったのだから、案外と遠いんだな、とあらためて思ったほどだった。
7時にホテルに迎えに来たドライバーと日本語ガイドのHemaratさんに連れられて最初に行ったところは、ダムヌン・サドゥアク水上マーケット、ここはカンチャンブリ方面へ行くツアーの定番の観光地だ。
私たちも特に場所を指定せず、水上マーケットに行きたいとだけ言ったので、ここへ連れてきたのだろう。
200バーツ(520円)のボート代を払って運河を一周、目に付くのは明日の選挙のポスター、それもタクシン元首相の妹であるインラック・チナワット(Yingluck
Shinawatra)氏のものだ。
地方在住のタイ人が、タクシン元首相にシンパシー(sympathy)を感じているとはよく言われているが、それに加えて、彼女が美人だということも得票にプラスに働くことだろう。(笑)
水上マーケットを後にした私たちはカンチャナブリ(Kanchanaburi)へと向かう。
一般の観光ツアー、例えば私が2007年2月2日に参加したパンダバスのツアーの場合、戦争博物館(The JEATH War Museum)を見たり、泰緬鉄道の列車に乗ったりするのだが、そういったものに全く興味のない(!?)私たちは、見事にこれらをスルーして水上レストランへと行くのであった。
もちろん、そこには今夜から酒が飲めなくなるとあってシンハービールをがぶ飲みする私たちの姿があった。
すぐ横ではクウェー川(River Kwai)をカヤックで進む白人のカップル、健康的な色気に溢れるビキニの美女と、ビール腹を抱えて気だるそうにするオヤジたちのコントラストが印象的だった。
カンチャナブリ(Kanchanaburi) | |
昼食を終えた私たちはガイドのHemaratさんにムアンシン遺跡歴史公園(Prasat Muang Sing Historical Park)とサイヨークノーイ滝(Sai
Yok Noi Waterfall)へ行くようにリクエストした。
ガイドブックにカンチャナブリ郊外の見どころとしてピックアップされていたからだ。
ムアンシンはクメール時代の遺跡なのだが、Hemaratさん曰く、ほとんど日本人がこの遺跡に来ることはないらしい。
でも私に言わせれば、ツアーのコースにも入っていない、それもマイナーな遺跡に来る物好きは欧米人でさえ、あまりいないような気がする。
何でここへ来たかって?
日本語ガイド付きの車をチャーターして遺跡見物が一つもないというのはあまりにコストパフォーマンスが悪いと思ったからだ。
最後に行ったところは、サイヨーク国立公園の中にある滝である。
はっきり言って滝自体は大したことはないのだが、クソ暑い中で観光した後に、水遊びをしようというプランだったので、出国前には全員に海パン持参指令を出しておいたのだが、幸か不幸か水浴びをしなければならないほどの暑さではなく、川で遊んでいたのは今や欧州、東南アジアと進出を始めたロシア人観光客だった。
彼女たちはかつてのドイツ人や北欧からの観光客のように寸暇を惜しんで(!?)水着になるという素敵なパフォーマンスを演じていた。
何しろ寒さには強い彼女たち、今や水辺で素敵なビキニ美女を見たらロシア人と思え、って感じになりつつあるのだろうか。
日本語ガイド付きの車をチャーターしてのカンチャナブリへの日帰りツアーを終えてバンコクへ帰還したのは午後7時過ぎ、BTSとの接続駅であるビクトリー・モニュメント(アヌサワリー・チャイ・サモーラプーム/Anusawari Chai Samoraphum)までの道が混んでいたせいで1時間の超過料金(300バーツ=780円)を取られたが、ガソリン代は走行距離580kmで1,570バーツ(4,080円)だったので、合計すると5,370バーツ(13,960円)だった。
この価格、13時間のチャーター料金として見れば、他社に比べるとかなり格安だったのではなかろうか。
そして、今夜から明日いっぱいは酒が飲めないと言われた私たちが目指したのは、日本人御用達のタニヤ通り(Thaniya street)、ここなら秘かに飲ませてくれるところがあるのではないか、と聞いていたので、いそいそと行ってみる。
ところが、普段は飲み屋になっている店には「本日は酒類の提供はできません」という張り紙がある。
もっともここはバンコク・・・やはり秘かに飲める店はあったようで、初バンコクをエンジョイするsundayさんは、意気軒昂に酒をたらふく飲んでのご帰還であった。
選挙さえなければ、何も初バンコクの彼らをタニヤへ連れて行く必要はなかったのだが、これではまるで東京にいるのと何が違うのか、と言いたくなるような夜だった。