2016年11月-廃止目前の三江線に乗る山陰の旅 (三江線乗車) |
11/3(Hol) |
今日は、広島から芸備線と三江線を乗り継いで江津を経由して松江まで行くことになっているのだが、この芸備線と三江線に乗るルートは、私が買った「おとなの青春18きっぷの旅 得ワザ&口コミガイド」にも掲載されているもので、広島発のルートとしてはポピュラーなものなのだろう。
私自身、ここは青春18きっぷを利用できる時期に来ようかと思っていたのだが、12月の山陰地方はどう考えても観光シーズンではないし、それ以降になると海外旅行に行く方を優先しそうな気がしたので、思い立ったが吉日ということで遠征することにしたのだ。
そして、前夜に泊まったアクティブ広島をチェックアウト、ホテルの目の前にある銀山駅から広島電鉄に乗って、広島駅に行くと、壁面には今年、セリーグを制覇した広島東洋カープの名場面写真集が飾られていた。
もちろん、その中には黒田投手の雄姿もあり、私が「やったね黒田、日米通算200勝」というコラムで、「黒田投手は今年で見納めになる可能性も高いだろう。」と書いたが、その通りになってしまったことは少し残念だった。
広島駅 |
広島駅構内でのんびりしていると芸備線の列車が出発するアナウンスが聞こえてきた。
7時53分発の三次行きの列車を逃すと、三江線に乗って江津へ行く手段が、広島発15時の列車(広島15:00-16:51 三次 16:56-18:30
浜原 19:00-21:20 江津)までなくなるので、乗り遅れるわけにはいかない。
慌ててホームを駆け下り、列車に飛び乗ると、ホッと一息、ここから三次まで2時間の旅路である。
ところが、広島から出雲市や浜田まで中国ジェイアールバスに乗れば、3時間ほどで到着できるのだから、同じ区間を列車に乗って行こうという酔狂な人は鉄道マニア(乗り鉄)くらいしかいない。(笑)
その酔狂な人のうちの一人が私というわけである。
芸備線-中三田駅 |
広島からの芸備線の列車が三次に到着したのは9時53分、三江線の列車に乗り継ぐ時間は4分しかない。
階段を駆け上って向かい側のホームに行き、先頭車両の写真を撮ってから乗り込むと、ほとんど座るところが残されていない。
確か、三江線はあまりに乗客が少なく、1両に数人しか乗らないという情報だったはずだが、廃止報道がされたからか、私のような乗り鉄で溢れている。
いつも、このくらい乗っていれば廃止されることもなかっただろうが、観光客の誘致もうまくいかなかったのか、2018年4月1日で廃止されるというのが既定路線になったようだ。
三次から石見川本まで列車に乗っている時間は2時間余り、車窓から見える景色がいいので、飽きが来ない。
一介の観光客がふと感じたことではあるが、これだけの観光資源がありながらうまく生かすことができなかったのか、三江線の廃止という選択は、後世の人から見ても残念の一言になるだろう。
三江線神楽号(三次-石見川本)(三江線時刻表) 【2016年11月13日-残り1年4か月余り、廃止目前のJR三江線を楽しむためのアドバイス】 |
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三次駅 | 長谷-船佐 | 信木-式敷 | 香淀-作木口 | |
香淀-作木口 | 江平-口羽 | |||
江平-口羽 | 宇都井駅 | 宇都井-石見都賀 | ||
宇都井-石見都賀 | 石見松原-潮 | 明塚-石見簗瀬 |
三次9時57分発の三江線神楽号は、時刻表(ダイヤ編成)の上では石見川本で終点となるが、実際のところは、約1時間半のインターバルを挟んで江津に向かう列車となる。
そのインターバルの時間を利用して、駅周辺を散策することができるが、昼食時にあたって、肝心の食堂は、残念ながら日曜が休みのところが多い。
この日は祝日だったので、営業していたところが多かったが、日曜日にここへ行こうと思っている人はスーパーで買い出しすることを考えた方がいい。
いずれにせよ、観光名所と呼べるところは駅周辺にはあまりなかったので、昼食を取るためのインターバルと考えておいた方が間違いない。
石見川本では三江線では珍しい上下線の列車交換が行われるため、向かい側からやってくる下り列車の動画を撮るように促されるが、こんなことでも沿線のハイライトになる三江線はのどかなものだと言えるだろう。
石見川本散策(川本町 街中ぶらり90分案内) | |
金比羅山 | |
弓ヶ峯八幡宮 |
石見川本発13時43分の列車は、江の川を右手に見ながらのんびりと江津へ向かってひた走る。
三次からの列車では私を含めて沿線の光景をカメラに収めようという人がチラホラと見られたが、さすがに石見川本からの列車にはあまりいない。
疲れたのだろうか、飽きたのだろうか。(笑)
江津に列車が到着したのは14時49分、私たちの乗ってきたラッピングトレインはそのまま折り返し運転をせずに車庫に入り、15時17分発の三次行きは1両編成の列車が代わりに入線してきた。
今までなら何の問題もない編成であったが、廃止前フィーバーが加速したら、1両ではキツイのではなかろうか。
江津駅で三江線の列車を待つ人たちを見て、私は三次までの3時間半を立ちっぱなしで行くのは酷ではなかろうかと思わざるを得なかった。
三江線神楽号(石見川本-江津)(三江線時刻表) | ||||
石見川本駅 | ||||
石見川本駅 | 田津-川戸 | |||
川戸-川平 | 川平-千金 | 千金ー江津本町 | ||
千金ー江津本町 | 江津駅 |
江津から出雲市や松江方面に行くには、14時52分発の出雲市行き(17時33分着)の普通列車に乗れば、終点で17時52分発の普通列車に乗り継げるので、典型的な青春18きっぷルートが完成する。
しかし、それでは江津で休憩する時間もないので、その30分後に出る特急に乗ることにしたのだが、駅の構内に売店はないし、駅周辺にもコンビニや商店が見当たらない。
これがいやしくも幹線の特急停車駅なのだから、島根県の過疎化は想像以上のものがありそうだ。
最初は山陰地方の観光をしてから三江線経由で広島か岡山へ出ようと思ったのだが、そうしなくて良かったと思えたほど駅前は閑散としていた。
江津駅 |
江津から松江まで特急に乗ったおかげで松江には16時43分に到着した。
当たり前のことだが、山陰本線を走る列車から見える景観は海側の方が素晴らしい。
従って、江津駅の窓口では、何も言わなくとも指定席を買えば、D席を売ってくれるのが嬉しい。
私は反射的に通路側のC席と言ったら怪訝そうな顔をされたが、宍道湖の景観を見ながら行けるD席を袖にしたのだから当たり前のことだ。
でも車両はガラガラだったので、すかさずD席に移ったのだが、危うくバカなことをするところだった。
松江駅から宿泊先の松江シティホテルへ直行しても良かったのだが、今から歩いて行けば、ちょうど宍道湖の日没(17時11分)に間に合うと観光案内所で言われたので、駅から一目散に宍道湖を目指す。
ところが、特急列車の車窓(D席側)からきらきらと輝いて見えた宍道湖の光景は、日没が近づくと太陽が雲に隠れてしまって、湖畔に到着したときには完全に隠れてしまっていた。
せっかく来てみたからと写真は撮ってみたものの、今一つだったので、明日に期待することにして、今日のところはホテルに向かうことにした。
ホテルにチェックインすると、周辺のグルメ情報マップをいただくことができ、紹介券を持参すると特典が受けられるお店がたくさんあった。
この日に私が行ったのは焼肉店、何しろホテルの朝食バイキング以来、ロクなものを口にしてなかったので、お腹がペコペコだったからだ。
幸いにも祝日の今日は特別メニューの日で、かつ特典付きでラッキーという感じの夕食になった。
お腹がいっぱいになった後は夜の散歩、気候的に良い季節だったので、カラコロ広場の夜景を見ながら島根県庁を横目に松江城へ向かう。
夜風に吹かれながら松江城のライトアップを見て、明日の出雲大社行きに備えて、一畑電車(ばたでん)の松江しんじ湖温泉駅への道順を確認しながら足湯を楽しみに行く。
ホテルへの帰りにもう一杯飲みに入るか、どうするか考えながら足湯に浸かり、iPhoneでメールチェックやインターネット検索をする。
広島から松江まで約9時間に及ぶ長旅はさすがに疲れた。
明日は多少ゆっくりすることができるのかな。
松江市内の夜景 | |
カラコロ広場 | |
松江城 | |
松江しんじ湖温泉駅-足湯 |
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