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2月27日(日)-デルタ航空の特典航空券発券要件の改悪

2月17日にデルタ航空から「マイルの有効期限を廃止いたしました」という題名のメールをもらった。
「お客様を大切にすることに、有効期限などありません」に始まるメールは一見するといいことのように思えたが、それは特典航空券の発券要件たるマイル数が増える(改悪)と抱き合わせのものだった。
ただ、こういったことが公式アナウンスされることなく突然改悪されたことで、インターネット上ではデルタ航空を槍玉に炎上したとも聞いている。
詳しいことはマイルで得得というマイレージプログラム比較サイトに書かれているが、特に日本から東南アジア方面へ行く場合の必要マイル数は従来に比べて格段に増えており、果たして特典航空券を使うメリットがあるのか、疑問にさえ感じるほどになってしまったようだ。

もっとも、東南アジア方面に関しては、他社に比べて今までが恵まれ過ぎていたとも言えるのだが、欧米線の搭乗1回+提携ショッピングの利用でアジアへ行くというのは難しくなったに違いない。
私は昨年、ゴールドメダリオンの隠れた特典をフルに利用して、ゴールデンウイークや8月のシンガポールへの往復チケットをわずか2万マイルで入手することができたのだが、今後そうした僥倖とも言える旅行は不可能になってしまったようだ。
ちなみに、2010年1月31日にノースウェスト航空がデルタ航空と合併して以来、公式サイトの特典必要マイル数一覧(SkyMiles Award Travel Chart)は米国発のものしかないという貧弱なものであったが、今回のマイル改悪の罪滅ぼしというか、ようやくウェブサイトがまともになったというか、英語版のSkyMiles Award Travel Chartから中国本土にあるアイコンをクリック、For travel from Northern Asiaから各方面へ行く場合の必要マイル数がわかるようになっている。

今後、東南アジアへ行くときは、スカイチーム系列の特典航空券で台北や香港に飛んで、エアーアジアなどのLCC (Low Cost Carrier)に乗り継ぐという組み合わせがいいかもしれない。
ネックは乗り継ぎが増えて時間がかかることだ。
参考までに、台北乗り継ぎでバンコクへ行くというプランが一番安価なようなので、シミュレートしてみると、往路が日・月・水・金が同日乗り継ぎ可能で、台北で18時20分発、バンコク行きのエアーアジア(FD)3657便に乗れる。
但し、復路は時間的に同日乗り継ぎはできず、1泊しないといけないので、このあたりをどうクリアするかが課題になるだろう。

私の場合、1993年12月のグアム旅行で旧ノースウェスト航空のワールドパークスに加入していて以来のマイラーなのだが、明日でお試しゴールドとスカイクラブメンバーの期間が終わることと、今回のマイル改悪で昨年ほどスカイチーム系列のフライトにこだわる必要もなくなりそうだ。
よくショッピングのポイントを溜めるかその都度使うか、どちらが得かという議論をテレビなどでやっているが、マイレージプログラムに関しては、使えるときに使うというのが正解のようだ。
なぜなら航空会社によるマイルの大盤振る舞いは、後になればなるほど使用条件の改悪というリスクがあるからだ。


2月25日(金)-和室が嬉しい渋谷のホテル福田屋

私の場合、オフ会に参加すると決めたとき、あらかじめ都内にホテルを取ることがよくある。
もちろん無理すれば帰宅できないことはないのだが、そうした方が体が楽だし、終電を逃してタクシー代に5千円出すことを思えば、ビジネスホテルに泊まっても大差ないからだ。
私が今までよく使ったのは、マロウドイン赤坂赤坂陽光ホテル京王プレッソイン五反田ルートイン五反田などであるが、これらがホテル予約サイトで比較的リーズナブルなところとして出てくることが多かったからだ。
ところが、2月は「お受験シーズン」ということで都内のホテルは満室のところが多く、空室があるところでも強気の価格設定をしているので、普段よりはるかに高いのだ。

この時期に安くて空室があるのは「お受験」に関係のないカプセルホテルぐらいなのだが、意外なところに穴場があった。
私が昨夜泊まったホテル福田屋、ここは渋谷から三軒茶屋方面へ行くバス(頻発しているし0時過ぎでも深夜バスがある)で2つ目の大坂上という停留所で下りてすぐのところにあるのだが、雰囲気は外国人観光客向けのゲストハウスみたいな感じである。
ロビーにインターネット端末があり、英語の雑誌が置いてあり、お客の韓国人が「こんにちは」と挨拶してくれたりする。
場所は都会のド真ん中なのだが、コンビニも近いし、和室があるというのもなかなかいい。
それに、わずか1泊しかしないビジネス客は私だけじゃないかと思えるほどで、朝方チェックアウトするときに言われたことは、「お客さんもうお帰りですか?早いですね~」だ。
確かに1泊しかしなければ彼らにしてみれば早いのだろうが、横浜在住の私が連泊する必要はなかろうが(笑)
ちなみに、昨日は押上にあるもつ焼き「まるい」で、九州在住のジョニーさんを迎えてのワールドインベスターズのオフ会、極上のレバ刺を味わいながら香港オフagainとかいう話も・・・
2008年の熱狂よ再びって感じになるのかな?

ホテル「福田屋」 ホテル「福田屋」
ホテル「福田屋」
もつ焼き「まるい」 もつ焼き「まるい」
もつ焼き「まるい」

2月13日(日)-小額海外送金に朗報

インターネットの普及によって、今や海外との取引においても、クレジットカードやPaypalなどの電子決済が一般的になっているため、ほとんどの人は海外送金をすることはないだろう。
ところが、海外の金融機関に口座を持っている場合や、外国から出稼ぎに来ている人にとっては海外送金というのは必須となる。
今まで国内の銀行から送金するときの手数料が高いというので、どうやったら安く送金できるかというのは、海外投資の掲示板では年中行事的に投稿があった。
もっとも送金手数料がcitibankの4,000円(口座保有者が送金先登録すれば2,500円)程度であれば、年1回、100万円単位の送金をするだけなら、それほど気にならない金額だろうが、サラリーマンが10万円単位の送金をする場合は、ちょっと高いなと思える金額でもある。
そういった点で一番有利だとされているのが、最寄りの銀行のATM又はインターネットバンキングから円資金を「Goロイズ」専用口座に振り込むだけで送金が完了するロイズTSB銀行の海外送金サービス(送金額にかかわらず2,000円+海外手数料)だ。

ところが、2010年4月1日から「資金決済に関する法律」というのが施行され、1回当たり100万円以下の送金に関しては銀行以外の業者を通じても海外へ送金することができるようになった。(金融庁関係パンフレット-新たな資金決済サービス
朝日新聞に紹介されていたのは、MoneyGramと提携したSBIレミットウェスタンユニオンマイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーション楽天銀行(法人ビジネス口座保有者のみ)三井住友銀行にウェスタンユニオンとの提携を発表したセブン銀行である。
この中で10万円以下の小額送金に限って言えば、ウェスタンユニオンは3,000円、SBIレミットは1,480円か2,480円となり、海外手数料を加算した場合のロイズTSB銀行の送金手数料より安価になる。
特に、SBIレミットの3万円以下の送金手数料880円(特定国の場合)、ウェスタンユニオンの1万円以下の送金手数料990円というのは、海外個人輸入に際しての決済手段の選択肢が広がったと言えるだろう。
もっとも私のように、海外投資用資金を送るとなると、どうしても邦貨換算で10万円を超えることが多いだろうから、そういう点では定額であるロイズTSB銀行に軍配が上がるだろう。

ちなみに、三井住友銀行は、私に言わせれば論外というレベル、何しろ手数料が窓口より500円安いと言っても3,500円かかるし、コルレス銀行(Correspondent Bank=外国に送金するにあたり、その通貨の中継地点となる銀行)手数料が2,500円、リフティングチャージ(Lifting Charge)が最低2,500円、合計すると最低8,500円になるからだ。
これで外資やネット専業銀行に対抗しようというのはどうなのか、と思うが、彼らは企業間取引がメインで、個人顧客はITに疎い人を除けば邦銀から海外送金などしようとは思わないから問題ないのだろう。

ところで、このような高額手数料を得てきた邦銀の牙城を崩すような法律が制定されたのはなぜか。
「国民の生活が第一」と叫んで2009年9月に政権を握った民主党が率先してやったことならどれほど国民は救われるだろうか。
私は海外旅行の際はもちろん国内でも見かけるウェスタンユニオンが米系企業であることに着目した。
関岡英之氏の著書「拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる」で一躍有名になった「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(USTR - Regulatory Reform and Competition Policy Initiative)」、その2008年10月15日のものに、IT関連の金融改革(IT-Related Financial Reform)として、「電子的決済の領域において、銀行以外の異業種による決済サービスの提供を促進する。民間部門と関連省庁間でのコミュニケーションや連携を確保する。(Facilitate alternative non-bank payment services in the area of electronic payments; ensure communication and collaboration between relevant ministries and private sector.)」とある。

おそらく、一連の施策はこれに基づいて行われたのであろう。
そうでなければ日本政府が国債を買ってくださる最大のお得意様である邦銀の権益を侵すような法律を制定するわけがないからだ。
まさに日本の実質的地位はアメリカ合衆国日本行政特別区(The goverment of the Japan Special Administrative Region (JPSAR) of the United States of America)と言えるだろう。
そして、米国政府要望書は2009年と2010年、要するに日本で民主党が政権の座にある時期には出されていない。(2009年分は原文では作成されているが、Recommendations(勧告)はされていない)
そう考えると、民主党で実権を握る小沢一郎氏を濡れ衣とも言える罪を着せて政界から葬り去ろうとしているのは米国政府なのかもしれない、ということが信憑性を帯びるのもわかる気がする。

送金業大手、国内に続々-安い手数料と時短で勝負
(2011.2.13 朝日新聞経済面)
世界大手の送金業者が相次いで日本に参入している。銀行以外にも送金業を認める資金決済法が昨春、施行されたためだ。規制に守られてきた日本の送金市場が急速に変わり始めた。
1月末の土曜日午後、東京・新宿にある国際送金大手、米ウェスタンユニオンの窓口には外国人がひっきりなしに訪れていた。目的は仕送りの受け取りや母国への送金。
日本語学校に通うカメルーン人のコンスタンスさん(20)は生活費を切り詰め、兄弟の学費2万円を送った。「ここなら安く、すぐに送れるから」

ウェスタンユニオンは200以上の国・地域で展開する世界最大級の送金業者。資金決済法が施行されるとすぐに金融庁に申請、日本に参入した。英大手の両替業者トラベレックスと提携し、6都府県の窓口で送金を受け付ける。
1回の送金が10万円以下であれば、手数料は990~3千円と一般的な邦銀の2~6割程度。送金にかかる時間は数分間で、最短でも数日とされる邦銀との差は歴然だ。
旧東京三菱銀行出身の枋迫篤昌(とちさこあつまさ)氏が米国で設立したマイクロファイナンス・インターナショナル・コーポレーションも、今春までに日本でサービスを始める予定。ターゲットは外国人労働者だ。携帯電話で送金できるよう通信会社との提携も模索している。

外資参入の背景には、邦銀の海外送金サービスの使い勝手が悪いとの指摘がある。
邦銀経由の海外送金は、相手国の金融機関に支払いを代行してもらうため、手数料が二重にかかるのが普通だ。
金融庁によると、安全性を重視した決済システムもコスト高の一因。法の規制に守られ「送金業務の効率化が遅れていた」 (大手行関係者)との見方もある。

外資を迎え撃つ国内金融機関は提携組と、対抗組にはっきり分かれる。
ネット専業の楽天銀行は1月、トラベレックスと組んで海外と取引する企業向けに送金サービスを開始。邦銀では最多レベルの67通貨を扱い、手数料も大手行の半額以下という。
全国に約1万5千台以上の現金自動出入機(ATM)を持つセブン銀行はウエスタンユニオンと捷携し、ATMから海外送金できるサービスを今夏始める予定だ。
対抗姿勢を見せるのは全国に店舗網を持つ大手行。三井住友銀行は昨年11月、海外送金が24時間でき、手数料が窓口より500円安いインターネットサービスを始めた。(津阪直樹)

■資金決済法
銀行なとに限定していた国内外の少額の送金業務を他業種にも認めることや、電子マネーの利用者保護の強化などを規定。昨年4月に施行された。送金ができる資金移動業者として登録されるには、一定の資産の保有や不法送金を防ぐための体制整備などが条件となる。

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2月5日(土)-独身者と共働き夫婦に正直者がバカを見る怒り炸裂の怠慢主婦救済策

旧厚生省と社会保険庁の役人たちが犯した年金に関する犯罪的不祥事の尻拭いをするため、厚生労働省大臣官房総務課に「年金記録回復委員会」なるものが設置されている。
この委員会は民主党への政権交代直後の2009年10月16日に第1回の委員会が開かれて以来、ほぼ定期的に開催されてきた。
その主たる目的は「年金記録の正常化」であるが、2010年12月14日に開かれた第19回委員会において、国民年金の第3号被保険者(いわゆるサラリーマンの妻)の救済策が出された。
俗称「適用3号」、これが過去2回の救済策と比べると、とんでもハップンな、まさに怠慢主婦、クレーマーゴネ子救済策以外の何物でもないことを知って驚いた。

国民年金の第3号被保険者というのは、25年の国民年金の受給資格期間を満たすことが条件ではあるものの、簡単に言えば、役所に紙切れ1枚出すだけで老後の年金がもらえるシステムである。
しかし、当の主婦たちはサラリーマン全体で拠出した金の中から年金が出ることをほとんど知らない上に、場合によっては金を出している本人(市役所の職員や年金事務所の社員)に向かって「年金が少ない」などと悪態をつき罵声を浴びせることから、私は国民年金の第3号被保険者の制度を「専業主婦への対中国ODA(中国政府は日本から多額のODAを受け取っておきながらそれを感謝するどころか自国民への反日教育を通じて悪態をついている)」と呼んでいる。
年金という老後保障の制度において、世界中を見渡しても日本の専業主婦ほど恵まれた存在を私は寡聞にして知らない。

それはさておいて、この第3号被保険者の制度は、当事者にもわかりづらい上に、加入している実感がないために手続き漏れが頻発し、その都度付け焼刃にような救済策がなされてきた。
すでに記憶にない方も多いとは思うが、最初は1997年(平成9年)1月からの基礎年金番号導入を前にした、1995年(平成7年)4月から1997年(平成9年)3月までの時限措置で第3号被保険者の特例届出が実施された。
この特例届出は、本来なら第3号被保険者の届出をした場合、過去の分は届出から2年前までしかさかのぼって納付済と認められないものが、特例によって全期間納付済とみなされるものである。
このときの届出期間終了前には、昼のワイドショーで「奥さん、年金手帳を持って市役所へ行きましょう」と絶叫した有名タレントのおかげで市役所の年金窓口はまるでバーゲンセールのような大行列が各地で見られたという。
しかし、そんなことで届出漏れが解消されるはずもなく、8年後の2005年(平成17年)4月以降は、さらなる国民年金の第3号被保険者の特例届出が実施されて現在に至っている。
ちなみに、2002年(平成14年)4月からは、届出漏れを防止するために、夫の勤務先事業所を通じて健康保険の被扶養者の申請する際に、国民年金の第3号被保険者の届出もすることになっているので、夫が転職を繰り返したとしてもそれほど問題は発生しないだろう。

ところで、過去2回の救済策はあくまで第3号被保険者の届出漏れの救済だった。
それでも共働き夫婦、特に妻側からの非難は相当なものだったらしい。
要するに「金を払ってないのだから書類くらい書けよ。そんなこともしない人を救済する必要なんかない。」というものだ。
ところが、今回の救済策は、夫が会社をやめたのが明らかにわかっていたはずなのに何もしていなかった人を「貴方に手続きをする必要があるとお知らせしなかった役所(社会保険庁)が全部悪いのです。お詫びに年金払います。」と言って救済してあげるものだ。

例えば、2005年(平成17年)3月で夫が会社をやめていたとする。
本来ならここで夫婦共に第1号被保険者となって保険料を納めるか、保険料の免除の申請をするのだが、それが漏れていたということで未納扱いになるはずだった。
ところが今回の「適用3号」というものは、仮に今年の3月に申請した場合、役所が全部悪いのですからお詫びに今から2年前の2009年(平成20年)2月までは奥さんだけ保険料を納めたことにします、というものだ。(日本生活設計-第3号被保険者に「運用3号適用」という新たな救済制度
しかもこの制度の適用は、第19回年金記録回復委員会の資料「資料4-2 第3号被保険者期間として記録管理されていた期間が実際には第1号被保険者期間であったことが事後的に判明した場合の取扱いについて(案)」を見る限り、国民年金法の改正はおろか、政令も規則さえも変えずに単に厚生労働省年金局から日本年金機構への通知だけで行われている感がある。
珍しく朝日新聞が「不公平」な制度だと論じているが、マジメに役所からの書類を読んで手続きをした人より、何もしなかった人が優遇されるのは明らかにおかしい。
しかも、その原資は現役のサラリーマンが出すのだ。
それでも彼女たちは「第3号被保険者(妻)の保険料は夫が払っているはずです」というデマを吹聴し、市役所や年金事務所で罵声を上げ続けるのだろうか。

ところで、一般に言われるように本当に役所が全部悪いのか。
社会保険庁の後を継いだ日本年金機構のQ&Aにこういうのがある。

<問> 国民年金加入の届書が送られてきたのですが、なぜでしょうか。
<答> 基礎年金番号を平成9年1月から実施し、これを活用することにより公的年金制度への加入の状況がわかるようになりました。
このため、あなたの場合のように、あなたやあなたの配偶者が転職したことや退職したことに伴って国民年金の種別変更などの届出が必要となっていながら、届出がまだされていないと思われる方には、勧奨状によりお知らせを行うこととしました。
つきましては、送付された届書に必要事項を記入のうえ、お住まいの市・区役所または町村役場の国民年金担当窓口で加入の届出を行ってください。
なお、届出をされませんと、年金を受けとるための期間が足りなくなって年金が受けとれなくなったり、受けとる年金額が少なくなったりします。
また、病気やケガにより障害となった場合などの保障も受けられなくなりますので、あなたの将来の年金権を確保するためにも届出を行ってください。

これについては私が社会保険庁があった時代でさえ友人宅へ送られてきた現物を見たことがあるので間違いない。
要は、夫が会社をやめて厚生年金加入者でなくなったので、妻(第3号被保険者)である貴方も手続きをしてください、という通知だ。
それ以外にも市役所で国民健康保険に加入する際に、余程低レベルな職員に当たらない限り、年金も手続きが必要だと言われるはずだ。
そうでなくとも女性誌などの活字媒体に主婦の年金のことが掲載されていることは案外多い。
夫がすぐに転職して、うっかりというなら空白期間はそれほどないはず、従って、今回の救済策は明らかに会社をやめたのがわかっていたはずなのに手続きをしていない人の救済というわけだ。
これらを合わせると、「知らなかった」とか「教えてくれなかった」などという言い訳は、一部の例外(日本語が読めない外国人妻やドメスティック・バイオレンスで逃げている人、海外居住者など)を除けば、とんでもハップンな、まさに怠慢主婦、クレーマーゴネ子の戯言としか言いようがない。

おそらく、彼女たちは年金の種別変更の手続きが必要だと言われたときは、「年金など貰えないのに手続きしてどうする」などと、うそぶいていたにもかかわらず、いざ受給申請する段階になったら、犯罪的不祥事の尻拭いのために旧社会保険庁の職員が強く出れないのをいいことに「今までは何も知らせてくれなかった。民営化するというならお客様(国民)のために役立つところを見せろ。」などと口汚く罵ったことだろう。
唯一の救いは、第19回年金記録回復委員会資料「資料4-1『3号期間として管理されている不整合期間』の取り扱いについて」の中で、「直近2年間の対応について」ということで、夫がすでに会社をやめている場合は、職権で妻の方も第3号被保険者でなくす、という対応を取ることだろうか。
これによって、納付書が強制的に送られるので、「適用3号」というおぞましい制度も時間とととも終焉するだろうが、今まで見かけ上納付されていたことになっていた保険料が、本当に未納になるのだから、国民年金の納付率がさらに落ち込むことだろう。
そのとき、表面上の数字だけを追いかけるメディアは何と報道するのだろうか。

もはや、年金受給者たる高齢者に加え、保険料を負担しない第3号被保険者(専業主婦)、さらには非正規雇用などで年金保険料が払えず免除を申請している若者、これらすべてを減り続ける現役正社員(公務員)だけで支えるという歪な年金制度が持たないことは明白である。
どんな策を弄しても、企業が正社員を雇わなくなれば、厚生年金を負担する者はますます減り、ますます1人当たりの保険料を上げざるを得なくなる。
それが未来永劫に続けられるわけではないことは言われなくてもわかるだろう。
今から3年前、2008年1月22日のダイヤモンド・オンラインに「日本の『年金改革行き最終列車』はすでに出発した」という辻広雅文氏のコラムが掲載されていた。
そこには、「2004年9月のIMF会議の席上で『年金改革行き最終列車はいつ出るか(The Last Train for Pension Reform Departs in...)』なる資料が配られた。そこには、50歳以上の中高年人口が有権者の半数を超えたときが、その列車の発車時刻だと書かれていた。だが、日本はすでにリストにない。少子高齢化が図抜けて早く進む日本は、2003年10月に50歳以上の中高年が有権者数の5割を超え、すでに年金改革行き最終列車はホームを出てしまっていたのである。」とあった。
今回の「適用3号」なる専業主婦救済策は、年金制度上の既得権者は年金受給者たる高齢者だけではなく、専業主婦もそうであることを、そして、日本ではもはや年金改革など絶望的に無理だということを私たちに示している。

年金切り替え漏れ数十万人=夫が脱サラ、退職の専業主婦―救済策周知へ、年金機構
(2011.2.1 朝日新聞)
サラリーマンの夫が退職や脱サラで厚生年金の対象から外れた場合、専業主婦の妻は市町村に届け出て、国民年金保険料の支払いが必要になるが、日本年金機構は31日、この切り替え手続きをしていない人が「数十万人、場合によっては100万人以上に上る可能性がある」との推計を明らかにした。
厚生労働省は、こうした専業主婦を対象にした救済策を今年1月から実施しており、同機構は周知を図る方針だ。

現行制度では、▽自営業者ら国民年金加入者を1号▽厚生年金や共済年金の加入者を2号▽2号に扶養される配偶者を3号被保険者とし、3号は保険料の支払いが不要。
2号の夫が転職などで1号となったり、妻の収入が年収130万円以上になったりした場合、妻は1号として市町村に届け出る必要がある。
これを怠ると、受給額が減額されたり、全く受け取れなくなったりする恐れがある。
しかし、同省は、切り替えの必要性が周知徹底されていなかったとして、今年1月から過去2年分の国民年金保険料を納めれば、それより前の期間は保険料を支払ったとみなすことを決めた。 
主婦の年金-この不公平は許されない
(2011.2.2 朝日新聞社説)
サラリーマンの妻を主な対象にした年金の「3号被保険者」の扱いで、正直者が損をする状況が生まれている。行政がつくったこの不公平を放置することはできない。
3号は自分で保険料を払わなくても年金に加入できる。
しかし、夫が脱サラしたり、本人の収入が多くなって扶養を外れたりすれば、妻は届け出をして3号から1号被保険者になり、保険料を払うことが法律で義務づけられている。
夫がリストラで職を失った場合も同様だ。
ところが、本人が届け出をしなかったため、3号のままの記録になっている人が数十万人から100万人もいることが分かった。

そこで厚生労働省は今年1月から、こうした人たちに最近2年分の保険料を請求するが、それ以前は、夫がサラリーマンをやめるなど3号に該当しない期間でも3号と認めることにした。
届け出をして1号に切り替え、保険料を納めてきた人に比べて不公平だ。
従来は届け漏れが見つかれば「未納」とされ、将来受け取る年金を減額されてきた。
「従来の扱いだと、低年金や無年金になる人がたくさん出る」「苦情が殺到し、対応しきれない」と、厚労省は「救済」の必要を強調する。

だが、すでに記録を訂正して、低年金や無年金になった人は救済されない。
日本年金機構の現場職員からは、「今後も切り替えない方が得だという人が出てきかねない」といった心配の声が出ている。
より公平な方法も、現場の職員や社会保険労務士から提案されている。
保険料を払えるだけ払ってもらい、払えない分は加入期間としては認めるが、年金の受給額には反映させない、というやり方だ。
これなら、公平感が保たれ、無年金の人を増やさないで済む。

今回の処理方法が議論され、固まったのは長妻昭厚労相時代である。「ミスター年金」と呼ばれた長妻さんにふさわしい判断とは思えない。
幸い、年金業務については、総務省に外部の有識者を集めた監視委員会が設置されている。厚労省とは別の立場から、くわしい経緯を調べ、点検して是正を促してもらいたい。
今からでも遅くない。このような不公平な措置は、やめるべきだ。

2月4日(金)-久々の新規投資は Healthspring (CI)

昨年の12月、私はTDAmeritradeの口座にあったキャッシュを新規の投資に振り向けようと銘柄探しをしていた。
Stock Screenerの項目に入れたのは、S&P STARSが4つ以上(最高が5)、ROE(Return on Equity=株主資本利益率)が10%から20%、株価がUS$20からUS$30の間にあるもの、たったこれだけである。
これで投資銘柄を決めようというのは無謀という感じがしないでもなかったが、とりあえず星の数もある米国上場株式の中から絞り込むには程よい数になった。
しかし、リストに表示された会社は、私にとっては知らないものばかりで、いっそのこと現有銘柄(特に2008年11月28日の買値US$5.019から10倍となったLas Vegas Sands (LVS)、それでも2007年10月29日の最高値US$148.76の約3分の1)の追加投資の方がいいかとも思い始めた矢先に、フト閃いたのが医療関連株のCigna-HealthSpring (CI)だった。

言うまでもなく、米国の医療保険制度はマイケル・ムーア(Michael Moore)の映画「シッコ(SiCKO)」で描かれているように、先進国とは思えないほど劣悪なものだ。
私自身、つい先日の旅行中、ニューヨークで具合が悪くなったときは、これを思い出して這ってでも日本に帰ろうと決意した程だ。
その劣悪な制度を改善するために2010年3月23日にオバマ政権下で成立した医療保険制度改革法(Patient Protection and Affordable Care Act)は、なぜか世論に歓迎されていない。
日本人の私にはその理由がほとんど理解できないが、昨年の11月の中間選挙を前に、オバマ政権の旗色が決定的に悪くなった夏頃からこの会社の株価は右肩上がりである。
そして、中間選挙の結果、下院で民主党が過半数を失なったため、当分の間、この流れは続くだろう。
私がこの銘柄に投資をしたのは帰国後だったが、マイケル・ムーアの映画のシーンを思うと、米国の医療関連株に投資をするというのはある意味複雑な気分である。

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