ジブラルタル海峡の向こう側

9/16(Thu) タンジェ 7:00-(FRS)-9:45 タリファ 10:20-(連絡バス: Autocares Serescol)-10:50 アルヘシラス 12:00-(Avanza Bus)-15:00 マラガ
宿泊先 Alameda / 55EUR (5,860JPY) per night
[booking sites for you /agoda.jp Booking.com venere (英語・日本語)]
諸費用 FRS (フェリー・バス・ジョイント・チケット) / タンジェ-タリファ-(連絡バス: Autocares Serescol)-アルヘシラス: 37EUR (3,940JPY) 又は 390DH (3,700JPY)
Avanza Bus / アルヘシラス-マラガ: 12.43EUR=1,320JPY
アルカサバ(Alcazaba): 2.1EUR=220JPY
関連サイト 欧州総合リンク スペイン モロッコ アンダルシア
アドバイス
  • タンジェ(Tangier)のフェリーターミナルは2つあり、新市街にあるフェリーターミナルからはタリファ(Tarifa)行きのフェリーが、55キロほど離れた新港(Tangier Med Port)からはアルヘシラス(Algeciras)行きのフェリーが出る。
  • タンジェからのフェリーチケットは新市街にある旅行会社で買うことができ、朝の6時頃からオープンしている。また、旅行会社のスタッフ曰く、新市街から新港までは無料のシャトルバスで1時間ほどで行くことができるが、タリファへ行ってバスに乗り継いだ方が早いとのことだ。
    また、新港へは列車でも行くことができるようなので、フランス語が読める人はONCFのサイトも参照のこと。
  • モロッコディルハムは船内で使うことはできないので、乗船前にすべてユーロに両替した方がいい。なお、アルヘシラスの両替所の両替所でも換金することができるが、換金レートは100ディルハムが8ユーロと著しく悪い。

今日はタンジェ(Tangier)からアルヘシラス(Algeciras)を経てマラガ(Malaga)まで行く予定になっている。
昨夜、ホテルのフロントマンからアルヘシラスへ行くフェリーが新港から出ること、そこへ行くには無料シャトルバスで1時間ほどかかると聞いていた。
そのため、私たちは6時に起きて出かけることにしたのだった。
そして、意外にも早朝から開いていた旅行会社に入ってみると、まくし立てるようにタリファ(Tarifa)へ行ってバスに乗り継いでアルヘシラスへ行くといい、と言ってきた。
もはや迷うこともなく、私たちはFRSのフェリーとスペイン側の連絡バスのジョイントチケット(37ユーロ=3,940円)を買って、港へと急いだ。
なぜ、ここでユーロかと言うと手持ちのディルハムが足らなくて、ユーロでもいいか、と聞いたらOKだったからだ。
しかし、2人の残金を合わせれば1人はユーロ、1人はディルハムで払えたから、すでにこの時点で冷静さを失っていたとも言えるかな。

フェリーの出航時間は7時、旅行会社のスタッフから急げと言われた理由が何となくわかるような乗り場の遠さだった。
何といってもタンジェ港(Port de Tanger)のゲートをくぐってから出国審査場まで20分もかかったのだ。
それゆえ、出国審査場に着いた私たちは出航10分前と完全にテンパっていた。
それを狙いすましたように寄ってくる怪しげなオトコたち、出国書類をチェックすると言って私には小銭をせびり、アンシャンレジームさんには紙幣を寄越せと言ってきた。
完全に彼らを疑うこともなく、というかディルハムが余っていたから、というのが正直なところなのだろうが、怪しげなオトコたちに渡す必要もない賄賂を渡して、正規の出国審査を通ったときには出航の5分前を切っていた。

ところで、外務省の海外安全ホームページのモロッコ編には

査証、出入国審査等
2. 出入国審査
(3) 出国時の審査において、正当な理由なく出国を拒否されることがありますので注意してください。
近年、日本人と偽った東洋人が偽造パスポートを使用して欧州方面へ密入国するという事案が多発しており、東洋人に対する出入国管理が強化されています。
このため、空路でモロッコに入国し、タンジェ港などからスペイン等へ向けて出国する日本人が、出入国管理担当者より、「空路でモロッコに入国した者は空路で出国しなければならない」などと言われ、出国を拒否される事例が発生しています。
モロッコには、「空路で入国した場合、空路で出国しなければならない」という規定はありませんので、出国拒否の理由に疑義がある場合には、在モロッコ日本国大使館へ御連絡ください。

という記述があり、ガイドブックにも注意喚起がされている。
ところが、モロッコの出入国管理事務所ではアラビア語やフランス語は通じるが、英語はほとんど通じないとあるので、これまたワールドインベスターズで知り合ったMarieさんに頼んでアドバイスと、フランス語の言い回しを教えてもらった。
幸いにしてそれを使うことはなかったが、モロッコからフェリーで欧州へ向かう人は知っておくといいだろう。
ただ、冷静に考えると向こうが英語を話せなければ、こういうトラブルに巻き込まれる可能性もあまりなさそうな気もするけどね。(苦笑)
とりあえず彼女曰く、

何か言われて足止めされたら
Pourriez-vous nous l'expliquer en anglais? (英語で説明して頂けませんか?)
と書いた紙を出し、首を振られたら、
Bon, Nous appellerons à l'ambassade du Japon pour demander de tranduire et verifier l'information.(では日本大使館に電話して、通訳と情報の確認を依頼しますよ)
と書いた紙を出して、電話(0537-63-17-82~85)するフリをしたらいかがでしょうか。

あと、「飛行機で入国した人が帰りもまた飛行機で出国することを義務付ける規則があるとは思えません。少なくとも、モロッコ観光省はアナウンスしていませんよ。」というのは
Nous ne croyons pas qu'il y a le règlement qui oblige des visiteurs qui sont entré par avion à sortir aussi par avion. Au moins Administration du tourisme (Royame du Maroc) ne l'annonce pas.
です。

とのことだ。

何とか無事にフェリーに乗った私たちは船内で寛ぐことにした。
カフェテリアが船の前方にあるので行ってみると、軽食とジュース、コーヒーくらいならありそうだった。
値段はすべてユーロ表示だったのだが、余っているディルハムを使おうと聞いてみたが、やはり使用できないとのことだった。
急いでいたので2人ともそれぞれ200ディルハム(1,900円)余りを残して出国してしまい、これは旅の土産にするしかないな、と思った。
ガイドブックにはモロッコを出ると両替はできないと書いてあったし、船内では免税品などを売っている雰囲気はなかった。
仮に免税品などが買えたとしてもディルハムを使うことはできなかっただろう。

タンジェ(Tangier)からマラガ(Malaga)へ
Hotel Valencia, Tangier Tangier Nouvelle Ville
Hotel Valencia タンジェ新市街(Tangier Nouvelle Ville)
Tangier Nouvelle Ville Tangier Port
タンジェ新市街(Tangier Nouvelle Ville) タンジェ港(Tangier Port)
Tangier Nouvelle Ville FRS Jet Line
タンジェ新市街(Tangier Nouvelle Ville) FRS高速船
FRS Jet Line Tarifa
FRS高速船 タリファ(Tarifa)
Tarifa Algeciras Bus Terminal
タリファ(Tarifa) アルヘシラス・バス・ターミナル

タンジェ(Tangier)からタリファ(Tarifa)まではわずか45分で到着する。
今の時期はモロッコとスペインの時差は2時間(在モロッコ日本国大使館-領事情報及び24TimeZones.com - Local time in Morocco参照)あるので、タリファから連絡バスに乗ってアルヘシラス(Algeciras)へ着いたときには11時を過ぎていた。
連絡バスは港同士を結んでいるので、アルヘシラスのバスターミナルへ行くには15分ほど歩かなければならなかった。
手持ちのユーロの現金が乏しくなってきたので、途中にあったバークレイス銀行(Barclays Bank)でトラベラーズチェック(TC)の両替を頼んだができないと言われた。
この銀行は確かイギリスの銀行だと記憶していたが、最近ではTCを使う人が減ってきているのか、両替が不便になってきているように感じる。
ただ嬉しい誤算はディルハムの両替ができたこと、換算率は相当に悪かったが、単なる紙切れが両替できたので良しとしたい。

ここまで食事らしい食事をほとんどしていなかったが、アルヘシラスのバスターミナルでも軽食とオレンジジュースを腹に入れただけでバスに乗り込む。
アンダルシア地方は列車(RENFE)よりもバスで移動する方がはるかに便利だ。
タンジェから曇天気味だった天気は、アンダルシア地方に来ても変わらず、車窓から見える景色はとても夏のスペインとは思えなかった。
本来なら右側の車窓からはキラキラと輝く地中海、反対側には青い空に映える白壁の家並み、といった絵になる景色が堪能できるはずなのだが、寝不足を解消するための移動時間と化したのは幸いだったのか残念だったのか。

マラガのバスターミナルは幸いに列車のマリア・サンブラーノ(Maria Zambrano)駅のすぐそばであった。
2日後のバルセロナ行きに際して飛行機かAVE(Alta Velocidad Española=スペイン高速鉄道)のどちらを取るかということで、アンシャンレジームさんの選択は列車、AVEの予約とホテルの予約のために駅へ足を運んだのだ。
列車の予約は整理券を取って列に並び、番号が点灯したらカウンターへ行くというシステムを取っている。
英語もそれなりに通じるし、支払いはクレジットカードでもOKだ。

アルカサバ(Alcazaba)
Alcazaba Alcazaba Alcazaba Alcazaba Alcazaba
Alcazaba Alcazaba Alcazaba Alcazaba Alcazaba
Alcazaba Alcazaba Alcazaba Alcazaba Alcazaba

AVEのチケットを入手した私たちはもう一つやるべきことがあった。
それは言うまでもなくマラガのホテルの確保であり、マリア・サンブラーノ(Maria Zambrano)駅の観光案内所では地図やパンフレットはくれるものの、ホテルの予約はできないとのことだった。
私がチケットを買うために並んでいる間に、アンシャンレジームさんに確認してもらったところ、ホテルの予約ができるのは、マリーナ広場(Plaza de la Marina)にあるオフィス(Municipal Tourism Central Office: 9:00-20:00)と、ピカソ美術館(Picasso Museum)の近くにあるオフィス(Centro de Recepción de Visitantes Ben Gabirol: 9:00-18:00)ということだった。

さらに、ガイドブックにはもう1箇所、RENFE Cercanias (近郊線)のセントロ・アラメダ(Malaga Centro Alameda)駅の近く、郵便局(Oficina de Correos)の前に観光案内所(Punto de Información Turística - Correos)があると書いてある、
私たちはそこでも大丈夫だろうと行ってみてビックリ、営業時間を見てガックリやらムカついたのやら、何と10時から14時までしかやっていない。
いくらアンダルシアでもそれはないだろう、と思うのだが、キオスク風の案内所とあるのは、単なる派出所みたいなものだった。
そうなるとホテル街となっている地区で、外観が良さそうなところに手当たり次第に当たるしかない。
そして見つけた1軒のホテルがこの日に泊まったところというわけだ。
私たちの希望はシングル2部屋を連泊で押さえることだったが、残念ながら一晩しか取れなかった。
実のところ翌日はファミリールーム(4人部屋)を2人で使ってくれということだったが、一旦ペンディングにして、私は市内観光へ出かけることにした。
一方、アンシャンレジームさんは休憩してからホテルと部屋の再交渉をしてくれるということだったので、お任せすることにした。

カテドラルとその他の夜景(Cathedral of Malaga and other night view)
Cathedral Cathedral Cathedral Cathedral Cafe Santa Maria
カテドラル(Cathedral) Cafe Santa Maria
Taberna Gallega night view of Alcazaba Cathedral Cathedral Cathedral
Taberna Gallega アルカサバ
(Alcazaba)
カテドラル(Cathedral)
night view of Malaga night view of Malaga night view of Malaga
マラガの夜景

一向に曇天気味の天気が回復する気配がなかったが、カテドラル(Cathedral)の外観を何枚か写真に取り、アルカサバ(Alcazaba)へと向かった。
カテドラルは平日の営業時間が10時から18時(土曜は17時まで、日祝は休み)なので、ギリギリで中へ入ることができなかったが、アルカサバは9時30分から19時までなので、ゆっくりと見学することができた。
このアルカサバは古代ローマ人の要塞跡に、ムーア人(Moors/Moro=北西アフリカのイスラム教徒)によって11世紀に築かれたものなので、中は幾何学模様が美しい宮殿の一部とイスラム式の庭園が残されている。
このあたりは古くはイスラム教徒とキリスト教徒が戦争を繰り返した地なので、こうしたイスラムの文化が色濃く残っているようだ。
ただ、この日は夕食前の駆け足観光だったために、ピカソ美術館やヒブラルファロ城(Gibralfaro Castle)まで行けなかったのは残念だが、また今度来たときにじっくりと見てみようと思う。

アルカサバを出たのは7時半過ぎ、アンシャンレジームさんとは夕食まで別行動にしたので、どこかで待ち合わせようと電話をしてみる。
イビサ島で買ったSIMカードが初めて役に立った(笑)わけだが、彼曰く、ホテルとの再交渉ができなかったと言う。
どうやら私たちがチェックインしたときにフロントにいた英語が堪能な女性が、シフトチェンジになって、スペイン語しかできないオヤジに変わっていたらしい。
あのときにペンディングにしないで、即決してしまえば良かったと後悔したが、時すでに遅しである。
こうした流れのときは段々と悪い方へいくもので、2人でタパス(tapas)をつまみながら食前酒を飲んだあと、ネットカフェに入ってホテル探しをしてみるものの目ぼしいところは満室、おまけに外は季節外れの雨が降ってきた。
あとはホテルの予約サイトに載っていない安宿や、ドタキャンによる空室を期待して街歩きをすることが最後の望みというわけだが、最後の最後で、雨の中で果敢にチャレンジしたアンシャンレジームさんが部屋が取れたと言ってきた。
とりあえず最大の難局をクリアすることはできたが、問題は18日のバルセロナのホテルだった。
なぜならネットカフェで検索したときに200ユーロ(23,300円)もするような高級ホテルを除けば空室がヒットしなかったからだ。
PIGS危機の渦中にあると言われるスペインだが、このとき私が思ったのは、どこが不況なんだよ、という恨み節でしかなかった。

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