9/18(Sat) | マラガ(マリア・サンブラーノ) 8:20-(RENFE/AVE)-14:05 バルセロナ(サンツ) |
宿泊先 | Chiquito / 50EUR (5,330JPY) per night |
諸費用 | RENFE / マラガ-バルセロナ (AVE 2等): 141.2EUR=15,040JPY TMB (1回券): 1.4EUR=150JPY |
関連サイト | 欧州総合リンク スペイン アンダルシア バルセロナ |
いよいよ今回の旅行も最終目的地であるバルセロナへ向かうことになる。
ここでもマラガ同様に駅に着いたらホテル探しをしないといけないのだが、ネットカフェでアクセスしたホテル予約サイトの空室状況を見ると難航しそうな気配が濃厚であった。
インターネットがなかった時代は、空港や大きな駅の観光案内所でホテルを斡旋してもらうのが一般的だったが、今や一部の格安ゲストハウスなどを除いては、あらかじめネット予約をした方がはるかに安く部屋を確保できる時代になった。
おまけにBRICs諸国を始めとする新興国の経済成長により、スペインのような人気のある観光国には津波のように人が押し寄せているのだろう。
当初、バルセロナは最終日だけの1泊になるか、連泊するのか不確定だったので、日本で予約を入れて行かなかったのだが、それをこのときほど後悔したことはなかった。
スペインの誇るAVE(Alta Velocidad Española=スペイン高速鉄道)ができたのはセビーリャ万博の開催された1992年、それから約20年の歳月を経て、AVEはアンダルシア地方の都市と、マドリードやバルセロナを結ぶ主要な移動手段となっていた。
ホームでは手荷物のセキュリティ・チェックがあるところが飛行機並なのだが、乗客自身に対してのチェックがないところは12年前と全く変わっていなかった。
車内は予想外にガラガラで、さすがにLCC(Low Cost Carrier=格安航空)がこれほど発達すると、昼間の6時間を移動で潰す鉄道の旅は敬遠されているのかもしれない。
ちなみに私が密かに楽しみにしていた食堂車(カフェテリア)だが、こちらも予想に反して軽食と飲み物しかサーブされなかった。
食文化が成熟しているスペインでは、ビーチサイドレストランや列車の食堂車でさえ、味をおろそかにせず、きちんとしたものが出てくるので、密かに期待していたのだが、それも時代の波とともに簡素化される運命にあるのかもしれない。
マラガ・マリア・サンブラーノ駅(Malaga Maria Zambrano Station) | |
カフェテリア | ペンション・チキート(Pension Chiquito) |
私たちの乗った列車は、途中、コルドバ(Cordoba)とサラゴサ(Zaragoza)を通って、バルセロナまで行くのだが、車内では通過するエリアの外気温が電光板で表示されるようになっている。
その気温が9月とは思えないものだったのと、曇天が続く車窓の景色を見る限り、これだったらマラガにもう1泊すべきだったかと思えるような状況だった。
途中で、カフェテリアへ行き、食べそびれた朝食を取っていて、フト閃いたことがあった。
ホテル予約サイトで空室がなくとも、ガイドブックに載っている日本人宿なら空きがあるかもしれない、ということだ。
せっかくの携帯電話はこういうときに使わなくては、と思って車内から電話をしてみる。
ガイドブックに載っていたのはオスタル・ヒル(Hostal Hill)とペンション・チキート(Pension Chiquito)の二つ、前者は満室だったが、後者に空きがあった。
海外旅行とは異文化体験のため、というのを目的の一つにしている私は、滅多に日本人宿には泊まらないのだが、今回のような場合はそんなことも言っていられない。
これで無駄なホテル探しをしなくて済むと、安堵したのもつかの間のことだった。
バルセロナのサンツ駅に着いたのは2時過ぎ、ここで地下鉄(TMB)に乗り換えて電話予約したペンションへ向かおうとしたときに事件は起きた。
電車が到着し、アンシャンレジームさんに続いて私が乗り込もうとしたとき、私の荷物を引っ張ろうとしたヤツがいた。
何するのか、と思いきや、私の荷物を車内に引っ張り上げようとしてくれている。
一見、親切そうに見えたその男は囮で、どうやら私の左の前ポケットからサイフを掏ったヤツがいたらしい。
私が気づいたときにはすでに2人とも電車を降りてしまっており、一部始終を見ていたというスペイン人が英語で警察に同行してあげようかと言ってくれたが、盗難届出をしたところで、保険金が下りるものはなかった。
何てこった、と思ったが、幸いにして盗られたのは現金150ユーロ(16,000円)と、Citibankのキャッシュカード、セゾンカード(クレジットカード)だけだった。
それでもカード類を悪用されないうちに使用を止めなくてはならない。
そこで助かったのは泊まるホテルが日本人宿だったこと、室内に日本語環境のあるパソコンがあったおかげで、銀行などの連絡先がわかり、悪用されていないことがわかってホッとした。
今までなら、そういう連絡先は必ずメモして行ったのだが、まさに油断大敵である。
そもそも私のようなオヤジの荷物を持ってやろう、などという奇特なオトコはいない、ということに気づかなかったのがいけないかも・・・
旅の終盤で疲れの出る頃、バルセロナのような大都市で集中力を切らすと大きな陥穽が待っているということだ。
それに、キャッシュカードもクレジットカードも再発行したものは日本の登録住所にしか送れないとのこと、私の場合は帰国まで残りわずかだったからいいが、序盤でこんな目に遭っていたらどうなっていたのだろう。
私は盗まれたカードのほかに、HSBC香港のキャッシュカードとCiticard(クレジットカード)を予備として持っていたので、日本のCitibankへ電話をするか、リスクを覚悟でネットカフェで海外送金すれば大丈夫だったが、こういうこともリスクとして頭に入れておかなければならないと痛切に感じた。
9/19(Sun) | バルセロナ(プラット) 17:00-KLMオランダ航空(KL)1674-19:20 アムステルダム(スキポール) 21:20-KLMオランダ航空(KL)889-翌14:30 香港(赤鱲角/チェック・ラップ・コック) |
宿泊先 | (機 内) |
諸費用 | TMB (1回券): 1.4EUR=150JPY サンツ駅荷物預かり(1日): 3EUR=320JPY RENFE Cercanias (近郊線) / バルセロナ(サンツ)-空港: 2.8EUR=300JPY Barcelona VIP Lounge: 楽天プレミアムカードのPriority Pass |
関連サイト | 欧州総合リンク アジア総合リンク スペイン オランダ 香港 バルセロナ アムステルダム |
今朝はモロッコ以来、久々の好天に恵まれた。
同じホテルにいた日本人曰く、ここ数日は季節外れの悪天候だったというから、フェズからのルートは、夜行列車かバスでマラケシュ(Marrakesh)へ行き2泊した後で、カサブランカを経由してエアーアラビア(Air Arabia)でバルセロナへ戻る、というのが正解だったようだ。
今となっては遅きに失したが、せめてスペイン最終日の滞在を楽しむことにした。
私たちはホテルをチェックアウトすると、サンツ駅へ荷物を預けに行く。
日曜日はホテルで荷物を預かってくれないのと、空港へ行くのにわざわざホテルへ戻ってくるのは時間のロスだからだ。
サンツ駅の荷物預かりはマドリードの空港のときと同じで、預ける前にセキュリティ・チェックを通す。
爆発物や毒ガス噴射器などを入れたバッグを預けられることがないように、とのことだろうか。
アンシャンレジームさんとはここでしばしお別れ、次はKLMのアムステルダム行きの機内で待ち合わせということにした。
私は一旦、カタルーニャ広場(Plaça Catalunya)へ戻り、朝食が取れそうなバルを探す。
そこで見つけた一軒の店、今までのスペイン滞在中に食べていなかったホットチョコレートとチューロという揚げ菓子のセット(Chocolate con
Churros)があるか聞いてみたが、残念ながらないとのこと。
マラガのときも食べ損ねた(メニューにはあったが)ので、今回は縁がなかったと諦めるしかない。
カタルーニャ広場は過去2回のバルセロナ滞在では来たことがなかったことに気づいた。
空港バス(Aerobus)や市内ツアー(Barcelona Bus Turístic)の始発ターミナルだったり、ランブラス通り(Las Ramblas)の起点となるところなのだが、意外な盲点だった。
広場の周囲にはいろいろな彫刻があり、新しい発見をしたような気がする。
時間的な制約でバルセロナは、急ぎ足の観光をすることが多いのだが、1週間くらい滞在していろいろ見てみたいものだ。
今回の滞在もわずか半日、それで何が見れるかと言うと、1883年の建設開始から完成までに200年かかると言われるサグラダ・ファミリア(Sagrada
Família)の進捗状況(!?)の確認だ。(笑)
昨今のスペインの経済成長に支えられて、200年かかると言われていたのが、公式発表では、ガウディ没後100周年目の2026年に完成するべく工事が進められているそうだが、これに間に合わせることができるだろうか。
ところで、このサグラダ・ファミリアだが、昨夜ホテルで出会った日本人曰く、平日でさえ入るまでに相当並ばないといけない、とのこと、それを避けるためにはツアー参加がいいとのことだった。
おそらく、2005年に世界遺産として認められたことと、BRICs諸国を始めとする新興国の経済成長で観光客が殺到したことによるものだろう。
サグラダ・ファミリア(Sagrada Família) | |
個人用チケット売り場(ticket booth for individual)-入場料:12EUR=1,280JPY | |
列の最後尾に加わるのか?(Do they join a queue?) | |
団体入口-予約必須- |
このサグラダ・ファミリア、アンシャンレジームさんは朝一(9時)で並ぶ、と言って出かけたので無事に入れたとのことだが、私がここに着いたのは11時、ご覧の通りの大行列である。
団体用の入口は、ツアー客の入場が一段落したのかガラガラなのだが、しっかりと警備員がいるので、個人用は反対側だと言われて入ることはできない。
一方の個人用は、平日でさえ混んでいるとの情報通り、土曜日の今日は建物を取り巻くように人が並んでおり、とても並んでチケットを買おうという気にはなれない。
仕方がないので、私は建物の外から写真を撮るだけにして、早々に退散することにした。
ちなみに、チケット価格は12ユーロ(1,280円)で、ECB(欧州中央銀行)の旧通貨換算レートは、1ユーロ=166.386ペセタ(Spanish pesetas)なので、1992年の500ペセタ(約3ユーロ:1ペセタ=1.4円換算で700円)、1998年の800ペセタ(約4.8ユーロ:1ペセタ=0.92円換算で740円)で、当たり前のことだが、次第に値上がりしていることがわかる。
こうしてみると、スペインがユーロ導入前は物価が安いということで日本人の間では人気の旅行先だったのだが、今では誰もそんなことを言わないというのがよくわかる。
円高の今でさえ1,300円のものが2年前の超円安のレート(1ユーロ=170円)で換算すると2,000円を超えることになるからだ。
カテドラル(Cathedral of Barcelona) | ||||
サグラダ・ファミリアの外観を一通り見終わったところで、後方から私の名前を呼ぶ声がする。
ここに一足早く来たアンシャンレジームさんで、朝一で並んだおかげで無事に入ることができたそうだ。
それでも全部見終わるのに2時間以上かかっているわけだから、私があの行列の最後尾にいたら飛行機に乗り遅れてしまうところだった。
3時までに空港へ行けばいいので、昼食をはさんで残り2時間余り、最後は日曜ミサをやっているカテドラル(Cathedral of Barcelona)へ行ってみることにした。
行ったときにはちょうどミサの最中、厳粛な雰囲気が漂っていて少し緊張する。
イスラム圏のモスクでは異教徒がこういう宗教的儀式を見るどころか、建物の中へ入ることもできないところが多いが、その点、キリスト教(カトリック)は寛大である。
一方、外では階段のところで、音楽隊が演奏をしており、それを見るための人だかりがしていて華やかだった。
カテドラルを見終わった後でランブラス通り(Las Ramblas)を散策する。
天気がよいせいか、大道芸人たちも観客サービスに余念がない。
チップを渡して一緒に写真を撮ってもらおうとしている人も多く、私も記念に1枚撮ってもらう。
12年前と比べるのもなんだが、大道芸人たちの数も多くなり、パフォーマンスもバリエーションが出てきたように思う。
こういうものも段々と進化してのは見ている方も楽しいので歓迎である。
いよいよ今回の旅行も終わりが近づいてきた。
12年ぶりに来たスペイン、今度来れるのはいつになるのだろうか、そんな思いを胸に秘めながらバルセロナ・サンツ駅へと向かった。