11/4(Mon) | ヘイダル・アリエフ博物館(Heydar Aliyev Cultural Center)見学 企業訪問と未来都市プロジェクト視察
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宿泊先 | Hilton Baku(ツアー料金に含む) |
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com venere (英語・日本語) アップルワールド (日本語)] | |
関連サイト | イスラム諸国総合リンク アゼルバイジャン Japan Business Press (2014.1.23) - 激しさ増すカスピ海の天然資源争奪戦 バクーを制する者カスピ海を制す |
いよいよ今日が今回のツアーのメインイベントである企業訪問と未来都市プロジェクト視察だ。
なお、このイベントは、駐日アゼルバイジャン大使館(Embassy of the Republic of Azerbaijan in Japan)の特命全権大使、ギュルセル・イスマイルザーデ(Gursel Ismailzade)さんを始めとする大使館関係者の力添えなしには実現しなかったものなので、ここであらためてお礼を申し上げたい。
さて、私たちはビジネスルックに身を包み、訪問先企業へと向かうのだが、その前に時間調整ということで、バクー・シーサイド大通り(Baku Seaside
Boulevard)を散策したり、ヘイダル・アリエフ博物館(Heydar Aliyev Cultural Center)に寄ったりした。
そのヘイダル・アリエフ博物館(Heydar Aliyev Cultural Center)、陳列物は大したことない(!?)のだが、建物のデザインの奇抜さは今まで私が訪問した国にはないものだった。
おそらく、この博物館の見どころは中身でなく、建物自体なのではないかと思える程だった。
それと、現地の大学生なのだろうか、この博物館に来ていた多数の女性、いずれも綺麗な人ばかりで、さすがロシア(Russia)、コーカサス(Caucasus)、東欧(Eastern
Europe)方面は侮れないと感じた一瞬だった。(笑)
バクー市内観光 | ||||
ヒルトン・バクー (Hilton Baku) |
フラッグ・スクエアー (National Flag Square) |
バクー・シーサイド大通り(Baku Seaside Boulevard) | ||
ヘイダル・アリエフ博物館(Heydar Aliyev Cultural Center) |
11時になって、私たちはバクー・ホワイト・シティ計画(Baku White City Project)の主体企業であるADEC (Azerbaijan
Development Company)を訪問することになった。
ブリーフィングをしてくれたのは社長のフワッド・ヴェルディエフ(Fuad Verdiyev)さん、このバクー・ホワイトシティ計画は、かつてバクー油田の精製技術が低かった影響で、街の大気汚染・海洋汚染が酷く、周辺国からは「バクー・ブラックシティ」と呼ばれていたものを、ヘイダル・アリエフ(Heydar
Aliyev)前大統領が「世界でもっとも綺麗な街(ホワイトシティ)にする」と宣言したことから始まった30年ごしの夢のプロジェクトだと言う。
そして、現時点では広大なエリアに10個のテーマで都市開発が決定していて、ビジネスエリアや居住エリア、商業エリアなど様々な開発計画が着手されており、数年以内には部分的に稼働する予定だそうだ。
これが実現した暁にはバクーの様相がどう変わっているのか今から楽しみである。
なお、この企業のフェイスブックページには、「日本の視察団来訪(Japaneese delegation visit)」ということで写真が掲載されているので、ご覧いただくといいだろう。
バクー・ホワイト・シティ計画(Baku White City Project) briefed by Mr. Fuad Verdiyev, Head of ADEC (Azerbaijan Development Company) |
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アゼリ・ハウス(Azeri House) |
昼食を挟んで私たちが次に向かったのは、カザール・アイランド計画(Khazar Islands New City Project)の主体企業であるアヴェスタ(Avesta
Concern)である。
ブリーフィングをしてくれたのは投資開発担当役員のフワッド・ガンバロフ(Fuad Gambarov)さん、この計画は、バクー中心部から約30km離れたカスピ海沿岸部に作られた世界最大の人工島に、新しい海洋都市を作るという壮大なプロジェクトとのことだ。
この島は、将来的に100万人が居住する新都市になり、400の学校、80個の5つ星ホテルが建設され、埋め立て最先端の部分には世界最高層ハイパービルディング、高さ1050mを超えるアゼルバイジャンタワーが建設される予定だそうだ。
今はまだ広大な土地の中で建設重機が稼働しているだけだが、これが完成した暁には一大エンターテイメント都市に生まれ変わるのだろう。
要は、将来的には今のドバイのようになる可能性を秘めた計画とも言える。
ちなみに、カザール・アイランド計画には日本の投資は入ってないとのことで、この島に上陸した日本人も私たちが初めてだそうだ。
しかし、「石田和靖の世界経済全力投球Vol.45(2013年11月10日発行)」によれば、この計画には世界各国からは様々なプロジェクトの提案がされているそうで、主に欧米と湾岸アラブ諸国(GCC/Cooperation Council
for the Arab States of the Gulf)が多く投資をしており、総事業費は約12兆円という目もくらむほどの巨大プロジェクトということだ。
具体的には、アゼルバイジャンに続いてカザール・アイランドに最も投資をしているのがトルコ、そして、中国、フランス、ドイツ、米国、英国、ロシア、ドバイ、サウジアラビアと続くそうだ。
是非とも日本にも頑張ってもらいたいものだ。
カザール・アイランド計画(Khazar Islands New City Project) briefed by Mr. Fuad Gambarov Director of Business Development and Capitals Department of Avesta Concern |
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今日の最後の訪問先はアゼルバイジャン国営石油(SOCAR/State Oil Company of Azerbajan Republic)だった。
ブリーフィングをしてくれたのはマーケティング・投資担当副社長のエルシャド・ナシロフ(Elshad Nassirov)さん、主として、アゼルバイジャンの天然資源の現状及び将来見通しについて説明してもらった。
現状維持のままで石油を生産した場合でも、あと50年分の埋蔵量があることと、未開発の土地にはシェールガスやシェールオイルが大量に眠っているとのことだ。
現時点ではこれらの資源を開発する必要性がないとのことだが、いずれにしても、この国にはまだまだ豊富な資源が眠っているため、資源立国としての地位は揺るがないのではないかと感じた。
ちなみに、この会社の公式ウェブサイトでも「日本の使節団来訪(Japanese delegation pays visit to SOCAR)」という記事が掲載されたことは驚きである。
アゼルバイジャン国営石油(SOCAR/State Oil Company of Azerbajan Republic) briefed by Mr. Elshad Nassirov, Vice President for Investments and Marketing |
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今日の企業訪問と未来都市プロジェクト視察はこれにて終了だが、私としては投資をするツールがあるならば、アゼルバイジャンの将来に賭けてもいいのではないかと感じた。
アゼルバイジャン訪問記を書いた小長井さんは、「居住用の不動産は外国人も購入可能だが、土地の所有権は持てないので、建物の所有だけとなる。急激に人口が増えているこの街(バクー)で不動産投資と言うのは決して悪くないのでないと思われる。なお、法人であれば土地を所有することが可能で、3日あれば100%外資の法人設立が可能になったとのことで、1年前とは大きく変化しているのも驚きであった。」と書いている。
現時点で現地法人を設立するには言葉の問題、最低でも英語とアゼルバイジャン語の通訳、あるいは英語を話せる専門家は必要と思われるので、そのあたりをどうクリアするかが鍵であろう。
私の場合は、不動産投資というより、ETF (Exchange Traded Fund)などを通じた株式投資の方向性を探ってみたいと思ったが、今のところ該当するものはなさそうだ。
一応、アゼルバイジャンにはバクー証券取引所(Baku Stock Exchange)というものがあるが、ETFに組み入れられるような株式はまだないだろう。
あるとすれば、Frontier Marketsの括りになるのだろうが、ETF Databaseでスクリーニング(screening)をかけてみても、今のところは中東・アフリカ(MENA Countries)の株式ETFといった感じで、ヒットしたものは4種類、iShares MSCI Frontier 100 (FM)、Guggenheim Frontier Markets ETF (FRN)、PowerShares MENA Frontier Countries (PMNA)、そして、Global X Next Emerging & Frontier ETF (EMFM)といったところだ。
ちなみに、国際通貨基金(IMF)の記事では、コーカサス(Caucasus)と中央アジア(Central Asia)と合わせてCCA regionと書いているが、今後はそういう括りになるのだろうか。(IMF October 25, 2013 - Caucasus, Central Asia See Robust Growth, But Risks
Remain)
夕食はアゼルバイジャン料理でなく、アジア料理のJasmine Restaurantだった。
ちょうどアゼルバイジャン料理に飽きてきた(!?)ので、中華料理が出てきたのはちょうど良かったとような気もするが、この国には中国人はどの程度いるのだろうか。
カザール・アイランド計画(Khazar Islands New City Project)には中国もかなり投資しているようなので、人間もそれなりに来ているような感じもする。
でもアジア系の人は街中ではあまり見なかったような気がするが、実際のところはどうなのだろうか。