灼熱のアンダルシアへ

7/19(Sun) マドリード(プエルタ・デ・アトチャ) 9:00-(AVE 18)-11:30 セビーリャ
セビーリャ市内観光
宿泊先 Pérez Montilla / 3,000pta (\2,760) per night
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com (英語・日本語)]
諸費用 AVE (Alta Velocidad) / Madrid-Seville 通常時間帯(Llano) 2等車: 9,500pta=\8,740
グアダルキビール川のリバー・クルーズ: 1,500pta=\1,380
関連サイト 欧州総合リンク スペイン マドリード アンダルシア

AVE trainここまで一緒に旅してきたタキと別れた私は、1992年のセビーリャ万博開催に合わせて登場したRENFE(Red Nacional de los Ferrocariles Españoles=スペイン国鉄)の誇るAVE(Alta Velocidadに乗って、灼熱のアンダルシアの中心地であるセビーリャへ向かった。
始発駅のアトーチャ(Puerta de Atocha)駅には日本人観光客の姿もチラホラ見られ、列車の前で写真を撮り合う男性同士のグループや、ここにもいたか!のキャミソール女を連れた新婚風のカップルと、さすがにスペインの首都だけある。

AVE(Alta Velocidad)は全車指定制で、その料金は、通常時間帯(Llano/Normal)の2等(Turista/Tourist Class)で9,500pta(\8,740)と、結構値が張るのだが、乗り心地も良く、飛行機並にヘッドセット(headset)がついていたりしてなかなかいいものだ。
しかも、この列車にはカフェテリアが連結してあるので、食事抜きで乗っても問題ないし、むしろ食事を楽しみながら旅をすることも学んだ方がいいかもしれない。
これが、列車を移動の手段としてしか用いない国と、旅を楽しませる国の違いだ。
ちなみに、1日数本ある閑散時間帯(Valle/Off-peak)だと料金は15%引きとなる。
これも、日本の感覚と違って、いかにもスペインらしいと思ったのは、到着時刻が昼寝(siesta)の時間にかかる列車が、閑散時間帯に当たっているのだ。

また、乗車前には手荷物のセキュリティ・チェックがあるところも飛行機並のところがあるが、肝心の乗客自身に対してしないところが、いかにも間抜けというか、何というか、ほとんど意味ないではないか!といったところだ。
とりあえず、車内はほとんど満席だし、昨夜はマドリードに着いたのが遅かったので、バルセロナでAVE(Alta Velocidad)のチケットを取っておいたのは正解だったようだ。

終着駅であるセビーリャのサンタ・フスタ(Santa Justa)駅に到着、ここの観光案内所ではホテルの予約もできるし、ガイドブックなども貰える。
ここで取ったオスタルはPeréz Montillaというところで、3,000pta (\2,760)という安さにかかわらず、部屋にはエアコンまで付いているほどだった。
それに、観光地に近いという立地条件や、路地に入ったところにあるので閑静な環境にあること、それにセキュリティの点でも申し分なかった。
但し、オスタルの女将さんも、町の人たちも英語がほとんど通じない、ということを除けば理想的なところだと思った。

何しろ、そこへ行くのに、通りすがりにオスタルの場所を尋ねても、スペイン語でしか答えが返ってこないので、途方に暮れてしまうのだ。
ただ、この町の人たちは、土地柄がのんびりしているのか、人も良さそうな人が多いので、ただニコニコとするしか能がない私は、非常に悪いな〜と思うのだが、最後に"Gracias."と言うのが精一杯で・・・
結局、彼らのジェスチャーを頼りに進むも、路地裏の建物は何の目印もないので、勘を頼りに進むしかない。

そして、苦節30分(!?)、ようやく到着すると、今度は玄関が開かない。
やばい!シェスタ(siesta)の時間か?下手すると2時間くらい外に締め出されるのか?
と、頭の隅をよぎったね
でも、落ち着いて探すとノッカーがあるので、それを鳴らすと、今度は何やら声がする。
それがスペイン語だから何のことだかさっぱりわからない。
とりあえず、英語で"Hello!"と言うと、向こうは観光案内所で予約した客だというのがわかって、ようやく玄関のロックが外れたというわけだ。
と、いうことで玄関の出入りにはオスタルの女将さんの承認(!?)が必要のようだ。
でも、夜遅くなる時はどうするんだ?
彼女たちは宵っ張りだから問題ないかな?

セビーリャ観光
Plaza Espanya Plaza Espanya
スペイン広場(Plaza de España)
Giralda Cathedral
ヒラルダの塔とカテドラル(The Giralda and Cathedral)
Guadalquivir River Guadalquivir River
グアダルキビル川(Río Guadalquivir)

真夏のアンダルシアというのは、うだるような暑さで、とてもじゃないが、市内観光をする、なんて雰囲気にはない。
普通の人ならコスタ・デル・ソル(Costa del Sol)にでもバカンスに行って、フライパンのように焼けたアスファルトの上を歩いて観光などしたりしないものだ。
観光するとしても、観光案内所で配っていた"Sevilla Tour"のトラムツアー(1,500pta=\1,380)でも使うだろう。
もし、あなたがBudget Traveler(格安旅行者)の場合でも市内バス(Transportes Urbanos de Sevilla)の情報は得ておく方が良いかもしれない。

さて、私はと言うと、何と柄にもなくタキのように炎天下を街歩きし始めることにした。
まずは、スペインならどの町にでもあるというスペイン広場(Plaza de España)からだ。
ここは、例のトラムツアーが立ち寄る4つのバスストップである黄金の塔(Torre del Oro)、スペイン広場(Plaza de España)、カルトゥハ修道院(Monasterio de la Cartuja)、マギカ島(Isla Mágica)の1つにもなっていて、市民が憩うマリア・ルイサ公園(Parque de María Luisa)の一角にある。
特徴は、半円形の建物の両端に塔が立ち、半円の内側が広場となっていることだ。

飲んだビールが次々と汗となって消えていくような陽気の中、次に私が向かったのは、当地の最大の見どころである、ヒラルダの塔とカテドラル(La Giralda y Catedral)である。
これを見なければ、何のために苦労して焼けつくような暑さの中を歩いているのかわからないと言われるものだ。

セビーリャのカテドラル(Catedral)は、世界ではローマのサン・ピエトロ寺院(Basilica di San Pietro)と、ロンドンのセント・ポール大聖堂(St. Paul' s Cathedral)に次いで3番目、スペインでは最大のカテドラルとして特筆されているところだ。
そして、当地のシンボル的存在となっているヒラルダの塔(La Giralda=右の写真)は、カテドラルの鐘楼で、もともとはモスク(mosque)のミナレットだったと言われている。
また、カテドラルの中はステンドグラスや祭壇画で飾られ、まるで美術館の中のようで、特に、中心部分にある中央礼拝堂(Capilla Mayor)には、細かい彫刻が全面を覆う大祭壇があり、これらに関心のある人にとっては、見どころたくさんのところだ。
ちなみに、開場時間と料金は、平日が10:30-17:00で700pta(\640)、日曜・祝日は14:00-18:00で無料となっている。
私の場合、たまたま運良く開いている時間に行けたが、もし、開いていなかったりしたら単に写真を撮りに行っただけで終わるところだっただろう。

でも炎天下の街歩きは辛いね。
そろそろ冷たいビールでも飲まなきゃ・・・と思いきや今日は言うまでもなく日曜日、キリスト教圏では商店すら休みになってしまうことが多いが、ここセビーリャでは、それが徹底しているようだ。
要は、日曜・祝日(domingos y festivos)は安息日として働かないようになっているので、一部の観光客向けの土産物屋や飲食店以外は開いていないのだ。
このあたりは、日曜・祝日を書き入れ時としている日本人には理解できないが、この暑さの中で、慣れないマップ・リーディングをしながら、ゴーストタウンと化した町を歩いていると気が滅入ってくるので、くれぐれも日曜を街歩きなんかに充てないようにしよう。

ようやく見つけた一件のカフェで冷たいビールを流し込み、闘牛(corrida de toros / bullfight)でも見に行こうと思い、トボトボとマエストランサ闘牛場(Plaza de Toros de la Maestranza)まで歩く。
そう、私の持っているガイドブックによると闘牛は3月15日〜19日のバレンシア(Valencia)の火祭り(Las Fallas de San Jose)に始まり、原則として日曜と祝日に開催され、10月7日〜13日のサラゴサ(Zaragoza)のピラール祭り(Fiestas del Pilar)でシーズンを終えるとある。
ところが、ここでは「あまりにも暑いから闘牛はやらない。」と、いうことらしく、闘牛場はクローズしていたのだ。
わざわざ 、こんなところまで歩いてきたのは何のため?
きっと、闘牛士だって35℃も気温がある中で、働きたいとは思わないだろうし、第一、見物客も集まらないからかな?

そこで、時間潰し(!?)に私が選んだのは、グアダルキビール川(Río Guadalquivir)のリバー・クルーズで、人気の方はほとんどなく、席はガラガラで、川で水遊びをしている若者の方が多いくらいだった。
その彼らは、お世辞にも綺麗とは言えない川で遊んでいたのだが、これだけ暑いと、多少の汚さはあまり気にもならないのかもしれない。
汚いといっても、湘南や三浦海岸に比べれば、こちらの方がマシかなというレベルだから決して泳げないわけではないだろう。
何と言っても、クルーズ船から見ている私でさえ、観光なんか止めて水遊びでもしようか?と思ったぐらいなのだから・・・

スペインに限らず、夏にヨーロッパを旅行している場合は、ホテルへ1度戻ってからシャワーを浴びて出直すと、ちょうどいい時間になるようだ。
でも、1人旅の場合は、食事をするところを探すのに苦労する場合がある。
別にレストランがないわけではないが、言ってみれば、グループやカップルでないと入り辛い雰囲気にさせられることがあるというわけだ。
その悩みを早く解消するためにも最低限の語学力を身につけたいと思うのだが・・・

ところで、体調の方は相変わらずで、薬マニアとなった私は、泊まっているオスタルの親父(彼だけは英語が通じる)から風邪薬を貰うことにした。
ここにはミランダ(Miranda)という可愛い女の子もいるのだが、残念ながら彼女は英語が話せないのだそうだ。
あと、彼らは朝寝坊だから、翌朝の9時以前にチェックアウトしたいなら要注意だね!

アルハンブラ宮殿へ

7/20(Mon) セビーリャ 9:00-(Bus)-12:00 グラナダ
アルハンブラ宮殿見学
宿泊先 Anacapri / 6,000pta (\5,520) per night
[booking sites for you / agoda.jp Booking.com Hotel Club venere (英語・日本語) アップルワールド (日本語)]
諸費用 Transportes Alsina Graells / Sevilla-Granada: 2,400pta=\2,210
グラナダ市内バス: 120pta=\110
アルハンブラ宮殿(Alhambra)入場料: 750pta=\690
関連サイト 欧州総合リンク スペイン アンダルシア

早起きするつもりだったのが、すっかり寝坊してしまったようだ。
セビーリャからグラナダまでのバスは1日9往復で、次の都市で半日でも観光をと考えるなら午前中の便がいい。
サンタ・フスタ(Santa Justa)駅の観光案内所で貰った時刻表(下表)を頼りに計画すると、9時のバスには乗らなくてはならないのだが、時間的にかなり厳しそうだ。
うだうだとしていて、今日1日を単なる移動日としてしまうとアルハンブラ宮殿へ行くことが難しくなるからだ。

そういうわけで慌ててセビーリャのバスターミナル(Estación de Autobúses del Prado de San Sebastián)に行くと、すでにたくさんの観光客が集まっている。
ほとんどが、欧米人のバックパッカーで、ターミナル内のバルも出発前の慌ただしさが渦巻いている。
そこで、昨夜レストランで出会った学生風の2人組にまたしても出会うことになったが、彼らは、今日はマラガへ日帰りで行くとかで、きっとピチピチギャルを見物に行くのだろう。
でも日帰りというのが日本人らしい日程ではあるがね。

一方の私はと言えば、朝寝坊したせいで、朝食をゆっくりと取る暇もなかったが、バルで注文したボカディーヨ(スペイン風のサンドウィッチ=bocadillo)を、カフェ・オ・レ(Café con leche)で流し込んで、何とかバスの出発時刻に間に合わせることができた。
このボカディーヨ(スペイン風のサンドウィッチ=bocadillo)というのは、一種のファースト・フードで、フランスパンの中にハム(Jamón)やチーズ(queso)、オムレツ(tortilla)などを挟んだコンビニエンスな代物なので、時間がない時や、軽食で済ませたいと思う時はこれにするといいだろう。
頼み方は、"Bocadillo con 〜 por favor. / 〜 sandwich please."という具合にやればいい。
スペイン語で"con"は英語の"with"と同義、"por favor"は"please"と同じだから・・・

かくして、私は朝寝坊したにもかかわらず、9時発の直行バスに間に合うことができたのだが、仮に、23時発の夜行バスに乗ったとすると、何時に着くのかな?
誰か勇気(!?)のある人がいたら試してみない?

セビーリャ・グラナダ間のバスの時刻表
(1998年7月現在)
Transportes Alsina Graells (Price: 2,400pta=\2,210)
出発地 セビーリャ(Sevilla) グラナダ(Granada)
バスターミナル Estación de Autobúses
del Prado de San Sebasti
án
Paseo Estación de Autobúses
de Granada de Ronda
時刻表
(Horario)
出発時刻 備考 出発時刻 備考
8:00 直行便 3:00 経由便
9:00 直行便 8:00 直行便
11:00 直行便 10:00 経由便
12:00 直行便 12:00 直行便
15:00 経由便 14:30 経由便
15:30 直行便 15:30 直行便
16:30 直行便 16:30 直行便
19:30 直行便 20:00 直行便
23:00 経由便 20:15 直行便

バスに乗ること約3時間、グラナダのバスターミナル(Paseo Estación de Autobúses de Granada de Ronda 97)に到着する。
バスターミナルとは言え、鉄道よりも重要な交通手段として活用されているところでは、生半可な駅舎よりも設備の点では整っているようだ。
しかし、ここのバスターミナルの欠点は、市の中心部までが異常に遠いこと、セビーリャの時が徒歩圏だったのとは大違いである。
従って、ここでもアクセスには市内バス3番を使うことになるのだが、目指すはコロン大通り(Gran Vía de Colón)、当然ながら下車のタイミングは賑やかそうな通りになったら・・・という極めてアバウトな方法だ。
何で乗客や車掌に聞かないのかって?
そりゃ、英語が話せる人は旅人、現地の地理に詳しそうな人は英語が話せない、という昔ながらのスペインの姿がここには残っているからね・・・日本よりマシだけど。

Plaza de Isabel la Catorica Cathedral
イザベル・ラ・カトリカ広場
(Plaza de Isabel la Catórica)
カテドラル(Cathedral)

と、いうことで市内バスに乗ったのはいいが、ラッシュアワー並の混雑、というか皆がバックパックなんかを持っているから、関取がたくさん乗っているようなもので、乗っている人の数の割りには混雑度が高く感じられるのだ。
そして、窓の外を見ながらどこで降りようか?と考えるが、当然いい知恵が出てくるわけがない。
何と言っても、肝心の観光案内所は町中に行かないとないので、現地の地図はないし、日本語ガイドブックの地図は、カテドラル(Catedral)以外の目印は皆無という素晴らしい(!?)ガイドだから何を言わんかであろう。

とりあえず、大通りに入ったところで、欧米人のバックパッカーが何人か降りたので、釣られて私も降りることにした。
ただ、こういう方法は、たまに失敗することもある。
特に、真夏の太陽に照りつけられて歩き続けるのは非常に酷だ。

こういう状況下で、チープかつ安全に休憩を取るには銀行へ行って冷房の効いたフロアで休むのが一番である。
私が入ったのはカイシャ(Caixa)という看板のかかった銀行だが、ここでは所有者が漢字でサイン(holder's signature)してあるTC(Travelers Check)でもカウンターサイン(counter signature)は、英語のサインを併記させられるのだ。
なぜだが、よくわからないが、一方のサイン(holder's signature)が漢字だけで、しかもパスポートのサインも漢字だけなのに、カウンターサイン(counter signature)だけ英語を併記させてどうするのだろう。
もしかすると、日本の役所の書類に押す三文判と同じで、それを見て実質的に何かを判定するのでなく、スタッフがそれを見て安心するだけなのかもしれない。

いよいよスペインペセタへの両替も最後となりそうだが、ここまで日本から持っていったペセタのTC(Travelers Check)の120,000pta (\110,160: 1998.7.4 東京三菱銀行)と、Citibankのキャッシュカードで下ろした現金の、29,000pta (\27,506: 1998.7.13-17の合計) を使っている計算になるので、合計で約140,000円を使っている計算だ。
このレベルはバックパッカーとしては失格かもしれないが、日本人のサラリーマン・トラベラーの、「時は金なり」の原則でいけば、合格点が貰えるかもしれない。
でも、1日1万円の出費は、ちょっと使いすぎかもしれないね。

ところで、アンダルシアに来たとたんに日本人旅行者と会話をする機会も増えたのだが、それは私と同じようなフリーツアーの人を見かけることが多くなったというのもあるが、一番大きな要素は同行していたタキが一足早く帰国してしまったことで話相手に飢えてしまったということであろう。
それに、アンダルシアを旅行している女の子は綺麗な娘が多かったというのも多分にあるのだけれどね。

ちなみに、私の取ったホテルは観光案内所を探し求めて歩いているうちに、あまりの遠さと暑さに嫌気が差して、涼しそうな雰囲気のところに飛び込んだものだ。
もちろん、コロン大通り(Gran Vía de Colón)沿いにも格安なペンションもたくさんあったのだが、もはや軟弱なおじさんトラベラーと化している私には、ノン・エアコン・ルームだと耐えられそうもないので、大枚はたいてここに泊まったのだ。
こんなところに泊まってれば1日1万円の出費は当然だな。

ちなみに、私が探し求めていた観光案内所がどこにあったかと言うと、何とホテルの近くのイザベル・ラ・カトリカ広場(Plaza de Isabel la Catórica)からレイエス・カトリコス通り(Calle Reyes Católicos)をプエルタ・レアル(Puerta Real)の方に向かって行ったところにあったのだ。
汗だくになりながらの苦役(!?)から開放されて、身も心も軽くなった途端に、あまりの遠さと暑さに嫌気が差して見つける気も失せていた観光案内所が目の前に見えたり、格安なホテルが現れたりと、得てしてこんなものなのだろう。
もう少しの努力と忍耐が足らなかったね・・・何せ軟弱なおじさんトラベラーだから・・・

アルハンブラ宮殿とヘネラリフェ(Alhambla and Generalife)
Alhambla and Generalife Alhambla and Generalife
カルロス5世宮殿(Palace of Carlos V) アセキアのパティオ(Patio of the Acequia)
Alhambla and Generalife Alhambla and Generalife
アルハンブラにあるベラの塔からの眺め(The view from the Tower of the Sail)

さて、いよいよアルハンブラ宮殿(La Alhambra y el Generalife)見物へ出発である。
足は、アルハンブラ・バス(Alhambra Bus: 120pta=\110)がヌエバ広場(Plaza Nueva)付近から出るので、それに乗るといい。
観光案内所で貰った地図だと、イザベル・ラ・カトリカ広場(Plaza de Isabel la Catórica)から出るようになっているが、こういう変更は随時あるのかもしれない。

もし、あなたが私と違って健脚を誇る旅行者ならば、ゴメーレス坂(Cuesta de Gomerez)をテクテクと歩いてもいいかもしれない。
ただ、それは途中の土産物屋を冷やかしながら歩きたいとか、途中で出会う人と会話を楽しみたいとかいう目的がない時は止めた方がいいし、下りに限るべきだろう。
なぜなら、こんなクソ暑い中を目的もなしに歩くことによって得られる利益は、ゼロに等しいからだ。

アルハンブラ宮殿(La Alhambra y el Generalife: Mon-Sat 9:00-20:00 / Sun 9:00-18:00 / Night visit 22:00-24:00 only Tue Thu Sat)は、大きく分けて王宮(Palacios Nazaries)、カルロス5世宮殿(Palacio de Carlos V)、アルカサバ(Alcazaba)、ヘネラリフェ(Generalife)からなっている。

この中で、私が最初の見学コースとしたのは、ヘネラリフェ(Generalife)である。
国王の夏の離宮と言われる、ここの観光のメインは、アセキアのパティオ(Patio de la Acequia)、長方形の庭があり、その池の両側から吹き出している噴水が交差して、水辺に植えられた花々との調和が一段と美しさを醸しだしている。
もちろん、このパティオの写真を撮っている人も多く、庭園マニアのように何枚も撮りまくっている観光客もいてここがメインの見学コースということは誰の目にも明らかだ。

また、ここではネバダ山脈(Sierra Nevada)から流れ出る清流を引き入れており、それに手を浸けると、とても冷たくて気持ちいいのだ。
おそらく、衛生状態の悪いどこかの国のように大腸菌なんぞ混入してないので、手ですくって飲んでもいい。

まあ、観光案内はこんなところでいいとして、ここはご多分に洩れず、有名観光地なので、日本人観光客の来訪も結構多い。
その中から第一弾、職場の先輩(女性)が「結構、ツアーとかに参加してるよ!」と言っていた「母と息子のペアー旅行組」に実は私も会うことになったのだ。

会った時の第一印象は「何か女の方がずいぶん年食った新婚カップルだな〜」って感じなんだ。
ところが、写真とかを撮ってもらいながら(微妙なアングルの注文は、やはり外人だとダメなんだな〜これが)話を聞いていると、何と母親と息子が2人でフリーツアーをしているというではないか。
私はとても真似できないけどね。
母親と3週間も一緒に旅行するというのは・・・

次の見どころになっているのは王宮(Palacios Nazaries)である。
ここは、これらの建築物に見られるように池や噴水を設けたパティオ(中庭)の周囲に部屋を配置するというイスラム建築の伝統に則っていることが特徴であり、真夏の暑さから逃れて、少しでも涼を求めながら生活していたという、先人たちの知恵が感じられるようだ。
もちろん、見どころはほかにもあるのだが、あまり欲張るとグロッキーになってしまうので、メイン・ディッシュ(!?)のみ、つまみ食いしているという感じの見物である。
これもいわゆる酷暑の中での観光の知恵というやつかな?

それじゃ〜日本人旅行者の観察日記の第二弾、ということで・・・
これはパックツアーの女の子だったと思うが、今流行りのキャミソール女が、ここにも出現したか!という感じで歩いているんだ。
このキャミソール・ドレスってやつは、週刊SPA!のゴールデン・ウィーク合併号の特集にもなっているほどに今年は流行りまくっているらしいが、まるで「welcome to 痴漢さん」って感じだ。
スペインでこんな感じなら、日本人女性御用達の海外リゾートじゃ、もっと凄いかもな・・・
もっとも、数年前に流行っていた「男のズボンずり下げ&トランクスご披露ルック」に比べれば、ずっとマシだけど・・・

でも、どちらかと言うと、アンダルシアまで足を伸ばすようなスペインフリーク的なツアーに参加している人たちは、地味な格好をした女性の方が圧倒的に多いようだ。
バスの中の冷房が効き過ぎているのか、集団の中であまり目立たないようにしているのか、若い男が参加してないので地味な格好で十分だと思っているのか、私には全くわからないが、こちらの女性がタンクトップなんかで歩いているのと比べると、どうしても見劣りがしてしまって、せっかくの美人が台無しじゃないか!と心の中で毒づいたりするんだ。
けれでも、不思議とパックツアーの旅行者と個人旅行者の間には、見えない心の壁みたいなものがあって、お互いに会話をすることすらほとんどないんだ。
なぜか、こういうところで顔を見合わせても・・・というシチュエーションであってもね。

さて、話が横道に逸れまくっているので、そろそろ、アルカサバ(Alcazaba)のベラの塔(Torre de la Vela)へ登って、雄大な景色を眺めるとしよう。
そこから見えるカルロス5世宮殿(Palacio de Carlos V)はその宮殿内の美術館と博物館がメインの見どころだから、興味があれば是非行ってみるといい。
あるいは、うまくグラナダ国際音楽舞踊祭(Festival Internacional de la Musica y la Danza: 6月の第三金曜から7月の第一日曜開催)の時に来れれば、ここが会場の1つになるので、ルネッサンス建築の美しさと、音響効果の良さで、錚々たるメンバーの素晴らしい音楽が堪能できるに違いない。
それ以外の人、例えば私のような人、ただ単に暑いだけ!さっさと写真だけ撮って退散すべきじゃないだろうか・・・
とにかく、ここにいたのは、通常は夕方と言われる午後4時半頃から7時までだったのだが、とにかくここの暑さには閉口するしかないようだ。
タキが言っていたように
"Night visit (22:00-24:00 only Tue Thu Sat)"をするのが懸命なようだったね〜


余談になるが、スペイン在住の日本人が作ったという「スペインなんでも情報 リアルタイム」にアルハンブラ宮殿(La Alhambra y el Generalife)に関する記事があるので私の体験を交えながら紹介しよう。
観光情報 チケットの購入ですが、自分で買う場合は、よほどの余裕を持って行かないと、入場制限があるので、とんでもない失敗をすることがあります。
入場券には 入場出来る時間が印刷してあって、列に並んでやっとチケットを手に入れてもその場ですぐに入れるとは限らないのです。
ひどい時には2時間も並んで、買った時からまた2、3時間はたたないと入れないと言うことになります。
すると、周りに時間をつぶす所もなく歩いて、或いはタクシーで街へ下りて、それこそどこかで食事をしてから、またタクシーでアルハンブラまで上がってきて入場する、と言うようなことになるわけです。
これではその日もグラナダに泊まるのであれば、まだなんとでもなりますが、その日の午後に別の街へ移動するつもりなんかでいる人は全く予定が狂ってしまいます。
ですから、時間にゆとりの無い人は 多少、つらくても朝一番から並んで、空いていればはすぐに入ればいいし、混んでいてもなんとか午前中には入れるようにするのがベストでしょう。
私の体験 う〜ん、そうだったのか〜、でも私はそんな目に会わなかったな〜
確かに以前に行った人もそんなことを言っていたけど、何々、「チケットに入場できる時間が印刷・・・」
お〜!"Hora de entrada a los Palacios Nazaries 16:30 a 17:00"とあるね〜
そんなの何も説明ないし、チケット売り場なんてガラガラで、売店で買ったビールをクイクイやってから入ったくらいなんだ。

それから、タクシーで行くなんて考えもしなかったな〜
たまたま私の目の前にバスが止まっていたからかな〜

最後に、時間にゆとりのない人、午後に移動を予定している人・・・
そんな人は最初から来ないと思うけど・・・添乗員付パックツアーの人以外はね・・・
観光情報 次に宮殿のチケットを買う場所が2ヶ所ありますが、(裁きの門のある方とヘネラリフェ離宮のある方)特にヘネラリフェ離宮のある方の入場券売り場の周りには ほとんど常に数人のロム(俗称ジプシー)と呼ばれる人達がいて、レースを売りに来たり、草花を持って皆さんの胸ポケットに差しに来たりします。
この草花を受け取ってしまうと、すかさず手を取られて、勝手に手相を読みはじめ、その後は代金を請求されます。
こう言う方々が全て悪い人だとは言いませんが、トラブルを避けるためには 近寄らず、逃げるのが得策でしょう。
私の体験 う〜ん、じゃあ私が入ったのはやはり裁きの門(Puerta de la Justicia)だったのか?誰もいなかったからな〜
でも、ジプシーか〜、これで思い出すのは私の友人が被害にあったカーネーション・スリ事件だろう。
1992年9月4日、バルセロナのカタルーニャ(Catalunya)駅で、当時(1pta=\1.4)の金で40,000pta(\56,000)を掏られた例の事件だ。
要は、代金を請求されて、小銭を渡そうとして、サイフを開いた瞬間が危ないんだ!
せめて、"No, gracias. (いいえ結構です)"くらいは覚えて旅立とう。
観光情報 真夏の観光では 出来る限り午後の観光は避けるべきです。
原則として午前中の早い時間に見学するようにしましょう。
ただ、自分が極端に暑さには強いと言うかたは お昼の3時ごろに行けば確かに季節によっては空いてはいます。
必ず帽子は持っていきましょう。
途中で、何ヶ所か、ボタンを押せば水が出る飲料水らしきものが見当たりますが、これに関しては とりあえず、今までの所、この水を飲んだからと言ってお腹をこわしたと言う人は聞いたことがありません。
私個人としてはいつも頻繁に飲んでいます。
私の体験 う〜ん、そうすると、私は極端に暑さに強い人で、真夏の午後だったから空いていたってことなのか〜
よくわかった。
水は、おそらくネバダ山脈(Sierra Nevada)から流れ出る清流を引き入れているもので、水道水じゃないかもしれないな〜
私も飲んだけど、冷たくて美味しかったような気がするから・・・

とりあえず、これで今日1日の観光は終わりというわけだ。
あとは、裁きの門(Puerta de la Justicia)の前にあるバス・ストップからアルハンブラ・バス(Alhambra Bus)に乗りさえすれば、ヌエバ広場(Plaza Nueva)まで運んでくれる。
もし、体力と気力が残っていれば、途中の土産物屋を冷やかしながら、ゴメーレス坂(Cuesta de Gomerez)をテクテクと歩いて帰るのも一興かもしれない。
何せこちらの午後の商店の営業時間は、シェスタ(siesta)が終わる午後4時頃から8時頃までの4時間足らずだし、オフィスアワーが終わる7時頃からが一番街が賑わっているからだ。

午後8時という時間は、日本の国内旅行なら、温泉も入ったし、夕食もたらふく食べた、あとは2次会へ繰り出すか?という時間…
ところが、こちらでは夕食はこれから・・・という時間だ。
これからシャワーを浴びてレストランに行ってもゆっくりと間に合う時間だし、もし、その後で、フラメンコを見たいとか思うのだったら、なおさら遅い時間に出て行った方が時間的なロスが少なくてすむ。

まあ、そんなところなのだが、私がホテルへ戻ると、フロントのお姉さんと・・・(ちなみにフロントでの会話はすべて英語)

フロント嬢 「明日は2Fを掃除するけど、あなたの予定はどうなっているの?」
「明日は、10時のバスでネルハへ行くつもりなんだけど・・・」
フロント嬢 「問題ないわ!あなたの部屋の前を"polish"するだけなの」
(なんだ?"polish"って・・・ポーランド人とは何の関係もなさそうだけど、2Fが封鎖されて使えなくなるのか?)

そう、ここが私の英会話力の限界というやつ、"polish"はもちろん、ポーランド人なんて意味でなくて、磨くとか艶を出す、という意味なのだ。
この時は、英和辞書なんて持ってなくて、わずかにJTBの「ひとり歩きのスペイン語自遊自在」なんていう会話のアンチョコがあっただけなので、何のことだかさっぱりわからなかったのだ。

そして、私の口から出てきた、およそトンチンカンな質問が・・・
「私は部屋を変わらないといけないのか?」
フロント嬢 「あなたは部屋を変わらなくてもいいの!それとも変わりたいの?」
「いや、変わりたくないんだけど…」
フロント嬢 「何を言っているの?ちゃんと聞きなさい!あなたは何もしなくていいの…」
「OKわかった。」
フロント嬢 「本当に?」

と、いう具合に夜は更けて・・・もうなるようにしかならないだろう・・・こういうことは・・・
これで私は明日無事にホテルまで帰って来れるのだろうか?

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