11/21(Thu) |
ご存知のように中国入国に際しては、機内で配られる「中国入国検疫申請カード(Quarantine
Declaration Form on Entry)」と、「中国入国カード(Entry Card for Foreign
Travelers)」を記入して提出しなければならない。
但し、団体ビザを持ってるグループツアーの場合は、入国カードの記入は必要ない。
人によっては、「入国旅行者携帯品申告書(Customs Luggage Declaration Form)」も必要となるが、いすれの場合も、時間を節約するために、それらの書類を機内でもらい、記入するようにするだろう。
で、それらの書類を機内で配っているときに貰い損ねると、後でほかの客室乗務員にリクエストしても「没有(メイヨー/meiyou=ない)」と言われる場合がある。
実際に書類がないわけではない。
社会主義国のもとで身についた官僚主義、セクショナリズムの悪しき習慣が残っているようだ。
こういうシチュエーション、いまだに多いのだろうか?
重慶(Chongqing)の江北空港(Jiangbei Airport)は国際線ターミナルと国内線ターミナルがあるが、国内線の方が店やカフェなどもあって賑やかだ。
ただ、いずれのターミナルも銀行や両替所が見当たらない。
空港の外には中国銀行(Bank of China: Monday to Thursday: 09:00-11:30 am, 14:00-16:00 pm. Friday: 09:00-11:30
am. Summer time: 15:00-17:00 pm.)があるが、夜は当然のことながら開いてない。
私たちはパックツアーなので、重慶賓館(Chongqing Guest House=ここでの外貨両替可)までの送迎が付いていたが、これが個人旅行だったらどうするのだろうか?
また、団体ビザを持ってる人はパスポートに入国スタンプすら押されなかった。
もし、添乗員が書類をなくしたり、はぐれていたら私たちは不法入国者となったのだろうか?
送迎バスの中では中国人の日本語ガイドが重慶の観光案内をしてくれていたが、お世辞にもまともに日本語を話せるとは言えなかった。
簡単に言えば、私が英語のガイドをやってるのと同じなのだ。
どう考えても彼女の人件費は我々が負担しているのだが、こんなことでいいのだろうか、阪急交通社?
我々は中国人に舐められてるのではないだろうか?(Were we taken for a fool
by Chinese?)
ところで、重慶は別名、山城(Shancheng)と呼ばれ、坂道と石段が多いところだ。
また、夜景がバスの窓越しでさえ綺麗なのがわかるが、これは22時30分まで街中をライトアップ(illuminated)しておくという政策の賜物らしい。
でも、街歩きする時間はほとんどなかったんだけどね。
もちろん、翌日の観光バスの車中をほとんど睡眠時間に充てる気があるなら別だけど・・・
ここでおわかりだろう。
観光バスの車中で日本人観光客がよく寝てる理由が・・・
日程がタイト(full schedule)なのだね〜
11/22(Fri) | 写真館と観光情報: 黄鶴楼/ホァンフーロー |
昼食: 高山流水宴府(Gao Shan Liu Shui Hotel)=武漢(Wuhan) 夕食: 氾奉原飯店(Hui Feng Yuan Hotel)=宜昌(Yichang) |
私たちの乗る予定の中国西南航空(China Southwest Airlines/SZ)4541便はいつまで待っても搭乗を開始する気配がなかった。
予定では、8時に出発することになっていたので、私たちは早起きを余儀なくなされたのだ。
これはどうやら武漢(Wuhan)の天河空港(Tianhe Airport)が濃霧のために閉鎖されていたらしいのだが、こういう公式情報が空港のスタッフによってもたらされないところが中国の凄いところらしい。
たぶん聞いても没有(メイヨー/meiyou=ない)と言われるのだろうか。
これで飛行機が飛ばなかったら私たちの三峡クルーズはどうなっていたのかな?
そして、これは私からのアドバイスだ。
この空港は英字新聞とか外国人向けの雑誌などは置いてない。
パックツアーでも日本から文庫本を持っていくことをお薦めする。
それとミネラルウォーターは空港が安い(500ml: 4元=\60)から買っておこう。
ホテルで買うと高いからね。
武漢からは観光ガイドが日本語の流暢な呉(ウー/Wu)さんになった。
当然とはいえ、昨日のガイドがあまりにも酷すぎただけにホッとする。
昼食後に武漢の観光地の1つである、黄鶴楼/ホァンフーロー(Huanghelou Pavilion)に行く。
ここの最上階からは武漢の眺めがいいのだが、今日はあいにくの天気だし、到着時刻が遅かったし、冬で暗くなるのが早い。
やはり旅は冬にしない方がいいかもしれない。
どんなに時間がなくても土産物屋にだけは立ち寄る。
これはパックツアーに参加した場合の宿命だ。
土産物店側から旅行社に支払われるリベートによってツアー料金が安く済んでいると言われるからだ。
しかも、ここではタダ酒がふんだんに振る舞われた。
これでも利益が上がるというのはほかの商品でボッてるとしか思えないね〜
ちなみに店員の彼女が持っているボトルは試飲用(tasting)のものだ。
これでほかの男たちが酒盛りを始めてしまった。
どうしようもないな〜日本の男は!って私も同じ穴の狢(birds of a feather)ですか?
ここで酒買った人いたのか?って・・・
私はわからないが、彼らは本当のことを知らない方がいいだろう。
こういうのを「知らぬが仏(Ignorance is bliss.)」って言うんだよ。
でもここにいた店員の彼女は、私たちの乗ったクルーズ船のカフェバーのスタッフも兼ねていたんだ。
素晴らしいと思わないか?
というか、したたかと言うべきかな?
中国酒マメ知識(出典: 八重洲大飯店) |
老酒(lao jiu/old or aged rice wine) 多年熟成された黄酒(醸造酒) |
老酒と紹興酒の違いが分からない人が多いという。 老酒の老は、文字通り古いという意味と それが転じて優れたものや芳醇といった意味もある。 長く寝かせた良い酒を総称して老酒と呼び それは紹興酒に限った呼び名ではない。 一方、紹興酒(Shaoxing jiu/Shaoxing rice wine)といえば中国浙江省(Zhejiang Province)の紹興産醸造酒(黄酒=huang jiu/yellow wine)に限らる。 台湾紹興酒というのがありますが此れは紹興酒ではない。 現在紹興(Shaoxing)には多くの醸造所があるが紹興酒のレッテルは厳しく規制されている。 日本で中国酒というと紹興酒だが、中国全体から見れば紹興酒は地方の酒に過ぎない。 |
白酒(bai jiu/Distilled Liquor) 花に酔い酒に酔う・・・幾千年の香り(蒸留酒) |
中国酒といえば、度数の高い白酒(蒸留酒)が有名だ。 乾杯(カンペイ)、乾杯とくりかえす時には、たいていこの蒸留酒が使われる。 アルコール度数48〜65度の強烈なお酒は不思議と中国料理に合う。 日本で「中国酒」というと紹興酒(醸造酒)と思っている人が多いが中国大陸全般からいうと白酒(蒸留酒)が好まれている傾向がある。 北京などの北部では温まるので紹興酒を熱燗で飲んでいそうだが、実際は48度以上のウオッカ系を一気にやって暖めている。(夏でも同じ)。 逆に庶民の店では大抵紹興酒を置いてない。 |
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11/23(Sat) | 写真館と観光情報: 巫峡/ウーシア, 瞿塘峡/クータンシア, 神農渓/シェンノンスィ, 白帝城/バイディチェン, 民族舞踊のショー/船内でのエンターテイメント |
私たちの乗った「三峡の星」号は数種類ある外国人向けのクルーズ船の中でも最もランクが低いように思える。
設備もそれほど充実しているとは言えないが、たった2泊するだけなら我慢できないほどではない。
もっともパックツアーで泊まるような4つ星ホテルと比べると格段に見劣りする。
でも部屋の電気系統が故障してしまったのには参った。
添乗員を通して聞いてもらったところ修理できないというらしく、唯一トイレを開け放しにして、そこから漏れてくる明かりを頼りにしないといけなくなったのだ。
しかもトイレの排水設備が貧弱なので、用足しした後のトイレットペーパーは便器の脇の屑篭に入れるようにとの指示だったのだ。
つまりどういうことか?
指示通りにすると部屋の中に尋常ならざる匂いが立ち込める可能性があるということだ。
私たちは決断した。
トルコ式でやろうと・・・
実は、満室の船の中で、添乗員の近田(こんだ)さんは自分の部屋との交換を申し出ていたのだが、私たちは「別に構わないよ!」と強がってみせた。
それは単に添乗員が素敵な女性だったからかもしれない。
トルコ式トイレ |
トルコ式トイレは初めてそれを使う人にとっては大変な代物かもしれない。 なぜなら、現地の人々は基本的に用足しをした後の始末にトイレットペーパーを使わないみたいだからだ。 では、どうするかと言うと、右手で手桶の水を尻に流し、左手で直接洗うらしい。 日本のウォシュレット(例えばTOTOの)は機械洗浄だが、それを自分の左手でするのがトルコ式と思えばいい。 従って、トルコ人にとって左手は不浄となるのだ。 |
木製の小さなボートで神農渓(シェンノンスィ)に行くとき、乗客はライフジャケットを着けることになっている。
ただ、このジャケット、万が一のときには全く役にたたなさそうだった。
なぜなら、水流で紐が解けて流されそうな構造だったからだ。
こんなものが何の役にたつのか?
ただ決まりだからと中国人ガイドの呉(ウー)さんは言う。
でも彼ら曰く「ここで死ぬことはない!」と・・・
ところで、神農渓の観光なのだが、私はS木さんが見たという、スーツの上着(coat)を着て、下はパンツ一丁の船頭を見れるかと期待していたのだ。
ところが、そんな格好をした船頭はいなかった。
残念ながら彼らはスーツでなく、セーター(sweater)を着ていたのだ。
呉(ウー)さん曰く、真冬になっても彼らはパンツに草履で水につかりながら舟を曳くらしい。
何と厳しい労働だろうか!
これが昔は素っ裸だったのだから、今の方がマシという言い方もできるかな?
巫峡(ウーシア)を見た後、船内で昼食となる。
基本的には中華料理を食べるシシュエーションはどこでも同じで、ツアー客が丸いテーブルを囲んでおしゃべりしながら食べるのだ。
ドリンクは最初の1杯が無料、あとはビール1本10元(\150)が相場だ。
しかしながら、このツアーにおける食事時間はいつも短いように思えた。
食事をあまりにせかされるのはどうかと思うが、ほかの人は何とも思ってないのだろうか?
昼食と指書(指による書道の実演)のエンターテイメントを挟んで、瞿塘峡(クータンシア)を見物した。
ガイドブックにはいろいろ書いてあるが、正直言って、同じような景色の連続に飽きがきているのも事実だった。
わが友人は言う。「三国志(Three Kingdoms History)を読んでからここに来た方がいい。」と・・・
確かに、それに興味がないと、三峡下りは単なる川下りに過ぎないかもしれない。
そう、白帝城(バイディチェン)も三国志の舞台となったところなのだ。
但し、足腰に自信がない人は200元(\3,000)払って駕篭に乗った方がいいだろう。
まあ、ダイエットと健康のためには歩いた方がいいに決まっているけどね。
ちなみに指書(指による書道の実演)のエンターテイメントの時間は貴重な昼寝の時間だ。
パックツアーは時間との戦いだったのだ。
なぜ、ここまでして旅行しないといけなかったのかな?
11/24(Sun) | 写真館と観光情報: 西陵峡/シーリンシア, 荊州/ジンズォウ | |||
昼食(火鍋/Chinese Hot Pot): 重慶小天鵝水上世界(Chongqing Cygnet Vessel World)=宜昌(Yichang)
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夕食: 昌明大酒楼(Chang Ming Restaurant)=荊州(Jingzhou) |
今日も私たちは早起きを余儀なくされた。
2日目に行けなかった荊州(ジンズォウ)に今日行くからだと添乗員の近田さんは言う。
しかし、私は思った。中国チョウザメ研究所に寄る必要はないのではと・・・
しかもここでビデオを見せられるだけなら朝寝坊がしたかった。
三峡のことを紹介している本として日本語・中国語・英語の3ヶ国語版の「長江三峡(湖北美術出版社編/ISBN
7-5394-1288-7)」が各地で売っている。
定価は宜昌(Yichang)の三峡空港での売値の70元(\1,050)のようだが、売っている場所によって値段が違うし、値切り交渉も可能だ。
一番安かったのは、葛州覇ダム周辺の25元(\370)、一番高かったのは、クルーズ船内の150元(\2,250)だ。
もっとも、中国人ガイド曰く、切手、古銭、船長のサイン入りの豪華本は船内での販売(400元=\6,000)のみだという。
あなたならどうする?
英語が読める人ならインターネットサイトと大差ないような気もするが・・・
西陵峡(シーリンシア)は、三峡ダム工事のため、船で通ることができなかった。
唯一、三遊洞(Sangyoudong/Three Visitors' Cave)を訪れたことによって、その一部を垣間見ることができたのだ。
ここは、白行簡(Bai Xing Jian)、白居易(Bai Ju Yi)、元微之(Yuan Zhen)の3人が訪れたことからその名がついたという。
果たして、我々に三賢人のご利益はあるのだろうか?
荊州古城は、6つの門と望楼があり、望楼から見える景色は店が並ぶ旧市街と、真新しい建物が並ぶ新市街にはっきりと色分けされている。
旧市街では屋台なども出ていて庶民の暮らしを垣間見ることができる。
お土産を買いたければここで買うといいが、英語はおろか日本語は全く通じないので、中国語ができなければ身振り手振りでやりとりするしかない。
時間に限りがあるので、ここでの買い物は一種のギャンブルだ。
もしかすると、買った酒や茶はあまりおいしくないかもしれない。
しかし、中国の地方都市で多くを期待するのは間違っているかもしれない。
![]() 中国チョウザメ研究所(The Chinese Sturgeon Park) |
![]() 葛州覇ダム(Gezhouba Dam) |
今、日本人の間で流行っているのがフット・マッサージだ。
アジアでは費用が安いこともあって、特に女性には大人気だ。
この日、重慶(Chongqing)に到着したのが夜の10時過ぎにもかかわらず、ガイドの斡旋するマッサージに相当な人たちがついていったのには驚いた。
まあ、明日でこのツアーも終わりだからね。
私はホテルのバーでの一杯で十分だよ。
とりあえず、元気な熟年旅行者に幸あれ!
11/25(Mon) |
重慶(Chongqing)の江北空港(Jiangbei Airport)の国際線ターミナルは何もないところだ。
「霧の都」と言われるところで、飛行機が離着陸できないことがよくあるらしい。
そうなった場合、乗客は出発ロビーで食事も飲み物も満足にない状態で待たなければならないことになる。
日本人観光客用に土産物だけは売ってるようだが、レストランやカフェがここにできるのはいつなのだろうか?
霧で離陸が3時間遅れたこの日、申し訳程度に積まれた10食分のカップヌードルと土産物のチョコレートがここの食べ物のすべてだった。
人民の国の旅は終わった。
今回はフル・パッケージだったからあまり感じなかったかもしれないが、この国を個人で旅するのは大変なことのように思える。
ほかの国、特にアラブ諸国は大変だが、決定的に違うのは、アラブ人がこちらに用がなくても寄ってくるのに対し、中国人はこちらに用があっても逃げていってしまうことだ。
もしかすると、一昔前に日本に来た外国人観光客も同じ感情を抱いたかもしれない。
「取って食ったりしないから逃げるなよ!ちょっと聞きたいことがあるだけなんだ!」