あの頃の鉄道少年に戻って-大人の男のひとり旅を九州で (2006.2.15 日刊ゲンダイ) |
夢の「特急こだま」が疾走する姿に憧れたあの頃。 鈍行の夜行列車に乗って、初めて遠くの街に降り立ったあの日・・・。 JTBが、そんなかつての鉄道少年にぴったりの旅行ツアーを発売した。 JR九州全線が3日間乗り放題で、自分で自由に日程を決められる「九州フリーパック」である。 航空代、宿泊代、乗り放題切符のほかに人気の駅弁を選べたり、プレミアムグッズやイベントが付いて1人5万円と手頃な料金となっている。 しかしながら、1週間も休みが取れるわけではない。 本当は各駅停車でのんびりと行きたいところだが、今はまだまだ忙しいお父さん。 その点このツアーは土日プラス1日の休みで楽しんでもらえるように九州までの往復は飛行機で、現地滞在中の3日間で十分に鉄道旅行を満喫できる内容になっているのだ。 鉄道旅行に思わず反応してしまったお父さんも多いはず。 初めての大人の男のひとり旅に挑戦してみるのはどうだろう。 新たな旅の楽しみを発見するかも・・・。 九州新幹線「つばめ」、特急「白いソニック」、特急「ゆふいんの森」など人気の特急列車に「いさぶろう号」、「しんぺい号」といった郷愁誘う観光列車が走る九州。 ツアーは羽田発の3日間で3月に合計6コース設定。 詳細は「JTB首都圏第一事業部九州一周ツアーデスク 03-6400-0133」まで。 |
JTB首都圏第一事業部の「支店オリジナルツアー」の一つに「JR九州3日間乗り放題切符付き!5万円であなただけの九州一周の旅」というのがあるのを知ったのは日刊ゲンダイの記事だった。
東京から九州(福岡又は宮崎)までの往復航空代・2泊宿泊代・全九州フリー切符(3日間・指定席用)で5万円というのはかなりリーズナブルに感じた。
JR九州の「エアーレール(ANAの超割+指定期間内の九州内の特急・新幹線の自由席1日乗り放題券)」を使えば、もっと安く行けたかもしれないが、今回はパックツアーを使うことにした。
2泊3日の旅で準備に手間をかけるほど値段の差があるような気がしなかったからだ。
最初は博多に1泊、残りを別府と考えていたが、大分在住のK国氏が1日観光にお付き合いいただけるというので、2泊とも別府にして好意に甘えることにした。
ところが、JTB指定のホテルである別府亀の井ホテルは何と金曜日が団体様でいっぱいとのこと。
土曜日は空いているが、金曜の夜は同じグレードのホテルにするか、別の都市に泊まるかと聞かれたので、ダメ元で、別府市内で温泉大浴場が付いているホテルを探してくれ、と言って探してもらったのはホテルアーサーだった。
そして迎えた3月10日、東京・横浜は寒いくらいだったのが、飛行機で一路福岡へ下り立ったときには曇天との天気予報が外れ、汗ばむくらいの陽気だった。
この日は大宰府と柳川には行こうと決めていたので、そこへどうやって行くか考えたが、せっかくJRの特急が乗り放題だし、駅弁も食べてみたいと思って、途中の久留米までJRに乗って、そこで西鉄に乗り換えればいいか、と思ったのがいけなかった。
まず「選べる駅弁プレゼント」というのがあって2食分の無料チケットがあったのだが、博多駅で交換できたのは「飛梅弁当、筑前弁当、どんたく弁当、めんたい弁当」のうち筑前弁当のみ、まさか4つのうち3つまで売り切れとは考えていなかった。
わざわざJRに乗った理由の一つが駅弁を食べたかったからというのだから何も言うことはない。
そして、東京や大阪で○鉄△△という駅があれば、JRとそれほど離れていないというのが常識だが、福岡ではそれが通用しない。
JR久留米から西鉄の久留米まではたっぷりと15分はかかる距離で、ダイエットには多少なっただろうが、貴重な時間は失われてしまったようだ。
「どんこ舟」による柳川の松月川下り (写真をクリックすると拡大します) |
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松月川下り乗船場 |
船頭兼観光ガイド |
周囲の風景 |
周囲の風景 |
周囲の風景 |
赤レンガの並倉 |
「川のぼり結婚式」の乗船場 |
鴨の親子 |
周囲の風景 |
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関連サイト |
そして到着した柳川。
ここの見どころの一つは川下りなので、さっそく駅の観光案内所で申し込みをする。
舟乗り場まで送迎バスがあるとのことで、それに乗って松月川下り乗船場まで行く。
乗船客は閑散期の平日ともあって、熟年世代が圧倒的に多いが、若い女性のグループもチラホラ見かける。
船頭さん曰く、この川下りは余程のことがなければ休業しないらしく、昨年も台風のとき以外は営業したと言い、増水期に橋の下を航行するときはお客さんには舟に寝てもらうとのこと。
まあ、川下りは今日のような穏やかな日にする方がいいだろうが、悪天の日は船頭もお客も大変だろうなと思う。
私に言わせれば、厳冬期やどしゃぶりの雨の中でも川下りしようという人がいるというのに感心してしまうけど、いるから営業するのでしょうね。
また、ここの沿岸には結婚式場もあって、「川のぼり結婚式」というのをやるそうだ。
神社で結婚した新郎・新婦と親族が船に乗って披露宴会場まで行くそうで、船頭さん曰く、「結婚だから縁起がいいように上るんですよ」とのこと。
要するに我々川下り組とは反対に進む舟というわけだ。
そして、赤レンガの並倉は、明治後期に建てられた柳川特産の味噌、醤油の製造工場だったところで、柳川の川下りの一つの見どころとなっている。
柳川名物の一つに「鰻のせいろ蒸し」がある。
これを食べられる皿屋福柳という店が下船場の近くにある。
昼食時のピークを過ぎていたというのもあるが、店内は非常に落ち着いた雰囲気で、ゆっくりと食事をすることができる。
値段は1700円と昼食にしては少し高めだが、せっかく遠くまで旅行に来ているのだからと自分自身を納得させて店を出る。
大分のK国氏との待ち合わせは夜の9時。
このまま行って温泉を楽しむのもいいが、12日の天気予報も曇天だったことを思い出し、外れる幸運は2度はないだろうと、好天のうちに太宰府天満宮へ寄り道。
満開の梅を見ながらFP3級試験合格の御礼と、次なる2級試験の合格祈願もしておく。
参道には名物の梅ヶ枝餅の販売店が軒を並べていて、ついつい寄り道をしたくなる。
この和菓子は、もち米で作った生地につぶあんを包んで焼き上げるもので、注文するとその場で焼いてくれる。
土産にしようかとも思ったが、これはその場で食べる方が旨いだろうと思い、ヤメにする。
大宰府天満宮 (写真をクリックすると拡大します) |
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夕方になり博多に戻る。
残念ながらラーメンを食べている時間がなくなってしまったので、大分行きの特急「ソニック47号」に乗る。
この特急は約30分に1本走っているためか乗ったときには自由席は立ち席状態、昼間に乗った「有明5号」が空いていたので、甘く見て、駅弁にビールまで買い込み、どうしようかと思っていたが、何となく見ていると通勤客風の人が多いようにも感じる。
もしかして小倉までに乗客の半分くらいは入れ替えではという予想は当たり、ほどなく座席をゲット。
実のところ博多-小倉間の自由席特急料金は500円の特定区間で、どうりで通勤客風の人が多く、混んでいたわけだ。
ちなみに、私のチケットは指定席に乗れるものだったが、その時間に博多にいられるかどうかわからなかったので取らなかっただけだ。
別府に到着し、予約していたホテルアーサーに行く。
駅からも近く、ホテルの中には無料のインターネットコーナーと温泉大浴場があった。
もしかして当たりのホテルなのでは?とふと思う。
K国氏との待ち合わせ時間が迫っていたので、それらを利用するのは明朝ということなるだろう。
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