2015年7月-青春18きっぷの旅-立山アルペンルート |
Date | Schedule | Lodging | |
7/26(Sun) | 八王子 0:40-「快速ムーンライト信州81号」-5:11 信濃大町 立山黒部アルペンルート散策(黒部ダム・室堂) 立山 14:44-「特急アルペン1号」-15:18 寺田 15:20-15:39 電鉄富山 |
ドーミーイン富山 | 6,490円 |
27(Mon) | 富山 8:14-9:05 猪谷 9:11-10:18 高山 高山市内観光 高山 14:48-17:07 美濃太田 17:27-18:04 岐阜 18:08-18:28 名古屋 名古屋でオフ会 |
名古屋東急ホテル | 10,711円 |
28(Tue) | 名古屋 10:37-「快速みえ5号」-12:41 鳥羽 13:40-「伊勢湾フェリー」-14:35 伊良湖 伊良湖畔散策 伊良湖畔 15:48-「豊鉄バス」-16:37 田原駅前 三河田原 16:47-「豊橋鉄道渥美線」-17:22 新豊橋 豊橋 17:42-18:15 浜松 19:19-22:04 熱海 22:08-23:21 横浜 |
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7/26(Sun) |
青春18きっぷの旅、JRの普通列車や快速列車だけを乗り継いで旅行するというものを生まれて初めてやることになった。
私は今まで鉄道旅行をふんだんにしてきたが、特急(急行)列車や新幹線抜きで旅行することは今回が初めてだったのだ。
やはり、サラリーマンをやっていると、休暇の日数が限られる上、1週間の休暇が取れたときは海外旅行へ行ってしまっていたからだ。
私がここで参考にしたのは「青春18きっぷパーフェクトガイド2015-2016」なのだが、やはり、青春18きっぷに旅の要諦は夜行列車、現存する列車は「ムーンライトながら」と「ムーンライト信州」の2つだけ、これをいかに活用するかが長距離旅行の秘訣になる。
そのような中で私が取ったのが「ムーンライト信州81号」という夜行列車の指定券で、6月の関西・沖縄旅行の直前だったということもあって、山へ向かう列車にすることにした。
このチケットを取ったときは、立山に向かうことは決めていなかったのだが、時刻表を見ていると、松本までの途中駅で下車しても乗り継ぎ時間が長すぎるし、終点の白馬まで行っても、北陸新幹線の開業と、並行する北陸本線の第三セクター化(IRいしかわ鉄道:金沢-倶利伽羅、あいの風とやま鉄道:倶利伽羅-市振、えちごトキめき鉄道:市振-直江津)に伴って、JRの普通列車で行ける区間は糸魚川止まりになる。
北陸方面に向かう場合、どのルートを取っても別料金がかかるなら、信濃大町から立山黒部アルペンルートを通るのが面白いだろうと思った。
快速ムーンライト信州81号 | |
信濃大町駅 | アルピコ交通扇沢線 |
そして、出発当日、ようやく梅雨明けした感のある北陸地方の天気予報は晴れ、天気が悪ければ当然ながらアルペンルートを通るつもりはないので、幸先良いスタートとなったようだ。
私の乗るムーンライト信州81号は、新宿発23時54分なのだが、青春18きっぷの利用者は、日付の変わる立川までを普通乗車券、その先の区間を青春18きっぷを使うというのが常識となっている。
私の場合は、横浜からの乗車なので、八王子までをSuicaで、一旦、下車して日付が変わってから、青春18きっぷにスタンプを押してもらうことにした。
もっとも、八王子で下車した理由は構内の売店で寝酒を仕入れることもあったのだが、これらのグッズと安眠用のアイマスクで完璧な夜行列車の旅が演出できるというものだ。
このアイマスクは重要なアイテムで、夜行バスが深夜に消灯するのに対し、夜行快速列車の座席車は煌々と灯りを点けたまま走り続けるからだ。
これも「mixi仲間との京都オフ/ムーンライトながらの眠れない夜(2009年2月13日)」の苦い教訓が生きてこそのものだった。
ところで、私が乗ったムーンライト信州81号、車掌のアナウンスでは指定券完売のはずが、深夜の停車駅である大月(1時27分)を過ぎても、7割程度しか席が埋まっていなかった。
この幽霊乗客現象について、フリーライターの杉山淳一氏は、「満席のはずが乗客なし! 今日も“幽霊”が列車に乗っている(2013年8月9日)」というコラムを書いている。
彼は、「特急の場合は乗らないチケットはキャンセルしなければ損をする、逆に普通列車の指定席はキャンセルすると、手間をかけるだけ時間を損する。これで、発券上は満席、実際は空席だらけの普通列車が走り出す。」と書いているが、これが実際のところだろうか。
信濃大町に到着したのは朝の5時過ぎ、首都圏の駅なら、近くに24時間営業のファーストフードの店や、牛丼チェーン店があるのだが、地方都市にはそんなものはない。
駅の売店で買ったおにぎりとペットボトルのお茶で朝食とし、後は黒部ダムに着いたときに考えればいいという感じだった。
また、構内には「立山黒部アルペンルート 時刻表&見どころガイド」というのが置いてあり、それを見れば、市販のガイドブックは不要だった。
一応、私は念のために「るるぶ立山 黒部 アルペンルート’16」を持参していたが、 結局のところ、それを見ることはほとんどなかった。
ちなみに、信濃大町から扇沢までの始発のバス(アルピコ交通扇沢線:1,360円)は6時15分、通勤のバスや電車と違って、バス停で立っている人の表情も和やかで、これから楽しみが待っている場所への期待に溢れた顔をしていた。
黒部ダム・黒部平・大観峰 | ||||
関電トンネル トロリーバス |
黒部ダム | |||
黒部ダム | ||||
黒部ダム | ||||
黒部ケーブルカー | 黒部平 | |||
黒部平 | 立山ロープウェイ | 大観峰 | 立山トンネル トロリーバス |
扇沢では信濃大町からバスでやってきた私たちの他にも、たくさんの人が黒部ダムへ行く関電トンネルトロリーバスのチケット売り場の前で行列していた。
さすがに学校が夏休みに入った最初の週末、そして梅雨明けして晴天と、混雑要因が重なったのだが、列は意外にスムーズに進んでほっとした。
最初のアルピコ交通扇沢線(路線バス)と、トロリーバスのチケットを別々に買わないといけなかったことから、いちいち乗りものを乗り換える度にチケットを買うのかとうんざりしていたら、そのようなことはなく、関電トンネルトロリーバスのチケット売り場では、富山地方鉄道の立山駅までの通しチケット(8,290円)を売ってもらことができた。
トロリーバスの出発時刻は7時30分、乗車時間わずか15分で最初の目的地の黒部ダムに到着する。
黒部ダムの天気は、これ以上望むことはできないくらいの快晴、見渡す限りに素晴らしい山の稜線の景色が目に飛び込み、6月下旬から10月中旬の間だけ実施される大迫力の放水も間近で見ることができる。
1時間ほどダムの周囲を散策して、綺麗な写真を撮りまくった私は、これだけで今日のミッションが完了したような気になってしまったほどだ。
時間が許せば遊覧船「ガルベ」に乗ってダム湖の景観を堪能することもできるのだが、今日は遊覧船に乗る必要がないほど心は充実していた。
黒部ダムの見学を終え、9時10分発の黒部ケーブルカーへ黒部平(9時15分着)へ、ここでも立山ロープウェイの乗り継ぎ時間を利用して展望台からの景観を楽しむことができる。
私は、ここで9時30分発の立山ロープウェイに乗り継いで大観峰(9時37分着)へ、そして、引き続き、9時45分発の立山トンネルトロリーバスで第二の目的地である室堂(9時55分着)へと向かった。
この室堂では、10時30分スタートの立山自然保護センターのボランティアガイドによる「室堂平観察ツアー(1時間)」があるので、それに間に合わせたかったからだ。
室堂平観察ツアー(1時間)は、室堂平広場からみくりが池温泉まで歩き、地獄谷を眺めるコースなのだが、ガイドの人曰く、今日のように天気が良く、しかも無風状態なのは1年でも珍しいとのことだ。
おかげで半袖でも大丈夫(室堂は標高が高いので真夏でもそれほど暑くない)なくらいのポカポカ陽気で、山の稜線を見ながら散策するのがとても気持ちがいい。
おまけに、雷鳥を間近に見ることができた私たちのツアーはとても幸運だったようで、ガイドの人まで興奮して写真を撮っていた。
1時間のツアーは、あっという間に終わり、ガイドの人はみくりが池の手前で「ここからはご自由に散策なさってください」と言い残してオフィスに戻っていった。
私はみくりが池温泉のあるところまで歩いて行ったが、かなり人が多かったのと、ここで温泉に浸かっていると昼食を取る時間もなくなってしまいそうだったので、星にいちばん近いリゾートと呼ばれるホテル立山にあるレストラン立山に向かうことにした。
さすがに立山は外国人観光客も多いのか、記念写真を撮るカメラマンの若者が流暢な英語と中国語を駆使して商売をしていた。
日本の観光地も外国人が増えるに従って、こういう光景が随所に見られるようになり、とてもいい傾向だと思った。
室堂を出たのはちょうど午後1時、美女平行きの高原バスで、途中の弥陀ヶ原(みだがはら)というところが見どころだとガイドマップには記されていたが、遊歩道の散策は室堂で十分堪能したのでパス、そのまま通過して、立山ケーブルカーとの乗換え口である美女平まで直行した。
この美女平も富山県側から来たならば散策路としては良いところなので立ち寄ったと思うが、私はここも通過することにした。
美女平でケーブルカーを乗り継ぎ、富山地鉄の立山駅に到着したのは14時07分だった。
ここで、ホテルにそのまま向かうのは早過ぎる感じがしたので、駅前の観光案内所でどこか行けるところがないか尋ねたところ、称名滝(しょうみょうだき)なら行けるとのことだったが、称名滝探勝バスで終点まで20分、そこからさらに徒歩30分と聞いて、止めることにした。
また、宇奈月方面に足を延ばして、トロッコ列車に乗るというプランも、間に合わないので却下となり、そのまま富山へ向かうことにした。
富山地方鉄道 | |
立山駅 | |
富山駅 |
黒部ダムや立山の室堂は涼しくて気持ちがいいほどだったが、さすがに平野部に下りてくると真夏の日差しが燦々と照っている。
富山に到着したのは午後4時前、宿泊なしのプランで立山黒部アルペンルートを駆け抜ける行程としてはほぼ理想的だった。
天気はこの上ないほど良く、最高の山岳観光日和だった。
初めて来た立山で、これほど綺麗な写真が撮れたのは幸運以外なにものでもないだろう。
フト思い立って来た旅路としては最高だった。
富山市内に取った温泉宿もそれほど悪くなく、近くには居酒屋もあってそこで海の幸を堪能した。
明日以降もこのまま最良の休暇が過ごせたらいいな、と思いつつ夢の世界へと入っていった。