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2月29日(月)-これからの海外ロングステイヤーは外貨資産保有が必須か

大企業のサラリーマンや公務員の中には、定年退職したら物価の安い東南アジアでロングステイという目標や夢を持たれている方もいると思う。
そういう私もロングステイフェア2014年12月6日-ロングステイフェア2014に行ってみた)や、ロングステイセミナー(2013年3月24日-越境の第一歩、ロングステイセミナーに参加してみた)に参加して、本格的に海外ロングステイを検討したことがある。
そして、このようなセミナーではロングステイの資金計画についての講演も行われるが、そのほとんどは、公的年金プラス円建ての貯蓄などで賄うことを想定している。

しかしながら、昨今のアジア諸国の経済発展に伴う物価上昇は、そういった淡い期待を打ち砕くような情勢になりつつある。
2014年12月6日付のコラムでも書いたように、JETROの国・地域別情報にある東南アジア諸国の消費者物価上昇率は着実にプラスを重ねており、それを反映した記事が配信された。(2015年10月28日 CNN Japan-アジアでショッピング、最も高くつく都市は?
たいていの場合、欧米の調査機関が調べた統計は、白人ビジネスマンの生活様式に沿ってなされた調査が基になっているため、あまり実態を反映していないことが多いのだが、今回の記事は私の海外旅行経験から言っても実態を反映しているように思える。
これによれば、今まで世界で有数の物価高の都市であった東京が、アジアの大都市で7位になっており、20年以上にわたってデフレが続いた日本(東京)はバンコクや台北よりも物価が安いという位置づけになっている。

この記事による調査で、現地の物価が富裕層向けの商品が高いだけだろうと思ってはいけない。
ほとんどの日本人ロングステイヤーは滞在先で現地の労働者のような暮らしをするわけではない。
滞在先を拠点に旅行へ出ることもあるし、現地で知り合った人たちと宴席を囲むこともあるだろう。
それに、長期間の滞在では食事がかなり重要で、現地の食事に飽きて、ときには日本食を味わいたいと思うこともある。
そう考えていくと、快適な暮らしをしようと思ったら想定しているよりも費用がかかるものだ。
実際のところ、アベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)による円安外貨高と現地の物価高のダブルパンチで、年金だけが頼りのロングステイに行き詰まった高齢者が多く出ているようだ。(2015年3月28日 フィリピン・ネグロス島(主にバコロド)の話-厳しくなってきた熟年移住?

その頼みの綱である公的年金だが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)基本ポートフォリオの考え方によれば、名目上の運用利回りを3.2%、実質1.1%とすることを目標としているが、この運用利回りを安全資産とされる国内債券だけで確保することは不可能なので、リスク資産である国内外の株式や外国債にも投資している。
ところが、2014年10月31日の日銀金融政策決定会合(黒田バズーカ第2弾/「量的・質的金融緩和」の拡大)を受けて、実質的な運用利回り1.7%が確保されるようにポートフォリオが大幅に変更され、安全資産である国内債券への投資が60%から35%に、リスク資産である国内外の株式と外国債に65%の資金が投入されることになった。(参考:2014年3月18日 BLOGOS-年金財政検証:実質運用利回り1.7%のカラクリ
したがって、これらのリスク資産はいずれも円安になることが運用益を生み出すことにつながっているため、必然的に今後の経済政策運営も円安を誘導するようなものになっていくだろう。

ちなみに、15日の衆議院予算委員会の安倍首相の答弁で、GPIFの運用悪化が年金給付減額につながる可能性が示唆されたが、2012年3月30日付の学習院大学経済学部教授の鈴木亘氏のブログ「年金積立金は、本当はいくら残っているのか?」にあるように、何も手を打たなければ、2030年代には年金積立金が枯渇する可能性が高いようなので、リスク資産への投資は、それをできるだけ延命させるための手段の一つなのだろう。
ただ、悲しいことに、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金/CalPERS=The California Public Employees' Retirement System)のようなプロ集団とは全く異なり、投資のド素人集団で構成されているようなのだ。(2015年12月11日 日刊ゲンダイ-市場平均下回る成績・・・GPIFがひた隠す素人レベルの運用下手
これでは将来的な公的年金給付の増額はおろか、安定化すら見込めず、年金資産だけを当てにした海外ロングステイは非常にリスクが高いと言える。
それでも円の為替レートが強含みであれば救われるが、円安外貨高と現地の物価高のダブルパンチに見舞われれば、海外で困窮化することにもなりかねない。
それゆえ、将来的な海外ロングステイを考えるなら、今から外貨資産を保有することは必須と言えるだろう。

年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化なら-衆院予算委・安倍首相
(2016.2.15 時事通信ニュース)
衆院予算委員会は15日午後、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して経済などに関する集中審議を続けた。
最近の株価下落で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用損拡大が指摘されていることに関連し、首相は「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と述べ、運用状況次第で将来的に年金支給額の減額もあり得るとの認識を明らかにした。
民主党の玉木雄一郎氏への答弁。首相は「運用は長いスパンで見るから、その時々の損益が直ちに年金額に反映されるわけではない」とも強調した。
アジアでショッピング、最も高くつく都市は?
(2015.10.28 CNN Japan)
ニューヨーク(CNNMoney) 腕時計や女性用の靴、男性用スーツなどの買い物をするのに、アジアで一番お金がかかる都市はどこ?-スイスの富裕層向け資産管理大手、ジュリアス・ベアがこのほど、11都市を比較したランキングを発表した。
ジュリアス・ベアは独自の基準で商品やサービスを選び、各都市でのそれぞれの価格を調べた。
その結果、アジアで最も物価が高い都市は上海と判明。男性用のスーツを上海で買うと平均より34%、ワインは21%、腕時計も16%値段が高くなることが分かった。
中国の景気はこの夏大きく減速し、ぜいたく品の価格も下落したが、それでも安いといえる価格になったとは限らない。
上海ではサービスも高価で、結婚披露宴や美容医療のボトックス注入、ビジネスクラスの航空チケットなどが高くつく。
一方で商品、サービスとも最も安いのはインドのムンバイだった。
平均と比べてスーツなら26%、ワインも4%ほど安く手に入るという。
2~10位は順に、香港、シンガポール、ソウル、バンコク、台北、東京、クアラルンプール、マニラ、ジャカルタという結果だった。

英文記事:Shanghai named most expensive city in Asia (October 28, 2015)

2月26日(金)-第1回月曜会、カサ・デ・フジモリ&下馬伊勢屋

1月18日の大雪で延期となった月曜ランチ会、去る2月22日に晴れて第1回目のイベントを開催することができた。
この月曜会というイベントは、週末が仕事でなかなかグループイベントに参加できない自営業者などを中心に、混雑が予想される週末を尻目に、逆張りの平日イベントをやろうではないかという趣旨で始まったものだ。
初回の参加メンバーは、杉並区高円寺にある理容室ブルーバードの前田さんご夫妻、先日のプーケット(タイ)旅行にもお付き合いいただいたみもさん、そして私の4名だ。
当初はもっと多くの参加者を見込んでいたのだが、現役世代で月曜が休日になる人はそれほど多くないようで、とりあえず、イベントをスタートさせようということで実施に踏み切った。

場所は、目黒のスペイン料理「カサ・デ・フジモリ」、ここを使うのは初めてのことではなく、私にとっては定番系のレストランだ。
10数名のパーティーから少人数のオフ会など多岐にわたって使えるところで重宝しているからだ。
このウェブサイトに記録があるだけでも「旅人系投資家の集い(2008年8月28日)」と「目黒でランチオフ~スペインに思いを馳せて~(2015年1月17日)」という感じだが、これ以外にも数回使っている。
ワインや料理も美味しく、参加者の皆さんにはいつも感謝をいただいているので、パーティなどで場所の選定に困っているときはここがお勧めだ。
ところで、次回(日時未定)はフェイスブックコミュニティの「地球グルメ」で紹介されていた「すし処 新田中」にでも行ってみるか。

そして、ランチの後は、世田谷区にある和菓子の伊勢屋(〒154-0002 東京都世田谷区下馬1-18-10 電話:03-3422-4769)に行くことにした。
私がここを知ったのは、香港マイタン日記「下馬伊勢屋さんの和菓子がトレトレZNAPストアで限定販売開始!(2014年5月8日)」の記事だったように思うが、実際にオーナーの橋本さんご夫妻と知り合いになったのは、昨年夏の「アメジスト香港特別セミナ『大感謝祭』(2015年6月14日)」のときだ。
そのとき以来、ここの和菓子を買いに、何回か足を運んでいるのだが、今回は月曜会のメンバーを連れて行ってみた。
やはり、マイタンのイベントで相互に知り合いになった前田夫妻が行ってみたいと希望したこともあるからだ。
もちろん、味の方も絶品、私たちがいる間も引っ切りなしに来客があり、記念写真を撮るのも苦慮したほどだから人気のほどがわかるだろう。
実のところ、1月27日の「地球が遊び場~早春旅会!!!」(会場:新橋OMOTENASHI)で私が持参した和菓子はここの商品なのだが、皆さん満足いただけただろうか。
ちなみに、伊勢屋ではスマホ決済サービス「PowaTag」を導入しているので、アプリをダウンロードして使ってみるといいだろう。

カサ・デ・フジモリ 下馬伊勢屋
カサ・デ・フジモリ 下馬伊勢屋
カサ・デ・フジモリ カサ・デ・フジモリ
イベリコ黒豚のグリル レモン添え(1,400円)

2月25日(木)-金運神社の御利益のお裾分け

去る20日、2015年11月のタイ・香港旅行と、2016年河口湖大寒オフ~あらっきーシェフと行く開運グルメ温泉の旅でお世話になったフジヤマツーリストの野澤さんご夫妻をお招きして鉄板焼 蘭麻 麻布店で食事会を行った。
何しろ今年の大寒ツアーの北口本宮冨士浅間神社-恵毘寿社祭で「商売繁盛 事業繁栄」の幟を立てて以来、投資(いわゆる副業)の方も絶好調で、これは御利益のお裾分けをしないといけないだろうということで、今回のイベントをなったわけだ。
その前段として、昨年11月に行ったチェンマイ(Chiang Mai)のワット・チャイ・モンコン(Wat Chai Mongkol)で動物(鳩)を逃がすことで功徳を積んだのも良かったのだろうか。(笑)

そこで使ったのが、ダイナースクラブ・エグゼクティブ・ダイニング、ステータスカードの特典を生かせるのがこういうときだ。
所定レストランのコース料理の1名分が無料になるので、高級グルメを味わうチャンスでもある。
Kona's Salon お金のセミナーの謝恩会(2014年11月26日)で、ここを使ったときは「フリードリンク付パーティプラン」というものがあったのだが、今回はそれがなく、通常の1名分無料のコースだけになっていた。
味わったコースは、「フォアグラ・伊勢海老・極上黒毛和牛コース」、さすがにこれを給与収入の中から賄うことは、今の私には不可能なので、金運神社のご利益万歳といったところだ。
今度はいつこういった食事ができるだろうかと思いつつ、今後も投資収益を上げるべく精進していきたいと思う。
ところで、同じような特典はアメリカンエキスプレスゴールドカードにもあって、「ゴールド・ダイニング by 招待日和」と名付けられている。
次回使えるチャンスがあれば、こちらを使ってみることにするかな?

鉄板焼 蘭麻 麻布店 鉄板焼 蘭麻 麻布店
鉄板焼 蘭麻 麻布店 鉄板焼 蘭麻 麻布店
鉄板焼 蘭麻 麻布店 鉄板焼 蘭麻 麻布店

2月9日(火)-4月からANAとJALの日本発燃油サーチャージゼロは嬉しいが

原油安が世界中の株式市場を震撼させるほどの影響を及ぼしている中、今年の夏休みに海外旅行を企画しようとしている人にとっては朗報が舞い込んだ。
何と、日系大手キャリアのJALについては、今年の4月、5月発券分は燃油サーチャージ(fuel surcharge)なしの運賃で、海外渡航ができることが正式に発表され、ANAも追随すると報じられているからだ。「2016年2月9日-JALプレスリリース 国際線「燃油特別付加運賃」が不要に(4月~5月発券分)
時期的に6月以降の夏の旅行については、この恩恵を十分に受けられる可能性があり、今のまま円高が推移すれば、海外の航空会社であっても、今までと比べて相当お得な価格でチケットが手に入ることだろう。

それにしても皮肉なものである。
私がリーマンショック直後に書いたコラム「円高、原油安は日本にとってグッドニュースではないのか(2008年10月26日)」の当時も株式市場は世界的に暴落し、阿鼻叫喚の悲鳴が上がっていた。
このときは、どちらかというと、原油安は世界株安の誘因ではなく、2008年夏までは暴騰を続けていた。
しかしながら、今回は、原油安が世界株安の誘因の一つとなっていて、今年は年初から株式市場は大荒れ、金融経済界はリーマンショック級の衝撃がいつか襲うのではないかと、戦々恐々とした毎日を送っていることだろう。
そして、欧州を模倣したと言われる黒田バズーカ第3弾のマイナス金利政策が、ドイツ銀行ショックを引き金にした金融不安を日本でも増幅させかねない情勢だ。(2016年2月9日 ロイター 蘇るリーマンショックの記憶、金融不安を高めるマイナス金利
私としては、今年の世界同時株安が脆弱な日本の雇用情勢に大きな悪影響を及ぼさないことを祈るだけである。

全日空・日航、日本発運賃の燃油分上乗せゼロ 6年半ぶり
(2016.2.8 日経新聞)
全日本空輸と日本航空は4月1日発券分から日本発の旅客を対象とした燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を6年半ぶりにゼロにする。
原油安に伴いジェット燃料の価格が下がっているため。
両社が運航する国際線の全路線が対象で、欧米路線の場合は現行よりも往復で1万4千円の負担減となる。
旅行者にとっては円安で割高に感じていた海外渡航の負担が軽減されることになる。

燃油サーチャージは燃油価格に応じて航空会社が運賃に上乗せする料金。
現在、全日空と日航は欧米・オセアニア路線で片道7千円、東南アジア路線は2千~4千円、中国路線では1500円を上乗せしている。これらをすべてゼロにする。

同様の動きは海外航空各社にも広がる可能性が高く、米ユナイテッド航空や米アメリカン航空も日本発の北米路線については4月1日発券分から燃油サーチャージをゼロにするとみられる。
「円安傾向の中でも海外旅行の料金が抑えられる」(日本旅行業協会の田川博己会長=JTB会長)と旅行業界はかねて歓迎の意向を示していた。

全日空と日航はジェット燃料の指標となる「シンガポールケロシン」の取引価格に基づき2カ月ごとに燃油サーチャージを見直している。
ケロシン平均価格が1バレル160ドル(当時の為替レートで約1万7千円)を超えた2008年には日本発の欧米路線の燃油サーチャージが片道3万3千円に達したこともある。

2015年12月~2016年1月はケロシン平均価格が1バレル43ドルとこの間の為替レートで約5160円となり、日本発の燃油サーチャージが発生する両社の基準値となる6千円を下回った。
海外発では両社ともドルベースの基準を下回った2015年12月発券分からゼロにしている。

2月8日(月)-増え続ける世界の海外旅行者(international tourists)を追い風に投資を考えよう

Oia, Santorini Island, Greece国連世界観光機関(UNWTO/World Tourism Organization)の統計によると、2015年に海外へ出かけた旅行者の数は世界で前年より4.4%(5000万人)多い11億8400万人に増え、6年連続で過去最高を更新したとのことだ。(Press Release on 18 January 16 - International tourist arrivals up 4% reach a record 1.2 billion in 2015)
同日付のCNNの英語版の記事「International tourists hit record 1.2 billion in 2015, says UNWTO」にあるInternational Tourist Arrivalsのグラフを見る限り、ここ10年間はリーマンショック後の2009年を除き、順調に観光客数が増えており、2005年の8億900万人から46.4%(3億7500万人)増なのだから、世界中の有名観光地は行列ができるほど混雑するというのがよく理解できる。
かつては、すんなりと入場できた観光名所に、今ではツアーを使わないと延々と並ばされることもあり、時間に制約があるサラリーマン旅行者にとってはキツイ感じがしたのをよく覚えている。
もはや、サラリーマン旅行者は、旅行費用を節約するために行動するのではなく、時間を節約するために現地ツアーを利用することを考えなくてはいけないと本気で思った。

ところで、この先は個人投資家としての目線で書いてみたいが、私が2011年12月4日付で掲載した「多国語(multilingual)対応のホテル予約サイトはお薦めです」というコラム、これは今でもそのとおりで、いかに世界中の観光客の利便を図れるかが収益の基本となっている。
このときに紹介したagoda.jpBooking.comの双方を傘下に持つプライスライン(Priceline.com:株価 PCLN)の株価は驚くことに、2011年12月2日の終値の486.48ドルからさらに上昇して、今では1,015.55ドルと2倍以上になっている。(最高値は2015年11月5日の1,476.52ドル)
私が前回のコラムのときに、「著名投資家のピーター・リンチ(Peter Lynch)がいう10倍株(ten-bagger)はここにあり、と言わんばかりの上昇ぶりである。株式投資で『日本の高度成長期、車を買わずに車を製造する会社の株を買っていれば今頃は億万長者』とはよく言われることだが、まさにホテルを予約し、海外旅行へ行く金で株を買っていれば今頃資産は10倍である。」と書いた。
それではリーマンショック時(2008年9月15日)の株価はいくらかというと、わずか78.67ドルだったので、まさに10倍株実現というわけだ。
今や、この株もリーマンショックの再来かと言われる今年、最高値から急降下しているので、この暴風雨が収まったときに投資の機会が訪れることだろう。

そして、もう一つ検証するのが、ホテルズドットコム(Hotels.com)を傘下に持つエクスペディア(Expedia:株価 EXPE)、これも私の周囲では人気がある旅行サイトだが、2011年12月2日の終値の39.89ドルに比べて、現在は93.54ドル、こちらも2倍以上になっている。(最高値は2015年11月5日の140.51ドル)
これら2つの旅行会社は相当な人気があり、今回の世界市場暴落によって会社が破綻するリスクは非常に低いと思っている。
そうなれば、暴風雨が収まったときが投資のチャンスであり、株価の高さからすれば、エクスペディア(Expedia)の方がはるかに投資しやすい。
ちなみに、これら2つの株式は日本のSBI証券の米国株口座でも購入可能であるため、同業他社でも調べてみるといいだろう。
ついでながら、私が2015年12月29日の「資産形成のための比較的安全な米国株投資法」で紹介したロッキード・マーチン(Lockheed Martin:株価 LMT)と合わせて、今後のポートフォリオにできるのではなかろうか。(参考雑誌:米国会社四季報2015秋冬号 2015年10月21日号: 週刊東洋経済 増刊

一方、今回のテーマに即して、今後日本株に投資するなら、民泊関連銘柄であろうか。
ここで中国人観光客の爆買いに代表されるインバウンド消費を取り上げないのは、本日付の現代ビジネスの記事「中国『爆買い禁止令』の衝撃~習近平『日本が潤うのをやめさせろ!』」というのがあるからだ。
さて、2013年から始まったアベノミクス相場、これは諸外国から好意的な愛称で呼ばれた稀有な時代でもあるが、これはおそらく昨年末で終わりという感じになるだろう。
今年に入って、1月の下落相場を跳ね返すための黒田バズーカ第3弾(マイナス金利政策)で、不動産関連銘柄は瞬間的に上昇したが、その機運も一気に冷え込んでしまった。
ただ、この暴風雨が収まった後で、再び2020年の東京オリンピック開催に向けて力強く歩み出すことができれば、これらの銘柄に投資妙味が生まれると思う。
ちなみに、民泊の総本山であるAirbnbは非上場とのこと、自動車配車サービスのUberとともに将来の米国市場でのIPOが楽しみな銘柄である。

世界の海外旅行者、過去最高の12億人に迫る 国連統計
(2016.1.20 CNN Japan)
(CNN) 国連世界観光機関がまとめた統計によると、2015年に海外へ出かけた旅行者の数は世界で前年より4.4%(5000万人)多い11億8400万人に増え、6年連続で過去最高を更新した。
地域別にみると、欧州、米大陸、アジア太平洋地域を訪れた外国人旅行者はそれぞれ約5%増加。
特に欧州は主要通貨に対するユーロ安が追い風となって、前年より2900万人多い6億900万人が訪れた。
アジア太平洋は1300万人増の2億7700万人が訪れたが、地域や国によってばらつきがある。
米大陸は900万人増の1億9100万人だった。
中東も3%増えた一方で、アフリカは3%減少した。
アフリカ観光の約3分の1を占める北アフリカが不振だったという。
海外旅行者が多い国の筆頭は中国で、日本やタイといったアジアの国や、米国、欧州などに多額のお金を落としている。
一方、ロシアやブラジルからの旅行者は、景気の悪化や通貨安を反映して大幅に減った。
2016年も、それまでの2年間に比べて伸び率はやや鈍るものの、世界の海外旅行者は4%増えると予想。
アジア太平洋と米大陸は4~5%、欧州は3.5~4.5%、中東とアフリカは2~5%の増加を見込んでいる。

英文記事:International tourists hit record 1.2 billion in 2015, says UNWTO (January 20, 2016)

2月4日(木)-黒田バズーカ第3弾の効き目は早くも終わりで、2月も安定した下落相場継続か?

2016年1月24日 ニューイヤーセミナー去る1月29日の金融政策決定会合で、日銀は史上初めて「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入」を行った。
いわゆる黒田バズーカの第3弾と言われるもので、即座に日本の株価と為替が反応して、年初から市場を覆う陰鬱な下落相場が、2月に入れば、一気に陽転するかという期待に満ちた雰囲気を醸し出した。(2016年1月29日-ロイター 日銀追加緩和でマイナス金利導入、株価は乱高下

ところが、黒田バズーカ第3弾以降で、日経平均株価が上昇したのは、この日と2月1日だけで、2日以降は3営業日連続で下落、マイナス金利を導入した効果は雲散霧消の気配、一方で、とりわけ国債の運用を収益の柱にしている邦銀や生命保険会社、そして、彼らの顧客(つまり私たち)にとって負の側面だけが残されようとしている。(2012年2月2日-ブルームバーグ 黒田マイナス金利、適用対象30兆円、民間銀行はどう動く、その影響は

さて、私は去る1月24日にサンワード貿易が主催した「ニューイヤーセミナー 2016年の投資戦略を考える」というイベントに参加した。
そこで、講演した小次郎講師(手塚宏二氏)は、2016年の日本市場の基本戦略は「売り(selling short)」、それでいながら非常に楽しみな相場と評した。
要するに、彼のようなプロの投資家、あるいは「売り」が使える投資家にとっては楽しみであっても、バイ&ホールドが主体の一般の投資家にとっては臥薪嘗胆の相場になるということだろう。
ついでながら、1月22日付のブルームバーグは「ソロス氏:中国のハードランディングは不可避、株投資は時期尚早」(英文:Soros Says China Hard Landing Will Deepen the Rout in Stocks)という記事を掲載している。
私は「熊(bear)の咆哮、2016年の投資のキーワードは戻り売り(sell on rally)(2016年1月16日)」で書いたように、ベアのETFと、日本株の空売り(short selling)を組み合わせて、今年を何とか乗り切ろうと考えている。
今のところ、短期トレード(主に売り)で比較的うまくいっている銘柄があるので、今年はこれ1本に絞ってとことん付き合おうかと思う。

ところで、小次郎講師曰く、移動平均線大循環分析から得られる現時点(2016年1月22日現在)の主要先進国(日・米・欧)の相場環境は、ステージ4の安定下降局面であり、この循環は統計学的に7割方は時計回りになるという。
この順番は一時的に逆になっても、最後には時計回りになり、また、ステージを飛ばすことは基本的にないとのことなので、今回の黒田バズーカの効力が限定的になったのも、下降局面の真っ只中では致し方ないと言えるだろう。
この下落相場の転換点は、コモディティ価格に注目すればいいとのことで、それほど先の話ではないということだった。
未来のことは誰にも予測できないが、過去の暴落相場の歴史に照らせば、秋口(9月、10月)が転換点になるのだろうか。
せっかく彼のセミナーに出たことでトレードのヒントを一つ得られたので、セミナー会場で紹介されていた「数字オンチあやちゃんと学ぶ 稼げるチャート分析の授業」で講師の考え方を復習するのも悪くないだろう。
小次郎講師も触れたコモディティの中で唯一「買い」ができそうなのが、池水雄一氏が推奨した金(ゴールド)、底打ちしそうだということなので、少しずつ現物やETFに投資してみるといいと思う。

そして、この日の目玉だった元自民党衆議院議員で現在は投資家やタレントとして活躍中の杉村太蔵氏、彼の講演もなかなかユニークなものだった。
彼は「バカでも資産1億円:「儲け」をつかむ技術」という本も出しているが、彼の投資の要諦は投資対象銘柄をとことん調べて、買ったらずっと持ち続けるとのことらしい。
また、その会社は10年後も世間に必要とされている商品を生み出しているか、同業他社が類似商品を出していれば、自ら使い勝手を試したりしたそうだ。
高齢化社会を見据えて、自ら介護用オムツを穿き比べたというのはかなり笑えるエピソードだったが、そのおかげで資産を築けるなら安いものだと思った。(個別銘柄に言及しなかったが、ユニ・チャーム(株価:8113)ではないかと思われる。)
それに、彼は、投資について「株を買うと政治や世界情勢などに意識が向くし、日本経済のためにもなる。特に若い人に勧めたい。」と述べたが、これは彼の信念のようだ。
今年は幸か不幸か相場環境は全く良くない。
良くないがゆえに、投資をこれからやろうという人にとっては、将来のための勉強をする絶好の環境であるとも言えるのだ。


2月1日(月)-今年もe-Taxで確定申告終了、還付金でパソコンの買い換えか?

所得税の確定申告の時期は例年2月15日から3月15日までとなっているが、還付申告に関してはそれ以前の時期でも受付している。
国税庁のウェブサイトにある「確定申告期に多いお問合せ事項Q&A-確定申告・還付申告」でもそのように書かれているので、前年の途中で退職した人や、多額の医療費(原則として年間で10万円以上)がかかった人、あるいは、ふるさと納税をした人(ワンストップ特例制度対象者を除く)など、サラリーマンでも年末調整の対象とならない支出があった人で、確定申告することによって、支払った所得税が還付される場合は、給与の源泉徴収票や各種の証明書が揃ったら早々に申告してしまった方がいい。
例年、2月下旬の日曜日だけは、一部の税務署で窓口を開けるようだが、この混雑の最中に突っ込むよりは、比較的空いている時期を選んだ方がストレスも溜まらなくていいだろう。
また、e-Tax(国税電子申告・納税システム)を使った場合、一度提出した申告書に誤りがあるときでも、申告期限内であれば、訂正後のデータを送信するだけでいいので、紙で提出する場合に比べてかなり楽だろう。(e-Taxのよくある質問-データ送信

ところで、今回はe-Taxを使うにあたって、いくつかハードルがあった。
まず、今年の1月から導入されているマイナンバー制度に伴って、今までの住民基本台帳カードに格納されていた電子証明書(公的個人認証)の更新ができなくなってしまうことだ。
横浜市の場合は、2015年11月から今年の3月までに有効期間が満了する人に対し、12月22日までに住所地の役所で電子証明書の更新手続きをするように通知がきていて、私はギリギリのところで間に合った。

しかしながら、この手続きを忘れてしまった人や、昨年の10月以前に失効している人は、個人番号カードを申請しないといけないのだが、ウェブサイトを見る限りでは、申請書の受領から番号カードの発送まで2ヶ月程度かかる予定になっていて、今から申請しても確定申告の時期には間に合わないように思われる。
実のところ、私の場合は、電子証明書を更新しなくても2月24日までは有効だったので、今年の確定申告には間に合ったのだが、ちょうど来週から行くタイ・シンガポール旅行の日程とダブることになったので、念のために更新しておいたのだ。
いずれにせよ、住民基本台帳カードや電子証明書がe-Tax以外にほとんど使われてなかったので、意外にこういう人は多いのかもしれない。(参考:2016年1月28日-現代ビジネス 血税1兆円をドブに捨てた「住基ネット」~元祖マイナンバー、あれはいったい何だったのか? 公的個人認証サービスで利用できるサービスの一覧

そして、今度はパソコンのOSの問題だったのだが、確定申告書等作成コーナーから順に進んでいき、e-Taxを選んだときに出たメッセージが「ご利用の環境ではe-Taxをご利用になれません。 e-Taxの推奨環境のOS/ブラウザにてご利用いただくか、前の画面に戻り、書面提出を選択してご利用ください。」とあった。
確定申告だけのために、パソコンを買い換える(Windows VistaのOSをアップグレードするだけの容量がない)のはバカげているので、読み進めていくと、「Windows Vistaで確定申告書等作成コーナーをご利用の方へ」とあって、「Windows Vistaにつきましては、当コーナーで作成した申告書等を表示・印刷する際に使用するAdobe Readerの提供元であるAdobe Systems社におけるWindows Vistaへのメーカーサポート終了(平成27年11月18日)に伴い、ご利用者のセキュリティリスクの観点から、平成27年分確定申告書等作成コーナー(平成28年1月4日公開)よりWindows Vistaを推奨環境外としております。」となっていた。(2015年10月21日 Internet Watch-「Adobe Reader X」「Acrobat X」来月でサポート終了、Windows Vistaで使える製品が消滅
要するに、今回はWindows Vistaの環境で動作しないということではないので、そのまま申告書を作成し、e-TAXで無事に送信も完了したとのメッセージを受け取った。

さて、今年の確定申告では大丈夫だったパソコンのOS、実はウェブブラウザーのグーグル・クローム(Google Chrome)を開くと、「Windows XPとWindows Vistaはサポートされなくなったため、このパソコンでは間もなくGoogle Chromeのアップデートが受信されなくなります。」とのメッセージが出るようになっている。
サポートが終了するのがいつからなのか、調べてみると、英文になるが、2015年11月10日付のChrome Blog - Updates to Chrome platform supportにて、「2016年4月以降、Windows XPとWindows Vista、Mac OS X 10.6、10.7、10.8についてはGoogle Chromeのサポートの対象外になる。(we're announcing the end of Chrome's support for Windows XP, as well as Windows Vista, and Mac OS X 10.6, 10.7, and 10.8, since these platforms are no longer actively supported by Microsoft and Apple. Starting April 2016.)」との発表がされているようだ。
とりあえず、Windows Vistaの入ったパソコンは、容量も限界に近付いているので、そろそろ買い換えようかと思っていた頃だ。
還付金が10万円以上入る予定なので、新しいパソコンを買う資金にしようかと思うが、果たして何を買うか迷うところだ。

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