鉄ちゃんとグルメを追求する北海道への旅 (2014年9月20日~23日) |
寝台特急の「北斗星」と時期を同じくして、SLニセコ号も2014年秋の運転を最後になくなると知って、急遽乗ってみたくなった。(2014年7月10日-北海道新聞-SLニセコ号も廃止 JR、冬の湿原号は存続 新型ATS搭載困難)
しかし、今回の北海道旅行はびゅーのツアーを使っているため、基本的には「北斗星」で札幌まで行くというのが一つの条件だ。
従って、それを途中で下車した場合は前途放棄となって、長万部から小樽経由のチケットを買い足さないとならない。
当初の計画では、ゴールデンウイークの北海道旅行のときのように、札幌在住のSくんと夕食でも共にしようと考えていたのだが、先方の都合が悪くなり、急いで札幌入りしなくて良くなったということもある。
そこで、私は蘭越から小樽、札幌経由の函館行きという一筆書きのチケットを取り、SLニセコ号に乗ることにした。
そのため、ニセコでSLの出発時間まで過ごすことになったのだが、ここで役立ったのが酒飲みの味方、1回あたり200円でドア・ツー・ドアサービスをしてくれる「にこっとBUS(デマンドバス)」だった。
ニセコ観光 | ||||
にこっとBUS(デマンドバス):予約専用電話 0136-43-2200
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長万部駅 | 目名駅 | ニセコ駅 | ||
鯉川温泉旅館(日帰り湯) | ニセコジンギスカン(昼食) | |||
ニセコ清流下り(北海道ライオンアドベンチャー) |
長万部を9時8分に出発した小樽行きの普通列車は蘭越に10時15分に到着する。
この駅周辺で何か時間を潰すものがあれば、蘭越を12時32分に出発する倶知安行きのSLニセコ号にも乗ることができた。
この2時間という間隔は地方のローカル駅では微妙である。
駅から徒歩圏に何かあればいいが、車で移動しないと行けないところは、鉄道旅行で下車した場合は、おそらく辿りつけない。
そのような条件下で、蘭越町のウェブサイトを見ていて、最も時間潰しに適していそうだったのが、蘭越の次の駅である昆布で下車、跨線橋を渡ってすぐのところにある蘭越町交流促進センター幽泉閣だ。
そして驚くべきことに、昆布駅で数人の外国人旅行者が下りたのだ。
彼らが蘭越で乗ってきたことにも驚いたが、いくらニセコが近いとはいえ、地元の人しか知らないようなところで下りるとは思わなかった。
私はどうしたかと言うと、蘭越でも昆布でも下りずにニセコまで向かうことにした。
やはり短時間しか滞在できないので、ニセコの方が食事をするところも温泉もあるので、5時間を有意義に使えそうだったからだ。
効率的に動くために、あらかじめ私は「にこっとBUS(デマンドバス)」に電話をかけて予約を入れておいた。
10時36分に私が乗った列車がニセコ駅に到着すると、すでに車が迎えに来ており、そのまま鯉川温泉旅館に行ってもらった。
乗客は私1人だけ、簡単に言えば、町内専用タクシーに200円で乗ったようなものだ。
ここでは日帰り湯が可能なので、昼食前に一風呂浴びることにし、約1時間過ごした後に、再び迎えに来た「にこっとBUS(デマンドバス)」でニセコジンギスカンへ向かってもらった。
スキーシーズンやお盆の時期ならこういったレストランも観光客で一杯なのだろうが、この日は地元の人だけしかいないようだった。
バスの送迎付きなので、心置きなくビールを飲み、美味しいジンギスカンを食し、ついでにiPhoneの充電もさせていただいた。
また、店の外から見える羊蹄山を眺めが、この店のセールスポイントの一つだろうか。
北海道ライオンアドベンチャーが主催するニセコ清流下りのスタートは13時30分、所要時間は1時間半ということなので、SLニセコ号の出発時刻の15時40分には余裕で間に合う。
しかも、ラフティングと違って、ゴムボートが転覆しない限りは、基本的に濡れないので、そのまま列車にも乗れる。
幸いに、この日は天気も良く、ボート上から見える羊蹄山を眺めも最高だった。
そういうわけで、我ながら今日の計画はほぼ完璧なスケジューリングだった。(笑)
ウェブサイトには「水に入る場合は着替えや水着」とは書かれているが、日本人がウェットスーツなしで川に入れるのは、例年8月中旬から下旬までの数日だけとのことだ。
寒中水泳が趣味であるロシア人や北欧人であれば、他の時期でも可能だと思うが、9月下旬では足先を水に浸しただけでも相当に冷たく、万が一、ゴムボートが転覆したら死んでしまうのではないかと思えるくらいの冷たさだった。
SL(Steam Locomotive)ニセコ号 (JR北海道による列車案内) |
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ニセコ駅 | ||||
倶知安駅 |
ニセコでの全日程が終了し、いよいよSLニセコ号で札幌へ向かう。
駅ではイベント列車の出発前ということで、構内では地ビールや土産物の販売が行われており、SLの写真を撮っている人たちも混じってホームは相当な賑わいを見せていた。
私も販売スタッフから半被を借りて記念写真、聞くと売り物ではないということなので、持ち帰ることができなかったのが少し残念だった。
そして、15時40分、いよいよ汽笛が鳴ってSLが出発する。
ニセコから倶知安までの20分弱は自由席区間なので、指定券を持っていなくても列車に乗ることができて旅の情緒が味わえる。
パンフレットを見ると、SLニセコ号を使った札幌からの日帰り温泉ツアーもあり、こういった企画はなかなかいいと思う。
私が指定券を取ったのが9月6日、乗車日の2週間前でも買えるほどだったので、それほど人気がないのかと思ったが、結構列車の中は混んでいた。
やはり東京から離れているのと、ニセコがアクセス不便な場所にあるので、観光客の出足が鈍かったのだろうか。
倶知安では停車時間が20分ほどある。
駅のホームではさながら写真撮影会の様相を呈しており、何か買いたければ、駅舎の外に出る時間もある。
これをブルートレインの停車駅でもできないのかと思うのだが、1日に数本しか列車が走らないローカル線だからこそできるのか。
また、ここで長万部発14時29分の小樽行き普通列車と、小樽発14時50分の長万部行き普通列車の交換も行われる。
単線であるがゆえの時間調整もあるのだろうが、長万部から来る列車からSLニセコ号への乗り継ぎもできたので、最初は午前中に洞爺湖を観光して、このルートで北上しようと検討したこともあったが、あまりにも時間がタイトになるため、実行には移せなかった。
倶知安から小樽までの1時間半、この間がいろいろ車内を見て回ったり、子供向けのイベントがあったりして楽しい時間だ。
カフェカーでいろいろな特産品を売っているのは嬉しかったが、できることなら余市のニッカウイスキーの商品も積んでくれればいいのに、と思ったのは私だけなのだろうか。
小樽到着は17時46分、ここで30分の停車時間を挟む。
のんびりとした汽車の旅もそろそろ終わりだ。
東京を出発して24時間、飛行機で飛べば1時間半で着くところを、まる1日かけて札幌に行く。
ほとんど列車に乗っていただけのような気もするが、たまにはこういう旅行もオツなものだ。
今夜の宿泊先はアートホテルズ札幌、シティホテルでありながら温泉大浴場(宿泊者は午前6時から9時までと午前11時から翌朝1時まで入浴可、日帰り入浴は午前11時以降のみ)があるのが素晴らしい。
歓楽街のすすきのにも近いし、明日の出発は10時前なので、こういう日は夜遊びに行くのも悪くないだろう。
その前に腹ごしらえかな?
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