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9月30日(木)−巨人戦の視聴率の低迷を歓迎する

私のプロ野球の贔屓チームは地元の横浜ベイスターズだから巨人戦の視聴率がどうなろうとあまり関係ないが、メディアの報道姿勢に腹立つことが多かった。
それは8月を過ぎて巨人が首位と大差がついたBクラスに甘んじてるときでさえ、「巨人が優勝するためにはもう負けられません。」とアナウンサーが吼えることと、パシフィックリーグで優勝をかけた首位攻防戦が行われているときでさえ、つまらないBクラス同士(巨人戦)の対戦を時間延長までして(つまり他の番組の放送時間がずれ、録画に支障が出たり、遅く始まる番組を見たいときは眠いのを我慢しないといけなくなる)放送していたことだ。

2001年2月に発刊された海老沢泰久氏の著書「巨人がプロ野球をダメにした」にも書いてあるように、巨人はFAと逆指名の制度を使い、金にものを言わせて有力選手を買いあさった結果、他球団とは見た目の戦力差が大きくなりすぎ、心ある野球ファンの離反を招いている。
つまり、リーグ戦は常に強力なライバル、あるいはダークホースの存在がいてこそ盛り上がるのであって、大リーグ級のチームと高校野球チーム級が対戦するゲームを1年中見ていて面白いはずがないのだ。
長嶋人気とマスコミが彼を批判できない風潮を楯に、「長嶋監督の欲しがり病」などと抜かしてプロ野球をつまらなくしたフロントの責任は球界からの追放に値する。
いくら長嶋監督が有力選手を欲しがっても球団が億の金を出せなければ、彼だって2軍の選手から有望選手を見出す努力をするはずだからだ。
今や巨人の2軍選手は「1軍行きの希望のない練習生」と成り果て、かつての「熱狂的な巨人ファン」が次々と「巨人ファンやめた」宣言をするのを私は目にするようになってきている。

私がプロ野球中継をほとんど見なくなったのは、メディアが大絶叫した2000年のON対決以降だ。
この年の日本シリーズ前にダイエーのある選手は「ON対決」と絶叫するメディアの陰で、「戦うのは俺たちなのに」とこぼした。
そしてこの年は巨人と、連覇を狙う星野中日が優勝争いをしていたのだが、星野監督(当時)が「審判まで巨人の味方だ。」と吐き捨てた試合もあった。
私はこのとき、日本のプロ野球界を見捨てた。
一生懸命やってる選手を、応援するファンをこれほど冒涜する行為はないと思った。
ONは尊敬に値する選手なのは間違いないが、とっくに引退した彼らの名前を冠しなければ盛り上げられない発想の貧困さに嫌気がさした。
それにも増してミレニアムという節目は巨人に優勝してもらわなければ、という硬直したスポーツメディアの発言に最も吐き気がした。
そして、日本シリーズは絵に描いたような逆転劇(連敗の後の4連勝)で巨人が勝った。

そして今や大リーグを目指す選手と、FAで巨人を目指す選手には大きな特徴がある。
前者は自分の実力に自信がある、あるいはそれを試したい選手、後者は引退後の生活の糧を築きたい選手だ。
それはあるマスコミの有力者が吐き捨てた言葉で裏付けられる。
「プロ野球の解説者は巨人出身者と古田(ヤクルト)以外はいらない。」
プロスポーツ選手の寿命は短い。
彼らだって引退後の生活設計は重要だ。
つまり、レギュラーポジションに空きがないと誰もがわかるほど埋まっているのに、FA宣言して巨人に来るのはこういう理由だと私は思う。
で、当然、そういう選手は野球を死に物狂いでやろうとするよりは、巨人のユニホームを長く着ていることを考える。
そういった意味で「清原が来るなら俺の居場所はない」と言って巨人を去った落合(現中日監督)と、居場所がないのをわかっていて(しかも他球団の誘いを断ってまで)巨人に来た広沢は対照的な例だった。
で、こんな選手がベンチを暖め、前途ある選手が飼い殺しになっているチームの野球が面白いだろうか?

最近では巨人戦の視聴率も低下の一途を辿り、ここにきてようやく番組編成の見直しに言及するところも出てきた。
日本テレビが巨人戦に固執するのは系列メディアだから許せる。
しかし、日本でたった数局しかないテレビ局がすべて巨人戦の中継権を争うことはないのだ。
もしかすると、今回の球団の再編劇と巨人戦の視聴率の低迷がプロ野球界とメディアを変えるかもしれない。
そうなるなら私はまたプロ野球を見るために時間を割き、球場にも足を運ぶだろう。

今季の巨人戦視聴率、「史上最低」が濃厚に
(2004.9.30 日経新聞)

ビデオリサーチは30日、9月にテレビ各局で中継されたプロ野球巨人戦ナイターの月間平均視聴率が関東地区で8.8%だったと発表した。
年間平均視聴率は9月末現在で12.2%にとどまった。巨人戦は残り5試合しかなく、1989年の調査開始以来、史上最低を記録した昨年の14.3%を下回る公算が大きくなった。

日本人選手のメダルラッシュに沸いたアテネ五輪に視聴者を奪われた8月は、8.7%と巨人戦中継で過去最低の月間平均視聴率をマーク。
テレビ局側は9月の人気回復を期待したが、巨人の成績低迷やストライキなどの影響で、視聴率は思い通りに伸びなかった。
民放キー局の中には「番組ソフトの柱が揺らいでいる」(フジテレビ)として、来年の巨人戦ナイター中継について編成を見直す動きが出始めている。〔共同〕 

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9月23日(祝)−旧体制のメディアはもう終わりか?

スポーツ選手や芸能人がマスコミの取材を拒否する。
それは一般人の我々が考えるよりもリスキーなことだ。
マスコミに非があったり、本人が極度のダメージを受けているときに一度や二度ならそういうこともあろう。
でも下の記事が正しければ中田選手は彼が日本人メディアの取材拒否の姿勢を崩さない限りそうするつもりでいるようだ。

それにしても解せないのは彼にここまでされて何も言わないメディアの姿勢だ。
もしマスコミ側に非がなければ、「何様のつもり」レベルの記事がもっと氾濫しているし、そうなっても仕方がない態度だ。
それがそうならないのは、過去の捏造記事が裁判沙汰レベルの酷さで、スポーツマスコミが彼がどんな態度を取っても強く出れない弱みを持っているとしか思えない。
インターネット時代の今は、彼がマスコミを通さなくてもファンに向けて発言できることも大きいし、プロ野球再編問題に関する掲示板を見てもナベツネと読売新聞を始めとする旧体制側はクソミソになっている。
おそらくマスコミ側が脛に傷持つ身で彼のことを非難すれば、インターネットによる大衆の反撃がマスコミの側に致命的なダメージを与えることを知ってるのかもしれない。

日刊ゲンダイの記者は「日本人記者だけを差別」するのは了見が狭すぎる、と書いているが、日本人の選手が自国メディアに口を閉ざすことが、単に了見が狭いだけのことなのか、全体を見て考えた方がいい。
大リーグに行った野茂選手もイタリア在住の塩野七海さんも日系メディアに対する苦言は「取材対象である自分のことすら勉強しないで来る」、ということなのだ。
要するにプロである彼らに対してプロでない人間を寄越すことに文句を言ってるのだ。

私はエッセイ「未来へのシナリオ」で、ピーター・タスカの著書「不機嫌な時代(Japan 2020)」の中の3つの近未来シナリオを紹介した。
その中の「デジタル元禄」の仮想主人公である田中春子のストーリーにこういう一節がある。

春子はもう10年近く田中新聞を経営している。最初は趣味の域をでなかった−子どもたちが学校に行っている間の片手間仕事だったのだ。
だがたちまちにして彼女の時間のほとんどを要する本業になっていった。
今では太平洋経済機構全域の国々に10万人の予約購読者を持っている。各読者は隔週で更新されるニュースとオピニオンのダイジエストに20円払ってアクセスするので、彼女の年収は5000万円以上になる。かつて夕暮新聞の下っぱ記者だったころには考えられなかったことだ。

だが大きなちがいは収入だけではない。
自分の考えを率直に表明する自由を手に入れたのだ。
ジャーナリストを自称する保守的な中年男たちに支配される巨大な組織の中では、自分の意見をコンセンサスに合わせて調整しなければならなかった。
夕暮新聞は今でも日本の主流をなす最大の新聞だが、発行部数はこの10年間で半減している。主な読者は政府の役人か、オンラインの世界になじめない年寄りぐらいのものだ。

いかがだろうか。
1997年にピーター・タスカが仮想したことの一部が、今や現実のものになっているのだ。
つまり中田選手はおよそスポーツ選手という人気商売では考えられないメディアの取材拒否というリスクを冒してもペイできると判断していたのだろう。
もちろん彼の姿勢に反感を持つ者は一般の人の中にも多いだろう。
しかし、彼は自分とその考え方を理解しうる者だけを味方にすればいいと考えているのかもしれない。
これも自分の考えを率直に表明する自由を手に入れたからできたことにほかならない。
もはやこの流れを止めることはできないのである。

中田英寿が日本人マスコミを毛嫌いする理由は何か
−ちょっと変じゃないか 日本サッカー界のナゾ−
(2004.9.22 日刊ゲンダイ)

フィオレンティーナ(Fiorentina)に移籍した中田英寿。昨季終盤から両股関節痛に悩まされ、15日のブレシア戦で「129日ぶり」に復帰したが、デキは最悪で地元メディアから「どこにいるのか分からなかった」と酷評された。

その中田が存在感を見せたのが試合翌日の記者会見。
会見前に広報担当者が「日本人が質問すれば、その時点でナカタは席を立つ。日本人がイタリア語で質問してもダメ」との通達。
日本人記者の猛抗議にも「チームとしていいことだとは思わない。しかし、これが事実なのだ」と取り合わなかった。

どうしてこんなことになったのか?
「中田はJリーグ平塚(現湘南)時代、某スポーツ新聞にコメントを曲解して掲載されて大激怒したことがある。それ以来、一部のフリーライター以外とは口もきかなくなり、公式ホームページを立ち上げてからは『日本メディアは捏造記事が多い。自分の意見はホームページで発信する。それ以外では絶対話さない』と宣言した。
1998年からはイタリアでプレーするようになり、それでも昨季までは『日本人がイタリア語で質問するのはOK』だったが、ついに日本人はすべてNGになったのです。」(専門誌記者)

周辺では「股関節痛の回復が遅れてイライラしている証拠」ともっぱらだが、どんな理由であっても「日本人記者だけを差別」するのは了見が狭すぎる。ケガでまともに出場もできないのに、書かれて困る話もないハズだ。
いずれにしろ、マスコミ対応もきちんとできないようではスポーツ選手失格だ。

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9月20日(月)−Yokoso! Japan

昨日、テレビ東京の日曜ビッグバラエティで「歓迎!外国人ご一行様 ニッポンおもてなし奮闘記」というのをやっていた。
番組の中では、別府・鉄輪温泉「ホテル風月ハモンド」の社長で別府市外国人旅行者受入協議会(Welcome to Beppu)会長甲斐賢一さんの奮闘ぶりと街を上げての歓迎ぶりのこと、外国人観光客が9割を占めるという山梨県の富の湖ホテルJapanese Inn Groupに加盟の“少数精鋭”駅前旅館の小浜旅館(秋田市)や「忍者」をテーマにしたNinja Akasaka、外国人観光客に人気のデックス東京ビーチの土産物店(いまはやり今治で売っている「浮世絵タオル」=熱を加えると、着物の部分が消えてしまうもの)のこと、外国人向け・海外向けに特化した秋葉原の免税店「アッキーインターナショナル」のことなどをやっていた。
いずれにも共通するのは今までの日本人だけを相手にしたビジネススタイルでなく、外国人に積極的に門戸を開き、あるいは特化するといったビジネススタイルで利益を上げているものだった。

別府市ではホテルでのアジア紙幣両替、お婆ちゃんがバスの乗り方を教えるなど、個人レベルからの意識改革をおこない、まさに街ぐるみでの対応をやっていること、小浜旅館ではベテラン女将が、秋田弁の混じった片言英語とボディランゲージで接客をし、純和風のサービスを提供して外国人に喜ばれていると報じていた。

日本の旅館の中には外国人の受け入れ態勢が整ってないとの理由で受け入れに消極的なところも多いと聞くが、私が旅先で泊まったホテルが必ずしも英語が通じるところばかりではなかったように、彼らにしてもどこでも英語が通じるとは思って来てはいないのだから、日本の観光業界も国内観光客が減ったと嘆いてばかりしないで、新しい分野にトライしてみてはいかがだろうか?
私たちが外国旅行をする際にガイドブックや観光案内所のリストを参考にするように、外国人観光客も最初はそうするのだ。

Japanese Inn Group is highly recommended in the following travel guide books.
Fodor's Guide/ Frommer's Dollarwise Guide to Japan and Hong Kong/ JAPAN a travel survival kit/ Guide Hachette Visa A Tokyo, Kyoto/ Japan Solo/ Brochures published by Japan National Tourist Organization.

「マーケットは世界中にある」
これは何も製造業や商社のトップのセリフでなく、日本が本気で観光立国を目指すなら観光業界のトップもそう言うべきなのだ。
また、多くの外国人観光客が「日本の文化や美」を求めてやってくれば、各自治体や業界が自ずと独自の視点でサービスをしよう、あるいは愚にもつかない環境破壊につながるような公共事業はなくすような圧力が政治にもかかるようになるのだ。
本来ならYokoso! Japanプロジェクトは少なくとも日韓共催のワールドカップが決まった段階でやるべきことだった。
なぜか国土交通省の所管となっている観光行政を公共事業の付け足し程度にしか思ってない政府が音頭を取ればこうなるという典型的なケースだ。
あのときに官民あげて本気で取り組んでいれば、今はもっと違った形で観光行政が進行していたに違いないと思うと残念でならない。

中国人団体旅行ビザ発給対象地域を拡大・外務省
(2004.7.23 日経新聞)

外務省は23日、中国人団体観光客への査証(ビザ)の発給対象地域を9月15日から現在の北京(Beijing)、上海(Shanghai)両市と広東(Guangdong)省の2市1省から3市5省に拡大すると発表した。
新たに対象となるのは天津(Tianjin)市と江蘇(Jiangsu)、浙江(Zhejiang)、山東(Shandong)、遼寧(Liaoning)の4省で、対象人口は現在の約1億人から約3億6000万人に増える見込みで、中国人観光客の増加につながるとみている。

中国人団体観光客へのビザ発給は2000年9月に開始。
中国政府は対象地域の拡大を求めていたが、日本の警察当局などには治安への影響に配慮して慎重論が強かった。
小泉純一郎首相が観光立国を重点政策の一つに掲げたことなどを受け、拡大に踏み切った。
団体旅行参加者の中には滞日中に失そうし、不法滞在する事例もあるため、中国の旅行会社などに引率者の資格の厳格化なども求めていく。

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9月18日(土)−ピーター・タスカの予言が現実となる日

Newsweek Japanの2004年3月31号のコラム"On Japan"でピーター・タスカが「日本の景気回復を望まない人々(PDF)」というものを書いていた。
その要旨はこうだ。

日本の典型的なエリートは、社会の頂点に立つために必死で受験戦争を勝ち抜いてきた元ガリ勉だ。
この種のエリートは無意識のうちに、消費主導型の景気拡大を脅威とみなす。
そうした景気拡大は、過剰消費や社会の激変を伴う。
教育レベルの低い人たちが急に金持ちになってのさばり、若者は年長者に逆らうようになる。
新興企業が果敢に競争を仕掛ければ、談合体質のなれ合い組はシェアを失う。

何よりも国民が官僚を相手にしなくなり、エリート自身の地位が脅かされる……。
幸い、官僚たちは自分の地位を守る確実な方法を知っている。
株式市場が「過剰に投機的」になり、個人消費が「過熱ぎみ」になれば、増税と金融引き締めという手慣れたやり方で内需を抑えればいい。
そうすれば、長期の消費ブームという悪夢のシナリオは避けられる。
私の見方はひねくれすぎているだろうか。
その答えは、今後数カ月にわたって回復基調が続くなか、どんな政策論議が交わされるかでわかるだろう。

いかがだろうか?
昨日、日本プロ野球史上初のストライキを招いた原因と1つである経営側の頑迷さは、まさに赤線部のことが旧勢力にとって事実上の脅威となったことを如実に示している。
各球団のオーナーは新興勢力であるライブドア(4753)や楽天(4755)などの社長が自分たちと同席して欲しいなどと全く思ってないし、おそらく現在のオーナーの中にはIT企業のことなど全く理解の範疇を超えている者もいることだろう。
たぶん新球団をと名乗りを上げた企業が今をときめくJFEホールディングス(旧日本鋼管、川崎製鉄)(5411)だったら諸手をあげて歓迎されたことだろう。

そして、水面下でもくろまれている実質増税案が国会で可決されれば、1997年の消費税率アップによる景気回復の頓挫と軌を一にするように思える。
確かに国家財政は危機的状況を通り越して、腐ったつり橋の支柱がいつ折れるかという状況にある。
だからといって市場の心理的景況感を悪化させればどうなるかということが彼らには理解できないのだろうか?
株式相場の悪化など関係ない、と思っているという人も多いだろうが、「金は天下の回りもの」なのだ。(キャピタル・ゲイン(capital gains) - 1990年代後半のアメリカ人のように暮らそうぜ
結局のところ、私には日本のエスタブリッシュメントがその地位にしがみつきたいがために、将来の世代のすべてを犠牲にしているとしか思えない。
つまり彼らにとって若い世代の台頭は頼もしいと映るより、妬みの対象でしかないのかもしれない。
要するに人間としての器が小さいと言えるだろう。

[定率減税]「拙速な廃止は景気の腰を折る」
(2004.9.18 読売新聞社説)

2005年度税制改正に向け、政府と与党が近く、それぞれ議論を開始する。
最大の焦点は、1999年から景気対策として実施されている所得・住民税の「定率減税」を、どう扱うかだ。

与党は、2003年末まとめた税制改正大綱で、景気が回復しているなら2005、2006年度の2年間で、定率減税を縮減・廃止する、との方針を示している。
しかし、日本経済が現段階で大規模な増税に耐えられるかどうかは疑問だ。
景気は回復軌道をたどってはいるが、まだデフレから脱却していない。この冷厳な事実を忘れてはなるまい。
米国、中国経済の減速、原油の暴騰など、懸念材料も山積している。
定率減税には当分、手をつけるべきではない。

定率減税は、本来納めるべき税額から所得税で20%(最高25万円)、住民税で15%(同4万円)を軽減している特別措置だ。
減税額は、所得税が2兆6040億円、住民税が7824億円に上る。
与党は、これを縮減・廃止し、基礎年金の国庫負担割合を、現行の3分の1から2分の1に引き上げる財源に充てることを狙っている。

引き上げには、約3兆円が必要とされる。
所得税の定率減税を全廃すれば、年金改革法に盛り込まれた「2009年度までに2分の1への引き上げを終える」との約束をほぼ達成できる計算だ。

しかし、「数字合わせ」で減税を廃止するのは、問題がありすぎる。
政府税制調査会は先に、日本の社会経済の変化を分析した答申をまとめた。
個人の価値観や家族の形態が急速に多様化し、「夫婦と子供二人の標準世帯」は、今や少数派になっていることが明らかにされた。
政府税調はこれを受け、所得税の抜本改革に取り組む方針だ。
定率減税の扱いは、その中で検討すべきではないか。

所得税はサラリーマンと自営業者で、捕捉(ほそく)率が異なる。
誰もが同じ額を受給する基礎年金の財源としては、モノやサービスの購入額に応じ、誰もが等しく税を負担する消費税の方がふさわしい。

デフレ脱却をはっきりと確認した後に消費税率を引き上げ、基礎年金の国庫負担に充当するのが筋だろう。
国債依存度は50%に近づき、財政は危機的状況にある。
だが、拙速な増税で不況に逆戻りさせては元も子もない。
2003年度の税収は、景気回復を反映し、見込み額を約1兆5000億円も上回った。
財政再建は着実な経済成長の下でしか達成できない、と教えている。


9月17日(金)−駐車場かWEBショッピングモールか?

株の売り時が難しいということは投資をやっている者なら誰もが感じていることだ。
そのことは6月16日、そして21日の「今日の一言」にも書いたが、上げ基調の株を手放すときは後で後悔するのではないかという葛藤が心の中で渦巻き、その通りに後悔するハメになったときはしばらく気が滅入るものだ。

さて、私は先月日本駐車場開発(2353)という株を買ったのだが、それが今月10日の株式分割発表(9月30日現在の株式名簿搭載者に対し1株を21株にする)のを契機に急騰した。
しかし、私は21分割という報道と、昨今の情勢から見て分割後の子株が還流する50日後にはがっかりするほど株価が下がっていることが多くなってきたことに大きな懸念を持っていた。
それは、もともと長期投資という観点で株を持つことが少ない日本の投資家が、今や分割した後の上昇を期待してずっと持っている人よりも短期の利鞘狙いの人がより多くなっている傾向にあることだ。

事実、昨年ならこのまま分割権利取りの日(24日)まで一本調子で上がる傾向があったが、今や三段飛びの花火で終ってしまう(これは私の感覚的なものだ)傾向が強くなった。
要は、株式分割の発表があった(株価急騰の材料)翌日に買いが殺到する。(ホップ)−さらに翌日には急騰に乗リ遅れまいという投資家が群れをなす(ステップ)−それで買いそびれた投資家の買いが翌々日に入る(ジャンプ)−4営業日後には遅れてやってきた投資家の朝方の買いと、急騰で利益を得た人の売りが交錯して午後に下落に転じる(これが極端になるとローソク足チャートでいう長い上ひげと言って株価急落のサインとなる)。
要するに昨今では短期間で激しい値動きをするために、サーフィンのようなプレーを強いられる。
つまりマネーゲームだ。

こうなると悠長にやってると自分がババを引きかねない。
そこで、私は意を決して今まで買おう、買おうと思っていた楽天(4755)に乗り換えることにした。
今日時点でちょうど日駐2株で楽天1株を買える計算だ。
これもチャート的に見れば高いような気がするが、少なくとも2年くらいは持っていられそうな雰囲気のある銘柄だ。
もはや新興市場(JASDAQ)銘柄とは呼べない日本の基幹銘柄の楽天と、新興急成長株の日駐、どっちを持っていれば良かったかは来年の春頃になればわかるだろう。

そして9月18日号の週間東洋経済は「会社四季報」集計、業績好調度1000社という特集だった。
書店の棚には会社四季報も山積みにされていたが、個人的には四季報を隅々まで読んで投資銘柄を検討するなんてことはできないから、ダイジェストだけでも見てみた。
着目点は「新興市場から厳選50社、四季報発掘の注目材料」だ。
つまり、巷でも一時代を終えたを揶揄されるヤフー(4689)の一部に取って代われるような銘柄探しだ。
候補の一つはセキュアード・キャピタル・ジャパン(2392)、これは不動産市況がどこまで好調さを持続できるかがカギになりそうだ。
もう1つはある投資掲示板で書かれていたプリヴェチューリッヒ企業再生グループ(6720)、いずれにしろ勝負は来週のヤフーの分割権利取り最終日(24日)までだ。

でも数十万円から100万以上にもなる投資をしようというのにこんなに簡単に決めていいのだろうか?
それとも私の金銭感覚が麻痺してきているのだろうか?


9月11日(土)−米中枢同時多発テロから3年

今日、テレビ朝日で「ビートたけしの!こんなはずでは!!スペシャル−9.11 4年目の真実〜7つの疑惑〜」というものをやっていた。
番組の内容は「事件を検証した独立調査委員会は悲劇から3年目を迎える今年7月22日、ついに最終報告書を公開し、なんと日本もアルカイダの標的になっていたことが明らかになった。時を同じくして、ブッシュ政権を真正面から批判するマイケル・ムーア(Michael Moore)監督の映画「華氏911」が公開され、全米で大きな話題を巻き起こした。そんな中、浮上してきた事件に関する7つの疑惑を徹底検証する! 果たして、同時多発テロ事件の衝撃の真相とは!?」というものだ。

  1. ハイジャック機は撃墜された!?

    ピッツバーグ南東約130キロの森に墜落したとされるニューアーク発サンフランシスコ行きユナイテッド航空93便(ボーイング767)の残骸が、単純な墜落ではあり得ないほど広範囲に散乱していたことや、現地の気象台が記録した衝撃波から米空軍戦闘機に撃墜されたという疑惑がクローズアップされている。

  2. 感動の機内からの電話は捏造されていた!?

    アメリカの携帯電話は高度8,000m以上(大型旅客機が安定飛行に入るのはこれ以上の高度である)になると通話不能になるという実験結果や、機内から電話を受けたとされる政府高官が「コレクトコールを受けた」と緊急時には考えられないことを言ったことから疑惑に発展している。いわゆる「作られた美談」だと・・・
    で、地上で電話を実際に受けた人全員を丸め込むのは不可能ということに対しては、音声合成技術を使って本人になりすまし、別のところからかけたという推定で、実際にその機械を使った実演が番組内でされた。

  3. 重大新証言!9.11ブッシュの謎の行動!?

    ボストン発ロサンゼルス行きのアメリカン航空11便(ボーイング767)に続き、ユナイテッド航空175便(ボーイング767)が世界貿易センタービルに突っ込んだという情報を耳にしてもフロリダの小学校での朗読会の行事を即時に中止しなかったことから「テロ」をあらかじめ予期していたのでは?との疑惑がある。

  4. ペンタゴンの謎・消えた機体!?

    国防総省(ペンタゴン)に激突したとされるワシントン・ダレス発ロサンゼルス行きアメリカン航空77便(ボーイング767)は実は違うところで墜落し、ペンタゴンに激突したのは無人の軍用機だったという疑惑がある。
    理由は墜落して機体が炎上しても残る旅客機のエンジンがなかったこと、唯一見つかったエンジンは旅客機のものではなく軍用機のものであったこと、旅客機がペンタゴンに突入したにしては乗員・乗客の遺体が発見されてないこと、突入する際に機体が地上に全く触れないというのは神業に近い技術をもってなくては不可能なこと、別のところで墜落したとされる旅客機のニュースがHot Wiredに一度だけ掲載された以降は全く続報すらないこと。

  5. ハイジャック機は操られていた!?

    世界貿易センタービルに突っ込んだ旅客機は地上から遠隔操作されたのではないか?という疑惑がある。
    つまりハイジャック犯とされるアラブ人の技量をもってしては高度なハイテク機であるボーイング767をあれほど巧みに操縦できないのではないか?ということから疑惑が生じている。
    また、実際に遠隔操作可能なコンピュータチップが機体に埋め込まれているとのことだ。
    その遠隔操作の実験だったとされているのが1999年に起きた副操縦士の自殺が原因とされたエジプト航空990便(ボーイング767)の墜落で元イギリスの諜報部員がそう指摘している。
    また、両方の事件に関して同一の管制官が事件当時存在していたとの内部告発があったという。

  6. ハイジャック犯に衝撃の黒幕!?

    ハイジャック犯とされたアラブ人が空港の駐車場にコーランや遺書をまるで発見してくれ、とばかりに置き去りにしたのはFBIの作為が感じられる、との疑惑がある。

  7. ブッシュとビンラディンの奇妙な関係!?

    テロ事件後に定期航空便の全てがフライトキャンセルになっていた中で、ビンラディンの親族を即座にチャーター機を使ってまで国外へ逃がしたことに対し、疑惑が浮上している。

今日の番組はいわゆる9.11が"New War"への引き金を弾くための「やらせ」疑惑であったのではないかというものだった。
つまり、正当防衛であるということを強調し、兵器の実演ショーを兼ねて10年ぶりの戦争をやりたかったためのセレモニーだったというものだ。
今日はテロから3年ということでアメリカでは様々な追悼式典が行われているが、一方でマイケル・ムーア監督の映画「華氏911」が波紋を呼び、遺族の間ではテロ組織でなく、ブッシュ大統領を相手どって訴訟を起こす動きもある。

おそらくこの事件の真相はJFK(ケネディ大統領の暗殺事件)と同じく数十年先にならないと明らかにされないだろう。
しかし、私はブッシュ大統領が口をすべらせたイラク戦争前の国民向け演説に、9.11から流れるすべてのことが集約されていると確信している。
つまり、"As a last resort, we must be willing to use military force."(最後の手段として我々は喜んで武力行使をしなければならない)という一説だ。
ちなみに、この記事は速やかに各メディアのログから抹消されたようだ。
イラク戦争の開戦宣言で"reluctantly"(いやいやながら)を使ったことの矛盾を指摘されたくはないからだろう。

今度の大統領選挙でブッシュ大統領が対抗馬のケリー上院議員に10ポイント近くの差をつけているとの報道もある。
私は香港旅行のときにCNNテレビしか見てなかったので、何とも言えないが、CNNがReimei氏も言うブッシュの御用メディア化したように彼の勇ましい演説を1日に何度も流せばそうなるのもうなづけよう。
もはや次期米大統領が決定するまで数ヶ月しかない。
さて現職大統領の再選が世界から危険視されているということを、どれだけのアメリカ人が理解しているのだろうか?
そして、つい先日のロシア大統領の対テロ宣言と合わせて聞くと、私はまたもや米露(旧ソ連)が軍事予算を使うための口実作りに奔走しているような気がしてならない。
しかも今回は世界中の主要な国々にそれを分担させようという腹だろう。
特にわが日本政府に・・・

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