宿毛駅

この日は柏島に行こうか、それとも片島港7時発の宿毛市営定期船に乗って沖の島を目指すか考えた結果、初志貫徹、柏島を目指すことにした。
理由は、柏島に公共交通機関を使って行こうとすると、平日しか行けないからだ。
柏島に行くことを勧めるコラムは結構あるが、さすがに、バスを使って行ったという人はほとんどいない。
なぜなら、ふれあいパーク大月から柏島へ行くバス路線こそ、通学・通院用の路線であり、病院や学校が休みになる日曜・祝日は1日1往復しかなくなるからだ。
この酔狂な試みをやるには平日に連続休暇を取ってきた今しかないわけだ。
そして、当日、私は宿毛駅発8時のバスに乗り、ふれあいパーク大月でバスを乗り換えて柏島を目指したのだ。

終着の柏島バス停に到着したのは8時57分、このバスはすぐに折り返して行くが、往復ともに乗客はほとんど乗っていない。
バス停の近くに郵便局があるが、レストランなどはあるような気配すらない。
タクシードライバーがいたので、近くにビーチがあるか聞くと、柏島大橋の近くにある前浜は、スノーケリングの好適地で、魚がたくさん見られるとのこと、もう一つは、バスで来た道を戻り、新柏島大橋を渡ったところの細い階段を下りて行ったところに白浜ビーチという綺麗なビーチがあると言う。
彼曰く、ビーチまで歩けないことはないが、お客を一人乗せるので、私も一緒に乗れと言うので、お言葉に甘えて乗せてもらうことにした。
タクシーに乗って着いたところは、柏島の一つ手前の新大橋白浜バス停で、無料駐車場があるので、ほとんどの人はここを使うと言う。
左手に見える海を一見したところ、まるで南の島のようなビーチが広がってそうなのはわかったが、近くには食事をするところさえなさそうだった。
そして、スノーケリングをやるには、民宿に泊まるか、ショップで申し込みをするかで、私のようにいきなりバスで来てできるような雰囲気はなかった。
インターネットで検索すると、柏島大橋に向かって周辺をもう少し散策すれば、魚（うお）ごころなど食堂が見つかった可能性も高いが、まずはビーチに下りてみようと思った。

ビーチに行ってみて、これは皆が褒めたたえるのは当然だという思いがした。
とにかく、ここは日本の海かと思えるほど奇麗なのだ。
エメラルドグリーンの海の色と、青い空、白いボートにビキニ女子のコントラストは、まるで南国のビーチを彷彿とさせる。
それに、白浜ビーチには、海の家はおろか、シャワー施設もトイレもないので、秘境気分を十分過ぎるほど味わえる。
日焼けを嫌がる大方の日本人は、マイカーに簡易テントを積んできて、それをビーチで広げているが、私にはそんなものはない。
海外のビーチのように、レジャーシートだけ敷いて、カンカン照りの中で目の保養をするのだ。（笑）
幸いに、私は海外のビーチでそういうことに慣れているから平気だが、一般的な人がそれをやるのはあまりにもリスクが大きいだろう。
それに、ビーチには日本にありがちな海の家などというものがないし、さすがの私もビールなし、食事なしで午後3時までいるのはキツイので、12時半のバスで帰還するか、食堂を探すか腹を括らなければならないようだ。

柏島－白浜ビーチ
柏島には大きく分けて3つのビーチがある。新柏島大橋の手前、小さな駐車場と、新大橋白浜バス停の近くにある白浜、柏島大橋の近くにある前浜、柏島バス停（漁港）近くの後浜だ。 このうち、スノーケリングに適したところは前浜、南国のような景観が見られるのは白浜だ。 公衆トイレは、柏島バス停のそばと、新柏島大橋を渡ったところにあるが、白浜にはシャワーや更衣室などの施設はない。 施設が整ったビーチへ行きたければ、竜ヶ浜キャンプ場へ行くといいだろう。 柏島に食事をするところはあまりないが、その中では魚（うお）ごころがお勧めというコラムがいくつかある。

ちょうど12時になった頃、名残惜しい気持ちを残しながら私は柏島を去る決断をした。
素敵なビキニ美女が増えてきて目の保養がよくできるようになったのはいいが、肝心のスノーケリングは白浜ビーチではできないし、ちょっと泳いだところに魚がいるのはわかったのだが、あまりにも遠すぎて（深すぎて）写真に収めることはできないからだ。
それに、スノーケリングの器材も水泳用のゴーグルさえ持っていない私が、海に顔をつけて写真を撮るのは困難だった。
また、食堂を探して見つけたとしても、午後の滞在時間を持て余しそうな気がしたからだ。
カンカン照りの下で肌を晒すのは3時間で十分、そう思った私は12時31分発のバスでふれあいパーク大月へ戻ることにした。
ただ、ここで想定外だったのは、ここにある食堂が火曜定休ということで、昼食が取れなかったのだ。
仕方がないので軽食とジュースだけ買い込んで宿毛行きのバスに乗り込んだ。

ふれあいパーク大月

宿毛駅にバスが着いたのは午後2時過ぎ、ここで私は観光案内所（宿毛市観光協会）に行って、宿毛駅周辺で何か見どころはあるかと聞いたところ、あまりパッとしたところはないようだった。
自転車を借りてサイクリングをしたところで、それは同じらしく、私は意を決して中村へ向かうことにした。
こう考えると、ますます宿毛でなく、中村で泊まれば良かったと思う。
仮に今朝の8時発のバスに乗るとしても、中村発7時16分の普通列車に乗れば、宿毛には7時49分に到着するので、十分間に合うのだ。
唯一、片島港7時発の宿毛市営定期船に乗って沖の島を目指すときだけは宿毛に泊まるか、レンタカーで行くしかないが、それ以外は中村の方が便利そうだった。

宿毛駅

15時4分に列車が中村に到着して、私が最初に向かったのが、駅舎を出て左手にある観光案内所（四万十市観光協会）だった。
一番手っ取り早いのは四万十川観光遊覧船、予約なしで乗れる定期便を運航しているのは、四万十の碧と、なっとくの二社、いずれも最終便が16時ということだったが、駅から少し離れたところが乗船場になっていて、そこまでのアクセスが必要だという。
マイカーでなければ、タクシーということだったが、往復のタクシー代を使ってまで乗るほどのものではなさそうだったので、諦めることにした。
もっとも中村市内は中村まちバス（予約 0880-34-1269）というのが運行されているのだが、乗船場の近くには行ってくれそうな感じではない。
こういうサービスは観光客向けでなく、市民向けのものだからだ。

結局、私が選んだのはダイエットを兼ねてサイクリング、レンタル自転車を借りて川沿いを散策することだった。
そして、ところどころ川べりに下りる道があるので、そこを行くと四万十川沿いに出る。
今日も酷暑の四国、サイクリングなんて酔狂なことをしたものだから汗だくで堪らない。
柏島から水着のままジャージの短パンだけを着けてきたので、それを脱いで、足を川に浸した後でしばし川遊びをする。
暑さを忘れるくらいに水が冷たく気持ちがいい。
さすがに、こんなところで流されたら誰も助けてくれないので、浅瀬で遊んで汗がひいたところで帰る支度をする。
約1時間の運動をした後で、自転車を返した私は、17時32分発の普通列車で宿毛に戻る。
夕食はなぜか昨夜と同じところで、ステーキディナー、ダイエット効果ゼロだよな～（笑）

四万十川沿いをサイクリング

中村駅

和食レストラン「ゆうゆう」

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