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3月31日(日)-ダイナースクラブカードモニター半年経過

ダイナースクラブモニターアンケート
年月 旅行先 空港 ラウンジ名称
2012年9月 台湾・香港 香港 The Travelers' Lounge - East
2012年10月 香港 成田 KAL Business Class Lounge
京都・大阪 羽田 エアーポートラウンジ
2012年11月 タイ 羽田 Sky Lounge
香港 The Travelers' Lounge - West
バンコク CIP Lounge
2013年1月 タイ・シンガポール 成田 TEI Lounge
シンガポール SATS Premier Lounge
プーケット The Coral Executive Lounge
2013年2月 台湾 成田 IASS Executive Lounge
台北 EVA Air Lounge
(ANAビジネス利用による)
2013年3月 セブ島(フィリピン) 成田 IASS Executive Lounge
ソウル Hub Lounge

昨年8月にダイナースクラブカード(Diners Club Card)のモニターになると、年会費(15,750円)が2年間無料になるというキャンペーンに申し込んでから半年経過した。
公式のモニターアンケートは本日回答した分と合わせて第2回まで終えたことになるが、私がこのカードに申し込んだ最大の理由である空港ラウンジの無料利用に関して、今までの旅行で使った感想を書いてみたい。

基本的にダイナースクラブカードで使える空港ラウンジは、プライオリティパス(Priority Pass)で使えるところよりも少なめだが、モニター期間が経過した後も年会費(15,750円)を払って継続するかどうかは、プライオリティパスの年会費やラウンジ使用料と比較してみればいいと思う。
仮に日本からの直行便のみを利用した海外旅行が年3回だとして、スタンダード会員の基本料金がUS$99(約9,400円)、往復のうち1回ずつラウンジを使ったとして使用料がUS$81(約7,700円)なので、ステータスバリューを考慮すると、これだけでダイナースクラブカードの方がいいということになる。

そこで、空港ラウンジが利用に値するかということだが、正直言って、成田と羽田についてはわざわざ金を払ってまで使う価値はほとんどない。
今やモバイル機器を常時持参しているような人はWi-Fiルータくらいは持っているだろうし、ソフトドリンクしか無料でサーブされないのであれば、わざわざラウンジを使わなくても、空いているレストランでビールでも頼めば、そこでインターネットサーフィンを楽しめるだろう。
海外のラウンジに関しては、私がアジアで使った空港ラウンジはいずれも及第点だ。
香港のラウンジの混雑ぶりは致し方ないにしても、軽食とアルコールが無料でサーブされ、Wi-Fiも無料で使えるので、何の問題もない。
トランジット顧客をどう扱うかという空港当局のスタンスがこうしたところにも反映されているとも言えるが、日本の空港のテナント使用料がバカ高いことは容易に想像できるので、民間会社が無料でアルコールや軽食をサーブできるほどにはならないのだろう。

私は、今後の予定としてゴールデンウイークは北米、カリブ海に渡航するつもりなので、そこで最終判断を下すことになるが、ダイナースクラブカードもデルタ航空のマイレージプログラムと提携(デルタ スカイマイル・ダイナースクラブカード)しているので、デルタ スカイマイル・シティ ゴールドVISAカードの年会費が上がる2014年7月までにVISAの方は解約ということになるだろう。
幸いにしてVISAとUnitedマイレージプラス・セゾンカードの使い勝手にそれほど遜色はないし、いざとなれば、HSBC Advance Visa Platinum Cardを使うこともできるからだ。
もっとも在職中なら解約予定のVISAカードの代わりに、年会費無料か格安のVISAカードを作ることもできるが、そこまでする必要もないだろう。


3月30日(土)-就職おめでとう、と言うべきか

来週月曜日は4月1日、官公庁や多くの日系大企業では入社式が行われ、トップの方々がいろいろな挨拶をすることだろう。
その中で、ここ10数年、というかバブル経済の崩壊から20数年、つまり、来週入ってくる新入社員の生まれた時以降のキーワードは「厳しい環境を乗り越え」だ。
私が知る限り、このキーワードが、官公庁や日系大企業のトップの挨拶に盛り込まれなかったことは、小泉政権下の一時期を除いてほとんどないように思う。
今年の新入社員ならずとも、今の若者に言わせれば、いつまで厳しい環境が続くのか、と聞きたいだろう。

彼らはいずれ気づくだろう。
城繁幸氏の「若者はなぜ3年で辞めるのか?年功序列が奪う日本の未来にあるように数年かもしれないし、もしかすると、子どもが小学生になり、住宅ローンや教育費が重荷になり始める40代になってからかもしれない。
希望が叶って、心の中では「勝ち組」になれたと思っている新入社員の方々や、そのご両親には申し訳ないが、Chikirinの日記で「あなたの孫はインドか中国で生まれます(2009年7月14日)」や「年功下落の時代へ!(2011年3月25日)」と書かれているように、日本でサラリーマンをやっている限り、下手をすると、厳しい環境は一生涯続くことになる。
まして、「将来有望な若者の将来価値を毀損する、大きなワナ(2011年8月7日)」に書かれているような、グローバル化に乗り遅れた企業に勤めたら、将来は公務員に向かって吠え立てるだけの負け組リーマン必定であろう。
唯一の例外は、海外展開をしている、あるいは海外の事業計画が具体化している企業に勤め、その会社が成長し、自らもそこで活躍できる人材になることだ。
そういった意味で、私は今年の新入社員に素直に「就職おめでとう」とは言えないのだ。

昨日の昼休み、偶然巡りあった対照的な取り合わせに、私は心の中で笑っていた。
一つは、来週、大勢の新人の前で10分間のスピーチをしなければならないと、食事中も原稿の最終校正に頭を悩ませる20代の後輩、もう一つは、友人であるワールドインベスターズの石田さんがFacebookでオファーをかけていた「知り合いの日系企業が、ドバイでの日本人の採用赴任を考えています。ドバイや中東で動き回る元気な若者を採用したいとのことです。ドバイで働きたいという方いましたらメッセージください。」というものだった。
昼休みに同席していた彼女には申し訳ないと思ったが、私が興味を惹かれたのは、後者の方だった。
そして、私は昼食後に彼女たちに思わず言っていた。
「こういうオファーに興味があります、と即答しないとチャンスを逃すことになるんだよ。だって滅多にないのだから」と・・・

ところで、私は心の底から「あなた方は気は確かか?」と聞きたいと思ったことがある。
それは、2013年3月5日付のリセマム(RiseMom)に掲載されていた「親が子どもに就いてほしい職業、1位『公務員』」というものだ。
この記事は、バンダイが1995年4月から実施している「こどもアンケート」で、「将来なりたいものに関する意識調査(2013年1月)」の結果に基づいて書かれているのだが、調査対象が3~15 歳の子どもを持つ保護者であることだ。
年齢的には20代後半から30代であろうか。
彼らは同年代の若手公務員がそんなに恵まれていると思っているのだろうか。
また、自分たちの子どもが成人した頃の日本の公務員がそんなに魅力的な職業になっていると思っているのだろうか。
もし、これら2つの質問の両方にイエスでないのに、親が子どもを公務員にしたいと思っているなら、これほど子どもにとって不幸なことはない。
なぜなら、子どもを公務員にしたいと思っている親からは、自分の子どもを21世紀のグローバル社会に通用するようにしようとか、それに向けて教育(投資)をしようという発想は出ないからだ。

最後にファイナンシャルプランナーの深野康彦氏の著書「会社が傾いても『自分だけは大丈夫』病」の前書きに書かれていた一節を紹介したい。
「いま、本当に重要なのは、自分の人生をしっかりその手に”握る”ことです。
会社に依存し、他人に自分の人生を明け渡した状態で、自分に「オイシイ話」がめぐってくることなど百パーセントありえません。
もはやほとんどの会社員や公務員に上がり目はありません。
給料はなかなか上がらず、過去にあなたの頑張りによって会社が蓄積してきた剰余利益は、社員に還元されずに株主たちに回っているのです。
これは数字が証明する嘘偽りのない事実です。
つまり、朝から晩まで働いて、「給料が上がらない」と嘆く会社員に幸運がめぐってくることはない、ということです。
公務員にも、アゲンストの風が吹くことはあっても追い風に恵まれることはないでしょう。」
これを読んでどう感じるかで、自分の人生が決まると言っても過言でないだろう。
そして、私が表題に「就職おめでとう、と言うべきか」と疑問形で書いたこともお分かりいただけるだろう。

会社が傾いても「自分だけは大丈夫」病
■はじめに

私は業界でも数少ない、”ひも付き”ではない完全独立系のファイナンシャル・プランナー(FP)です。
これまで20年以上にわたって、お金に関する個別相談を受けたり、セミナーや講演などで全国津々浦々を回っています。
セミナー終了後の質問には時間の許す限り対応し、また懇親会などがある場合は、必ず出席するようにしています。
なぜなら、そこで一般の方々の”本音”が垣間見えるからです。

会社員や公務員という勤労者から、自営業やフリーランスまで、多様な働き方の人々の「財布の中身」や「資産の中身」に接してきましたが、普段表に出ることのない秘められたお金まわりの実態に接してみると、世の中の裏側が見えてきます。
とりわけ最近、痛感するのが、会社員や公務員などに「ある病理」が広がっていることです。
「自分だけは大丈夫」病とでもいうべき、根拠なき安心感を持っている人が非常に多いのです。
しかもこの病は、だれでも知っているような有名企業に勤める人々に顕著に見られるのです。

いまや大企業の正社員、公務員でさえも、一生安泰とはいえません。
リストラのニュースも珍しくなくなりましたし、夕張市や大阪市の例を見れば公務員だってどうなるかわかりません。
メディアは騒ぎたて、それを見聞きした人たちも、みんなたいへんだなあ、いよいよ日本はヤバイぞと酒場のネタにする。
しかし、実際のご当人の家計や財布の中身はというと、残念ながらその自覚は微塵も感じられません。
じつは、すぐそこに迫っている「収入の危機」を直視していないのです。

30代半ばの夫婦のケースです。
ともに正社員で、世帯収入800万円。子どもはまだいません。
「5000万円の借金をしてマイホームを購入したい。業者には、審査は問題なく通る、と太鼓判を捺された」と言います。
たしかにこの水準なら、審査はギリギリ通るでしょう。
業者は売るのが商売なので、一日でも早く売ってしまいたい。
銀行もさっさと貸してノルマを達成し、支店の営業成績に貢献したい。
日本は貸し手責任を問われない仕組みになっているので、夫婦が返済に窮しても咎められることはない、と考えているのかもしれません。

昨今、史上空前の低金利ということもあり、このように目一杯の住宅ローンを組む若い世帯が増えています。
たしかに、夫婦が住宅ローン完済まで800万円の収入を維持できれば問題はたぶん起きないと思われます。
でも、今後、夫婦に子どもが生まれてどちらかが仕事を辞めざるをえなくなったらどうなるでしょうか。
あるいは、勤務先の業績が悪化して、ボーナス半減、最悪全額カット、または給与が削減されたらどうなるでしょうか。
たちまち返済不能の状態に陥ってしまうことは確実です。

ところが、この夫婦に 「もしも」や「万一」という発想はありません。
そうしたリスクが自分たちにふりかかる可能性をまったく考えていないのです。
そして、微笑みながら言うのです。「たぶん、私たち夫婦は大丈夫だと思います」
とくに根拠はないけれど、自分だけは大丈夫と思い込む。
すぐそこにある収入の危機に向き合おうとしない。
それが、「自分だけは大丈夫」病です。

この病に悍患している人の例は、いくらでも挙げることができます。
「自分は違う」と思われたあなた。
ひょっとして、住宅ローンをボーナス併用払いにしていませんか?
退職金で一括返済しようなどと考えていませんか?
もしそうだとしたら、あなたはこの夫婦を笑うことはできません。
あなたも「自分だけは大丈夫」病にかかりかけているのです。
お金とのつき合い方を見れば、その人の「本質」が透けて見えてきます。
個人としてもそうですし、さらには、こんな「自分だけは大丈夫」病の人々がはびこる会社の経営がどうなっていくのか、少し怖い気がします。

本書は、そんな「自分だけは大丈夫」病を脱するための本です。
人生は、経済的基盤のよしあしでほとんど決まると言っても過言ではありません。
経済的に自由なら、どんな人生の選択も可能になります。
しかし、その基盤を失ってしまえば、たちまち生活は崩壊の危機に直面してしまいます。
その意味では、目先の収入の多寡よりも、経済的基盤の強固さ、自由度の高さのはうが、人生の幸福度を左右する大きなファクタ一になるといえます。

残念ながら、多くの人はその「事実」に気づいていません。
いま、本当に重要なのは、自分の人生をしっかりその手に”握る”ことです。
会社に依存し、他人に自分の人生を明け渡した状態で、自分に「オイシイ話」がめぐってくることなど百パーセントありえません。
もはやほとんどの会社員や公務員に上がり目はありません。
給料はなかなか上がらず、過去にあなたの頑張りによって会社が蓄積してきた剰余利益は、社員に還元されずに株主たちに回っているのです。
これは数字が証明する嘘偽りのない事実です。
つまり、朝から晩まで働いて、「給料が上がらない」と嘆く会社員に幸運がめぐってくることはない、ということです。
公務員にも、アゲンストの風が吹くことはあっても追い風に恵まれることはないでしょう。

ならば、発想を根本から変えて、他人に左右されない生き方、働き方をしていくしかありません。
一部の特権的階級にある人以外は、具体的には”フリーエージェント化”していくしか道は残されていないと考えられます。
特定の会社と「雇用という独占契約」をするのではなく、稼げる技能、能力を持ち合わせ、収入源を多様化(分散)するのです。
サラリーマンという生き方を続けるとしても、いまいる勤め先は”仮住まい”。
自分で稼ぐ、いつでも移籍できる-そんな意識を持って日々の仕事に取り組むことです。
そうすれば、希望退職が募られたときや、今いる場所に絶望したときも、自分の意思で行動を起こすことができるはずです。

そのためのツールやノウハウ、仕事術や資格取得など、いわゆるビジネス・自己啓発関連本はたくさんあります。
しかし、フリーランスとして経済的基盤を守りながら生きていくための、あるいはフリーランスの気概を持って働くプロフェッショナルのためのお金の本はほとんどありません。
そこで本書では、収入の危機に備え、そして自分の稼ぎを上手に動かして、より豊かに生きるためのノウハウを紹介したいと考えます。

昔も今も、「本当に金回りがいいのは独立・開業した自営業」と相場は決まっています。
年収1000万円超の会社員や公務員は多くありませんが、成功したフリーランスには、その壁を軽く超えている人がいくらでもいます。
そうやって稼いでいる人たちは、どうやってお金を回しているのか。
節税はどうしているのか、リスクにはどう備えているのか。
これらには、曹遍的で具体的な方法があります。
脱法・違法行為に手を染めずとも、合法的に節税できるやり方はいろいろ準備されていますし、節税しながら老後に備えることも可能なのです。

本書では、成功したフリーランスや自営業者たちが実践しているマネーマネジメントの方法についても、つまびらかにしたいと思っています。
これまで財布を会社や役所に預けて、人生を重ねてきた会社員や公務員の人々には、所属する組織と共倒れになる前に自律的に生き直し、自分の力で成功を掴むためのコツを感じ取っていただきたいと思います。

非正規雇用で不安な日々を送られている人の中には、正規雇用の人には利用できないさまざまなお得な制度を知らず、活用できていない人がたくさんいます。
今日から使える実践的な知識を身につけて、”非正規”から”プロフェッショナルなフリーランス” に転身してください。
自分のお金の出入りを見つめ直すプロセスを通して、自分の生き方・働き方を見つめれば、その先に、これまでとはまったく違った世界が見えてきます。
そして、大学卒業と同時に会社員や公務員などという”身分”を手にすることが、必ずしも生涯の安定には直結していないことに気づくはずです。

私は、これからの時代、会社員であれ公務員であれ、フリーランスの意識で働き、周囲から必要とされる人材でなければ生き残れないと思っています。
「フリーエージェント・サラリーマン」とでもいうべき、雇用されずに組織の一員となって働く人も増えていくと予測しています。
ノマドワーカー(nomad worker)や、コワーキング(co-working)というような仕組みが急速に広がっているのは、その変化の過程の一端ではないでしょうか。

よりよく働き、より稼ぐ方法は、その道のプロフェッショナルであるあなた自身が知っているはずです。
私はお金まわりのプロとして、本書で、日本人のはとんどが教育を受けておらず、欠けている能力、「マネーマネジメントの技術」を伝えたいと思っています。
この「武器」ざえ手にすれば、あなたは迷うことなく自分の道を進んでいけるようになると信じてやみません。

3月26日(火)-三種類の宝くじ、ホップ、ステップ、ジャンプはせずで越境ならず

BIG 609回去る3日のコラムで私が「麻雀ゲームで九蓮宝燈をあがった!」ということを書いたとき、私はBIG最高6億円くじ(609回)と、グリーンジャンボ宝くじ、そして台湾の宝くじ(Uniform-Invoice Prize Winning Numbers)と3種類の宝くじの当選発表を待っていた。
最初がBIGで3月3日(同日)、次がグリーンジャンボで15日、最後が台湾の宝くじ(2013年1-2月分)で25日だった。

通常であれば、宝くじが当たることは10枚買えば誰でも当たるジャンボの末等以外は、それこそ単なる夢で終わってしまうのだが、今回は何かが違った。
まず、BIGが5等(くじ結果の14桁の数字のうち4つはずれ)の1,740円が当選していたことで、俄然夢が実現するのでは、という期待が生まれた。
次のグリーンジャンボも6等(6桁の数字のうち下2桁が一致)の3,000円が当選、もしかすると台湾の宝くじ(2013年1-2月分)は実質無料の台湾旅行ご招待クラスの当選金(2等:40,000元=約13万円/1等の当選番号のうちレシートの下7桁の番号と一致)以上が当たるのではという期待が自分の心の中で高まった。

しかし、世の中はそんなに甘くはなかった。
台湾の宝くじは端にも棒にもかからないレベルで雲散霧消、無料で越境(台湾旅行)以上の夢は、はかなく消えてしまった。
最初のBIGが当たった、これってよく考えると、物凄く当選確率が低いような気がするので、それが当たったことで、グリーンジャンボは1等かも、とか思ったこともあったのだ。
終わってみると、総額6,900円の投資(台湾はコンビニ等での買い物なので除く)で5,340円の戻り、夢を追った3週間のコストは約1,500円ということだった。
残念ながら今月末でサラリーマン辞めます!とは言えなかったので、もう少しの間、サラリーマン人生を続けることになる。
でも、自分では少し長いな、と思ったりもするのだ。○○年後が・・・

ところで、今日、職場と携帯電話にHSBC香港から電話があった。
いったい何事かと思って出たら「HSBC香港で買った米国株」のことで、今晩(香港時間で26日の23時59分)が配当金相当の新株取得(再投資)を希望するか、キャッシュで配当をもらうかの選択の期限だったらしい。
今まではデフォルト(既定)が新株取得(再投資)と書いてあったので、何も意思表示をしなかったのだが、これからはREPLYボタンを押して回答した方がいいらしい。
でも職場に電話してくるのは勘弁して欲しいな~
タダでさえ英語で電話がかかってくるようなところではないのだから(爆)


3月24日(日)-越境の第一歩、ロングステイセミナーに参加してみた

飯田橋の桜並木昨日、ファイナンシャルアカデミーで行われた「ロングステイはそう遠くない世界ですセミナー(有料)」に参加してみた。
講師は財団法人ロングステイ財団の山田美鈴さんと、持田正美さんに、トロピカルリゾートライフスタイル(コスモス・プラン)の大塚公朗氏の3名、講師の顔ぶれからマレーシアのことが中心になることは容易に想像できたが、財団が実施したアンケート調査でもマレーシアはここ6年ばかり、ロングステイ希望国の第一位となっているそうだ。
直近の2011年度の回答結果でも第一位がマレーシア、第二位はタイ、第三位はハワイ、次いで第四位以下、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、インドネシア、フィリピン、台湾、シンガポールと、10位以内にアジア諸国が6カ国、英語が公用語の国が7カ国と、アジアかつ英語が通じる国がロングステイの候補地の主力となっている。
山田さん曰く、ロングステイの手始めは、財団の海外サロンがある国から始めるといい、と勧めていた。

ところで、ロングステイというのは、生活の主たる源泉を日本に置きながら海外の一ヶ所に比較的長く(2週間以上)その国の文化や生活に触れ、現地社会での貢献を通じて交際親善に寄与する海外滞在型余暇という定義だそうだ。
単純に言えば、余暇を過ごすということなのだから、基本的には働かないということで、財団が提供するビザの情報も「退職者査証等」ということになっている。
私が早期リタイアを夢見た10数年前は、オーストラリアやニュージーランドの投資家ビザの取得要件も手が届きそうなレベルだったのが、今やビジネスオーナーにならない限り、つまりサラリーマン投資家では不可能なレベルにまでになっている。

従って、私の狙い目はタイ(Thailand)かフィリピン(Philippines)ということになるのだが、セミナーではこれに加えてマレーシア(Malaysia)の長期滞在(MM2H)ビザの説明がされた。
聞いてみると、国によって日本で申請できる場合と、現地でないと申請できない場合があり、年齢要件がない国の場合でも、ビザ取得に必要な資産要件(収入や預貯金)は、50歳以上の方が少なくて済むのだが、その年齢に到達するまでにいっそう円安が進行してしまうと、目論見が狂ってしまうリスクは大いにある。
大塚氏曰く、マレーシアのMM2Hビザは、申請にあたって年齢要件不問、10年有効で、ビザを取得した人は配偶者や21歳未満の子ども、60歳以上の両親の同行が可能とのこと、しかもビザを取得したからといってマレーシアに居住する必要はないそうだ。
資産要件は、収入や銀行預金について英文の証明が必要だが、日本語の場合は英訳してそれに証明を添付して提出するそうである。
ちなみに、ロングステイにおける医療保険については、海外旅行傷害保険への加入を勧めていて、日本居住者であれば、「日本の健康保険の海外療養費払い戻し制度について」も参考にして欲しいとのことである。

そして、現地の生活コストについては、セミナーの資料として財団発行の季刊誌「LONGSTAY」から抜粋した生活者の体験談が資料として配られていたので、それを読んでみた。
クアラルンプールで暮らす夫婦は、家賃(2,500リンギット)込みで月額8,800リンギット(約266,000円/1リンギット=30.2円で計算)、バンコクで暮らす夫婦は家賃(8,000バーツ)込みで月額35,000バーツ(約112,000円/1バーツ=3.2円で計算)となっていた。
セブ島で暮らす夫婦は、家賃なし(持ち家)で月額89,000ペソ(約205,000円/1ペソ=2.3円で計算)と書かれていたが、これは贅沢に暮らした場合のようである。
バンコクで暮らす場合は、私の友人のレポートによれば、家賃、ビザラン費用込みで月額平均57,000バーツ(約183,000円)、日本人のレベルの生活を維持するには最低でも40,000バーツ(約128,000円)あった方がいいと言うので、もう少しかかるように思える。
タイにビザなし滞在の場合、基本的にビザランは往復空路となるゆえ、その費用はバカにならないと思った方がいいだろう。
バンコクのロングステイの夫婦の場合は、その費用がないものとして計算した方が間違いないように思う。

最後の質疑応答のところで、私は現地の銀行口座開設について聞いてみた。
マレーシアについてはMM2Hビザの仮承認書(MM2H Conditional Approval Letter)を持って行くと現地口座が開設可能、私が興味があったタイについては、バンコク銀行なら観光ビザでも開設可能とのことだが、このあたりはインターネットで流れている直近情報と違っているような気もしたので、再確認が必要かもしれない。
ただ、財団のアンケートでは海外銀行に口座を開いて利用している人は少数派で、「キャッシュをどこに保管すればいいのか」という質問があるほどだという。
要するに、昨年まで為替相場の基調が全般的に円高傾向であったことや、ロングステイといっても日本の非居住者になっている人ばかりでないことが主な要因なのだろうが、私にしてみれば結構驚きであった。
従って、財団の人たちはそれほど各国の銀行口座開設要件に通じているわけではなさそうで、大塚氏の回答してくれたマレーシア以外の案件は自分で確認しないといけないだろう。

とりあえず、越境の第一歩、ロングステイセミナーはこんな感じで終わった。
驚くことに、このセミナーの参加者は私よりも上の50代が多いのかと思っていたが、蓋を空けてみると、30代や40代が出席者の大半であった。
私の友人の石田さんが最近出した本で「越境せよ! 日本で絶望するより国境のない世界で稼げ」というのがあるが、そのようなことを言われなくとも越境しようという人で会場は溢れていたのだ。
また、昨年の11月17日に東京ビッグサイトで行われたロングステイフェアは9,000名以上の参加者で溢れかえっていたそうで、私も行こうと思ったときには満員で締め切られた後だった。(財団のウェブサイトによれば今年も11月に開催の予定)
やはり東日本大震災(311)の後の方が海外ロングステイに関する相談が増えている、と講師の人たちは言う。
今回のセミナーの出席者の年齢層の想像以上の若さは、彼らの感じる日本居住リスク、つまり危機感の表れと言えなくもないだろう。

関連サイト


3月20日(祝)-キプロスの預金税(savings levy)の実験は将来の日本の預金封鎖の布石になるのか

去る18日、キプロスに対するEUの金融支援策が、銀行預金者に負担(預金課税)を求めるという一連のユーロ圏加盟国支援策としては前例のない措置を含んでいたことで、その措置が財政危機が懸念される他の南欧諸国にも波及するのでは、という恐れから欧州・アジアを中心とする各国の株式市場とユーロに動揺が走った。
その翌日、日系メディアのほとんどがキプロスショックを国際面の一般記事としてしか報じなかったことに対し、Market Hackには「日本のマスコミは何故キプロスの預金封鎖をちゃんと報道しなかったか」というコラムが掲載された。
それによると、「日本は第二次世界大戦後、世界で預金封鎖を実行し、成功した、唯一の国である。マスコミの報道の自粛の理由の一つは、預金封鎖の実体験がある唯一の国民である日本人に、その忌まわしい思い出を呼び起こさせないようにしている。預金を封鎖し、預金に対して税金をかけることを経済学では預金税(capital levy)と言うが、銀行取引が一般的でなかった昔は、不動産や家畜などの資産への課税を指していた。預金税は、実際には、自分の銀行預金残高の一部が、ある日、忽然と消滅することを言う。」とあった。

キプロス国会で導入が否決された預金税(bank levy, savings levy, deposit levy)は、キプロス国民ならずとも反発するのは当然で、日本が預金封鎖(税)に成功したのは当時の米国政府(GHQ)がバックにあったからだと言われている。
そして、現在、EUがキプロスに対して壮大な実験を敢行しているというわけだ。(ブルームバーグ-欧州は新たなキプロス救済策を検討へ-銀行預金課税案否決で
事実、フィナンシャル・タイムズのコラムニストであるウォルフガング・ムンチャウ(Wolfgang Munchau)氏はこう書いている。
The Cyprus rescue has shown that the creditor nations will insist from now that any bank rescue must be co-funded by depositors.(債権国は今後、銀行を救済するならその預金者にも負担を求めなければならないと主張するようになる-。今回のキプロスの救済劇はそう告げているのである。)
ただ、今回の賭けがある程度EUの思惑通りにいった場合の副作用は非常に大きいものになる。
なぜなら、脆弱な財政基盤しか持ち得ない国の銀行からは、富裕層の預金が一斉に流出することになるからだ。

ところで、日本の財政の現状は世界でも突出して悪く、債務残高(対GDP比)は2011年に200%を突破、EU圏で財政危機状態にあるイタリアのほぼ倍となっている。
巷で言われているように、このような借金依存型の財政がいつまでも続くわけがなく、いずれ破綻すると言われている。
そうなると、第二次世界大戦で敗戦したときの状況と同じで、国内ではハイパーインフレが起き、さらには政府が国民の金融資産を召し上げることにもなるだろう。
その当時のことは、大蔵省財務局五十年史 第1章 総論 第1節 総説 3.理財業務 II 金融・証券や、預金保険制度の歴史 戦後の金融機関再建整備で書かれているのだが、当時の預金のうち、一定額までを第1封鎖預金、それ以上が第2封鎖預金とされ、第2封鎖預金(当時の金額で原則として3千円を超える旧円預金)は最終的には切捨てられたので、これが英字紙で一般的に使われる経済用語でいう ヘアカット(haircut=元本削減)になったというわけだ。(預金封鎖(bank hokiday)-過去の実例

このヘアーカット(haircut=元本削減)とは、債権者が債務者の元本の一部、又は全部を放棄することなのだが、日本の銀行法でいう預金の債権者とは我々のことである。
要するに、お金を銀行に貸して利子を受け取るというのが預金の法的な位置付けなのだが、政府が強制的に預金債権の一部を放棄させ、それを政府に渡しなさい、というのが預金税のことである。
ちなみに、終戦当時に適用された金融機関経理応急措置法と、金融機関再建整備法は廃止されておらず、いつでも適用可能な現行法である。

また、かつて日本で預金封鎖が行われたときは、コンピューターなどない時代ゆえ、預金を分散しておいた人は別勘定扱いとなり、株式や社債など企業の発展に役立つ資産の購入には封鎖預金の別枠で払い戻しが認められたという。
2016年(平成28年)1月から施行が予定されている社会保障・税番号(マイナンバー)(参考:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案)が導入されると、コンピューターで名寄せが容易にできるようになるので、国内の金融機関で分散預金をしておいてもほとんど意味がないが、かつては投資用の資金が別勘定だったことは留意した方がいい。
こういった意味でも海外へ資産逃避をする人が増えているのだが、何事も備えあれば憂いなし、ということなのだろう。
私としては、キプロスで実験されている預金税(bank levy, savings levy, deposit levy)のようなものが、将来の日本の政策にならないことを祈るばかりである。

最後になるが、ウォルフガング・ムンチャウ(Wolfgang Munchau)氏が書いている次のコメントは含蓄に富んでいる。
「それにしても分からないのは、なぜキプロスの人々は事前に預金を引き出さなかったのか、ということだ。新聞(Cyprus Today on January 10, 2013 - In Cyprus Bailout, Questions of Whether Depositors Should Shoulder the Bill)を読んでいなかったのだろうか?それとも、こんなことは絶対に容認しないと約束した新大統領を信頼していたのだろうか?また、ほかの南欧諸国での預金逃避がこれほどまでに少ないのはなぜなのか?ほかの国々の国民も政府を信頼したのか?そして、それ以上に重要なことだが、彼らは今後も政府を信頼し続けるのだろうか?(The really puzzling thing is why did people not withdraw their money before? Did they not read the newspapers? Maybe they trusted the new president of Cyprus, who had promised them that he would never accept this? And why has there been so little deposit flight elsewhere in southern Europe? Did they, too, trust their governments? More importantly, will they continue to do so now?)」
今回のことから私たちが学ぶべきことは非常に多い。
いくら情報があってもそれを自分の身に降りかかる可能性があるものとして認識しない限り、それは単なるガラクタと同じなのだ。

Europe is risking a bank run
(Financial Times by Wolfgang Munchau March 17, 2013)
取り付け騒ぎの危険を冒す欧州の財務相たち
(2013.3.19 Japan Business Press)
Sir Mervyn King once said it was not rational to start a bank run but rational to participate in one once it has started. The governor of the Bank of England was right, of course. On Saturday morning, the finance ministers of the eurozone may well have started a bank run.

英国のイングランド銀行(中央銀行)総裁を務めるマーヴィン・キング氏はかつて、銀行の取り付け騒ぎを引き起こすのは合理的ではないが、いったん始まってしまったら参加するのが合理的だ、と語ったことがある。もちろん、総裁の言う通りだ。先週土曜日の朝、ユーロ圏の財務相たちはこの取り付け騒ぎを引き起こしてしまったのかもしれない。

With the agreement on a depositor haircut for Cyprus - in all but name - the eurozone has effectively defaulted on a deposit insurance guarantee for bank deposits. That guarantee was given in 2008 after the collapse of Lehman Brothers. It consisted of a series of nationally co-ordinated guarantees. They wanted to make the political point that all savings are safe.

キプロスの銀行預金のヘアカット(元本削減)-実際に使われている表現はこれとは異なるが-の実施で合意したことにより、ユーロ圏は銀行の預金保険による保証を事実上デフォルト(不履行)した。この保証は2008年、リーマン・ブラザーズが破綻した後に設けられたもので、国ごとに整えられた一連の保証で構成されていた。預金はすべて安全だという政治的な主張を打ち出すことがそれらの狙いだった。

I am using the expressions "in all but name" and "effectively" because legally, Cyprus is not defaulting or imposing losses on depositors. The country is levying a tax of 6.75 per cent on deposits of up to Euro 100,000, and a tax of 9.9 per cent above that threshold. Legally, this is a wealth tax. Economically, it is a haircut.

「実際に使われている表現はこれとは異なるが」とか「事実上」といった言葉を筆者が使っているのは、法的に言えばキプロスはデフォルトしておらず、預金者に損失を押しつけているわけでもないからだ。この国は10万ユーロ以下の預金に6.75%、そしてそれを超える額の預金には9.9%の税を課そうとしている。法的に言えば、これは富裕税である。経済的に言えば、ヘアカットだ。

I myself had favoured a haircut, or tax, on deposits of more than Euro 100,000 - the portion not covered by the deposit insurance guarantee. There is no moral or economic reason to protect foreigners who have decided to park large sums in a Cypriot bank account for whatever reason.

筆者自身は、預金保険による保護の対象から外れる10万ユーロ超の預金に限ってヘアカット(あるいは課税)を行った方が良かったと考えている。多額の資金をキプロスの銀行に預けることにした外国人を保護する理由は、なぜそのような預金をしたかに関係なく、道義的にも経済的にも見当たらない。

Such a haircut would also have been in line with the philosophy of deposit insurance. Its purpose is not to provide absolute certainty, but to prevent bank runs, which is what happens when you go after small depositors. Well-designed deposit insurance schemes thus impose ceilings.

また10万ユーロ超の預金に限ったヘアカットなら、預金保険の哲学に沿ったものにもなっただろう。預金保険の目的は絶対的な確実性を提供することではなく、取り付け騒ぎを防止することにある。取り付け騒ぎは、少額預金者からカネを取ろうとする時に発生する。上手に設計された預金保険制度で保護される額に上限が設けられているのはそのためだ。

I just could not believe it when I heard that eurozone finance ministers went after the small depositors in Cyprus. I understand the purely technical reason why they did it. The eurozone could not agree a full bailout, which would have cost Euro 17bn.

ユーロ圏の財務相たちがキプロスの少額預金者からカネを取ることにしたと聞いた時、筆者はとにかく信じられなかった。そういう決定を下した純粋に技術的な理由は理解できる。ユーロ圏は、キプロスを全面救済することで合意できなかったからだ。全面救済となれば、170億ユーロの資金負担が生じていた。

The Germans rejected a loan which they were certain Cyprus would invariably default on. So the sum was cut to Euro 10bn. A depositor haircut was the only way to co-finance this. When they did the maths, they found the big deposits would not have sufficed.

キプロスにカネを貸してもどうせ踏み倒されると確信したドイツは、融資を拒んだ。そのため、支援額は100億ユーロに減らされた。この穴を埋めるには、預金のヘアカットを行うよりほかにない。そして計算してみたところ、大口預金者のヘアカットだけでは足りないことが判明した。

So they opted for a wealth tax with hardly any progression. There is not even an exemption for people with only very small savings.

そこで財務相たちは、累進性がほとんどない富裕税を選んだのだ。今回の決定には、ごく少額の預金者への減免措置すら設けられていない。

If one wanted to feed the political mood of insurrection in southern Europe, this was the way to do it. The long-term political damage of this agreement is going to be huge. In the short term, the danger consists of a generalised bank run, not just in Cyprus.

暴動が起きそうな政治的ムードを南欧で醸成したかったのであれば、今回の決定はまさにうってつけだった。この合意による政治的ダメージは、長期的にとても大きなものになる。短期的には、銀行の取り付け騒ぎがキプロスにとどまらず、あちこちに広まる恐れがある。

As in the case of Greece, the finance ministers said: "Don't worry, this is a unique situation". This is true only in a very narrow legal sense. The bond haircut in Greece is indeed different to the depositor haircut in Cyprus. And when they repeat this elsewhere, it will be unique once more.

ギリシャの時のように、財務相たちは「心配しなくていい。これはこの国特有の状況だ」と述べた。この指摘が正しいのは、法律上のごく狭い意味で言う場合に限られる。ギリシャ国債のヘアカットとキプロスの預金のヘアカットとは確かに別物だ。そして、財務相たちがどこかほかの国についてこの台詞を繰り返すことになっても、そこでの状況はやはりその国特有のものになるだろう。

Unless there is a last-minute reprieve for small savers, most Cypriot savers would act rationally if they withdrew the rest of their money simply to protect them from further haircuts or taxes. It would be equally rational for savers elsewhere in southern Europe to join them. The experience of Cyprus tells them that the solvency of a deposit insurance scheme is only as good as that of the state. In view of Italy's public sector debt ratio, or the combined public and private sector indebtedness of Spain and Portugal, there is no way that these governments can insure all banks' deposits on their own.

少額預金者への課税が土壇場で猶予されない限り、キプロスの預金者のほとんどは、追加的なヘアカットや課税から自分の資産をとにかく守るために残りの預金をすべて引き出すという合理的な行動に出るだろう。ほかの南欧諸国の預金者にとっても、これに追随することが同じくらい合理的な行動になるはずだ。キプロスの経験から分かるのは、預金保険制度の支払い能力は国家のそれと同程度でしかないということだ。イタリアの公的債務の国内総生産(GDP)比、あるいはスペインやポルトガルの公的部門と民間部門が抱える債務の合計などに照らしてみれば、これらの国々の政府が銀行預金を独力で全額保護することなど不可能だ。

The Cyprus rescue has shown that the creditor nations will insist from now that any bank rescue must be co-funded by depositors.

債権国は今後、銀行を救済するならその預金者にも負担を求めなければならないと主張するようになる-。今回のキプロスの救済劇はそう告げているのである。

The really puzzling thing is why did people not withdraw their money before? Did they not read the newspapers? Maybe they trusted the new president of Cyprus, who had promised them that he would never accept this? And why has there been so little deposit flight elsewhere in southern Europe? Did they, too, trust their governments? More importantly, will they continue to do so now?

それにしても分からないのは、なぜキプロスの人々は事前に預金を引き出さなかったのか、ということだ。新聞を読んでいなかったのだろうか?それとも、こんなことは絶対に容認しないと約束した新大統領を信頼していたのだろうか?また、ほかの南欧諸国での預金逃避がこれほどまでに少ないのはなぜなのか?ほかの国々の国民も政府を信頼したのか?そして、それ以上に重要なことだが、彼らは今後も政府を信頼し続けるのだろうか?

There are some institutional impediments against bank runs within the eurozone. Some countries impose daily withdrawal limits, ostensibly as a measure against money laundering. Nor is it easy to open a bank account in a foreign country. In many cases, you need to have residency. You may need to travel there in person, and you need to speak the local language - or at least English.

ユーロ圏には、取り付け騒ぎを防ぐ制度的な仕掛けがいくつか導入されている。例えば、一部の国ではマネーロンダリングを防ぐという名目で、1日の預金の引き出し額に限度が設けられている。また、外国で銀行口座を開設するのは容易なことではない。その国に住んでいなければならないことが多いうえに、口座を作るには銀行の窓口に本人が出向かねばならないこともある。現地の言葉-あるいは、少なくとも英語-を話す必要もある。

But I would not take too much comfort from those impediments. Once fear reaches a critical mass, people will act, and then a bank run becomes a self-perpetuating process. There has been a lot of complacency about the eurozone crisis in the past eight months.

しかし筆者は、こうした仕掛けがあってもあまり安心できない。恐怖心がひとたび臨界に達すれば、人々は行動を起こす。そうなれば、取り付け騒ぎは自己増殖的なプロセスになる。ユーロ圏危機についてはここ8カ月間、かなりの油断が見受けられた。

Many people even thought the crisis was over because Mario Draghi, president of the European Central Bank, gave a lender-of-last-resort guarantee. Bank depositors now understand that if the crisis was over, then that was only because the eurozone had found a new source of funding: their savings.

欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が最後の貸し手になると保証したから危機は終わった、とまで考えた人も多かった。銀行の預金者はこのキプロスの一件を見て、次のように理解しているだろう。もし危機が終わったのであれば、それはユーロ圏が銀行預金という新たな資金源を見つけたからにすぎない、と。

I have no idea whether or not there will be a bank run in the next few weeks. But surely it would be rational.

向こう数週間のうちに取り付け騒ぎが起きるかどうか、筆者には見当がつかない。だが、もし起きたら、それは間違いなく合理的だ。

3月18日(月)-キプロスショックでトレーディング・ポイントのFX口座は大丈夫か

今日の経済ニュースのトップは、すべてと言っていいほどキプロスに対するEUの金融支援策のことだった。
ここでは銀行預金者に負担(預金課税)を求めるという一連のユーロ圏加盟国支援策としては前例のない措置を決定したため、支援策が発表された16日、キプロス国内ではATM内の現金は数時間で枯渇し、電子送金は停止されたという。(ロイターニュース-キプロスが支援合意の修正急ぐ、議会採決延期・預金者に動揺広がる
キプロスはEUの金融支援がなければ、デフォルトすると見られていて、これによって、欧州経済危機への懸念が再燃、今日のユーロと各国の株式市場は暴落した。

このキプロスと私の関わりは、昨年の3月に海外FX会社であるトレーディング・ポイント(Trading Point)でデモ口座を開いたことに始まる。(2012年3月25日-スワップ狙いのFX投資で早期リタイアは実現するか
そして、新年度入りをしたのを契機にリアル口座を開いて本格的にFXの取引をする予定になっていた。(2012年4月1日-トレーディング・ポイント(Trading Point)社でFX口座を開いてみた
ところが、私がデモ口座でスワップ狙いのFXトレードの実験をしているうちに、それ以上の安定した収入源を確保できたため、海外FX会社での運用自体を凍結してしまったのだ。(2012年6月3日-Toward a dream-come-true「経済的自由への扉は開かれた」 2012年6月9日-スワップ狙いのFXデモトレードの成果
もっともFXのトレード自体は、ほぼ同時に国内の証券会社で開いた口座で始めていて、1年近くたった今では、年間トータルでも上々の成果を上げることができている。

一方で、私はいつでもトレーディング・ポイント(Trading Point)でもリアルトレードが開始できるようにHSBC香港の口座に送金先登録だけはしておいた。
この送金先は、自分が選択した口座通貨(Account Currency)によって多少異なるが、受取銀行はすべてキプロス銀行(Bank of Cyprus Public Company Ltd)だったのだ。(今は英国系のBarclays Bank PLCも指定できる)

For CHF Accounts
Beneficiary Name Trading Point of Financial Instruments Limited
Beneficiary Address Richardou & Verengarias 12, Araouzos Castle Court, 3rd Floor, P.C. 3042, Limassol, Cyprus
Bank Name Bank of Cyprus Public Company Ltd
Beneficiary Bank Address Evrou Business Center, P.O.Box 21472, Nicosia, 1599, Cyprus
Swift Code BCYPCY2N
Account Number 0122-41-001588-24
IBAN CY84 0020 0122 0000 0041 0015 8824

このキプロスに関しては、昨年の6月14日に「キプロスの国債格付けがBa1からBa3に引き下げられた」(ブルームバーグ-欧州危機深まる-ムーディーズのスペイン、キプロス格下げで)とか、11月30日には「資金繰りに苦しむ国内銀行の資本増強に向けては、国際債権者から最大100億ユーロの支援が必要」(ロイターニュース-キプロス銀行支援、必要額は暫定で最大100億ユーロ=中銀総裁)などという報道がされていて、欧州経済危機下にあって、とてもキプロスの銀行に送金しようという気にはなれなかったし、トレーディング・ポイント(Trading Point)からは毎日のように入金ボーナスキャンペーンのメールが送られてくるのに余計危機感を覚えて、実のところ今現在でも証拠金の入金はしていない。

香港マイタン日記や海外FXお役立ちガイドによれば、幸いなことに今回のキプロスショックによるトレーディング・ポイント(Trading Point)のFX口座への影響はなく、今まで通り資金の出し入れもできるとのことだ。(香港マイタン日記-キプロス 預金封鎖 FX会社は大丈夫?? 海外FXお役立ちガイド-キプロス支援における海外FX会社の影響について
ただ、私としてはキプロスの会社に資金を預けてFXをやるくらいならHSBC香港のMargin FX口座の方を使うだろう。
基本的なトレード用語(英語)は、トレーディング・ポイント(Trading Point)のデモ口座でも習得できるし、レバレッジの倍率も100倍とか200倍にしてトレードする可能性はほとんどないからだ。
何しろFXのトレードをするだけでも神経を使うのに、預け入れた証拠金が安全かどうかまで神経を使いたくないからだ。


3月13日(水)-東急東横線渋谷駅で撮り鉄やってみた

昨年の10月7日に「半年後に迫る東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転」というコラムを書いて早5ヶ月が経過した。
そして、いよいよ3日後の2013年3月16日から、東急東横線と東京メトロ副都心線が相互に直通運転をし、渋谷駅と代官山駅も地下化される。
今月に入って撮り鉄(お前もだろ、とは言わないように!)が増え始めた渋谷駅、昨年はほとんど誰もそんなことをしていなかったのだが、さすがに地上駅がなくなる直前になると、デジカメやスマートフォンを構えた人たちがアチコチで見られる。(東急東横線-渋谷の地上駅の風景
今日も帰宅ラッシュが始まる前でも混雑している渋谷駅で、私も含めた多数の素人カメラマンが電車目がけてカメラを構える姿に、居合わせた外国人観光客が"What happen?(何があったの?)"と駅の警備員に聞いていたほどだった。

この分だと、最終日の15日の渋谷駅ホームは酔客と撮り鉄で溢れ、駅員と臨時に雇われたガードマンが大忙しになることだろう。
上り列車は終電近くになると変則ダイヤになり、渋谷へ着くオオラスの列車は0時49分着、逆に渋谷から出るのは0時44分発の元住吉行きだ。
最後の上り列車は、中目黒に0時57分着、そこから渋谷まで代替バスが出るという。(東急電鉄-3月15日(金)の夜間に限り、東横線の一部の区間を運休します
ここまで根性で撮り鉄を完遂する人はどれだけいるだろうか。
残念ながら私はその頃、フィリピンのセブ島でバカンスを楽しむ予定になっているので、その様子を間近で見ることはできない。
そう、普段は何の変哲もない電車なのだがね。(笑)

東急東横線渋谷駅 東急東横線渋谷駅
東急東横線渋谷駅 東急東横線渋谷駅

3月11日(月)-国外財産調書制度は脱税防止に役立つのか

2012年度(平成24年度)税制改正において、国外財産調書の提出制度が創設された。(国税庁パンフレット・手引き-法定調書関係
適用開始時期は、2013年(平成25年)12月31日現在に保有する国外財産の金額が5千万円を超えるものについて、2014年(平成26年)1月1日以後に提出すべき国外財産調書からとなる。
普通に考えれば、金融資産が億単位であっても、その名のとおり、国外に財産がなければ、関係ないことだと高を括っていることだろう。
ところが、2012年10月30日付のザイスポは「日本にあっても国外財産の摩訶不思議!スタートまであと1年『国外財産調書制度』は無駄と抜け道が山積の奇怪制度」という記事を掲載した。
記事によると、この制度は国内の証券会社などを通して買った外国株なども調書の記載対象となるために、金融資産が億単位であると、国外に財産がなくとも、国外財産調書制度の適用対象となる可能性が出てくる噴飯物の法令だと言う。
それで、税理士や証券会社などに相談に行く人が絶えないという記事もあったほどで、実際のところはどうなのか私なりに調べてみた。

この国外財産調書の記載対象となるものを規定する根拠法令は、「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令」という長ったらしい名前の政令である。
この改正後の政令の第10条第1項で、国外財産の所在地を相続税法第10条第1項、第2項の規定を適用して特定するとしてしまったために、国内の証券会社で買った外国株や外国債、外国籍ファンドでさえ、株式や債券などを発行している政府や法人が外国にあるため、すべて国外財産となってしまうのだ。
平たく言えば、今時の金融投資商品で国外財産にならないものは、日本株、外貨預金(相続税法第10条第1項第4号で、国内の金融機関への預け入れ資産はすべて国内財産となる)、そしてFXやCFDの証拠金ぐらいなものだろうか。
証券業界などから突き上げられた金融庁が平成25年度税制改正(租税特別措置)要望として、「国外財産とされる有価証券の範囲から国内金融機関において管理されるものを除外すること」といったものを提出したのは当然の成り行きだろう。
ちなみに、この法令は、1回当たりの国外送金が100万円を超える場合、あるいは年間の国外送金回数が千回以上になった場合は、国税当局に国外送金等調書が通知されることが規定されているものでもある。(法第4条第1項、第2項、令第8条第1項)

ところで、億単位の財産がないような一般庶民は、この制度は全く関係ないと思っていることだろう。
しかし、金融庁の税制改正要望にもかかわらず、財務省が欠陥政令を改正せずに、このまま制度がスタートしたらどうなるか。
証券会社や金融機関は、富裕層の顧客を繋ぎ止めるために、現行の特定口座年間取引報告書に付随させて国外財産目録のようなものを作成するくらいのサービスはするだろう。
外国株の取引口座を保有している人に関しては、全員に対してそのような類のサービスを行うかもしれない。
果たして、その費用は誰が払うのか。
おそらく、外国株の取引手数料や、外国籍ファンドの信託報酬(運用経費や事務経費)、あるいは外国証券口座管理料の値上げなどで対応することになるだろう。
そんなことになれば、アベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)で戻りつつある個人(Finacial Times on March 11, 2013 - Mrs Watanabe comes out of hiding 日本語訳:JB Press-アベノミクス効果でミセス・ワタナベが市場に回帰)の投資離れがかえって酷くなるかもしれない。

一方で、本来なら純粋に国外にある資産だけを把握したい国税当局にとっても、国内の財産目録など書かれても全く意味がないどころか、それを振り分けている手間とコストは無駄以外の何物でもない。
現在、国税庁が租税条約などに基づいて外国の税務当局との間で行われている情報交換件数は、国税庁から要請した分に限れば、平成23年度の1年間でわずか1,000件余りだ。
おそらく、外国の税務当局との情報交換は、高額の脱税が見込まれるケースに限ってやっているのだろうが、これに自己申告に基づく調書が加わったところでどれほど役に立つのだろうか。
限られた人員でやり繰りしている国税当局が余計な仕事を抱え込めば、それだけ脱税や滞納者の捕捉が疎かになり、かえって悪影響を及ぼしかねない。
2012年9月8日付の日経新聞の記事には「税務署はここを見る 国外財産と『金』に照準」とあるが、実際に制度が始まると、どうなるだろうか。
私が思うには、今のままでは国税当局でさえ喜ばない、要するに、友人のPharmさんがよく言っている「誰も幸せにしない日本システム」がまた一つ増えることになるだろう。

内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律
(平成24年3月31日法律第16号/未施行)
第三章 国外財産に係る調書の提出等
第5条(国外財産調書の提出)
居住者(所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二条第一項第三号に規定する居住者をいい、同項第四号に規定する非永住者を除く。)は、その年の十二月三十一日においてその価額の合計額が五千万円を超える国外財産を有する場合には、財務省令で定めるところにより、その氏名及び住所又は居所並びに当該国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した調書(以下「国外財産調書」という。)を、その年の翌年の三月十五日までに、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める場所の所轄税務署長に提出しなければならない。ただし、同日までの間に当該国外財産調書を提出しないで死亡し、又は同項第四十二号に規定する出国をしたときは、この限りでない。
その年分の所得税の納税義務がある者 その者の所得税の納税地
前号に掲げる者以外の者 その者の住所地(国内に住所がないときは、居所地)
前項の規定の適用がある場合における国外財産に係る所得税法第二百三十二条第一項に規定する明細書に記載すべき事項については、同項の規定にかかわらず、当該明細書への記載を要しないものとする。
前項に定めるもののほか、国外財産の所在及び価額に関する事項その他第一項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
第五章 罰則
第10条
国外財産調書に偽りの記載をして税務署長に提出した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
正当な理由がなくて国外財産調書をその提出期限までに税務署長に提出しなかった者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。ただし、情状により、その刑を免除することができる。
内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行令
(平成24年3月31日政令第106号/未施行)
第三章 国外財産に係る調書の提出等
第10条(国外財産調書の提出に関し必要な事項)
法第五条第一項の国外財産の所在については、相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第十条第一項及び第二項の規定の定めるところによる。
前項の規定による国外財産の所在の判定は、法第五条第一項に規定するその年の十二月三十一日(次項及び第四項において「その年の十二月三十一日」という。)における現況による。
法第五条第一項の国外財産の価額は、当該国外財産のその年の十二月三十一日における時価又は時価に準ずるものとして財務省令で定める価額による。
前項の規定による国外財産の価額が外国通貨で表示される場合における当該国外財産の価額の本邦通貨への換算は、その年の十二月三十一日における外国為替の売買相場により行うものとする。
相続又は包括遺贈により取得した国外財産について国外財産調書(法第五条第一項に規定する国外財産調書をいう。以下同じ。)を提出する場合において、当該相続又は包括遺贈により取得した国外財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によってまだ分割されていないときは、その分割されていない国外財産については、各共同相続人又は包括受遺者が民法(明治二十九年法律第八十九号)(第九百四条の二を除く。)の規定による相続分又は包括遺贈の割合に従って当該国外財産を取得したものとしてその価額を計算するものとする。
前各項に定めるもののほか、国外財産の所在及び国外財産調書の書式その他国外財産調書の提出に係る手続に関し必要な事項は、財務省令で定める。
内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律施行規則
(平成24年3月31日財務省令第31号/未施行)
第三章 国外財産に係る調書の提出等
第12条(国外財産調書の記載事項等)
国外財産調書(法第五条第一項に規定する国外財産調書をいう。第五項において同じ。)には、同条第一項本文の規定に該当する者の氏名及び住所又は居所のほか、別表第一に定めるところにより、当該者の有する国外財産の種類、数量、価額(令第十条第三項に規定する国外財産の価額をいう。同表において同じ。)及び所在(令第十条第一項並びに次項及び第三項の規定による国外財産の所在をいう。同表において同じ。)その他必要な事項を記載しなければならない。
法第五条第一項の国外財産の所在について令第十条第一項の規定により相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第十条第一項の規定の定めるところによる場合は、同項第五号に規定する保険金には保険(共済を含む。)の契約に関する権利を、同項第八号に規定する株式には株式に関する権利(株式を無償又は有利な価額で取得することができる権利その他これに類する権利を含む。)を、それぞれ含むものとする。
法第五条第一項の国外財産の所在については、令第十条第一項及び前項に定めるもののほか、次の各号に規定する場所による。
預託金又は委託証拠金その他の保証金(相続税法第十条第一項第四号に掲げる財産を除く。以下この号において「預託金等」という。)については、当該預託金等の受入れをした営業所又は事務所の所在
有価証券(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第一項第十六号に掲げる有価証券、同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十六号に掲げる有価証券の性質を有するものに限る。)及び同項第十九号に掲げる有価証券をいい、同条第二項の規定によりこれらの有価証券とみなされる権利を含む。)については、当該有価証券の発行者(同条第五項に規定する発行者をいう。)の本店又は主たる事務所の所在
民法第六百六十七条第一項に規定する組合契約、匿名組合契約その他これらに類する契約に基づく出資については、これらの契約に基づいて事業を行う主たる事務所、事業所その他これらに準ずるものの所在
信託に関する権利(相続税法第十条第一項第九号及び前三号に規定する財産を除く。別表第一において同じ。)については、当該信託の引受けをした営業所、事務所その他これらに準ずるものの所在
相続税法第十条第一項及び第二項並びに前項並びに前各号に規定する財産以外の財産については、当該財産を有する者の住所(住所を有しない者にあっては、居所)の所在
令第十条第三項に規定する時価に準ずるものとして財務省令で定める価額は、法第五条第一項に規定するその年の十二月三十一日における国外財産の見積価額(当該国外財産が、その年分の事業所得(所得税法第二十七条第一項に規定する事業所得をいう。以下この項及び別表第一において同じ。)の金額の計算の基礎となった所得税法第二条第一項第十六号に規定する棚卸資産である場合にあっては当該棚卸資産の評価額とし、同項第四十号に規定する青色申告書を提出する者の不動産所得(同法第二十六条第一項に規定する不動産所得をいう。同表において同じ。)、事業所得又は山林所得(同法第三十二条第一項に規定する山林所得をいう。同表において同じ。)に係る同法第二条第十九号に規定する減価償却資産である場合にあっては同日における当該減価償却資産の償却後の価額とする。)とする。
国外財産調書の書式は、別表第二による。
国税庁長官は、別表第二の書式について必要があるときは、所要の事項を付記すること又は一部の事項を削ることができる。

関連サイト


3月10日(日)-パキスタン大使館のイベント「桃源郷フンザの国パキスタン」に行ってみた

昨日、東京都港区にあるパキスタン大使館(Pakistan Embassy in Tokyo)で行われた、ウイングツーリズム大使館びより-第1回「桃源郷フンザの国パキスタン」というイベントに行ってみた。
これに行くことになったきっかけは、去る2月4日のワールドインベスターズの66 Liveで、石田さんを介してウイングツーリズムのキャサル(Kaser Mahboob)さん(彼は日本語にも堪能で読み書きもできる)や、田中美弥子さんと知り合ったのが縁で誘われたのだ。
日本人の場合、幸いなことに外国旅行をするにあたって観光ビザが不要なことが多いので、大使館に用があることは滅多にない。
事実、私は毎年(毎月?)のように海外旅行へ行っているが、渡航前にビザを申請したことは直近では2006年のタイ・ミャンマー旅行のときが最後だ。
おそらく、彼らと知り合わなければ、パキスタン大使館でこのようなイベントがあることすら知らなかったに違いない。

イベントの内容は、ファルーク・アーミル駐日パキスタン大使(Ambassador of Pakistan Embassy in Japan, Mr. Farukh Amil)のスピーチと質疑応答、ウイングツーリズムによるパキスタンの観光プレゼンテーション、ランチタイムを挟んでFes☆ASIAによるパキスタン舞踊といったプログラムだった。
その中でも印象的だったのは通訳を介した大使との質疑応答で、経済交流関係で私たちの世代は電化製品と言えば日本製という世代だが、人口の半数以上を占める若い世代にはそれほど日本製のアドバンテージはない、という話だ。
これを聞いてどの程度の人が将来の日本企業危うしと思ったかわからないが、こういう現象はパキスタンに限らず、今や世界中で起きていることを認識した方がいいと思った。

ランチタイムは伝統的なパキスタン料理ということだったが、日本人の口にも合うように作られていたのか、それほど辛くもなく、美味しく食べることができた。
海外旅行では食が重要なので、南アジアへ旅行するなら、パキスタンも悪くないな、と思う。
もっとも日本から遠いので、実際に行くとなったら2週間くらいの日程で行かないとキツイだろう。
それに酒が飲めないことに私がどれくらい耐えられるか。(笑)
ちなみに、ウイングツーリズム(フェイスブックページ)では、ゴールデンウイーク(4月29日から5月6日)に行く「風の谷のナウシカと草原の椅子の舞台-桃源郷フンザへ行こう!」という日本語ガイド付パックツアー(248,000円+燃油サーチャージ・空港税等)を出している。
残念ながら私はすでに北米・カリブ旅行を手配済なので参加できないが、興味があれば、問い合わせてみたらいかがだろうか。

一方、パキスタン旅行へ行くための最大のネックは国内の治安だろう。
外務省のパキスタン安全情報によれば、2010年以降はテロ攻撃(terrorism)や宗派間抗争(sectarian violence)は減少傾向にあるが、依然として注意が必要なことに変わりはない、と書かれている。
そのほか英文になるが、在ロンドンパキスタン大使館(Pakistani Embassy in London)のTravel advice for Pakistanによれば、外務およびイギリス連邦省(Foreign & Commonwealth Office)のPakistan travel advice、アメリカ国務省(U.S. Department of State)のPakistan travel advisory、カナダ外務国際貿易省(Foreign Affairs and International Trade Canada)のtravel advice and advisories for Pakistanの記事をチェックせよ、とある。
彼らがイスラム武装勢力から一番狙われやすいからだろうが、小泉政権以降は日本人も同様と思われている節もある。
果たしてパキスタンを旅するにあたって、実際のところはどうなのだろうか。

パキスタン大使館(Pakistan Embassy in Tokyo)
Pakistan Embassy in Tokyo Pakistan Embassy in Tokyo
Pakistan Embassy in Tokyo Pakistan Embassy in Tokyo

3月4日(月)-HSBC香港で買った米国株

2012年10月5日に「HSBC香港の投資口座保有者は米国株口座の追加は郵送でOK」というコラムを書いたが、これは10月30日までにTD Ameritradeの口座を閉鎖すると通告されたことによってHSBC香港の米国株口座と米国証券のFirstradeを開かざるを得なくなったためである、
当然ながら米国株口座は複数持っていても使い勝手の良い方で資産運用をすればいいので、そのままHSBC香港の方は放置しておいた。
しかもHSBC香港で米国株を売買したときの手数料(Brokerage Fee)は、一律にUS$18(1,690円)と、FirstradeのUS$6.95(650円)よりはるかに高いからだ。

ところが、2014年1月(要するに来年)からは、米国株を売買していない月は、口座維持料(Maintenance Fee)を毎月US$5(470円)ずつ取られる(Maintenance Fee is waived until 31 Dec 2013. Customers are also entitled to Maintenance fee waiver afterwards for one month if he / she has conducted at least 1 U.S. stock buy or sell transaction during that month.)とあり、何もポジションを持っていないのに手数料だけ取られるのはバカバカしいと思い、いくつか銘柄を物色してみることにした。
もちろん、今年中にHSBC香港の米国株口座自体を閉鎖してしまえば問題はないのだが、それでは何も知識を得ることができないので、今年中は実験期間ということで米国株の売買をしてみることにした。

買った銘柄は毎月高配当の米国株(High Yield Monthly Dividend Stocks) (Excel)から選んだING Global Equity Dividend & Premium Opportunity Fund (IGD)日本語情報)である。
なぜ、そうしたかと言うと、理由の一つは、香港での米国株の配当課税がどのようにされているかの確認である。
昨年5月、私がHSBC香港でジョン・ラウ氏(John Lau)さんに毎月配当型の米国株投資を打診したとき、配当金の源泉税の扱いは彼らでもわからないらしく、結局のところ、自分で投資して確認してみないといけないという結論になったからだ。
その後、私が2012年6月3日に「Toward a dream-come-true『経済的自由への扉は開かれた』」というコラムを書いたとき、ワールドインベスターズの奈々パパさんから「投信フォーカス 取り戻せない「海外源泉徴収税」の実態を知る」や「オフショアな海外投資日記-香港証券会社を通して米国株を購入すると、海外居住者であっても香港人扱いになる。」というコラムを紹介され、香港で米国株投資をすると、配当金の源泉税率が高いという説明をされたことがあるが、現状はどうなのか、ということを自分の目で確認したかったのだ。

そして、私が投資したING Global Equity Dividend & Premium Opportunity Fund (IGD)の配当金と源泉税控除の顛末は以下の通りだ。

  1. 毎月20日過ぎにMy HSBC-eStatement and eAdvice-Investmentに配当計算書がアップロードされる。
    EX Date(配当落日)が原則として毎月初日、Record Date(配当基準日)が配当落日の2営業日後、Payment Date(支払日)が原則として毎月15日で記録される。
  2. 配当金を再投資するか、現金で受け取る(米ドル口座へ入金)かの選択肢があるので、Response Deadline(回答期限)に記載された日までに回答する。
    回答は、REPLY(回答)ボタンを押して行うことになるが、何も回答しなかった場合は自動的に再投資に回される。
    この場合、毎月の配当金の額が、再投資する時点の1株当たりの株価を上回っていれば、再投資するか現金で受け取るかの選択肢があるが、そうでない場合はおそらく現金で受け取ることになるだろう。
  3. 約1ヵ月後にNew Entitlement(新株権)が追加されたことと、配当金に対する源泉税の計算書がアップロードされる。
    現時点でのIGDの月額配当金は、1株当たり0.084米ドルなので、例えば200株投資していると、16.8米ドルの配当となり、再投資日の株価が9.1米ドルだとすると、1株の買付がされることになる。
    源泉税は16.8米ドルの配当金に対して居住国の法定税率がかかることになるが、日本居住者は配当所得に対して2013年中は10%の軽減税率が適用されるため、米国との租税条約によって、1.68米ドルが米ドル口座から差し引かれることになる。
    つまり、配当金から税金が差し引かれた金額を受け取るのでなく、再投資に回った後で税金は別に支払うことになる。
    なお、この源泉税が米ドル口座から差し引かれたとの報告書はeStatement and eAdvice-Bankingにアップロードされる。
  4. 株式再投資をした場合、新株に充当できなかった残額は、端株(fractional shares)に相当する配当金として米ドル口座に入金される。

結局のところ、かつては香港で米国株投資した場合の配当金の源泉税率が30%だったのが、今では10%で済んでいる理由は、2011年7月15日に発効した日本と香港特別行政区との租税協定によるものと推測できる。
この協定によれば、2012年1月1日以降に源泉課税される配当金の限度税率は10%となっているからだ。(国税庁パンフレット・手引き-源泉所得税関係

ところで、毎月の再投資買付によって、2014年1月以降の口座維持料(Maintenance Fee)が免除されるかカスタマー・サービスに聞いたところ、それは該当しないとの回答をもらった。
少しは期待していただけに残念である。
なお、高配当の米国株を調べるには、Dividend Stock Screenerを利用して、Share Price(株価)、Dividend Yield(配当利回り)、Dividend Payout Frequency(配当の頻度)などに任意の数値を入れることによっても調べることができる。
お試しあれ!

Re: Investment Services
Thank you for your e-mail of regarding the maintenance fee of our US stock trading service.

We currently offer a maintenance fee waiver of US stock trading service until 31 December 2013. After the promotion period, you can enjoy a waiver of the maintenance fee of US$5 for US stock trading service if at least one US stock transaction has taken place during that month.

However, I am sorry that dividend transaction is not applicable to the waiver of maintenance fee.

You can visit our website at www.hsbc.com.hk to view any updated information of our promotion period.

If you have any other questions, please call our HSBC Advance Hotline on +852 2748 8333.

Yours sincerely

Customer Communication Officer
Retail Banking and Wealth Management

3月3日(日)-麻雀ゲームで九蓮宝燈をあがった!

麻雀-九蓮宝燈一生のうちに一回あるかないかと言われる九蓮宝燈(ちゅうれんぽうとう/jiulianbaodeng/Heavens Door)をあがった。
私は高校時代から30代前半まで友人たちを自宅に招いては麻雀をやるほどで、週末には自宅の部屋は雀荘と化してしたほどだ。
また、私が前に勤めていた会社では麻雀をやる人が多く、昭和天皇が崩御された日も雀荘にいたほど不謹慎極まりない生活を送っていた。
しかし、転職後の今の職場には意外に麻雀をやる人は少なく、今では携帯電話にダウンロードしたゲームを暇つぶしに楽しむ程度になってしまった。

ところが、去る2月21日、飲み会までの時間潰しに携帯を取りだしてゲームをやっていたところ、驚くべきことに九蓮宝燈が出てしまったのだ。
かつての麻雀歴からこんな役が出ることなど一生に一度あるかないか、ということがわかっていたので、大急ぎでデジカメを取り出して画面を写したのは言うまでもない。
いつもならデジカメなど持ち歩かないが、このときは、以前一緒に仕事をしていた後輩で、わや、あずましじゃ~ 青森ライフ!の管理人のボンドさんが、青森から出張で東京に来るというので、新橋で飲もうということになり、彼と記念写真でも撮ろうかと思って持っていたのだ。

ところで、帰宅して九蓮宝燈のことをインターネットを調べてみると、Wikipediaによれば、「九蓮宝燈をあがった者は死ぬという迷信がある。要は究極の役満ともいえる九蓮宝燈を成立させたことで全ての運を使い果たしてしまったと考えられているためである。」と書かれている。
そうか、オレは死ぬのか!と思ったが、この役は麻雀の本家である中国では縁起の良いあがりとされているらしいし、英語訳ではHeavens Door(天国への扉)となっている。
天国への扉と読むと、死ぬのか!と思うのだが、私は「この世の天国への扉」と思うことにした。
ネガティブな思考をすると、すべての運気がなくなってしまうような気がしたからだ。

さて、新橋で待ち合わせ時間より早く着いた私が宝くじ売り場へ目を向けると、そこにはキャリーオーバーが出ていたBIG最高6億円くじ(609回)と、グリーンジャンボ宝くじが売られていた。
普段なら宝くじを滅多に買わないが、このときはここで買わないとどうする、と思った。
新橋の松竹梅という居酒屋で一緒に飲んだボンドさんが私に会いたいと言ったのは、何と私のブログを見て、4~5年前から始めた投資のことをいろいろ聞きたいということだった。
私の仕事仲間でそんなことを言ってきたのは彼が初めてだった。
これも何かの運命だったのだろうか。
ちなみに、彼も私と同じように50代で早期リタイアしたいと言う。
是非とも実現できるといいと思う。
とりあえず、私が買ったBIG最高6億円宝くじ(609回)の当選発表は本日中、グリーンジャンボ宝くじの抽選は3月15日、そして先月の旅行で入手した台湾の宝くじ(統一發票/touifapiau)の抽選は3月25日、今月は楽しみが多い!
ただ現実にはほとんどの場合、抽選日が終わると、それらの宝くじはゴミ箱へ行くことになるのだがね。(苦笑)


3月2日(土)-越境せよ!日本で絶望するより国境のない世界で稼げ

越境せよ! 日本で絶望するより国境のない世界で稼げ
私の友人であるワールドインベスターズの石田さんの著書だ。
この中で印象に残った言葉の一つは、「夢はたくさんの人に話せ-人に語り始めた瞬間、夢は実現に向かって動き始める。」というものだ。
彼は、オフ会やイベントで会うと、「今度○○というのをやりたいんだよね。」と周囲の人に語りかけていることが多い。
実現の可能性はともかく、彼は将来、○○したいのだ、○○になりたいのだ、ということを常に自分の心の中で念じているのだと思う。

これは物凄く重要なことだと私は思っている。
私自身、このウェブサイトを立ち上げたとき、プロフィールのページの最後にこう書き込んだ。
「50代前半で退職をして南の島でのんびりと・・・」
弊サイトを訪問し、これを読んだ人も、そして書いた私自身でさえも、実現の可能性はあまりない、単なる憧れであり、夢に過ぎないと思っていた。
要するに、サラリーマンなら誰もが抱く夢、というものだったからだ。

ところが、人生の転機は突然にやってきた。
そのときに書いたコラムが「Toward a dream-come-true『経済的自由への扉は開かれた』」だ。
「夢はたくさんの人に話せ-人に語り始めた瞬間、夢は実現に向かって動き始める。」という石田さんの言葉は真理に思える。
なぜなら、自分の心の中で常に念じ続けるということは、どんな些細なチャンスも逃してはなるまい、という研ぎ澄まされたアンテナを張り巡らせることにほかならないからだ。
50代でサラリーマンを辞める、という目標を持たなければ、そのために何をすればいいかなどと考えないし、行動も起こさなかったに違いないからだ。
再度言っておくが、私が数年後にサラリーマンを辞めるというのは夢ではなく、実現までのカウントダウンに入ったということだ。

越境せよ!日本で絶望するより国境のない世界で稼げ

この後、私は香港にそれこそ毎月のように渡航した。
HSBC香港のスタッフから「今度はいつ来るのだ?」と聞かれ続けたこともある。
おかげで私はHSBC香港の活用法について、マニュアル本が出版できるほどに知識が深まった。(笑)
また、職場の同僚や後輩から「そんなに香港へ何しに行っているの?」と聞かれたとき、いつもなら笑って当たり障りのないことを言っていた私が思わずこう答えたことがある。
「自分の未来のために行っている」と・・・
おそらく、ドバイやサウジアラビア、その他のアジア、中東、アフリカの新興国に渡航し続けている石田さんも同じような気持ちだろう。
彼は海外の訪問先での些細な出会いとチャンスが自分の大きな未来の飛躍に繋がることを体感しているからだ。

「考えずに行動しろ-考えることから始めていては、いまの時代、動きに乗り遅れてしまう。これからは、走りながら考える、走りながら対応するというスタンスが必要だ。」
石田さんが書いたこの言葉で思い出したのは、去る2月16日に行われた「ダイワ・トルコフェスタ2013」の中で講演したトルコ航空広報宣伝部のジェム・ハサン・アルデミル(Cem Hasan Aldemir)氏の「当社は、就航している国の数で世界第1位の航空会社となっていて、現在、90ヶ国に就航している。当社が新規に就航する国を決めるにあたって調査に要する期間は平均で3ヶ月、他の航空会社が1年程度かけているのに比べて格段に短い。しかし、その分、リスクも高く、就航してすぐに撤退することもある。」と言っていたことだ。(参考:2012年11月16日-Business Wire-トルコ航空が世界で最も多くの国へ就航する航空会社に
つまり、事業拡大の可能性があれば即座に行動し、見込み違いがわかれば即座に撤退するというスタンスだ。
これが航空業界全体が苦境にあえぐなか、トルコ航空が好業績を記録している一つの要因でもあるのかもしれない。

最後に「越境せよ!日本で絶望するより国境のない世界で稼げ」というのを地で行ったような人を紹介しよう。
俺のたこ焼きが食えんのか!」の著者であるスパン王子だ。
初めてのタイへの一人旅(2010年12月23日-おれたこ日記-人生の転機)をきっかけとして、日本を出て香港で働くまでに至った彼の人生は、日本で絶望しつつある若者に一筋の光明を与えるものとなるかもしれない。
まして単純労働で毎日が無為に過ぎているような人は、どこかで人生の転機を掴み取らない限り浮かび上がることはないだろう。(2010年9月14日-Chikirinの日記-新)4つの労働者階級
彼のブログは正直言って、「18禁、女人禁制、セクハラ上等」という感じの日記なので、女性や生真面目な人は不快に思うかもしれない。
しかし、彼のコラムは単なるエロ日記だけではなく、その中でキラリと光るものがあることも事実だ。
その中で私が素晴らしいと思った言葉の一つは、「俺の人生は一度きりだという当たり前の事に気付き、その人生をいかに自分の好きなように生きるかを考え始めた俺は、一つの簡単な結論にたどり着いた。どんな事でも、『やる』『やらない』の選択肢であれば、まずやってみるというのが正解だと思い始めた。」(2011年4月5日-おれたこ日記-初めてのタイ旅行-後半編その1

ITのエンジニアとして長時間労働が当たり前の会社に勤め、完全にワーカホリック状態だった(2011年7月5日-初めてのタイ旅行-後半編その32)彼が、一週間の休暇をもらったことでタイへ一人旅をした。
もし、このときに彼が英語ができない、とか海外が怖いとか、疲れたと言って、自宅でぐーたらとして携帯ゲームをして過ごしていたら人生の転機はなかったわけである。
彼は今、CCM香港という会社で働いている(2010年6月1日-おれたこ日記-「HSBCのジョンで~す」と「HSBCお助け支店長」)ようだが、日記から推測するに英語や中国語はそれほど堪能というわけではなさようだ。
それでも香港で職を得られ、楽しげに人生を謳歌していることに着目しないといけないだろう。

海外に活路を見出そうと勇気を持って出た日本企業のオーナーの中には、言葉はそれほどできなくとも経理のような重要な任務は日本人にやって欲しいという人もいるだろう。
そう考えれば外国語に堪能でなくとも海外で職を得るということは、思っていたより簡単にできる時代になっているのかもしれないのだ。
もちろん、完全な外資系企業だと英語と中国語の普通話ができないとダメなところも多いが、海外では未だに日本人が敬意を持たれていることは多くの人が言っている。
全く言葉ができないのでは海外で仕事を得るのは厳しいかもしれないが、それでも何とか道を切り拓きたいと思う人の前には幸運が舞い降りるものだ。
とりあえず、海外での就職に興味があればMPGワークアジアの説明会などに参加してみるといいだろう。

私は今回のコラムの題を何と書こうかと悩んでいた。
最初は「暴言上等!就活なんてやめちまえ!」という題にしようかと思ったくらいだ。
今や、苦労して就活して、やっとの思いで日本の老舗(年功序列)企業や官公庁に入ったところで、40代を迎える頃には絶望の淵に立たされるだけだ。(2011年8月7日-Chikirinの日記-将来有望な若者の将来価値を毀損する、大きなワナ
日本の典型的な年功序列企業は、10数年後にネックとなるバブル時代に採用した中年社員の処遇と彼らの65歳までの継続雇用が大きな課題となっている。(2013年2月8日-Joe's Labo-追い出し部屋は永遠に不滅です
そんなところに今から入社して未来があると思うか。
公務員だったらマシなのでは?
そう思うなら試験を受けて入ってみるといいだろう。
民間企業が稼げなくなるのに公務員の待遇が良くなるかどうか考えてみることだ。(2011年3月25日-Chikirinの日記-年功下落の時代へ!
私も石田さんではないが再度声を大にして言おう。
「越境せよ!日本で絶望するより国境のない世界で稼げ」

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