昨年の12月から私は自分が保有しているクレジットカードの取捨選択(restructuring)に悩んでいる。
取捨選択の対象となるクレジットカードは2つ、2014年の更新から年会費が本来の額(18,900円)になるデルタスカイマイルシティゴールドVISAカードと、年会費(15,750円)無料でモニター加入しているダイナースクラブカードだ。
実際には、12月5日に「デルタスカイマイルシティプラチナVISAカードへの招待は見送りか?」を、12月9日に「Hilton HHONORS 会員資格継続へ」というコラムを書いたとき、そして、そのブログにコメントをいただいた方のアドバイスに従って、JALマイレージバンクに加入してから私にとっての選択肢がますます増えてしまった。
しかし、ここで私は海外旅行に必要なクレジットカード選択の基本に立ち返り、さらに、早期リタイア後の計画を見据えた結果、最も重視すべきことは、クレジットカードに海外旅行傷害保険が自動付帯(航空券などの旅行代金等をクレジットカードで払ってなくても補償を受けられる)されていること、その補償内容、特に疾病・傷害の治療費用や携行品損害、そして救援者(家族)の渡航費用補填の上限がどの程度あるかで、クレジットカードの取捨選択の優先順位を決定することにした。
そして、ゴールドカードのようなステータスカードを持つ場合は、それに相応しい特典が受けられるか、あるいは航空会社やホテルのマイレージプログラムとのポイント交換の制度があるかを見比べることにした。
また、日本の場合、HSBC香港のように預け入れ資産の総額や、口座の保有履歴でクレジットカード(年会費無料のHSBC Advance Visa Platinum Cardなど)を作ってくれる土壌があまりなさそうなので、サラリーマンを辞めてしまうと、新規に優良カードを作ることが困難になる。
これら3つを考えた場合、私が今後、保有しようと思っているクレジットカードは以下の通りだ。
ちなみに、日本損害保険協会の「損害保険Q&A」の問83(クレジットカード付帯の海外旅行傷害保険について)には、クレジットカード付帯の保険が複数重複し、同時に保険金が支払われる場合、死亡保険金と後遺障害保険金を除いて、つまり、治療費用、賠償責任、携行品損害などは、クレジットカード付帯の保険の保険金額を合算した金額を限度として、その範囲内で実際の損害額を按分して保険金が支払われる、とあるので、複数の海外旅行傷害保険付のクレジットカードを持っていれば、それだけ補償が手厚くなるということだ。
A.MileagePlusセゾンカード (VISA、Master)(継続保有)
すべての海外旅行者にとって一押しのカード
- 安価な年会費(1,575円)にもかかわらず、自動付帯の海外旅行傷害保険の補償が意外に手厚い。
特に、治療費用の上限300万円は、ゴールドカード並みの補償額とも言える。
このカードの年会費であれば、数年に1回程度の海外旅行しかしなくとも十分に元が取れると思う。
但し、キャッシュレスメディカルサービスの利用はできない。- 追加の年会費(5,250円)を払ってマイルアップメンバーズになれば、ユナイテッド航空(United Airlines)のマイレージプラス(Mileage Plus)へのショッピングマイル加算が通常の2倍となる。
それに、ショッピングマイルが加算され続けていれば、マイルの有効期限(マイルの増減のときより18ヶ月)は実質的に無期限となる。
また、来る2月1日発券分から特典航空券の取得要件が悪くなる(2013年12月13日-ユナイテッド航空の特典航空券発券要件の改悪)が、ANAなどのスターアライアンス(Star Alliance)系列の航空会社を利用した片道特典航空券は、特にLCC(Low Cost Carrier=格安航空)との組み合わせで海外旅行する場合に威力を発揮するだろう。
B.ダイナースクラブカード(継続保有又はJALダイナースへの切替)
現在のダイナースカードにグローバルマイレージのオプションを付ける(年会費22,050円)か、JALダイナースに切り替える(年会費23,100円) ことを検討している。
- 国際的なステータスを持つカードである。
- 海外旅行傷害保険が自動付帯である。
- キャッシュレスメディカルサービスがある。
- 一般のダイナースカードの場合は、旅行代金等をカードで支払った場合に、国内旅行傷害保険が適用になる。(利用付帯、JALダイナースは自動付帯となる。)
- 海外の空港ラウンジが無料で利用できる。
この特典はプライオリティ・パス(Priority Pass)でも代用が効くが、クレジットカードの種類によっては、ラウンジの利用料金が無料になるプレステージ会員になれないものもあるので、海外の空港ラウンジは引き続きダイナースカードで利用したい。
C.シティゴールドVISAカード、又はCLUB-AゴールドVISAカード
Bのところで、JALダイナースに加入した場合は、現在のデルタスカイマイルシティゴールドVISAカードを、シティゴールドVISAカード(年会費12,600円)に切り替え、ダイナースカードにグローバルマイレージオプションを付けた場合は、シティカードを解約して、JALのCLUB-Aゴールドカードに新規加入(年会費16,800円) することになる。
これらのカードは、現在は相当に恵まれているMileagePlusセゾンカード (VISA、Master)の付帯保険の補償条件が将来的に悪化した場合のリスクをカバーする意味合いが強い。
事実、私がMileagePlusセゾンカードの入会と入れ替えに解約したNICOS一般カード(年会費1,312円)付帯の海外旅行傷害保険(利用付帯)の補償条件は日本信販系だった2001年当時より悪くなっているからだ。
シティゴールドカード
- 海外旅行傷害保険は利用付帯(飛行機や列車、バス、タクシーなどの公共交通機関利用代金等をカードで支払うことが適用条件)となる。
- キャッシュレスメディカルサービスがある。
- 海外旅行保険の適用される責任期間に、出国後に利用条件を満たした場合として、「海外旅行の目的をもって住居を出発し、初めて利用条件を満たす料金を支払ったときから住居に帰着するまでの旅行期間中(2ヵ月を限度)」とある通り、一般的な海外旅行傷害保険付帯のクレジットカードカードと組み合わせて利用すれば、出国から最長で150日(5ヵ月)は海外旅行傷害保険の適用を受けられる。
但し、同一の旅行で出国前と出国後の利用が重複した場合は、出国前に利用した方が優先となり、一般的な補償条件が適用となる。- 3ヶ月超のロングステイに対応したシティアシスト海外旅行保険追加プラン(有料)がある。
- 2014年1月16日から「マイレージ/ホテルポイント移行サービス」や「プライオリティ・パス(スタンダード会員)年会費無料登録」などの新優待サービス開始。
JALのCLUB-Aゴールドカード(ダイナースを含む)
- 国内外の旅行傷害保険の双方が自動付帯である。
- キャッシュレスメディカルサービスがある。
- 海外航空便遅延お見舞金制度がある。
とりあえず、このような感じだ。
BとCについては、どれを選択するか、3月までには結論を出そうと思っているが、いずれにせよ、2011年1月からマイルの有効期限が無期限となったデルタ航空(Delta
Airlines)のスカイマイル(Sky Mailes)については、特典航空券発券要件の改悪がされていることもあり、クレジットカードの連携を切ろうと思っている。
これによって、ペイ with マイル(デルタ航空のチケットを買う際に、運賃の一部または全額にマイルを充当できる)の権利もなくなるが、それは致し方ないだろう。
なお、デルタ航空(Delta Airlines)と連携しているクレジットカードとしては、デルタスカイマイルJCBテイクオフカード(年会費1,575円)というものもあるようだが、私としてはこれを保有するなら、50歳を超えたときに、JR東日本の「大人の休日倶楽部ミドル」の特典を利用するためのクレジットカード(年会費2,500円)を作ることになるだろう。
最後になるが、日本損害保険協会の「損害保険Q&A」の問81(海外旅行傷害保険について)によれば、海外旅行傷害保険は、海外滞在中に疾病や傷害の原因があり、海外旅行中、又は帰国後72時間以内に医師の治療を受ければ、治療費と通院にかかった交通費を補償してくれるようになっているようだ。
今回の肺炎の治療費も、帰国後の初診にもかかわらず補償され、不幸中の幸いといったところだが、こういうことも一度確認しておくといいだろう。
そして、私が海外旅行傷害保険にここまでこだわる理由は、今月7日の「トラブル続きの年末年始旅行、救世主は女性なのか」と、1999年3月のタイ・ミャンマー(ビルマ)・ラオス旅行でのカメラ盗難事件、そして、1999年9月のチュジシア・マルタ旅行での入院騒動をご覧いただければご理解いただけるだろう。
(注)シティーカードジャパン(株)の事業譲渡により、2015年12月14日付でシティゴールドカードはSuMi TRUST CLUB ゴールドカードになっております。
政治家も官僚も相変わらず何やってるんだ、と言いたくなるような醜態で、来る4月1日から増税される消費税の一部が海の藻屑と消える運命にある。
要は、法律の不備が原因で、役所内で住民税情報を共有できないために、現場の自治体職員が膨大な事務作業と問い合わせ電話に忙殺され、大量のゴミが全国で出かねないという話のようだ。
当然ながら、これらの事務コストはすべて税金で賄われることになっているのだが、法律を一本追加すれば済むものを、すべての対応を現場の自治体に丸投げした挙句、膨大な手間暇をかけて、低所得者対策に臨時福祉給付金(簡素な給付措置)を配る作業が始まろうとしているわけである。
しかも、この記事はウェブ上では一切報じられておらず、政治家と霞が関の失態が拡散するのを防止するために汲々とする記者クラブメディアの体質が垣間見えるとも言えよう。
ここで、現場の自治体職員が融通を利かせればいいのでは、と思う人も多いだろうが、さすがに法律違反(法的根拠なく税務情報を第三者に提供すること)が懲役に繋がりかねないので、いくら国民のためとはいえ、何の法的根拠もなしにそういったことはできないだろう。
ちなみに、記事の中に書かれている、税務担当職員以外でも被保険者の税務情報を閲覧できる規定というのが、例えば介護保険法第203条(資料提供)で、「市町村は、保険給付及び保険料に関して必要があると認めるときは、被保険者、第一号被保険者の配偶者若しくは第一号被保険者の属する世帯の世帯主その他その世帯に属する者の資産若しくは収入の状況又は被保険者に対する老齢等年金給付の支給状況につき、官公署若しくは年金保険者に対し必要な文書の閲覧若しくは資料の提供を求め、又は銀行、信託会社その他の機関若しくは被保険者の雇用主その他の関係人に報告を求めることができる。」とある。
こうしたものがないと、役所内とはいえ、税務情報という重大な個人情報を第三者に提供する根拠とはなり得ないのだ。
いずれにしろ「簡素な給付措置支給業務に関する全国説明会資料」というものが一部の自治体のウェブサイトに掲載されているが、これを見る限り、「簡素な給付」という名の「複雑な役所仕事」というのを大いに感じることができるだろう。
これでは、社会保障・税番号(マイナンバー)(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が導入されても全く同じことの繰り返しになりそうだ。
消費増税の目的(お題目)は、社会福祉財源の充実と安定化のはずであったが、その前に弱者救済という名のばらまきと、それに伴う役所の事務コストで全部消えてしまいそうな勢いだ。
このようなことをするなら、低額の年金受給者への給付を加算するとか、住民税の非課税申告をした人の口座に現金を振り込む、などとした方がよほど合理的だろう。
生活保護の被保護者については、2014年(平成26年)4月に消費増税による負担増の影響分を織り込んで生活扶助基準の改定を行うことを想定しているため対象外としている、とあるのだから同じようにすればいいのだ。
それとも、この作業にあたって霞が関では担当部署が設置され、国や地方自治体のコールセンターなどに雇用が生まれるからいいとでも言うのだろうか。
消費増税時の現金給付 守秘義務で自治体困惑 課税情報共有できず (2014.1.23 読売新聞) |
4月の消費増税に伴って支給される簡素な給付措置を巡り、事務にあたる市町村から悲鳴が上がっている。 対象となる住民税の非課税世帯がどれだけあるか、不明確なためだ。 国は全戸に通知分を配るなどの対応を求めているが、全国市長会は「膨大な手間がかかり、現場が混乱する」などと反発を強めている。 非課税世帯に関する情報は、市町村の税務担当部局にあるが、総務省などによると、地方税法第22条は自治体の税務担当職員に守秘義務を課しており、罰則規定(2年以下の懲役又は100万円以下の罰金)もある。このため、簡素な給付措置の支給にあたる福祉担当職員が、情報を提供してもらえずにいるという。 介護保険サービスのように、市町村が保険料額を決めるにあたり税務担当職員以外でも被保険者の税務情報を閲覧できる規定を法律に盛り込んでいる制度もあるが、簡素な給付措置はこうした規定が整備されないまま支給が決まったため、混乱が生じているという。 森民夫全国市長会長(新潟県長岡市長)は22日、田村厚生労働相と会談し、立法措置で対応するよう要望した。 市長会内部で「このままでは支給できない」と異論が相次いだためだ。 だが、森会長によると、田村厚労相は「法律を今からやるのはかなり難しい」と難色を示したという。 厚労省は地方側に、対応策として
しかし、1では対象外の住民が多く含まれ、2や3では、非課税世帯すべてをカバーできない。 森会長は厚労省側に引き続き法整備を求める意向だ。 消費増税に伴う低所得者対策を巡っては、2014年度与党税制改正大綱に、食料品などの生活必需品の消費税率を低くする「軽減税率」を「10%時に導入」すると明記された。 軽減税率の場合は、こうした混乱は起きないとみられる。 *簡素な給付措置 消費税率の引き上げに伴い、低所得者に現金を給付する制度。 住民税を支払っていない「住民税非課税世帯」(約2400万人)が対象で、1人当たり1万円が1回限りで支給される。 年金受給者などには5000円を上乗せする。 給付総額は約3000億円。 |
日本のシティバンクのウェブサイトを開き、「ワンタイムパスワードサービスが変わります」というロゴをクリックすると、「トークン型ワンタイムパスワード(OPT)サービス開始」の案内表示が出ることに気づくだろうか。
これは、オンライン上で取引をする際のセキュリティ確保のために使われるものだが、シティバンクの場合は、今のところ、国内の都度(非登録口座宛)振込のときのみ使用することになりそうだ。
もっとも、これを広範囲にわたって使わないといけないことになれば、海外での動作保証がされないということなので、数ヶ月単位で海外出張をしている人や、海外ロングステイしている人たちが困ることになるだろう。
信じられないことに、新生銀行など一部を除いて、ほとんどの日系銀行のキャッシュカードは、Plusのネットワークに対応していないため、海外の銀行で現金の引き出しができないからだ。
ところで、このトークンは日系銀行で使っているところはあるのだろうか。
私もすべての銀行のことを知っているわけではないので、自分の取引銀行以外のことはわからないのだが、私が口座を持っているところに限って言えば、HSBC香港のセキュリティ・デバイス(security device)が同じような形をしている。
もちろん、それを必要とする取引はHSBC香港の方がはるかに広範囲にわたるのだが、いずれは日本のシティバンクも同じようになっていくのだろうか。
とりあえず、私のところにはつい先日トークンが届いたばかりなのだが、当面はあまり使うこともなさそうだし、紛失してしまわないか、ということの方が心配だ。(笑)
願わくば、送金先の事前登録が義務づけられている海外へのオンライン送金の際に、これを使って都度(非登録口座宛)送金ができるといいのだが、そこまで望むのは日本の場合は難しいのだろうか。
2012年度(平成24年度)税制改正において創設された国外財産調書制度がいよいよ今年から実施される。
この制度については、私も「国外財産調書制度は脱税防止に役立つのか(2013年3月11日)」や、「ハンドキャリーによる現金の持ち出しもばれる税務当局間の自動的情報交換(2013年9月20日)」で触れてきたが、申告義務が生じるのは、申告すべき前年の12月31日現在に保有する国外財産の金額(円換算した評価額)が5千万円を超える日本在住者となっていて、申告期限の3月15日までに国外居住者となった場合と、法人資産は対象外となる。
従って、この制度ができたときは、海外資産が5千万円を超えるような人は、海外法人を設立して、そこで資産運用をすればいいではないか、ということが真しやかに語られていたこともある。
実際のところはともかく、海外ではそんなに簡単に法人の設立と維持管理ができるのか、ということを知りたいと思って参加したのが、越境会のセミナー「第2回 オフショア法人設立入門 ~香港・シンガポール・BVI・セイシェルほか~」というわけだ。
私の場合、現時点では海外資産評価額が5千万円にはとうてい及ばないので、国外財産調書のことを心配する必要は全くないのだが、知識としていろいろなことを知っておくのは悪くないと思ったのだ。
また、MONEYzineで掲載されている税理士・高橋節男氏のコラム「グッバイ、ハローワーク! 今こそ、ハイリスクな正社員を辞めて『サラリーマン法人化』を実現しよう(2008年09月23日)」や、「さらば正社員 自分で自分を雇う『合同会社』で生き残るのは君だ(2008年10月27日)」などを読むと、オフショア法人とまではいかなくとも、多くのサラリーマンにとって未知の分野である法人について学習することが、いかに大切であるかを感じることができるだろう。
ところで、セミナー講師の加藤由美子さんからは、最初に香港(参考:JETRO 外国企業の会社設立手続き・必要書類)、シンガポール(参考:JETRO 外国企業の会社設立手続き・必要書類)、セイシェル、そしてリベリアでの法人設立要件について説明があり、彼女曰く、最も設立が容易なのがセイシェルであるとのことだった。
何といっても、セイシェル法人は、資本金の払い込みと、役員と株主を1名ずつ置く(セイシェルの非居住者でも可)必要がある以外は、香港法人のように会社秘書役(Company
Secretary)と呼ばれる香港居住の事務代理人を置く義務もなく、シンガポール法人のように居住者を役員にする必要もないからだ。
また、セイシェル法人は最低資本金はUS100,000ドル(約1千万円)の規定があるものの、実際の払い込みはUS1ドルでもいいとのことで、これがなおさら設立を容易にしている原因であろう。
要するに、セイシェルがそれだけ法人設立要件が緩いとも言えるが、法人設立に伴って必要とされる銀行口座について、昨今は、国際間の条約などで脱税やマネーロンダリングを防止しようという枠組みができているため、香港では2~3年前からコンプライアンスが厳しくなり、オフショアの一つであるBVI(イギリス領ヴァージン諸島/British
Virgin Islands)法人名義では銀行口座が開けないといったことも出ているそうだ。
今のところ、セイシェル法人はそこまで規制はかかっていないが、将来的にはどうなるかわからない情勢であるらしい。
また、これらのオフショア法人でなくとも、香港での口座開設の必要性を相手側に納得させることができなければ、法人口座を開けないこともあり、仮に香港の銀行口座が付いたシェル・カンパニー(Shell
Company)を購入したところで、場合によっては銀行口座を閉鎖させられるリスクが生じているとのことだった。
なお、香港でのビジネスサポートや、オフショア法人の設立に関して詳しいことをお知りになりたいのであれば、第二文化國際有限公司(Daini Bunka
International Limited)(Company No: 1918468 地址:香港中環皇后大道中2號 長江集團中心19樓 Address: Level 19, Cheung Kong Center, 2 Queen's
Road Central, Central, Hong Kong 電話:+852-3478-3616 e-mail)に連絡してみるといいだろう。
加藤さんの講義は香港情勢が中心であったが、私が思うに、今後はほかの国でも、事業実態のないと思われる法人口座を規制する動きが強まるのではないだろうか。
なぜなら、欧州評議会(Council of Europe)と、経済協力開発機構(OECD)加盟国間で締結された、国際的な脱税及び租税回避行為に対処するための税務行政執行共助条約(租税に関する相互行政支援に関する条約)は、2013年12月23日時点で64ヶ国が署名していて、徐々にこれが増えつつあるからだ。<参考:OECDの税務行政執行共助条約に関するページ(Convention on Mutual Administrative Assistance in Tax Matters) 税務行政執行共助条約及び改正議定書への署名国一覧(Chart of Signatures and Ratifications)>
この国際条約は、日本政府が各国と締結している租税協定(所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための二国間協定)(財務省-国際課税に関する資料)と相俟って、税務当局の情報収集のツールとなることだろう。
この条約の中で、自動的な情報交換(第6条)と、自発的な情報交換(第7条)は、従来の要請に基づく情報の交換(第5条)とは違って、日本の税務当局の要請なしに情報がもたらされるもので、これらの情報と、税務署に提出された国外財産調書との照合が行われるようになると、私が「ハンドキャリーによる現金の持ち出しもばれる税務当局間の自動的情報交換(2013年9月20日)」で書いたことが現実味を帯びてくるだろう。
特に、自発的情報交換(第7条)は、例えば日本居住者が外国の銀行を通して人為的な租税回避行為(脱税)を行っていると推定される場合には、該当国の政府が日本政府に対して情報提供するという規定になっているからだ。
また、海外における租税に関する調査(第9条)の規定は、前述の例で言えば、脱税被疑者の租税債権(海外資産)の存在している国の税務調査の際に、日本の税務当局者の立ち会いが認められる可能性があることを、保全の措置(第12条)の規定には、脱税被疑者の租税債権(海外資産)の差し押さえを迅速に行えるような協力体制を取ることが定められている。
こういった情勢の中で、各国の銀行のコンプライアンスが厳しくなるのは必定で、人為的な租税回避行為(脱税)を行う可能性を秘めた人、あるいは法人の口座開設を拒否するのは当然の流れとも言える。
要するに、銀行側にしてみれば、大がかりな脱税やマネーロンダリングの舞台とされた場合の、国際的な制裁を受けるリスクを回避しようとするからだ。
最後になるが、日本の税法にもいわゆるタックスヘイブン対策(CFC/Controlled Foreign Corporation)の規定がある。
所得税に関しては、租税特別措置法第2章第4節の2(居住者の特定外国子会社等に係る所得等の課税の特例/第40の4-第40条の6)、租税特別措置法施行令第2章第8節の4(居住者の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例/第25条の19-第25条の24)に、法人税に関しては、租税特別措置法第3章第7節の4(内国法人の特定外国子会社等に係る所得等の課税の特例/第66条の6-第66条の9)、租税特別措置法施行令第3章第8節の4(内国法人の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例/第39条の14-第39条の20)にそれぞれ規定されている。
詳しいことは税理士などの専門家にお尋ねいただくとして、これらの規定に抵触する場合は、せっかく海外法人を作ったとしても節税対策にはならないようだ。
要は素人の生半可な知識では対処できないというのが実感で、少なくとも国際的に海外法人や口座を使った脱税や租税回避行為に厳しくなってきていることを覚えておけば、詐欺的な節税スキームで金を毟り取られることもなくなるだろう。
昨年10月17日のコラムで私は「週末海外脱出(越境)の勧め」というものを書いた。
これは、、私はすでに実行しているのもので、サラリーマンが週末の休みに有給休暇を数日絡めて、アジアへ飛び出そうというコンセプトだったが、日本発着のLCC(格安航空=Low
Cost Carrier)の充実で、多少の強行軍を覚悟すれば、本当に週末だけで海外旅行を楽しむことができるようになった。
去る17日には「日帰りで香港・マカオ旅行が可能に」ということで、香港やマカオに日帰りで行けることを書いた。
そして、今回は「休暇を取らずに週末台湾旅行を楽しもう」という表題でコラムを書くことにした。
この土日だけで台湾旅行を楽しむというのは、リーズナブルな価格で、しかも現地滞在時間もそれなりに確保できるという意味だ。
メジャーキャリアの正規割引(PEX)航空券の場合、原則として、現地滞在が最低2泊以上ないと販売されないことが多いため、LCCが日本に就航するまでは、サラリーマンが3連休以外の週末に、有給休暇を取らずに海外旅行をすることは困難だった。
また、LCCが就航しても、フライトの時間帯によっては、現地滞在時間が短く、土日だけでは何をしに行くのかわからないことになりかねなかった。
ところが、エアーアジア・ジャパン(Air Asia Japan)(参考:2013年7月27日-エアアジア成田・台北線就航、香港航空は成田・香港線を休止)を衣替えして、昨年の12月20日にバニアエアー(Vanilla Air)として運航を再開した成田・台北線で、来る1月29日から夜便が運航されることになり、これによって、一気に週末台湾旅行が楽しめるようになるというわけだ。
バニアエアー(Vanilla Air)の夜便の就航時間帯は、1月29日から2月28日までは、往路のJW105便が、成田発22時20分、台北桃園着が翌日の1時25分、復路のJW106便は、台北桃園発が深夜の3時、成田着が7時10分という按配だ。
これが3月1日からは、往路の時間が繰り上がって、成田発21時、台北桃園着は翌日の0時5分となる。
つまり、金曜日のJW105便に乗れば、日付が変わった直後に台北桃園空港に着くことができる。
そこからの移動手段や、ホテルを取るかどうかは各自にお任せするとして、土曜日は丸1日使うことができる。
そして、日曜日の午前中を観光するなどして、台北桃園発17時50分のJW104便に乗れば、成田に22時に到着する。
わずか1泊や2泊の旅行で大きな荷物を預けることもないだろうから、都内在住であればそのまま帰宅することは可能だろう。
要するに、台湾を1日半満喫することができるので、休暇を取らない週末旅行としては十分ではなかろうか。
ただ、ネックとなるのは、スクート航空(Scoot Airlines)を使う場合と逆で、台北の桃園國際機場(Taoyuan International
Airport)に到着した後の足をどうするかであろう。(参考:2012年11月17日-成田から台北へのLCC(格安航空)、スクート航空(Scoot Airlines)就航)
空港のウェブサイトの公共交通機関を見ると、深夜バスが運転されているのは、臺北西站A棟(台北駅)行きの國光客運(1819)と、中壢轉運站(Zhongli Transfer Station)行きの統聯客運(1627)の二路線だ。
3月以降に台北へ行くなら、到着時間からいっても、格安なホテルを台北市内に取るのが望ましい。
一方で、中壢轉運站(Zhongli Transfer Station)経由で台湾南部へ行く方法は、2011年3月19日付の続krishunamurtiの日記「統聯客運で台湾南部(台南・高雄・屏東など)と桃園空港(機場)がダイレクト」に詳しく載っているので参考にするといいだろう。
それと、空港のウェブサイトで、定期旅客便の検索をしてみるといい。
目的地と航空会社をすべてにして、日付だけ翌日の日付を入れてみるのだ。
すると、深夜の0時からの出発便が順番に出てくるのがわかるだろう。
特に、深夜の3時台の出発便は、バニアエアー(Vanilla Air)の夜便と接続可能なので、日本発の直行便で行く場合と、現地滞在時間や運賃などの比較をしてみると、面白い発見があるかもしれない。
いずれにせよ、旅のバリエーションが広がったことは嬉しい限りだ。
今度はフィリピンのセブ(Cebu)へ安く行く方法を検討してみることにするか。
つい最近、ワールドインベスターズの仲間の一人が、深夜のフライトで羽田から香港へ行くと、フェイスブック上で書いていたので、いつそんなフライトができたのかと思って検索したら、ヒットしたのが香港エクスプレス航空(Hong Kong Express Airways)だ。
この香港エクスプレス航空(Hong Kong Express Airways)の羽田就航は2013年11月7日、同年1月10日に香港航空(Hong Kong Airlines)の成田・香港線が運休していたので、10か月ぶりに東京・香港間のLCCが復活したというわけだ。
しかも、今度の香港エクスプレス航空(Hong Kong Express Airways)の羽田・香港線は、日帰りで香港旅行が可能となる画期的なものだ。
これを使えば、多忙なサラリーマンでも、HSBC香港の口座開設や、現地で行わざるを得ない各種手続きも、休暇を取らないでやることが可能だ。
名付けて、「HSBC香港口座開設エクスプレス」とでも呼ぼうか。
もちろん、大人の遊園地(カジノと桑拿/Sauna)があるマカオ(Macau)へも日帰りできる。
香港国際空港(Hong Kong International Airport)とマカオ(Macau)を直接結ぶ噴射飛航(Turbo Jet)は、運航時間帯の関係で、残念ながら復路にしか乗れないが、それでもマカオで十分遊んで帰って来れるだろう。
香港エクスプレス航空(Hong Kong Express Airways)の羽田便の到着が深夜ということで、自家用車で来ている人を除けば、ファーストキャビンなど羽田空港や蒲田周辺に泊まらざるを得なくなるが、片道でもリーズナブルに予約可能なLCCの特性を生かして、往路は羽田から、現地で1泊して、復路は関空へといった按配に、片道ずつ予約を入れることも可能だ。
今月29日以降なら、復路を香港航空(Hong Kong Airlines)284便(香港 23:30-HX284-翌1:15 台北桃園)、そしてバニラエアー(Vanilla Air)106便(台北桃園 3:00-JW106-7:10 成田)に乗り継ぐといった、往復とも夜行便を使う強行スケジュールも組める。
いずれにせよ、私が頻繁に行き来する香港への選択肢が増えることは喜ばしいことだ。
また、私にとっては、海外発券のループを終わらせるルートが一つ増えたので、そのオプションをいつ使うか検討することにしよう。
香港に「『日帰り』旅行」できる LCCが11月8日から羽田に就航 (2013.11.7 J-CASTニュース) |
香港に拠点を置く格安航空会社(LCC)の香港エクスプレス航空が2013年11月8日(7日深夜)、羽田空港に就航する。 LCCの中距離路線が羽田に乗り入れるのは初めて。 発着は深夜なので、仕事帰りに羽田に向かう「弾丸日程」を組むこともできる。 同社は2004年に設立されたが、2013年10月にLCC専業の会社に衣替えしたばかり。 プーケットやペナンなど5都市を結んでいる。 羽田便は毎日運航される。 現地時間19時5分に香港を出発し、0時30分に羽田に到着。 折り返し便は深夜1時30分に羽田を出発し、香港に早朝5時25分に着く。 そのため、(1)金曜日夜の仕事帰りに羽田に向かう(2)香港に13時間滞在して観光(3)現地で宿泊せずに土曜日深夜に羽田に戻る、といった強行軍も可能だ。 ただ、羽田着は深夜なのでタクシーかホテルを利用する必要がある。 運賃は最も安い場合で羽田-香港が片道1万2700円。 これまでの航空会社よりも4~5割程度安く設定している。 11月21日から関西空港にも乗り入れる。 香港9時30分発で関空13時55分着、関空14時50分発で香港18時15分着だ。 12月7日から深夜便を週4便増やし、合計で週11便になる。 日本発着のチケットは、現時点では旅行代理店を通じて販売する。 11月中にウェブサイトでも予約できるようになる見通し。 社長代理のアンドリュー・コーエン(Andrew Cowen)氏は11月7日に都内で会見し、2014年には20~25か所に乗り入れたい考えを明らかにした。 日本でも羽田、関空を含めて5都市程度に乗り入れる。 |
昨年10月末に申し込んでおいた小額投資非課税制度(愛称ニーサ/NISA)の口座開設が完了したとの通知が大和証券からあった。
このニーサ(NISA)については、自らのコラムで「2013年10月26日-複雑怪奇な小額投資非課税(ニーサ/NISA)口座」とか、「2013年11月29日-専業主婦と年金生活者に有利なニーサ(NISA)口座」といったことを書いているように、非課税という釣り文句の割には、制度が複雑過ぎて、一般的にはあまり有利な制度とは言えない。
しかしながら、私がこれをあえて申し込んだ理由は、昨年は現在投資しているダイワ米国リート・ファンドが堅調で、 アベノミクス(第二次安倍内閣の経済政策)や、米国市場が好調だったおかげで、毎月の分配金は普通(課税)分配金として配当されたからだ。
これが特別分配金という名目が出始めると、いわゆる蛸足配当となり、ファンドが劣化する原因となるのだが、それが全くなかったのだ。
要は、「500万円の投資で毎月10万円、年率20%の分配金で束の間の宴を楽しもう」というのが、3年目に突入するということだ。
もちろん、この先はどうなるかわからないが、今もって年率二桁を超える高分配金が非課税になるという魅力は捨てがたいので、申し込んでみたのだ。
ただ、私の基本スタイルは、このファンドで得た分配金をHSBC香港やFirstradeでの投資に回したり、海外旅行資金の足しにしたりと、いうものだけに、そのあたりをどうしようかと悩んでいる。
海外投資に関しての詳しいことは「HSBC香港の口座開設と活用について」をお読みいただくとして、ダイワ米国リート・ファンドは、毎月分配型のファンドの中では良いものであると思うが、所詮は日本の証券会社での投資、機関投資家を除けば、原則として内国の日本人しか投資できないため、純資産総額の先細りの懸念は常に付きまとう。
同じ年率二桁を超える高分配金のファンドでも、香港や米国のものは、論理的には世界中から資金を集めることができる。
この差は長期で見ると非常に大きいだろう。
幸か不幸か、今のところ新たな海外旅行の予定はないので、今月もらうダイワ米国リート・ファンドの分配金をどこに投資するか考えることにしよう。
配当(income)狙いであれば、Dividend Stocksでスクリーニング(screening)をかけるだけなのだが、たまにはキャピタルゲイン(capital gain)狙いもしてみたいと思ったりもする。
ここで、投資の基本に立ち返るなら投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2013でトップになったバンガード・トータル・ワールド・ストックETF
(VT: Vanguard Total World Stock
Index ETF)がいいだろうか。
これ以外なら、Market Hackのコラムで紹介されていた「NISAに好適な投資対象-ノバルティス」(NVS/Novartis)というものもある。
それとも、ジョニーさん(ラオス株口座開設の旅)やPharmさん(タイに続く第二のフロンティア-ラオス)がやっているように、ランサン証券(Lanexang Securities)に口座を開いて、ラオス株の投資に回してみるのも面白いのかな?
去る1月10日付のCNN Japanの記事で「世界一安全な航空会社、危険な航空会社は?」というものがあった。
私も海外旅行が好きなので、こういったものは非常に興味があるのだが、昨年行ったインドネシアやミャンマーでは、もしかすると、危険な方のキャリアには乗ったことがあるのではないかと思って調べてみた。
私が乗ったのはライオンエアー(Lion Air)と、エアー・カンボーザ(Air Kanbawza)の二つ、Airline Ratings.comで調べてみると、何とライオンエアーは2つ星と大ヒット、エアー・カンボーザはレーティングに未掲載だった。
ちなみに、ミャンマーの代表的な航空会社でエアー・バガン(Air Bagan)は2つ星、エアー・マンダレー(Air Mandalay)は3つ星と、それほど安全性に信頼があるとは言えない。
しかし、一般的には 飛行機よりもバスや車の方がよほど危ないと言われている。
たぶん、このレーティングで「危険な航空会社」とされているキャリアに乗ったとしても、そうそう墜落することはないからだ。
ここ数年、私が頻繁に行くインドネシアは、そのキャリアの安全性が疑問視されているが、これは航空機の未整備というより、火山からの噴煙が原因で墜落すると言われているので、多少は差し引いて考える必要があるかもしれない。
そうは言っても墜落してしまえば、何が原因であろうが、当事者にとっては悲劇だ。
それでは乗らなければいいだろう、と言われても、インドネシアは飛行機でないと移動に時間がかかる。
バリ島(Bali Island)は別名、神々の島とも呼ばれているが、実のところ、神が味方しないと安全に旅ができないところなのかもしれない。
世界一安全な航空会社、危険な航空会社は? (2014.1.10 CNN Japan) |
(CNN) 航空会社評価サイトがまとめた世界の航空会社の安全度ランキング2013年版で、最も安全な航空会社にオーストラリアのカンタス航空が選ばれた。 全日空もトップ10にランク入りした。 ランキングは「AirlineRatings.com」がまとめたもので、世界448の航空会社について、墜落事故の記録や航空規制当局の記録を調べ、機内サービスや食事などの質も加味してランク付けした。 その結果、448中137社が満点の7つ星を獲得した。 中でもカンタス航空は、1950年代の創業以来、死亡事故を起こしていない実績が評価されてトップに選ばれた。 次いでニュージーランド航空、全日空、キャセイパシフィック航空、エミレーツ航空、エティハド航空、エバー航空、ロイヤル・ヨルダン航空、シンガポール航空、ヴァージンアトランティック航空がトップ10にランク入りしている。 一方、カザフスタンのスキャット航空、アフガニスタンのカム航空、スリナムのブルーウイング航空の3社は最低評価の1つ星だった。 3社とも、欧州連合(EU)圏内の飛行禁止航空会社に指定されている。 下から2番目の2つ星はインドネシアの航空会社が3社と、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、エリトリア、ミャンマーの航空会社が各1社だった。 英文記事:And the world's safest airline is ... (January 9, 2014) |
今回のタイ・ミャンマー旅行で頭を悩ましたものの一つにミャンマーにおけるプリペイドSIMの入手があった。
台北や香港、バンコクのように、プリペイドSIMが空港や街中で気軽に入手できるところと違って、インターネット情報を見る限り、ヤンゴンの場合はそれほど簡単に入手できるような気がしなかったし、ミャンマーの国内旅行の手配をお願いしたMyanmar Golden Garden Travels & Toursのスタッフにメールで問い合わせてもプリペイドSIMが安価に入手できるような感じではなかった。
一方で、最近ヤンゴンに行ったジョニーさんは、2013年5月25日付の「ミャンマー旅行・視察のための予備知識」の中で、「タイのSIMはローミングしない。ミャンマーの携帯SIMはUS$20くらいする。総じてインターネット環境は悪い。ヤンゴンですら相当に悪いが、地方はもっと悲惨らしい。」と書いていた。
彼の言うSIMが空港で入手できるならいいが、街中を探しまわるようだと面倒だな、と思いつつ私はヤンゴンに向けて出発した。
もっとも、ホテル内のWi-Fiだけを使ってインターネットをやるだけならSIMを入手する必要はないのだが、今回の訪問地の一つであるガパリ(Ngapali)のホテルはそういった環境にはなかったのだ。
また、ヤンゴンで日本語対応ドライバーのタクシーをチャーターするため、フェイスブックでメッセージ交換していたという事情もあった。
ヤンゴン空港の携帯電話・SIMレンタルブース (Yatanarpon Mobile Rental Services) |
スーレーパゴダ通り(Sule Pagoda Road) |
台北からバンコク経由でヤンゴン国際空港(Yangon International Airport)に到着した私は、手持ちの米ドルを200ドル分(1ドル=980チャット)両替した。
その近くには携帯電話会社(Yatanarpon Mobile Rental Services)のブースがあり、そこでSIMが入手できそうな感じだった。
しかし、iPhone 4で使うための3G SIMのレンタル(ミャンマーでは出国時に返却する)料金が5日間で何とUS$60(約6,300円)もする。
詳しい料金は、Myanmar Golden Garden Travels & Toursのスタッフブログ、2013年5月7日付の「ミャンマーのレンタル携帯」にある通りなのだが、もちろん、支払った料金すべてがデータ通信や通話に使えるわけではなく、私の実感ではUS$10相当分くらいが利用可能な部分ではないかと感じた。
ただ、このあたりの説明は全くなかったし、聞きそびれてしまったのは失敗だったと思う。
また、ここで私の冒した最大の失敗は、US$60も払えば、私の滞在日数分(5日)程度なら楽々カバーできると思ったことだ。
実際には、SIMを入れた初日に調子に乗ってヤンゴンの街中から撮った写真をフェイスブックにアップしていたら、その日の夜には残高がなくなるとの警告メッセージが送られてきて、翌日には携帯ショップでリチャージ(10,000チャット=約US$10)しないといけないハメになったからだ。
そう、ミャンマーではデータ定額制などという先進的なシステムなどないのだ。
ちなみに、スーレーパゴダ通り(Sule Pagoda Road)にある携帯ショップでは、もっと安価にSIMが入手できそうな感じもしたが、そちらの方はどなたか試してもらえると嬉しい。
それにしても、これほど早く残高がなくなるとは思っていなかった。
これならデータ通信をホテルのWi-Fiだけに限定し、外出先では単に通話するだけにすれば、日本や香港の携帯会社の国際ローミングを使えば十分に思えた。
これらのキャリアでも、ミャンマーではMM 900 (MPT/Myanmar Post Telecommunication)の表示がされたので、通話だけなら何の問題もないだろう。
もっともメールの送受信などデータ通信ができないとあるので、ビジネスユーザーには厳しいだろうが、私のような観光客は多少不便なだけだ。
通話料が高いといっても長話をしなければSIMのレンタル代を払うようより安いだろう。
ところで、地方の通信環境だが、少なくともビーチリゾートのガパリ(Ngapali)はお話にならなかった。
ヤンゴンは少なくとも画像の送受信が可能なほどであったが、ガパリ(Ngapali)はテキストメール以外の送受信は実質的に不可、少しでも画像が入ろうものなら、全くダウンロードできない状態だった。
おそらく、マンダレー(Mandalay)は都市部なのでそれほど酷くはないだろうが、バガン(Bagan)やインレー湖(Inle Lake)などの地方の観光地ではガパリ(Ngapali)と大差ないだろう。
要は通話と、せいぜいSMSが限界といったところか。
近年になって経済成長著しいミャンマーだが、今のところ、通信のインフラに関しては、ほかの東南アジア諸国には遠く及ばないだろう。
ビジネス出張で行くのでなければ、インターネットの世界からしばらく離れて旅を楽しめということなのだ。
ちなみに、こういうときの通話専用で半年前に仕入れたHello SIMなのだが、残念ながらミャンマーはカバーエリアではなかった。
いつになったら役に立つのだろうか。(爆)
ホテル予約サイトのアゴダ(agoda.jp)にアクセスすると、トップ画面に「今すぐ予約・後払い(Book Now, Pay Later)」のロゴがあるのにお気づきだろうか。
私がそれに気付いたのは、今回のタイ・ミャンマー旅行で使うホテルを予約したときだった。
これは従来の予約即クレジットカード決済というスキームでなしに、クレジットカード決済に猶予を持たせてくれるので、一時期に旅行関連の予約・決済が集中した場合に、クレジットカードの銀行引き落とし月に金欠状態に陥るのを未然に防いでくれる便利なシステムだ。
そして、どちらの決済システムを選ぼうが、agodaポリシーとして、予約保証というものがあるので、私たちは安心して旅行に出かけることができる。
まさか、この規約に書かれている「もしお客様が予約の確定をされたホテル(ホテルバ ウチャーを発行したホテル)がご利用できない場合、または到着してチェックインするときに受け入れられず、お客様のご予約された部屋タイプのお部屋がご利用できない場合には、直ちにホテルバウチャーに記載されている当社の24時間対応カスタマーサービスにお電話にてお問い合わせください。」という規定が自分に身に降りかかるとは思わないからだ。
ところが、そのまさかが私の身に降りかかった。
このホテルの予約トラブルは12月29日、クラビ(Krabi)のアオナンビーチ(Aonang Beach)界隈にあるバーン・バンダレイ・ホテル(Baan
Bandalay Hotel)にチェックインしようとしたときに起きた。
私からバウチャーを受け取ったフロントマンのウィー(Wee)は、最初こそ「いらっしゃいませ(Welcom to our hotel.)」と笑顔を振りまいていたが、パソコンを叩いているうちに顔付きが険しくなり、「いつ予約しましたか(When
did you book our hotel?)」と聞いてくる。
私は一瞬、彼が何を言っているのかわからなかった。
それはそうだろう。
ホテルのバウチャーに予約日など書いていないし、そんなことが問題になったことはかつて一度もなかったからだ。
私が彼らのダブルブッキングに対して猛然と抗議すると、ウィー(Wee)は、「今夜(29日)はここに泊まれるが、30日と31日は満室で泊まれない。但し、代わりのホテルを見つけておいて、そこに送迎してあげるから、明日(30日)は安心してツアーに行ってきたらいい。」と愛想よく言った。
30日のツアーを、バンコクを出発する前に、日系旅行社のさくらツアーで予約したのは何か虫の知らせでもあったのだろうか。
ツアーのバウチャーの件で連絡したついでに、井上さんに当地のホテル事情のことを聞いてみると、クラビ(Krabi)ではダブルブッキングがよくあるとのこと。
よくあっては困るんだが・・・よりによって宿なし危機のあるクリスマス休暇や年末年始の時期に(泣)
何となく釈然としないまま、翌日に私はツアーに出かけた。
フロントマンのウィー(Wee)は10時にならないと来ないというので、チェックアウト後の荷物は元の部屋に鍵をかけて放置した。
ツアーは1時間遅れで出発したのが災いし、帰着も午後5時を過ぎていた。
ホテルに帰ってきた私の顔を見ると、ウィー(Wee)はちょっと待って、と言い、女声で何本かどこかに電話をかけ、代わりの部屋は見つからないと抜かした。
こんなヤツを信じた私がバカだったと悟ったのはこのときだった。
このオカマ野郎(faggot)と心の中で罵った。
結局、ド繁忙期で宿なし危機下にあるにもかかわらず、あるいは、だからこそ、私の代わりのホテルを探す気など全くなかったのだ。
しかも、ヤツは20時までどこかの空き部屋でシャワーを浴びて、話はそれからだ、と言う。
バカも休み休み言って欲しいものだ。
20時になって、予定通り満室になれば、私は宿なしだし、第一、誰かが実際にキャンセルしたわけではないのだ。
私はウィー(Wee)にパソコンを貸せと言うと、その場でアゴダ(agoda)にアクセスし、クラビ(Krabii)のホテルを探した。
アオナンビーチ(Aonang Beach)界隈で、当日(30日)と翌日(31日)と連泊できるのはわずか2カ所、しかも安い方のアオナン・コージー・プレイス(Aonang Cozy Place)で1泊US$190(約2万円)もする。(普段はそれほど高くないはずだ)
私には選択の余地などなかった。
私はホテルの予約画面を見せると、今すぐ金を寄こせ、と手を出した。
ヤツは慌てふためいて、バーン・バンダレイ・ホテル(Baan Bandalay Hotel)に宿泊できなかった分の金を返すと言ったが、問い詰めると、今は現金がないので明日(31日)来て欲しいなどと言う。
それではアオナン・コージー・プレイス(Aonang Cozy Place)へ私を送れ、と言うと、送迎サービスはやってない、などと抜かす。
私は呆れて「お前はバカか(Are you stupid?)」と禁断の句を発した。
支払い証明書もどきのものを書かせることはできたが、何の法的効力もなさそうなのは火を見るより明らかだった。
そして、トゥクトゥク(tuktuk)で100バーツ(320円)とぼられながらも、新しいホテルへ着くと、チェックインするために、前のホテルで印刷させたバウチャーを出した。
オカマのウィー(Wee)は予約番号があれば大丈夫だと言ったが、そんなことを信用しなくて本当に良かった。
バウチャーでなく、iPhone 4の画面表示では信用してもらえなかったのだ。
普段ならアゴダ(agoda)から相手方にも通知されているので信用してもらえるが、今回の場合は物理的に時間がない。
そして、アオナン・コージー・プレイス(Aonang Cozy Place)ではバウチャーを見るなり、フロントマンは、またもやこう言った。
「いつ予約しましたか(When did you book our hotel?)」と・・・
今回の場合は、緊急予約なので、素直に2時間前に予約したばかりだと言った。
彼はアゴダ(agoda)に電話をかけ、クレジット決済が済んでいることを確認すると、チェックイン手続きを開始した。
一連の流れを見て、私は冷静に考えた。
もしかすると、今回のトラブルの原因はアゴダ(agoda)の後払い(pay later)システムではないか。
要は、ダブルブッキングが常態化しているクラビ(Krabi)では、ホテル予約サイトの規定云々は関係なく、現地ホテル側では、金が入ってきた順番に予約を確定させるのではないかと思えたからだ。
そうでなければ、「いつ予約しましたか(When did you book our hotel?)」という質問は何を言っているのかさっぱりわからないからだ。
ここから得られるリスク回避の方法は一つ。
クリスマス休暇から始まる年末年始、ご当地の連休期間などのホテル予約は、後払い(pay later)システムを利用しないことだ。
ところで、バーン・バンダレイ・ホテル(Baan Bandalay Hotel)に不泊となった分の返金をオカマのウィー(Wee)に期待するほど私は初(うぶ)ではない。
30日の夜にアゴダ(agoda)のカスタマーサービスにメールをし、ついでに日本語担当あてにボイス・メッセージも吹き込んだ。
31日の朝6時には反応があり、調査が開始されるとあった。
朝食を取った後、私は最後の決闘(!?)をするために、バーン・バンダレイ・ホテル(Baan Bandalay Hotel)へ向かった。
オカマのウィー(Wee)の代わりに在席していた女性スタッフは、私の顔を見るなり、口をパクパクさせながら、「アゴダ(agoda)が金を返す、アゴダ(agoda)が貴方のクレジットカードに金を返すと言っている。」と叫んだ。
最初はまた嘘をついているのかと思ったが、iPhone 4を立ち上げてメールをチェックすると、その通りになっていた。
私は心の中で喝采を送った。「Agoda, good job!」
さて、カスタマーレビューだが、今回のバーン・バンダレイ・ホテル(Baan Bandalay Hotel)は酷評させてもらう。
もちろん、記述言語は日本語でなく、英語でするつもりだ。
いつもはポイント稼ぎに活用するだけだが、今回はきっちり倍返し(double the payback)をさせてもらうからだ。
去る5日の明治神宮での初詣のとき、急に咳き込んだときに呼吸困難に陥り、危うく黄泉の国へ召されるところだった私、その日に体調が回復したように思えたのは一時的な幻想に過ぎなかった。
全国的に仕事始めだった昨日、開いたばかりの病院へ駆け込んだ私は、またもや倒れそうになり、診断の結果、医師からさらに1週間の休養を言い渡された。
MRIの結果が今日出たのだが、右の肺の下半分が真っ白になるほど炎症を起こしていて、まさしく肺炎、このシチュエーションは3年前の年末年始旅行のときにニューヨークから帰国したときとほとんど同じだった。(2011年1月14日-死線を乗り越えて)
そう、自分の海外旅行歴でも5本の指に入るトラブルは、これで3つまでが年末年始の旅行なのだ。
私はかつて海外旅行に関しては、一つのポリシーを持っていた。
「ゴールデンウイークや年末年始のような航空運賃が高くなる時期に海外渡航などする必要はない、今の職場は他の時期に休めるのだからその優位性を生かすべし。」というものだった。
ところが、そのポリシーが脆くも崩れたのは1996年の年末、このときは友人たちの都合にも合わせたというのもあるが、その代償は計り知れないほど大きかった。
それ以外に私が大みそかを跨いで旅行したのは、今回を入れてもわずか5回、そのうち3回が大きな代償を払う結果になっているのだから、誰がどう考えても、不合理な行動以外、何物でもないということになるだろう。
時期 | 渡航先 | 事件簿 |
1996年末 | オーストラリア | 渡航中に水疱瘡(chicken pox)に罹患し、ホテル軟禁状態に。 |
1997年末 | タイ・香港・マカオ | 日系メディアでほとんど報じられていなかった、香港の鳥インフルエンザ(H5N1)大流行中、罹患を避けられるも、危うく感染の危機に。(私が日系メディア離れをする契機となった。) |
2010年末 | アメリカ・メキシコ・グアテマラ | 二度の盗難、帰国後に肺炎(pneumonia)に罹患。メキシコの銀行ATMでスキミングされ、一時10万円近い損害に。 |
2011年末 | 香港・シンガポール・タイ | プーケットの無宿危機を奇跡的に救われる。 |
2013年末 | タイ・ミャンマー | クラビのホテルの予約トラブル、帰国後に肺炎(pneumonia)に罹患。 |
自分で書きだしていて思った。
もう年末年始旅行は鬼門だと、高い旅費を払った代償が病気や盗難ではやっていられない。
アメリカ・メキシコ・グアテマラ旅行のときは、高い代償を払った代わりに、貴重な友人たちに巡りあうことができたが、それでも命を失ったかもしれない危機があったことには違いない。
5回の年末年始旅行で唯一、無事に帰国し得たのは2011年末のときだけだ。
このときは、夜が寒いと言われていたタイ北部地方が半袖で歩けるほど暖かく、プーケットの無宿危機は、ムスリムのタクシードライバー、ファディラ(Fadira)さんに救われた。
夜にムスリムの女性がタクシーの呼び込みの看板を持って立っている。
救いの神か、騙しの悪魔か、と思って近づくと、彼女は前者だった。
女性、英語に堪能で、おまけに誠実、非英語圏でこんな救世主がいなければ、無事に旅ができないのなら、最初から行かない方がいい。
やはり日本人たるもの正月くらいは家にいろ、という警告なのだろう。
あるいは・・・・
現地でカウントダウンを見納めて、年末のタイ・ミャンマー旅行から帰国したのは去る2日のこと、元旦のバンコクでのトランジットのときから体調がおかしかった私は、2日の朝に自宅に着いた頃には完全におかしくなっていた。
通常の連休が残り4日あるとはいえ、当然ながらその期間は日本の医療機関も緊急対応窓口を除いてやってはいなかった。
いつも常備している解熱剤のパナドール(Panadol)と、友人から勧められてバンコクの薬局で買った嘔吐防止薬(ドンペリドン=Domperidone)でごまかしながら休み明けを待つしかなかった。
一度だけ正月休みもやっていた横浜市内の休日・夜間診療センターへ行って診てもらったものの、そうこうしているうちに体調も快方へ向かったように見えた。
今日の午前はどうしても外せない用事があり、病気が長引いたらどうしようかと思っていたが、幸いに小康状態を保っていたので、そのまま用事を済ませ、ついでに初詣に行くことにした。
いつもなら遠方であることと混雑の度合いからほとんど行くことがない明治神宮、ゆっくりと境内を歩いてお参りすると、さすがに場所柄外国人観光客らしき人も多い。
私たちが欧州の教会や、中近東のモスクに入るようなものだろうか。
それにおみくじの売り場には英語表記の窓口もあった。
英語のおみくじが出てくるのかと少し期待したが、そんなことはなかったようだ。(笑)
内容は、今年のおおまかな運勢ではなく、詩(うた=poem)になっている。
だから英語の看板もFortune-telling(運勢判断)でなく、Poem Drawing(詩のくじ引き)というわけなのだ。
ちなみに私の詩の裏面には、「およそ人の一生には、個人の上でも、社会の上でも、思いがけぬ事件が、大小となく起こるものです。そんな時、うろたえさわぐようでは駄目です。日頃から常に泰然自若として、不動の心を養いましょう。」とあった。
今の年末年始からの一連のトラブルは、故明治天皇陛下が天から私を鍛えてくださっているのだろうか。
そんなわけないだろう。
とりあえず、「大御心」と書かれたおみくじは自分で保管しろということなので、自宅に飾っておいたら、どんな結果がでるか楽しみである。